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加奈は豹変したー。


美優も、豹変する加奈を必死に心配したー。

けれど、豹変の理由が分からない。


彼氏の慶介も、加奈の豹変には戸惑っている様子だ。


昼休みー

美優は加奈から呼び出された。


呼び出された空き教室に入ると、

加奈は机の上に乗って

足を組みながら美優の到着を待っていた。


「ねぇ…加奈…最近、本当にどうしちゃったの?」

美優が言う。


加奈の様子の豹変に

美優は戸惑うことしかできていないー。

”何か”があったはず。

そうじゃなければ、加奈がこんな風に、急に

別人のようになってしまったりするはずはない。


「---心にもないことを」

加奈は美優のほうを見もせずに

あきれた様子で言う。


「--こ、心にもない?

 そんなことないよ!

 わたしは加奈のこと…!」


「あんたさ…、私のコト、馬鹿にしてたよねずっと?」


加奈は美優の言葉を遮って

鋭い目つきで美優を睨むー


加奈のこんな表情は見たことがないー。

いったい加奈に何がー?


美優は動揺すると同時に、

目の前にいる加奈を”こわい”と思ったー


声を震わしながら美優は

やっとの思いで口を開くー。


「そ…そんなこと!

 加奈の事は今でも大切な友達だと…」


美優がそこまで言うと、

加奈が机を勢いよく叩いた


「ひっ!?!?」

美優がびくっと身体を震わせる。


「そういうの…本当にウザいんだけど…」

加奈の目には敵意に満ち溢れているー。


ついこの間まで笑って話せる間柄だった加奈。

一体加奈はどうしてしまったのだろう…。


「か…加奈」


美優はただただ、変わり果ててしまった加奈を前に

唖然とするしかなかった。


異変はそれだけでは無かった。

あれだけ優等生だった加奈が授業をさぼりがちになった。


「--つまんね~授業だな!」

授業中に反抗的な態度をとる加奈。


「---き、北村!?」

先生たちも加奈の異変には困惑しておりー

”お手上げ状態”だったー。


元々素行不良の生徒や

問題のある生徒に対しては先生たちも

ある程度強く出るのだが

加奈は”優等生”だった生徒だー


”何か理由があるのではないか?”という

考えが先生たちの間に働いてしまって

十分な対応ができていなかった。


男を誘うような行動も増えたー

外見も化粧が濃くなり、少し派手になった印象だ。


放課後に空き教室で男子とエッチなことをしたり、

夜の街でワルたちとエッチをしているという噂まであるー。


本当に加奈は一体どうしてしまったのか?


それからも、美優は何もできないまま、

加奈と次第に疎遠になっていくー。


「…ブス」

加奈は美優の横を通る際に、

そう吐き捨てたー


「加奈・・・」

美優は、悲しくなって、思わず涙をこぼしそうになった。


ずっと仲良しだった加奈に…何があったのか…


そんな折、美優はクラスメイトから噂を聞いた。


加奈がおかしくなる少し前、加奈が

殺人・暴漢の罪で逃亡中だった男の

死亡現場に居たと言うのだ。


そこで悲鳴をあげていたと。


そういえば確かにそんな事件があったと聞いた。


その時のショックで加奈は壊れてしまったのだろうか…

それとも…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ある日の放課後ー


「---ねぇ…わたしと付き合わない?」

加奈は悪い笑みを浮かべながら、

美優の彼氏・慶介に身体を密着させるー


「---き、、北村さん…

 最近本当にどうしちゃったんだ?」

慶介が困惑しながら言う。


「--どうって?ふふふ…

 今までのわたしは、偽りのわたし…


 これが本当のわ・た・し」


甘い声で囁く加奈。


加奈の表情は悪意に満ちている。


加奈は確かにかわいいー

慶介は、加奈のことも確かに気に入っていた。


だがー

今の慶介には、美優がいる。


「ねぇ…わたしを滅茶苦茶にして…?

 ふふ…わたし、ゾクゾクが止まらないの…

 エッチなこといっぱいして…ふふ…喘ぎ狂いたいの…」


信じられない発言をする加奈。

慶介は困り果てた様子で返事をする。


「き、、北村さん…本当に、何があったんだ?」

慶介の言葉に、

加奈の瞳が一瞬揺らぐー。


まだー

まだ、完全に混ざり合ったわけではないー

加奈は、一瞬だけ、元の心を取り戻しそうになるー


しかし、すぐに不気味な笑みを浮かべて、

加奈は呟く。


「うぅ…ん

 私もよく分からないの…


 なんだか急に今までのことなんかどうでも良くなっちゃって♪


 勉強なんかもういい。

 私は私の思うままに生きるの


 はぁ…ああ♪」


うっとりとした表情で加奈は言う。


慶介はそんな加奈の様子を見ながら

唖然とすることしかできなかったー


・・・・・・・・・・・・


夜。

加奈は夜も一人で一人で行為を繰り返すことが多くなっていた。


最近は自分のタイツをびりびりに破ったり、

部屋の鏡で自分を相手に激しい行為に及んだり、

周囲に喘ぎ声が響き渡ろうとお構いなしだった。


両親もそんな加奈の様子に困惑していた。。


”どうしちゃったの?”

