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他人の姿に変身できる力を生まれつき持っていた男ー。


彼は、身体を部分ごとに変身させることもできー、

その力を使って日々、人を驚かせたり、揶揄ったりしながら

欲望の限りを尽くしていたー。


そんなある日、彼はとある組織の事務所を襲撃ー、

自分の名をご機嫌そうに名乗りながら、その場を後にしたー…


☆前回はこちら↓☆

<他者変身>欲望のレパートリー②~堪能~

一度触れた相手にいつでも変身する力を持つ 謎の男・洞口 優斗ー。 力を応用することで、部分ごとに別の人間の姿に 変身することもできるその力を、 彼は連日、悪用しながら やりたい放題の日々を送っていたー。 しかしー、そんなある日、別の場所で暮らす 双子の姉・梨奈から電話が掛かって来たー。 梨奈自身も”同じ力...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーー絶対、大丈夫だからー

 わたしが明日、一緒に先生に話してあげるから、頑張ろ!」


ふと、そんな声が聞こえて来たー。


公園の前を歩いていた洞口 優斗は、その声がした方向を向くと、

そこには、いかにも気の弱そうな男と、

その横に可愛らしい雰囲気の女がいたー。


”ーーーーー”

優斗は、その二人の会話を立ち止まって

こっそりと盗み聞きをすると、どうやら二人は幼馴染の関係にあるようで、

男の方が学校でいじめを受けている様子だったー。


”なるほどなるほどー”

優斗は笑みを浮かべると、そのまま以前手に入れた

カップルの女・亜梨紗の姿に物陰で変身すると、

何食わぬ顔で、公園の方を見つめるー。


「ーじゃあ、龍太(りゅうた)くんーまた明日!」

話が終わったのか、慰める言葉を言い終えると、

女の方が手を振りながら立ち去っていくー。


気の弱そうな男子…龍太の方は、一人公園でため息をつくと、

そのまま静かに立ち上がったー。


”へへへへー

 まずはお前の”姿”を俺のレパートリーに加えさせてもらうぜ”


亜梨紗の姿をしている優斗は、ゆっくり歩きだした龍太の肩に

背後から手を触れるー。


「ーー!?」

ビクッとした様子の龍太が振り返るー。


亜梨紗の姿をしたままの優斗は

「あ、ごめ~ん、人違いしちゃった!」と、ふざけた口調で

そう言葉を口にしながら、その場から立ち去っていくー。


どうせ、”自分の姿”じゃないー。

変身能力は”変なこと”をするときにもとても便利だー。


戸惑う龍太を無視して、”亜梨紗”の姿のまま一旦路地裏に

隠れた優斗は、そのまま笑みを浮かべながらー

”亜梨紗”からたった今手に入れたばかりの”龍太”の顔に変身するー。


身体は亜梨紗のまま、顔は龍太ー。


”そういや、顔だけ男のものを使って

 精一杯顔だけ女装するのも楽しいかもなー”


そんな、新たな戯れも思いつきつつ、

”ま、今はー”と、身体の方も”龍太”に変身すると、

立ち去って行った幼馴染の子のいる方向に向かって走って行ったー。


”ー女の方の名前が分かんねぇけどー、まぁいいかー”


「ーーあ、あの!!!!!」

さっきの女の姿を見つけると、龍太の姿をした優斗は

笑みを浮かべたー。


「ーい、い、いつも、そのー

 ぼ、僕の相談に乗ってくれてありがとうー」

龍太のフリをしながら、そう言葉を口にするとー、

相手の女は優しく笑いながら、

「ーふふふー、今更そんなことー

 気にしなくても大丈夫だよー」と、そんな言葉を口にしたー。


そんな笑顔を見て、龍太の姿をした優斗は笑みを浮かべるとー、

突然、その子に”キス”をしたー。


「ーー!?!?!??!!?」

優しく微笑んでいた彼女が、表情を変えるー。


「ーぼ、ぼ、ぼ、僕!好きになっちゃったんだ!

