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巨大企業”M・F・Z”によって、開発された女体化薬ー。


”性別を自由に選ぶことができる世界”

その実現の第1歩として、女体化薬は世界中で認可され、

そして、普及したー。


しかし、女体化薬を使う人間が想定以上に増加し、

人類は、”女性”ばかりになってしまうー。

いつしか、”男性は絶滅危惧種”となってしまったその世界でー…?


☆前回はこちら↓☆

<女体化>男性は絶滅危惧種!?①~自由~

西暦2XXX年ー。 世界的に影響力を持つ 巨大企業”M・F・Z”によって、 ”女体化薬”が完成したー。 とある大企業によって ”女体化薬”が完成したー。 痛みや副作用も伴わず、大量生産によりコストの削減にも成功、 ”副用するだけで簡単に女体化することができる”その薬は、 瞬く間に、世界中へと広がったー。 当初、女体化薬...

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「ーーーっていうか、神崎(かんざき)さんってまだ男なの~?」

「ーわたしたちみたいに早く”女体化”しちゃいなよ~」

「一人だけ男がいると、わたしたちもやりにくいんだけど~?」


バイト先ー。

”紀香”が、やってくると事務所では、

バイト仲間たちがそんな話をしている最中だったー。


「ーーお疲れ様です~」

紀香が、バイト先の女子たちに声を掛けると、

「あ、紀香ちゃん!」と、バイト先で仲良しの1歳年上の子が、

そう言葉を口にするー。


「ーー紀香ちゃんも思うよね?

 神崎くんも早く女体化しちゃえばいいのに~って」

そう言葉を口にする先輩ー。


「ーーえ…?あ、あぁ、はいー。まぁー」

紀香は苦笑いしながらそう言葉を口にすると、

チラッと、気弱そうな青年…バイト仲間の一人・

神崎 健人(かんざき けんと)の方を見つめるー。


健人は困惑した表情を浮かべながら

「い、いえー、でも、僕は男の方がよくてー」と、

そう言葉を口にしているー。


「ーーはぁ~ 他の子はみんな女子なんだから

 ちゃんと周囲のことも考えてよねー。

 ”女体化した”わたしたちもそうだし、

 元々女子だったみんなも、”一人だけ男がいる”と

 気を遣うんだからー」


先輩・和美(かずみ)が不満そうにそう言葉を口にすると、

そのまま、「じゃあ、紀香ちゃん、後はよろしくねー」と、

そう言いながら、他の二人と共にシフトの交代のために

帰って行ったー。


「ーーーー…」

”紀香”は、表情を歪めながら、今からシフトの健人の方を

見つめるー。


「ーー…ご、ごめんなさいー…

 麻宮(あさみや)さんも、やっぱり、迷惑だと思ってますよねー」

健人がそう言葉を口にすると、

紀香は「ーーん~~~いや、別に俺はいいと思うけどなぁ」と、

いつものように、女体化した後も”男”であることを隠そうとしない

そんな言動で言葉を口にするー


健人の隣にドサッと座ると、

少し顔を赤らめる健人ー。


「ーー女体化するかどうかなんて、自由なんだしー。

 別に、神崎くんが男のままでいたいなら、それでいいと思うけどなー

 俺はー」


紀香がそう言うと、

健人は「あははー…」と、少し照れくさそうに言いながら

言葉を続けるー。


「ー麻宮さんは、どうして”女体化”したんですか?」

健人のそんな言葉に、紀香は「ん?俺?」と、少しだけ苦笑いをすると、

そのまま言葉を口にしたー。


「ー俺はさ、元々モテなかったからさー、

 だから、モテないなら自分が女になっちまえばいいか!って

 軽い気持ちでさー」


苦笑いする紀香ー。


「ーーでも、この通り、男の時の癖が抜けなくて

 見た目だけ可愛くなって中身はそのまんまなんだけどなー」


紀香はそう言葉を口にすると、

健人は「あははー…そうだったんですねー」と、そう言葉を口にするー。


「ーー僕もー…麻宮さんみたく深く考えずに女体化すれば

 いいのかもしれませんけどー…」

健人が寂しそうにそう言葉を口にするー。


「ーーーはは、無理すんなって。

 それに最近、よくニュースでもやってるだろ?

