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「--ーねぇ!これ、わたしの思ってたものと違うんだけど!」

声を荒げる理沙ー。


理沙と付き合い始めてから、義信は、次第に

理沙の本性に気づき始めるー。


理沙がだんだん恐ろしくなってくるー。


デートの最中ー

理沙は、お店の店員に向かって声を荒げたー。

店員を泣かせる勢いでー、理沙は

激しい口調で怒りをあらわにしていた。


義信と理沙の間で次第にすれ違いが生まれていくー。


「----最近、どうしてわたしを避けるの?」

理沙も、そのことに気づくー。

義信から距離を置かれ始めていることにー。


理沙は、なんとかして、義信の心をつなぎとめようとするー。


けれどー

義信の気持ちをつなぎとめようとすれば、

するほど、義信の心は、理沙から離れて行くー。


義信は、理沙の激しすぎる束縛に疲れ果て始めていたのだ。


「わたしを置いていかないで…」

理沙は義信の写真を見つめながら呟くー。


部屋の隅には、両親と一緒に写る理沙の写真が

飾られているー。


”行かないで…!お父さん!行かないで…”


理沙の父親は、理沙がまだ小学生のころ、

理沙を置いて出て行ったー。


どんなに叫んでもー

父親は振り返ってはくれなかった。

理沙をおいて、

そのまま、大好きだった父親は去って行ったー。


父は、浮気したのだー。

浮気相手のところに、去って行ったー。


”泥棒猫”に父を奪われたー


父を奪われた悲しみとショックがー

理沙を執念深い女に変えたー。


母はー

理沙が高校生の頃に死んだ-。

病気ー。


理沙は、母親一人だけになってからー

自分を女手一人で育ててくれた

母親に親孝行することを夢見て、

日々努力してきたー


けれどー

その心の支えすら理沙は失ったー


「-----」

理沙の心の中にぽっかりと穴が開いたー。


自分の周りから、

どんどん、どんどん、大切な人がいなくなっていくー…。


「----ごめん」


義信に別れを告げられた日ー

理沙は、父親に捨てられた日のことを思い出したー。


”また、わたしは置いていかれる・・”


その日の夕方ー

理沙は、自分の部屋で暴れまわっていた。


「どうして…?どうしてみんなわたしを置いていくの…?」

歯を食いしばる理沙。


怒りの形相で、写真を見つめるー。


今度は、負けないー

今度は絶対に、負けないー


あの時、お父さんを止められなかったのは

わたしが弱かったからー

でも、今は違うー。

大事なものを手放したくないー。


もう、わたしは大事なモノを失いたくないー


そんな中ー

理沙は、義信に新しい彼女・優奈ができたことを知るー。


「---泥棒猫…

 泥棒猫…!」


理沙は何度も何度も優奈の写真を

ぐしゃぐしゃに丸めては

泣き叫びながら踏みつぶすー。


お父さんもー

彼氏もー


他の女に奪われたー。

許せない…

絶対に、許せないー。


「--わたしを、置いていかないで…」

理沙は、嘆願するようにそう呟くと、

目から涙をこぼしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


現在ー。

理沙は、義信の新しい彼女・優奈に憑依したー。


優奈は、理沙と義信が別れてから

義信と付き合い始めた子で、

略奪でもなんでもない。理沙の逆恨みー。


そして、

憑依された優奈と義信は、

デートを続けていたー。


義信は、

優奈と手近なファミレスで昼食をとることにした。


「…あ、これとこれ食べた~い!」

優奈がねだるようにして義信を見る。


優奈はどちらかと言うと、いつも遠慮していて、

義信の方が申し訳なくなってしまうぐらいだったー。


前の彼女の理沙とは大違いだ。


だが、今日の優奈は違う。

義信に上目遣いをし、甘い声を出し、

義信におねだりをしている


「ねぇ…優奈のお・ね・が・い!」

近くでそうささやかれて義信はドキッとした


「ハハ、いいよいいよ、頼んでいいよ」

義信が言うと、

やったー!ありがとう!と言って、

優奈はちょっと高いメニューを注文した。


どうして急にこんなに積極的になったのだろう。

そしてさっきの映画館でのあの怒りようは?


優奈が、優奈じゃないみたいだーー

まるで、、理沙みたいだー。


元カノの理沙と優奈が重なって見えた-


義信は、首を振るー。

理沙とはもう別れた。


理沙と優奈は別人だ。

理沙のあまりにも激しい束縛が、

今でもトラウマになっているのかもしれない。


「…どうしたの?」

義信が怖い顔をして優奈を見ていると、不思議そうな顔で

優奈が尋ねてきた。


「いや・・・」


そういえば…

あの顔の打撲は…??

理沙に何かされたのか!?


「…優奈、、お前・・・理沙に何かされたのか?」

義信はそう問いかけた。

今日の優奈は妙だー。

”無理をして元気を振りまいているー”

そんな感じにも見えるー


”無理をして、いつもの優奈として振舞おうとしている”

そんな風にも見える。


義信がそう問いかけると、優奈は笑った


「理沙?別に何も。

 よく考えたらあの子も可愛いし、良い人だから

 私に何かしたりなんてしないよ!」


昨日まで理沙の事を不気味がっていた

優奈が意外な事を口走った


「義信もさ、もう少し理沙さんのこと、

 大切に思ってあげたら?」


優奈が諭すように言う。


おかしい。

絶対に。


優奈のところに、理沙が現れて、

何かを吹き込んだのかもしれないー


”あなたは、永遠にわたしのものー

 だから、あなたも、わたしを捨てないでねー”


ある日のデートの時に理沙に言われた言葉を

思い出すー

理沙は今もー…?


