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怪しげなキャンドルが並ぶその場所ー


神父のような男が十字架を手に持って、集まった若い女性たちに告げるー


「我々は、神様によって作られました

 神が、我々に生を与えてくださったのです」


女性たちは真剣な表情で、神父の話を聞いている。


「我々は、感謝しなければなりません。

 我々を生んでくださった神にー」


神父は自愛の笑みを浮かべるー


宗教団体”ヘヴン”-。

最近出現した謎の宗教団体だ。

女性を中心に、信者を増やしつつあるこの団体はー

”怪しげな洗脳術”を使っていたー。


「---そして、私こそが、神の化身です

 私の中に、我々を生んでくださった神様が

 いらっしゃいます」

神父の男が言う。


「--さぁ、神様にすべてをお見せするのです」

神父が両手を広げて、信者の女性たちを見つめる。


「神様を前に、本来の自分を隠したまま、というのは

 大変無礼なことです。


 さぁ、皆さん。

 洋服という名の無礼者を脱ぎ捨て、

 本当の自分を解放しなさいー」


神父の言葉に、

若い女性たちは躊躇なく、着ていた

洋服を引きちぎるようにして脱ぎ捨てていくー


安い服を着ている女性も

ブランドものを着ている女性も

躊躇することなくー


信者たちが全員裸になったのを確認すると

神父は頷いた。


「---生まれたままの姿を

 神様にちゃんとお見せしなさい」


満足そうに微笑む神父。


”ちゃんとお見せしなさい”と言われた女性たちが

エッチなポーズを決めて身体を見せつけていくー


”くくく…そうだ、それでいい

 女体は俺のものだー”


神父の男は、満足そうに、

ポーズを決める女性たちを見つめたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「--おかえりなさい~!」


若い仲良し夫婦ー。


妻の葛西 和美(かさい かずみ)は、

夫の葛西 辰吉(かさい たつよし)を

出迎える。


「あぁ、ただいま」

同じ大学の出身で、大学卒業後に結婚、

まだ27歳の、若い夫婦だー。


ふたりは大学時代から

とても仲良しで、喧嘩もしたことがないほどー。


昨年、長女の亜寿佐(あずさ)も生まれて

幸せな日々を送っていた。


「お~!亜寿佐ただいま~!」

まだ赤ん坊の亜寿佐を見つめてほほ笑む辰吉。


仕事は忙しいし、簡単なものではない。

けれどー

妻の和美と娘の亜寿佐がいれば、

そんな疲れも吹き飛んでしまう。


辰吉は、嬉しそうに亜寿佐の手を握ったり

構ったりしている。


そんな光景を微笑ましく見つめる和美。


和美が晩御飯の用意を終えて

辰吉を呼ぶー。


笑顔の絶えない家庭ー

それは、この先も続くはずだったー。


しかしー


・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


「行ってきます」

「行ってらっしゃい」


いつものように、辰吉が出かけていくー。


家の掃除機をかけ終えて

和美が少しのんびりしているその時だった。


♪~~~~


インターホンが鳴る。


和美が出ていくと、

近所に住む一人暮らしのOLが

そこに立っていた。


「あ、坂本さん、どうも」

和美が頭を下げる。


近所に住むOL・坂本 水穂(さかもと みずほ)とは、

親しく、よく家に遊びに来たりもしている。


「--今日は和美さんに見せたいものがあってー」

水穂がチラシを和美に手渡す。


”神があなたを救います”


そのチラシはー

宗教団体”ヘヴン”のチラシだった。


「---明日集会があるんだけど、

 和美さんも一緒に来ない?」


水穂の言葉に、

和美は「え?私は宗教とか、そういうのはちょっと」と

苦笑いするー。


水穂が宗教にはまっているなんて

今まで聞いたことがなかったが、

こういうチラシを持ってくるということは

水穂は、ここの信者なのだろうか。


「あぁ、ううん、急にごめんね。

 ちょっと怪しく見えるけどね、

 宗教とかそういうのじゃなくて、

 ちゃんとした集まりだから。」


水穂が言う。


「それにホラ、入信するとかそういうのも

 ないし、お金もかからないし、

 会員登録とかも何もないから安心して!

 本当に話を聞いたりするだけだから!」


熱心に言う水穂。


「え~…」

和美は、水穂と多少親しいことや

ご近所であることから、断り切れずに

苦笑いするー。


「---ほら!和美さんも今より

 もっときれいになれるかもよ!?