 男性が絶滅危惧の状態にあるってー。


 だからーーほら、神崎くんは”レア”ってことだよー。

 レアキャラー。

 俺は別に、男のままでもいいと思うけどなー」


紀香は笑いながらそう言葉を口にするー。


”この世界”ではー、

自ら女体化を望んで女体化する者たち以外も、

”女体化”の流れに巻き込まれているー。


女体化する人が増えるにつれて、

このバイト先で起きているような”同調圧力”が、世界中に

広がって行ったー。


その結果、”女体化を望まない人々”まで、女体化の道を

”選ばざるを得ない”、そんな状況に追い込まれて

男の数はさらに減りつつあったー。


「ーー大体さ~、元々”女”だった子は分かるけどさ

 俺みたいに女体化したやつが、

 ”男子がいると気になるんだけど~”とかおかしくね?


 俺は別に、遠慮とかしないし、

 着替える時も別にみられても気にしないしー」


そう言いながら、紀香が笑っていると、

健人は少し気まずそうに

「き、着替える時は僕のためにも、ちょっと気にしてほしいですー」と、

平気で目の前で着替え始めた紀香から目を逸らしながら、

そんな言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


たくさんのモニターに

世界各国の”偉い人”たちや、主要企業のトップが映し出されるー。


その大半は”女”で、男はその中に4人しかいないー。

ここでも”男性が絶滅危惧”の状況にあることが、

よく表れていたー。


「ーーーベンジャミンCEOー。

 男体化薬の開発の進捗は、どうかね?」


氷のような冷たい表情の女性が、そう言葉を口にするー。


女体化薬を開発した企業ー

巨大企業”M・F・Z"のCEOであるベンジャミン・ブライスは

その言葉を聞きながら笑みを浮かべるー。


「ー人類の全体が、恐ろしい速度で女体化しているー

 男体化の薬が完成しなければ、このまま”男”は

 絶滅してしまうかもしれないー」


モニターに映し出された別の女性がそう言葉を口にするー。


「ー男体化薬は、近いうちに完成するのではなかったのか?」


「このまま、男が減り続ければ、社会の秩序にも関わる!」


「人類には両性が必要なのだー。

 この状況を、どうするつもりだー?」


モニターに映し出された”元男”の、”偉い人”たちが

口々に不満を口にするー。


そんな言葉をしばらく聞いていたベンジャミンCEOは、笑みを浮かべながら

ようやく口を開いたー。


「ーー皆さん、落ち着いて下さいー。

 確かに、開発が予定通りの期間で進んでいないことは

 お詫び申し上げますが、男体化薬の開発は順調です」


ベンジャミンCEOはそう言うと、

「男体化薬が完成したその時こそー、

 我々人類は、自分の好きな性別を選べるようになりますー。

 性別は神に与えられるものではなく、己自身の手で選べるようになるー」と、

力強く、そう言葉を口にするー。


「ーーですが、開発に遅れが出ているのも事実ー。

 具体的な開発の進捗を今、ここで出していただけますか?」


元々”女性”の会議参加者がそう言葉を口にすると、

ベンジャミンCEOは「いいでしょうー」と、そう言葉を口にすると、

全会議参加者のモニター上に”資料”を表示させたー。


さらにはー、”男体化薬”によって

女性研究員が実際に男体化する”映像”も、会議の参加者たちに

対して見せ付けたー。


「ご覧の通り、開発は順調です。

 ただし、実際に流通させるとなれば、やはり完璧な形で

 皆さんに商品をお届けしなければなりませんー。

 女体化薬は現在まで、致命的な副作用の報告は一つもない状態のまま、

 幅広く、世界中で使われていますー。


 ”人間が自由に性別を選ぶことができる世界”

