<MC>神の誘惑①~神父~ (Pixiv Fanbox)
Content
怪しげなキャンドルが並ぶその場所ー
神父のような男が十字架を手に持って、集まった若い女性たちに告げるー
「我々は、神様によって作られました
神が、我々に生を与えてくださったのです」
女性たちは真剣な表情で、神父の話を聞いている。
「我々は、感謝しなければなりません。
我々を生んでくださった神にー」
神父は自愛の笑みを浮かべるー
宗教団体”ヘヴン”-。
最近出現した謎の宗教団体だ。
女性を中心に、信者を増やしつつあるこの団体はー
”怪しげな洗脳術”を使っていたー。
「---そして、私こそが、神の化身です
私の中に、我々を生んでくださった神様が
いらっしゃいます」
神父の男が言う。
「--さぁ、神様にすべてをお見せするのです」
神父が両手を広げて、信者の女性たちを見つめる。
「神様を前に、本来の自分を隠したまま、というのは
大変無礼なことです。
さぁ、皆さん。
洋服という名の無礼者を脱ぎ捨て、
本当の自分を解放しなさいー」
神父の言葉に、
若い女性たちは躊躇なく、着ていた
洋服を引きちぎるようにして脱ぎ捨てていくー
安い服を着ている女性も
ブランドものを着ている女性も
躊躇することなくー
信者たちが全員裸になったのを確認すると
神父は頷いた。
「---生まれたままの姿を
神様にちゃんとお見せしなさい」
満足そうに微笑む神父。
”ちゃんとお見せしなさい”と言われた女性たちが
エッチなポーズを決めて身体を見せつけていくー
”くくく…そうだ、それでいい
女体は俺のものだー”
神父の男は、満足そうに、
ポーズを決める女性たちを見つめたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「--おかえりなさい~!」
若い仲良し夫婦ー。
妻の葛西 和美(かさい かずみ)は、
夫の葛西 辰吉(かさい たつよし)を
出迎える。
「あぁ、ただいま」
同じ大学の出身で、大学卒業後に結婚、
まだ27歳の、若い夫婦だー。
ふたりは大学時代から
とても仲良しで、喧嘩もしたことがないほどー。
昨年、長女の亜寿佐(あずさ)も生まれて
幸せな日々を送っていた。
「お~!亜寿佐ただいま~!」
まだ赤ん坊の亜寿佐を見つめてほほ笑む辰吉。
仕事は忙しいし、簡単なものではない。
けれどー
妻の和美と娘の亜寿佐がいれば、
そんな疲れも吹き飛んでしまう。
辰吉は、嬉しそうに亜寿佐の手を握ったり
構ったりしている。
そんな光景を微笑ましく見つめる和美。
和美が晩御飯の用意を終えて
辰吉を呼ぶー。
笑顔の絶えない家庭ー
それは、この先も続くはずだったー。
しかしー
・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
いつものように、辰吉が出かけていくー。
家の掃除機をかけ終えて
和美が少しのんびりしているその時だった。
♪~~~~
インターホンが鳴る。
和美が出ていくと、
近所に住む一人暮らしのOLが
そこに立っていた。
「あ、坂本さん、どうも」
和美が頭を下げる。
近所に住むOL・坂本 水穂(さかもと みずほ)とは、
親しく、よく家に遊びに来たりもしている。
「--今日は和美さんに見せたいものがあってー」
水穂がチラシを和美に手渡す。
”神があなたを救います”
そのチラシはー
宗教団体”ヘヴン”のチラシだった。
「---明日集会があるんだけど、
和美さんも一緒に来ない?」
水穂の言葉に、
和美は「え?私は宗教とか、そういうのはちょっと」と
苦笑いするー。
水穂が宗教にはまっているなんて
今まで聞いたことがなかったが、
こういうチラシを持ってくるということは
水穂は、ここの信者なのだろうか。
「あぁ、ううん、急にごめんね。
ちょっと怪しく見えるけどね、
宗教とかそういうのじゃなくて、
ちゃんとした集まりだから。」
水穂が言う。
「それにホラ、入信するとかそういうのも
ないし、お金もかからないし、
会員登録とかも何もないから安心して!
本当に話を聞いたりするだけだから!」
熱心に言う水穂。
「え~…」
和美は、水穂と多少親しいことや
ご近所であることから、断り切れずに
苦笑いするー。
「---ほら!和美さんも今より
もっときれいになれるかもよ!?