そんな風に言われた。


そんな両親を加奈は睨みつけたー


「わたしに口を挟むな!」

机に置いてあったグラスを叩きつけて、加奈は

それ以降、両親とも口を利かなくなってしまったー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


翌日。


放課後、美優は加奈を空き教室に呼び出した。


美優は、今でも加奈のことを

友達だと思っている。


正直、今の加奈は、美優からしてみれば”怖い”


けれどもー

友としてー

加奈から逃げるようなことはしたくなかったー


「何よ…」

やってきた加奈は美優を睨みつける。


「加奈・・・

 もしかしてあの日の死亡事故見ちゃったことで

 何か悩んでるの?」


そう言うと、加奈が笑った


「あはは、、

 最初は怖かったけど、今は全然」


加奈は笑う。

美優を馬鹿にしたような目で見るー。


「あの時ね…私 血まみれで苦しかったの…

 でもね、気づいたら私は私の中にいた。


 最初は何が何だかわからなかった。

 自分の中に何かが入ってくる感じがして怖かった


 でも…違ったの。

 今はね…うれしい…


 だって、私、あの事故の時、死んじゃうと思ったのに、

 いまこうしてここにいるんだもん」


加奈は満面の笑みで語る。


加奈は自分でも、何を言っているか

よく理解していないー


美優は表情を歪めるー。


イマイチ要領を得ない。


死んじゃう…?

どういうことなのか


「加奈・・・?どういうこと…?」

美優は尋ねる


「どういうことって…?ふふ

 私はね……


 あれ……私・・・???」


加奈が突然 困惑した表情を浮かべる


「あれ…私…車を運転してたんじゃない…

 え………私・・・・・・あれ?」


加奈が恐怖に満ちた表情を浮かべる。


「加奈!どうしたの!ねぇ!」

美優が加奈の方に近寄る


「私・・・私は加奈・・・?

 私は幸雄…あれ…何これ・・・何これ・・・


 あぁ…もうでもいいじゃない…

 あぁぁ…気持ちイイ♪」


そこまで言うと加奈はうれしそうに自分の体をいじりはじめた


「私は加奈だし…私は幸雄だし・・・

 あはは、あははははは!」


狂ったように加奈が笑い出す。


”---お前は、頭おかしいもんな”


”ははは、こいつ頭おかしいぜ”

”こっちくんなボケー”


逃亡犯ー幸雄の記憶が混ざりこんでくるー


幸雄は、小さいころからいじめを受け続けていたー。

”とある家庭の事情”でいじめを受け続けて生きてきたのだ。


「--うるせぇ!!!どいつもこいつも!」

加奈が頭を押さえながら叫ぶ。


「・・・な、何なの…」

美優が困惑する


そして加奈は微笑んで美優の方を見た


「私ね…あの日、見た死亡事故の男の人の

 記憶と魂が混ざっちゃったみたいなの…


 ウフフ…

 二人分の記憶と人格が混ざり合ったっていうのかな…


 あは、あははは!」


美優はその言葉を聞いて愕然とした。

まさか、、そんな馬鹿なことが…?


「ね、、ねぇ!加奈を返してよ!」

美優は咄嗟に叫んだ


「何言ってるの~~私は加奈だよ!

 ただね~~混ざっちゃったの私。


 だから女の体で興奮するしぃ?

 あの人の悪い部分が私の中に入ってきて、

 優等生じゃなくなっちゃったの!

 はぁあああん あぁあああああ♪」


自分の体をいじりながら、喘ぎ声をあげる加奈


「そ…そんな…加奈・・・?」

美優は絶望するしかなかった。


そんな美優の様子を見て

加奈はにやりと笑うと、

「俺はもう誰にも馬鹿にされねぇ!

 あんたにもね!」


と、叫び、

バカにするような笑いを浮かべて立ち去ってしまった。


「・・・・・・私は、、どうすれば…?」

美優はただ、その場に立ちすくむことしかできなかった。。


・・・・・・・・・・・・・・


教室から出た加奈はケラケラと笑う。


「---わたしが…俺が…女子高生…

 くくく…ひひひひひひ…すっごい…!最高じゃん!」

加奈は自分の手を見ながら喜びに震えるー


凶悪犯罪者・幸雄の思念に憑依されて

混ざり合いー

加奈は既に戻れないところまでやってきていたー


「---へへへ…

 すっかり悪い女になっちゃってよぉ」

不良生徒の純一が廊下で加奈を見つけて

近づいてくる。


その手にはコーラのペットボトルが握られている。

コーラを一気に飲み干すと、純一は加奈のほうを睨んだ。


加奈も純一を睨み返すー

”凶悪犯罪者”の目つきでー


「おぉぉぉぉ…すっげぇ目つきだな…ゾクゾクするぜ」

純一はふざけた調子で言うと、

加奈のほうを見つめて囁いた。


「--何があったのか知らねぇけど、優等生だったお前が

 ここまで転落するなんてな!


 どうだ…?お前さえ良ければ俺と…」


純一は、豹変した加奈のことを好きになっていたー

告白しようとする純一ー


そんな純一の胸倉をつかんで、

加奈は純一を壁にたたきつけた。


「わたしと…付き合いたいの?」

加奈が脅すような口調で言う。


「あ、、、あ…あぁ」

純一は怯えながらも、虚勢を張って答える。


「---」

加奈は鋭い目つきで純一を睨むと、

少ししてから不気味な笑みを浮かべた。


「--じゃあさ…」

加奈が呟くー


「---手伝ってもらいたいことがあるんだけど」

加奈が浮かべたあまりにも悪そうな笑みに

純一は震えながら「あ…あぁ…いいぜ」と答えたー



⑥に続く


・・・・・・・・・・・・・・


コメント


「混ざり合う意志」の大幅リメイク第5話でした~!

第5話は今までの話よりも特に内容が変わっていたので

新作気分で書くことができました~笑


じっくりと変えていく描写が書けるので

書いている私も楽しいデス…!


今日もありがとうございました~!!

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