 僕!き、き、君で毎晩色々な妄想しててーー 

 えへへへへっ!」


龍太の姿のまま、とんでもないことを言い始める優斗ー。


”名前”が分からないため、適当に”君”と言ったが

女はそれどころではないようだー。


「ち、ちょっと!や、やめてよ!落ち着いて!?」

女が慌てて龍太の姿をした優斗を引きはがすー。


当然、彼女は目の前にいるのが”幼馴染の龍太”だと

思っているー。


「ーーやめないよー!

 えへへへー えへへへへっ!」

そう言いながら、スカートを触ったり、しまいにはめくったりして笑うー。


悲鳴を上げる幼馴染の子ー。


そのまま、「ーさ、最低ーー…も、もう知らない!」と、

涙目で逃げ去っていくー。


当然、周囲は騒動になるー。


がー、龍太の姿をしたまま優斗は路地裏に入ると、

一瞬でアイドル・坂根道彦のファンである女子大生の姿に変身ー

何食わぬ顔で路地を抜けてからー、

さらにはーーー”さっきの幼馴染の子”ーに変身したー。


「ククククー

 ついでにレパートリーもゲットぉ~」

幼馴染の子に変身した優斗は、ペロリと綺麗な指を舐めるー。


そうー、龍太として彼女に襲い掛かったのは、

欲望を満たすためだけではなくー、

”右手で触れて”この子にも変身できるようにするためだったー。


「ーーー姉さんには、悪いけどー

 俺はこの力で、楽しませてもらうぜー。」

変身したままそう呟く優斗ー。


双子の姉・梨奈は愚かだー。

同じ力を持ちながら、恐ろしい力だと評して、

それを使おうとしないー。

”姉さん”のことは尊敬しているし、傷つけるつもりもないが、

”力”との付き合い方は愚かだと思うー。


そんなことを思いつつ、

さっき、本物の龍太が向かった方向に歩いていくと

龍太の姿を見つけて「龍太くん!」と、声をかけたー。


「ーーあ…宮島(みやじま)さんー」

いじめられっ子・龍太が振り返りながらそう言葉を口にするー。


「ーーんふふふふー こいつ、宮島って言うのかー。

 あ、そうだー。今後のために名前も聞いておくかー」

そう呟きながら、いじめられている幼馴染を守っている”宮島さん”の

姿のまま「あのさ~龍太くん、”わたしの名前”呼んでみて~?」と、

ニヤニヤしながら言うー。


「ーーえ……???え…?」

戸惑う龍太ー


「いいから、下の名前を呼んで」

”宮島さん”の名前を確認するために、そう言葉を口にする優斗ー。


龍太は、顔を赤らめながら「ーーち、千里(ちさと)ーー」と、

そう言葉を口にするー。


”宮島 千里かー。へへ”

優斗は、千里の姿のまま笑うー。

”触れるだけ”で変身できるようになるものの、

名前を知ることはできないー。

だから、名前を知りたい場合はこうして確認する必要があるー。


”さ~て、こいつにはー”