 旦那さんも喜ぶだろうし!」


「--でも…子供がいるし~」

和美が家の中を見つめながら言う。


1歳の子供を置いていくわけにはいかない。


「---う~ん…そっか。

 ごめんね…」

水穂は、残念そうに言う。


「ううん。私こそごめんね。

 また機会があったら」

そう言って、和美は玄関の扉を閉めたー


・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


今日は夫の辰吉は

休みだったー


ふたりで雑談しながら

亜寿佐の世話をしたり、

可愛がったりー

幸せな日々を過ごすー


そこにー


♪~~~


隣人の水穂がやってきた。


「--ねぇねぇ、今からどう?」

水穂が言う。


「え?何を?」

和美が言うと、

水穂がヘヴンのチラシを取り出した。


「あ…だから昨日言ったケド…

子供がーー」


困った様子で断ろうとする和美。


「ん?あぁ、坂本さんとお出かけ?

 亜寿佐は俺が見とくから大丈夫だよ」


夫の辰吉が、家の中からそう声をかけてきた。


「え…あ、、、」

和美は”気持ちはうれしいけど、

今はそういうのいらなかったのに~”と

内心でトホホな気分になる。


「ふふ、決まりね」

水穂がほほ笑んだー


「--じゃ、、じゃあ…少しだけ」

和美は、

宗教っぽい話をすると

辰吉が心配すると考えて

”食事”に行ってくると、

そう伝えたー


水穂に案内されてやってきたのはー

宗教団体ヘヴンのアジトー。


~~~~~~♪


和美は気づいていないー

いやー

水穂も気づいていないー


”人間にはギリギリ聞き取れないレベルの

 超高音”が会場内に流れていることをー


宗教団体・ヘヴンが開発した

”特殊洗脳音波”だー。


集会の会場に入ると、

そこには若い女性たち10人程度が

既にやってきていたー


「さ…ここに座って」

水穂が言う。


「--坂本さんって、こういうの興味ないと

 思ってたけど」

和美が言うと、

水穂は目を輝かせながら言った。


「わたしもそう思ってたんだけどね

 ヘヴンはほんっとうにすごいの!」


水穂の言葉に

和美は、少しだけ不安になりながら

「ふ、、ふ~ん」と返事をしたー


館内にいかにも宗教っぽい

メロディが響き渡る。


そしてー

壇上に神父のような格好をした男が現れるー


「皆さん。かみようございます」


ー!?


「かみようございます」


変な挨拶をする神父と信者たち。


水穂も嬉しそうに挨拶をしている。


「--な、なに、?かみようございますって?」

小声で和美が聞くと、

「ふふ、神様にする挨拶よ」

と水穂が目を輝かせながら答えた。


「ーーさぁ、まずは祈りましょう」

神父が両手で祈るポーズを作る。


水穂も、他の信者も祈るポーズを作る。


和美は困った感じで周囲をキョロキョロしてから

同じポーズを作ったー


「さぁ、伝えるのです。

 皆さんの感謝の気持ちを」


「さぁ、感じるのです

 神からの祝福をー」


神父の男が呟くー


まるで、飲み込まれてしまいそうなー

不思議な力を持つ口調だったー


「---」

和美は、いつの間にか

神様に対して感謝の気持ちを伝えることに夢中になっていたー


やがて、祈る時間が終わる。


「どうだった?和美さん」

水穂が言う。


「--え?あ、、な、なんだか、

 すっごく新鮮な気持ち」


和美の目が震えているー


ーーーーーーー♪


会場には、モスキート音をヒントに

生み出された特殊な音が流れ続けているー


洗脳音波により、

参加者は少しずつ蝕まれているー


隣人の水穂は既にー

完全に洗脳されているー。

宗教団体・ヘヴンに。


「さぁ、今日は神様が私の手に宿りました」

神父の男が左手を上げる。


「--ゴッド・ハンド」

神父がそう叫ぶとニヤリと笑みを浮かべた。


「---ゴッドハンド!」

信者たちが一斉にそう叫んだ。


「--ふぇっ!?」


和美は思わず周囲を不安そうに見つめるー


”絶対やばい宗教だよこれ…

 帰りたい…”


和美はそう思った。


帰りたい、というよりもう二度と来たくないー


神父の男の左腕が震えだす。


震えているー

というより、自分で振ってる感じだ。


「お、、、おおおおおおおおおお!

 力が、力がみなぎるぅ~~~~~!」


神父の男が明らかに臭い演技をすると、

信者のほうを見つめた。


「さぁ、今日も神様が皆さんに

 ゴッドパワーを注入してくださいます」


左手を指さしながら神父が言う。


すると、水穂や信者たちは