旦那さんも喜ぶだろうし!」
「--でも…子供がいるし~」
和美が家の中を見つめながら言う。
1歳の子供を置いていくわけにはいかない。
「---う~ん…そっか。
ごめんね…」
水穂は、残念そうに言う。
「ううん。私こそごめんね。
また機会があったら」
そう言って、和美は玄関の扉を閉めたー
・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
今日は夫の辰吉は
休みだったー
ふたりで雑談しながら
亜寿佐の世話をしたり、
可愛がったりー
幸せな日々を過ごすー
そこにー
♪~~~
隣人の水穂がやってきた。
「--ねぇねぇ、今からどう?」
水穂が言う。
「え?何を?」
和美が言うと、
水穂がヘヴンのチラシを取り出した。
「あ…だから昨日言ったケド…
子供がーー」
困った様子で断ろうとする和美。
「ん?あぁ、坂本さんとお出かけ?
亜寿佐は俺が見とくから大丈夫だよ」
夫の辰吉が、家の中からそう声をかけてきた。
「え…あ、、、」
和美は”気持ちはうれしいけど、
今はそういうのいらなかったのに~”と
内心でトホホな気分になる。
「ふふ、決まりね」
水穂がほほ笑んだー
「--じゃ、、じゃあ…少しだけ」
和美は、
宗教っぽい話をすると
辰吉が心配すると考えて
”食事”に行ってくると、
そう伝えたー
水穂に案内されてやってきたのはー
宗教団体ヘヴンのアジトー。
~~~~~~♪
和美は気づいていないー
いやー
水穂も気づいていないー
”人間にはギリギリ聞き取れないレベルの
超高音”が会場内に流れていることをー
宗教団体・ヘヴンが開発した
”特殊洗脳音波”だー。
集会の会場に入ると、
そこには若い女性たち10人程度が
既にやってきていたー
「さ…ここに座って」
水穂が言う。
「--坂本さんって、こういうの興味ないと
思ってたけど」
和美が言うと、
水穂は目を輝かせながら言った。
「わたしもそう思ってたんだけどね
ヘヴンはほんっとうにすごいの!」
水穂の言葉に
和美は、少しだけ不安になりながら
「ふ、、ふ~ん」と返事をしたー
館内にいかにも宗教っぽい
メロディが響き渡る。
そしてー
壇上に神父のような格好をした男が現れるー
「皆さん。かみようございます」
ー!?
「かみようございます」
変な挨拶をする神父と信者たち。
水穂も嬉しそうに挨拶をしている。
「--な、なに、?かみようございますって?」
小声で和美が聞くと、
「ふふ、神様にする挨拶よ」
と水穂が目を輝かせながら答えた。
「ーーさぁ、まずは祈りましょう」
神父が両手で祈るポーズを作る。
水穂も、他の信者も祈るポーズを作る。
和美は困った感じで周囲をキョロキョロしてから
同じポーズを作ったー
「さぁ、伝えるのです。
皆さんの感謝の気持ちを」
「さぁ、感じるのです
神からの祝福をー」
神父の男が呟くー
まるで、飲み込まれてしまいそうなー
不思議な力を持つ口調だったー
「---」
和美は、いつの間にか
神様に対して感謝の気持ちを伝えることに夢中になっていたー
やがて、祈る時間が終わる。
「どうだった?和美さん」
水穂が言う。
「--え?あ、、な、なんだか、
すっごく新鮮な気持ち」
和美の目が震えているー
ーーーーーーー♪
会場には、モスキート音をヒントに
生み出された特殊な音が流れ続けているー
洗脳音波により、
参加者は少しずつ蝕まれているー
隣人の水穂は既にー
完全に洗脳されているー。
宗教団体・ヘヴンに。
「さぁ、今日は神様が私の手に宿りました」
神父の男が左手を上げる。
「--ゴッド・ハンド」
神父がそう叫ぶとニヤリと笑みを浮かべた。
「---ゴッドハンド!」
信者たちが一斉にそう叫んだ。
「--ふぇっ!?」
和美は思わず周囲を不安そうに見つめるー
”絶対やばい宗教だよこれ…
帰りたい…”
和美はそう思った。
帰りたい、というよりもう二度と来たくないー
神父の男の左腕が震えだす。
震えているー
というより、自分で振ってる感じだ。
「お、、、おおおおおおおおおお!