そう思いながら、身体の下半分だけ人気アイドル・坂根 道彦の身体に

変身させると、”千里”の胸を揉みながら、

道彦のソレを勃起させ始めるー。


「ーーーえ……?」

龍太が戸惑っていくのが分かるー。


”千里”のスカートが明らかに不自然に膨らんでいるー。


”下半分”は坂根 道彦のものー。

それが大きくなって、スカートが不自然に膨らんでいるのだー。


「ーふふ どうしたの?」

邪悪な笑みを浮かべながら”千里”の姿をした優斗が言うー


「え…え…え…?」

龍太が挙動不審な動きを見せるー。


”千里”の姿で、勇人は笑うと、

わざと大きくなったそれを”龍太”に押し付けながら

「実はわたし、男なんだー」と、小さく囁いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


数日後ー。


優斗は、今日もお楽しみを繰り返していたー。


”上半分”だけ、坂根道彦のファンの女子大生に変身しー、

”下半分”は、優斗本来の状態ー。


「ーーくくくー」

歪んだ笑みを浮かべる女の顔ー。


そのまま、男としての快感を”下”で味わいー、

”女の顔”で気持ちよさそうに声を上げるー。


男女の快感両方を同時に味わうー。


そんなことを、優斗は楽しんでいるー。


”女”の声を出しながらー、

”男”の快感を楽しみー、ニヤニヤと笑うー。


「ーえへへへへ…ーーー

 なんかー、女の顔で男としてイクと

 ゾクゾクするんだよなー」


ニヤニヤしながら、

今度は、”上と下”を逆にしてー、

顔だけ自分のものにして、そこから下を

アイドルファンの女子大生のものに変身させると、

今度は、女の快感を自分の顔で楽しみ始めるー


下が”女”だと、顔は自分のものでも、

まるで女のように喘いでしまうー。


”ーーっ、俺の顔で喘いでもキモいだけなんだよなー”

そんなことを思いながら、それを止めると、

「よし」と、立ち上がるー。


今度は、”由美(ゆみ)”という子の顔に変身するとー、

顔以外は、以前変身した別の子の身体に変身しー、

笑みを浮かべるー。


”由美”という子は、病気で入院中だった子だー。

かなり病弱な子でそのままでは”お楽しみ”はできなかったがー、

顔だけを使い、他の部分を、別の人間の姿に変身させることでー、

病弱な子でお楽しみをすることもできるー。


”由美”として、欲望の限りを尽くすと、

気持ち良さそうに身体を震わせながらー、

「ーーっと、そろそろ飯でも買いに行くか」と、

静かに立ち上がるー。


自分の姿に戻って、支度を終えると優斗はそのまま外に向かうー。


”家の出入り”の際に他の人間の姿に変身していると、

見られた場合色々厄介であるため、

基本的に”出入り”は、自分の姿でするようにしているー。


家を出て、そのまま近場のコンビニに向かう優斗ー。


ーーが、その時だったー。


「ーーあ…?」

優斗が、身体に衝撃を感じて振り返ると、

そこには黒い手袋をはめたガラの悪い男たちが数名、立っていたー。


「ーーえ…?な、なんだーーよ??」

優斗はそう言いかけて、自分の身体を見下ろすとー、

そこには”ナイフ”が刺さっているのが見えたー。


「ーーーは…?」

泣きそうになりながら、優斗が男たちの方を見ると、

男の一人が言ったー。


「ー”この前”は世話になったなー」

とー。


「ーーーえ……なに?」

優斗は、戸惑うー。


この男たちはーー

先週、事務所を襲撃された裏社会組織の男たちー。

その事務所を襲撃した犯人は

”洞口 優斗の名を忘れるなー”と、そう言っていたー。


そのためー、こうして優斗を探し出し、

報復にやってきたのだー


がーーーー


「ーーーーーっっ…!」

優斗は、男たちを突き飛ばすと、ナイフが突き刺さったまま

その場から逃げ出すー。


”優斗”には覚えがなかったー。

裏社会の組織の事務所を襲撃するなどと、

そんな意味のないことはしないー。

優斗がそんなことをしても、何の得もないのだー


「ーーくそっ!なんなんだよ!」

焦りながら、優斗は”変身”しようとするー。


が、精神的に焦りきっていたせいか、上手く変身できずー、

手だけが、坂根道彦のものに変身してしまうー


「く、くそっ!意味ねぇ!」

慌てる優斗ー。


男たちが銃を手にして追って来るー


「ーーチッ…!」

優斗は、入り組んだ路地に

早く別の姿に変身しようとするー。


しかしーー

”病弱な由美”の身体に変身してしまいー、逆に逃げ切ることが

できなくなってしまうー


「くそっ!くそっ!くそっ!」

舌打ちをする優斗ー。


がー、後を追って来ていた男の一人に殴られて、

優斗はそのまま気絶してしまったー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「うーーーー」

気付くと、優斗は埠頭のような場所で

鎖に縛られ、拘束された状態になっていたー。


「ー目が覚めたか?