「ありがとうございます!」と嬉しそうに叫んだ。


そして、一人の女性が立ち上がる。

まだ若いー

女子大生だろうか。


女子大生は壇上に上がっていくと、

躊躇なく胸を出した。


「---へっ!?」

和美は驚いてしまう。


すると、

神父の男が叫んだ。


「うおおおおおおーーー

 ゴッドパワー注入ぅぅぅぅぅぅぅぅ!」


叫んだ神父が、女子大生風の女性の

胸を左手でわしづかみにしたー


そして、

「もみもみもみもみもみもみもみもみ」と

叫んだー


その顔は、

完全にエロおやじそのものだったー


「--ちょ、、な、、なにこれ…」

和美が言うー


だが、水穂は目を輝かせながらその光景を見ているー


「---…」

和美は唖然とした。


”やばい”

そう思ったー


「---ふぅぅぅぅぅぅ~」

神父の男が胸を揉み終えると、

左手をペロリと舐めた。


そしてー

「神様!ありがとうございます」

女子大生らしき女が嬉しそうにそう叫び、

服を整えて、壇上から降りるー


順番に、それを繰り返していくー


そして、水穂もー

躊躇なく胸を出して

神父にもまれているー


「---…さぁ、次」

神父の男が言う。


和美は壇上へと上がるー


「--あ、、、あの…わたしは…」

和美は、困り果てながら言う。


「---!」

和美が振り返る。


すると、水穂を含めた信者たちが

和美を睨んでいたー


「---神様からの贈り物を拒むと?」

神父の男が言う。


「--あ、、あの、、こんなこと言いたくないのですケド…

 そうやって…女性の胸を触って…

 これって…おかしくないですか?」


和美は勇気を振り絞ってそう口にする。


だがー

「おや?私が変態だと?

 そう言いたいのですか?」


「---あ、、い、、いえ、、、あの…」

和美が狼狽えていると

神父は、自分の左手を指さして呟いた。


「この手には神様が宿っているのです。」


「---ゴッドハンド!」

信者と神父が一斉に叫ぶ。


和美は怖くなって、何も言えなくなってしまうー


「まぁ、いいでしょう」

神父の男はそう言うと、

和美の服の上から胸を触り始める。


和美は泣きながら、

耐えたー


そして、壇上から降りるー


その後も変な話を聞かされてーー

ようやく解散となったー


「---ためになったでしょ~?」

水穂が言う。


「----ごめんなさい。」

和美はそれだけ言うと、

足早に逃げるようにして立ち去ってしまうー


怖いー

怖いーー…

怖い…


和美は宗教団体ヘヴンにー

そして近所の隣人・水穂に恐怖を感じながら帰宅したー


「---おかえり」

夫の辰吉が笑う。


「た、、ただいま」

和美は、夫には言わなかったー


辰吉を余計に心配させてしまうからだー。

次、水穂に誘われたらうまく断ろうー。

そう、思いながらー


だがーーー

和美は気づいていない。

既に、宗教団体の放っていた

洗脳音波で、洗脳が始まっていることをー。


翌日ー

再び水穂はやってきた。


水穂が、ヘヴンの集会に誘ってくるー


「---うん」

和美はーーー

無意識のうちにそう答えていたー


ヘヴンの集会にーー

行かなくちゃーー


そんな気がした。


1歳の亜寿佐を一人、置いたままにして

和美は、水穂と共に出かけていくー


・・・・・・・・・・・・・・・


「くくくくくく…」

神父の男は笑みを浮かべるー


彼は、神父でもなんでもないー。


ただの、変態だー。


1日1万回ー

人を洗脳するイメージを頭の中に描いたー


それを、10年もの間、続けたー


そして、その狂気が、

彼に道を示したー


”洗脳音波”を生み出すことに成功してしまったのだー。


今日も、

信者が集まってきたー


神父の男は不気味な笑みを浮かべながら

信者たちの前に立ったー



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


今日はMCモノでした~!


長編憑依モノを少し前から始めましたが

ひとつの作品を続けて更新すると

他のジャンルを読みたい~!という皆様も

いると思いますし、長編憑依より別作品がいい~!という

皆様もいると思うので

バランスを取りながら書いていきたいと思います~☆!

(早く続きを~…という皆様もいると思うので

 全員が100%満足…!は難しいですケド…汗)


今日もありがとうございましたー!


変態神父のお話の続きは

明日か、明後日に!


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