 その実現まであと一歩。

 しかし、性別を変える時に事故があってはならないー。

 

 進化を焦るあまり、我々人間の資本ー

 そう、”健康”ー。

 それが損なわれることがあってはなりませんー。


 ですから、我々は女体化薬の時と同様に、

 男体化薬も万全な状態で世に送り出すべく、準備を進めているのです」


ベンジャミンCEOは力強く、そう言い放つと

「ーーご覧の通り、既に男体化の効果は得られています。

 あとは、安定性と安全性の向上ー。

 どうか皆さん。焦ることなくー、今しばらくお待ちいただきたい」

と、真っすぐな眼差しで世界中の会議参加者たちに呼びかけたー。


「我々 M・F・Zはー

 miracle(奇跡) future(未来) そして、最後のZー。

 それが揃ってこそ、更なる高みへと昇ることができるのですー」


「ーーーー」

各国の重鎮たちは、戸惑いながらも、

男体化薬が既にほぼ完成していることに安堵しー、

「ーーでは、ベンジャミンCEOー。吉報をお待ちしていますー」との

言葉で、会議は締めくくられたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ここの駅、男子トイレなくなったみたいだねー」


それから1年が経過しー、

就活などもしながら、紀香が大学での日々を送っていたある日ー。


同じ大学に通う友人・愛由美(あゆみ)と、一緒に

帰り道を歩いていると、愛由美がそんな言葉を口にしたー。


「ーーーあぁ…まぁ、もうほとんど誰も使わないしー、

 女ばかりだから、女子トイレにいつも行列が

 出来てたもんなー」


苦笑いする紀香ー。


「ーーふふー。でも、”男”として生きたい人には不便だよね~

 僕も去年まで男だったけど、なんか男の居場所がなくなっちゃう気がして

 結局女体化したしー」


去年まで”歩(あゆむ)”という名の男子だった彼が

そう言葉を口にするー。


「ーあはは、まぁなー」

紀香はそう言うと、今は”ボクっ娘”な、愛由美の方を見つめるー。


「ーーまぁでも、僕もこうして可愛くなれたしー

 女体化して後悔はしてないけどねー」

自分の身体を自慢げに、回転しながら見せ付ける愛由美ー。


「はははーお前の小悪魔的な感じは、

 女子の方が確かに似合ってるかもなぁ」

紀香が笑いながらそう言うと、ふと、

駅で戸惑っているおじさんが目に入ったー。


”男性用車両”ー

今年から、この辺りの電車は、”男性用車両”が1両しかなくなってしまったー。


男性の数が激減したことにより、

ほぼ全ての車両が”女性専用車両”になり、男性は

たった1両の列車しかなくなってしまったのだー。


「ーーあのーーこっちですー」

紀香は、おじさんに声を掛けると、戸惑っていたおじさんを

男性専用車両に案内するー。


「ーーありがとうー…最近は、ホント、参っちゃうよー」

おじさんが苦笑いしながら愚痴を言葉にするー。


紀香も、苦笑いしながら「困っちゃいますよねぇ」と、

話をすると、しばらくして待っていた愛由美の方に戻って来たー。


「ーーーあははー紀香ちゃんは親切だなぁー

 僕だったら、”あなたも女体化したらどうですか?”って

 言っちゃうなぁ」


愛由美が笑うー。


女体化薬が出回った世界ー。

それはー、女になりたい人間が女体化しー、

次第に女の割合が大幅に増えー、

”まだ男なの?”という同調圧力や、

男が減ったことにより、居場所がなくなりー、

やむを得ず女体化する人が増えー、

最終的に、”男”の居場所がなくなるー。

そんな世界ー。


「ーーー…」

紀香は時々思うー。


きっとー、M・F・ZのベンジャミンCEOも、

こんな風になるとは思っていなかったのだろうー、とー。


男体化薬が完成すればー、

この状況は変わるのだろうかー。


いいやーーーー…


「ーーーー」

紀香は、”この世界の未来”に、最近は強い不安を感じるようになっていたー。