力が、力がみなぎるぅ~~~~~!」
神父の男が明らかに臭い演技をすると、
信者のほうを見つめた。
「さぁ、今日も神様が皆さんに
ゴッドパワーを注入してくださいます」
左手を指さしながら神父が言う。
すると、水穂や信者たちは
「ありがとうございます!」と嬉しそうに叫んだ。
そして、一人の女性が立ち上がる。
まだ若いー
女子大生だろうか。
女子大生は壇上に上がっていくと、
躊躇なく胸を出した。
「---へっ!?」
和美は驚いてしまう。
すると、
神父の男が叫んだ。
「うおおおおおおーーー
ゴッドパワー注入ぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
叫んだ神父が、女子大生風の女性の
胸を左手でわしづかみにしたー
そして、
「もみもみもみもみもみもみもみもみ」と
叫んだー
その顔は、
完全にエロおやじそのものだったー
「--ちょ、、な、、なにこれ…」
和美が言うー
だが、水穂は目を輝かせながらその光景を見ているー
「---…」
和美は唖然とした。
”やばい”
そう思ったー
「---ふぅぅぅぅぅぅ~」
神父の男が胸を揉み終えると、
左手をペロリと舐めた。
そしてー
「神様!ありがとうございます」
女子大生らしき女が嬉しそうにそう叫び、
服を整えて、壇上から降りるー
順番に、それを繰り返していくー
そして、水穂もー
躊躇なく胸を出して
神父にもまれているー
「---…さぁ、次」
神父の男が言う。
和美は壇上へと上がるー
「--あ、、、あの…わたしは…」
和美は、困り果てながら言う。
「---!」
和美が振り返る。
すると、水穂を含めた信者たちが
和美を睨んでいたー
「---神様からの贈り物を拒むと?」
神父の男が言う。
「--あ、、あの、、こんなこと言いたくないのですケド…
そうやって…女性の胸を触って…
これって…おかしくないですか?」
和美は勇気を振り絞ってそう口にする。
だがー
「おや?私が変態だと?
そう言いたいのですか?」
「---あ、、い、、いえ、、、あの…」
和美が狼狽えていると
神父は、自分の左手を指さして呟いた。
「この手には神様が宿っているのです。」
「---ゴッドハンド!」
信者と神父が一斉に叫ぶ。
和美は怖くなって、何も言えなくなってしまうー
「まぁ、いいでしょう」
神父の男はそう言うと、
和美の服の上から胸を触り始める。
和美は泣きながら、
耐えたー
そして、壇上から降りるー
その後も変な話を聞かされてーー
ようやく解散となったー
「---ためになったでしょ~?」
水穂が言う。
「----ごめんなさい。」
和美はそれだけ言うと、
足早に逃げるようにして立ち去ってしまうー
怖いー
怖いーー…
怖い…
和美は宗教団体ヘヴンにー
そして近所の隣人・水穂に恐怖を感じながら帰宅したー
「---おかえり」
夫の辰吉が笑う。
「た、、ただいま」
和美は、夫には言わなかったー
辰吉を余計に心配させてしまうからだー。
次、水穂に誘われたらうまく断ろうー。
そう、思いながらー
だがーーー
和美は気づいていない。
既に、宗教団体の放っていた
洗脳音波で、洗脳が始まっていることをー。
翌日ー
再び水穂はやってきた。
水穂が、ヘヴンの集会に誘ってくるー
「---うん」
和美はーーー
無意識のうちにそう答えていたー
ヘヴンの集会にーー
行かなくちゃーー
そんな気がした。
1歳の亜寿佐を一人、置いたままにして
和美は、水穂と共に出かけていくー
・・・・・・・・・・・・・・・
「くくくくくく…」
神父の男は笑みを浮かべるー
彼は、神父でもなんでもないー。
ただの、変態だー。
1日1万回ー
人を洗脳するイメージを頭の中に描いたー
それを、10年もの間、続けたー
そして、その狂気が、
彼に道を示したー
”洗脳音波”を生み出すことに成功してしまったのだー。
今日も、
信者が集まってきたー
神父の男は不気味な笑みを浮かべながら
信者たちの前に立ったー
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
今日はMCモノでした~!
長編憑依モノを少し前から始めましたが
ひとつの作品を続けて更新すると
他のジャンルを読みたい~!という皆様も
いると思いますし、長編憑依より別作品がいい~!という
皆様もいると思うので
バランスを取りながら書いていきたいと思います~☆!
(早く続きを~…という皆様もいると思うので
全員が100%満足…!は難しいですケド…汗)
今日もありがとうございましたー!
変態神父のお話の続きは
明日か、明後日に!