 俺たちに喧嘩を売るなんて、いい度胸だー」

拘束した優斗の側にいた男が言うー。


いかにもヤバそうな、黒い手袋をはめた男だー。


「ーな、な、何のことだー…!い、いったいー…?

 お、俺はお前たちなんて知らない!」


優斗が必死にそう声を上げるー。


いやー、優斗も生きるための資金を稼ぐために、

裏の世界の闇取引の仕事はしているー。

しかし、この前、女の姿に変身して”仕事”をしたように

必ず変身能力を使って別の人間の姿で済ませているしー、

優斗はあくまでも、取引系の仕事しかしていない。

こんな風に、名指しで報復されるようなことはしていないはずだー。


「ーーーでは、これは何だ?」

そう言いながら、男がスマホを手に

”優斗がアジトを襲撃する映像”を見せて来たー。


先日”優斗”が、この組織のアジトの一つを襲撃した際の

カメラの映像だー。


”「ー洞口 優斗の名を忘れるなよ」”

カメラの映像に映る”優斗”はそう言葉を口にしたー。


優斗は目を見開くー。

そんなことした覚えがないー。


「ーーー命知らずな奴だー。

 まぁ、そのせいでお前はここで死ぬんだがなー」


男がそう言うと、鎖で拘束した状態の優斗を掴みー、

そのまま埠頭の端まで連れていくー。


「ーヤベェ奴らを敵に回したやつの末路、知ってるか?」

男がニヤニヤしながらそう言葉を口にするー。


優斗は「ま…待ってくれー」と、そう言葉を口にするも、

男は笑いながら、鎖で身動きの取れない優斗を海に向かって蹴り飛ばしたー。


「ー海に沈められるんだよー」

男の言葉と同時に、優斗は鎖に拘束されたまま海へと転落ー。


そのまま海中へと沈んでいったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”双子の弟・優斗は愚かだー”


「ーー優斗ー

 あんたには悪いけど、この力はわたしだけのものー」


優斗の双子の姉・梨奈は微笑むー。


姉の梨奈は弟の優斗に”この力は危険だから使っちゃだめよ”と

言いながら、”自分は裏で変身能力を使いまくる日々”を送っていたー。


”変身能力を独占するため”だー。


弟の優斗は、自分のことを大切に想ってくれていて

絶対服従ー。

昔からお願いをすれば何でも聞いてくれたし、使い勝手が良かったー。


けれどー。

最近、梨奈は弟の優斗も”わたしの言いつけを破って変身能力を使っている”

ことを悟ったー。


こんな素敵な力を使える人間はひとりでいいー。

だから、弟には使うなと言い続けて来たのに、

弟の優斗は、その力を裏でコソコソ使っていたのだー。


それを知った梨奈は”弟の排除”を決断したー。


優斗の姿でヤバい組織のアジトを襲撃しー、

優斗が報復されるように仕向けたのだー。


海に沈められる優斗の姿を物陰から、老人の姿に変身して見つめていた

姉・梨奈は不気味な笑みを浮かべると

「ごめんね優斗ー。これで変身の力はわたしだけのものー」と、

そう言葉を口にしながら闇の中へと姿を消したー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・


よかったーー。


優斗は、笑うー。


”レパートリー”をたくさん持っておいて、

本当によかったー。


海の中には、優斗を拘束していた鎖が浮かんでいるー。


そしてーー

その側には1匹のマグロー。


”触っておいてよかったぜー。マグロー”


マグロの姿に変身して、鎖による拘束から簡単に逃れた優斗は、

そのまま海の中を悠々と泳ぎながら、

”俺の欲望は終わらないー”と、そんなことを心の中で呟くのだったー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


欲望のレパートリーの最終回でした~!!


リクエスト特典で頂いたものを元に

(①のあとがきの時に元となったものを乗せてあります~~!☆)

作った作品ですネ~!☆★


部分的に色々な姿を組み合わせられる要素は、

私も書いていて新鮮な気持ちで描くことが出来たので

素敵な経験になりました…★!


お読み下さりありがとうございました~~~!☆!

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