自分自身が女になったことは後悔していないー。

けれどー……


何だか、人類は”大事なバランス”を失ってしまったようなー、

そんな感じを拭うことができなかったー。


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”紀香”は、大学を卒業ー、

社会人になったー。


卒業後はとある会社に就職して、OLとして働いているー。


そしてーーー

今年、政府はある発表をしたー。


それはー

”女体化薬の販売停止及び使用禁止”だったー。


他国では既にそれを始めていた国もあったが、

ついにここでも、それが始まったのだー。


しかしーー…

それでも”女体化”は止まらなかったー。


裏ルートで女体化薬は取引されー、

今や、”男性”は、完全なる絶滅危惧種ー。


前は、数が減ったと言っても

1日に一人は見かけていた”男性”ー。


がー、最近ではそれすら見かけなくなりつつあるー。


「ーーそういえば知ってたー?

 わたしたちの母校、廃校になったってー」


今日は、久しぶりに高校時代の友達・”茂吉”と、

食事にやってきていた紀香ー。


相変わらず”名前”をそのまま放置している茂吉は、

ジュースを飲みながらそう言葉を口にしたー。


「ーーーえぇ…?マジで?」

紀香がそう言うと、茂吉は「うん!」と、笑うー。


「ほら、ほとんど女になったから、子供も減ったでしょ?

 だから、学校とかキツイみたいー。

 最近は子供用の商品とか、男向けの商品も

 ほとんど見かけなくなったしー」


”茂吉”が、そう言うと、

紀香は「ーまぁ~…そりゃそうだろうけどさー」と、

そう言葉を口にするー。


「ーーこのまま男がいなくなったら、ヤバくね?」

紀香が苦笑いしながら言うー。


「ー大丈夫でしょ?男体化薬ができれば

 男になりたい女の人だっているだろうし、

 元に戻りたがる人もいるだろうしー。」


”茂吉”は、軽い調子でそう言葉を口にすると、

紀香は「そうだといいけどなぁ~」と、少し不安そうに呟くー。


そんな会話も交えながら、久しぶりに会った二人は

色々な話をしながら、ひと時を楽しむー。


だがーーー


”この世界”では、あることが起き始めていたー。


「ーーーーふぅ」

大学時代に”紀香”がバイトをしていたバイト先で

後輩だった男・健人は、今も”男”のまま生活をしていたー。


”男”であることを理由に就職も上手くいかず、

現在は清掃のバイトをしている健人ー。


それでも、健人は”男”であり続けていたー。


しかしー


「ーーえ…?」

電車を待つために、駅のベンチに座っていた健人は

”違和感”を感じるー。


慌てて振り返ると、背後に注射器を持った女が

笑みを浮かべながら立っていたー。


「ーーあ…あの…何かー…?」

そう言いかけたその直後ー、健人は自分の身体に異変を感じるー。


そしてーー


「ーーえっ…?な、なんでー…!?」

”胸”が膨らみ始めて、股間のあたりに強い違和感を感じるー。


「ーーえっ… えっ…? ぼ、僕に何をー!」

言葉の途中で”声”まで変わっていくー。


立ち去っていく注射器を持っていた女に向かって叫ぶー。


しかし、女はそのまま無言で立ち去っていき、

”女体化薬”を投与された健人はそのまま女体化してしまうー。


「そんな…!そんな…!」

健人は呆然としながら叫ぶー。


各地ではーーー

”女体化薬”を強引に投与する謎の行為が、続出し始めていたー…



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


次回が最終回デス~!★


女体化薬が世間に流通したことによって

混乱していく世界の結末は……


次回も楽しみにしていて下さいネ~!


今日もお読み下さりありがとうございました~~~!★!

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