「なぁ、理沙に何かされたんだろ?

 相談してみろよ。

 俺が必ず優奈を守るからーー。


 あんな女の好きにはさせないからー」


俺は力強く言い放った。


理沙が優奈に何かしているのであれば

義信は全力で優奈を守る。

その決意をしてーー


「あんな女…?」

優奈が舌打ちをした


「え…?」

義信はあっけにとられた。

優奈が舌打ちをしなかったかーー?


「バッカじゃないの。

 そういうの、私、嫌いなんだよね。


 あんな女?理沙さんのことを

 そんな風に言うんだ?

 へ~~~…

 なんか、すっごく不愉快」

優奈が義信を睨みつける


「…な、何だよ…どうしたんだよ」


わけが分からない。

何で優奈が怒りだすんだ?


生理中か何かでイライラしているのか?

それとも何かほかに嫌なことでもあったのか?


義信は混乱した。

優奈がイライラした様子で指をトントン机の上で動かしている。


「---」

優奈は激しい怒りを感じていたー


いやー優奈に憑依している理沙が

怒っているのだ。

自分の悪口を言われたことに腹を立てているー。


理沙に完全に支配されている優奈の身体は

全身が火照るぐらいに、激しい怒りを感じているー。


「お待たせいたしました」

店員が料理を運んできた。


しかし、店員は優奈が注文したものを

間違えていた


「ちょっと!私、これ頼んでないし!」

優奈が攻撃的に言う。

明らかに怒りをぶちまけている。


「ねぇ、おなかすいたんだけど!!!

 早くちゃんとしたの持ってきなさいよ!」


「おい、優奈ー」

義信が慌てて優奈を止めようとしている。


店員は平謝りだ。


「こんなこともできないなんて、

 あんた何なの?

 お客さんのこと、舐めてんの!?」


優奈が机をどんどん叩きながら

喚き散らすー


優奈にそう言われた女性店員は

目に涙を浮かべながら

平謝りしている。


「--も、もういいから」

義信は優奈を止める。


そして、義信は店員に何度も謝るー。


店員も申し訳なさそうに

慌ててキッチンの方に戻っていった。


「おい、優奈ーー

 言い過ぎだよ」


義信が諭すと、優奈がこちらを睨んだ


「どうして?

 あの女がいけないんでしょ!」


優奈はそう言うと乱暴に水を飲んだ。

腕を組んで、とても不機嫌な様子だ


どうしたんだ一体??


理沙に何かされたのかと思ったが違うようだし、

何でこんなに不機嫌なんだ??


それに・・・彼女の服装にも違和感がある。


こんな、派手な子だったか?


前にクレームをつけてる別の客を見て

「ああいうの、嫌だな…」って

言ってなかったか?


「…何?」

優奈は義信の視線を感じたのか不機嫌そうに言い放った


「--ーねぇ!これ、わたしの思ってたものと違うんだけど!」


元カノ・理沙も

同じように店員にクレームをつけていたことを思い出す義信ー。

義信は、不機嫌な優奈のほうを不安そうに

見つめるのだったー。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


食事を終えたふたりはファミレスから出た。

食事中になんとか優奈の機嫌ももとに戻ったようだ。


「次は、ショッピングだったっけ?」

義信が訪ねると優奈がほほ笑んでコチラを見た


「ねぇ…ショッピングより、ホテル行こ…?」

優奈が甘い声で誘惑する


「あ・・・?なんだって?」

義信は信じられなかった。


優奈はそういう行為に対して敏感で、

恐怖心があると言っていた。


だから義信も優奈の事は大事だったし、

求めたりせず、二人の時間を大切にした。


なのに、自分から義信を誘っているのか?


「ねぇ、、、私が欲しくないの?」

優奈が言う。わざと義信に密着してくる。

完全に誘っている


「…な、、何だよ急に…

 どうしたんだよ?」


義信は別にイヤではないのだが、

優奈のこの変わりようは?ー、と

不安に思うー。


「わたし、義信が好きでたまらないの!

 義信の為なら、わたしの全部をささげてもいい!」


優奈が言う


「ねぇ…行こ、、、!

 お願い、”前も”できなかったし、今度こそー」


優奈は興奮した様子で言うー


「おい、やめろ・・・他の人が見てるから」


義信は、優奈を落ち着かせると、

他の場所へと移動するー。


その最中ー

ふとビルのモニターに流れているニュースが目に入った。


”女子大生 トイレで変死”


「・・・・・・」

義信は、なんとなく呆然とそのモニターを見つめる。


だがー

次の瞬間、義信は表情を変えたー


そこには、よく知る名前が表示されていた


”坂野 理沙”


トイレの変死体として、表示された名前はー

ーーー元カノの名前だった。



④へ続く


・・・・・・・・・・・・・


コメント


原作では、元カノ・理沙の過去は一切

描いていなかったのですが、今回は狂気の元カノ側にも

過去を付け足してみました~!

その後のデートシーンにもいろいろな変更を加えてあります★!


このあとも、原作とは異なる展開を用意してますので

ぜひお楽しみくださいネ~☆


原作を知らない皆様には

新作としてお楽しみいただけると嬉しいデス~!

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