Home Artists Posts Import Register
Join the new SimpleX Chat Group!

Content

繰り返し見るようになった”自分が憑依される夢”ー


そんな夢に不安を感じる中、姫梨はその夢が

”夢ではない”ことを知るー。


夢ではなく、現実ー。


連日、夜になると憑依されて勝手に身体を使われている状態が続く中、

姫梨は”憑依されている自分”が口にした言葉から

”憑依している犯人”の正体を知るー。


そしてー…?


☆前回はこちら↓☆

<憑依>憑依される夢をみた③~真相~

ある日を境に”憑依される夢”を見るようになった姫梨ー。 不安に感じた姫梨は彼氏の康博にそのことを相談、 一度は夢を見なくなり、 同時に、先輩の越前からの付きまとい問題も解決ー、 全てが解決したかのように思えたー。 しかしー… 姫梨は”また”憑依される夢を見たー。 そして、姫梨は知らないー。 それは”夢”などでは...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーま、まさか、彼氏にこんなことされてるとは

 思わないだろうなぁー

 ふ…ふふふふふふー」


憑依されている姫梨は、確かにそう言葉を口にしたー。


バナナとの戯れを終えて、

快感の余韻に浸っている状態の”姫梨”ー。


そんな、憑依された自分を心の中から見つめながら

姫梨本人の意識は思うー


”まさか、わたしに憑依してるのはー…

 康博なのー?”


そう思いながら、姫梨の意識は

やがて”後片付けを始めたわたし”を見つめながら

強い不安を抱くのだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌朝ー。


大学内で困惑の表情を浮かべながら、

姫梨は大学を歩いていたー。


康博とは恋人同士である前に、幼馴染の間柄だー。

今までも、優しくしてくれていたし、

”憑依される夢を見た”と言った時には本当に心配してくれているように見えたー。

姫梨に付き纏っていた先輩の越前先輩の件でも、

康博は、姫梨と一緒に越前先輩に話をつけてくれたー。


そんな康博がーーー…

”わたし”に憑依していた犯人ー?


姫梨は、不安と悲しみで押しつぶされそうになりながらも、

”今日の帰り、お話できるかな?”と、

康博にそんな連絡を送るー。


すぐに康博から”分かったー。どこで合流する?”と、そんな返事が

戻って来るー。


そのメッセージに返信すると、

姫梨は”来週の土曜日”に会う約束をしている高校時代の親友・幸恵からの

メッセージも確認するー。


幸恵は

”ーーうんーちょっと、相談があってー。

 できれば直接話したいなってー”

と、少し前にメッセージを送ってきているー。


その約束についてのメッセージだ。


その変身を終えて、ため息をつく姫梨ー。

不安を抱えたままの1日はあっという間に過ぎ去っていきー…

夕日が差し込む中ー、大学の敷地内の一角で

姫梨は康博と対峙したー。


「それで、話ってー?」

康博が、いつものように穏やかな笑みを浮かべながら

そう言葉を口にするー。


「ーーうん、”憑依される夢”の話なんだけどー」

姫梨が言うと、

康博は「ん?あぁ、最近見なくなったって言ってたよなー?」と、

言葉を口にするー。


「ーうん。そうなんだけどー…」

姫梨がそう言葉を口にすると、

ひと思いに言葉を口にしたー。


「ー実は、康博に心配かけないようにって思って、

 ずっと黙ってたけどー…わたしー、まだ”あの夢”見てるの」


姫梨がそう言うと、

康博は顔色を変えたー


「えっー…!?ま、まだ”憑依される夢”をー…?

 だ、大丈夫かー…?」


姫梨のことを気遣う言葉を口にする康博ー。

だが、姫梨には、康博が心配しているのは”わたし”ではなく、

”自分自身”に見えてしまったー。


「ーーそれとー”憑依”は、夢じゃなくて現実だったのー。

 夢の中で”憑依されたわたし”が勝手に着せられてた

 見覚えのない服が、家の中に置かれていたのー」


姫梨がそう言うと、

康博は明らかに動揺した様子を見せ始めるー


「そ、そ、それはー…?

 え…?ひ、姫梨の身体で好き勝手してるやつがいるってことかー?


 で、でも、憑依なんて本当にあるわけがー…」


康博が狼狽えながらそう言葉を口にするも、

自分でも”動揺しすぎている”ことに気付いたのか

すぐに落ち着いた態度を示しながら、

「も、もし本当に憑依なんてものがあるなら、いったい誰がー?

 姫梨の身体を好き勝手するなんて、絶対に許せない」

と、そう言葉を口にしたー。


がーー…

姫梨は、息を吐き出すと、

悲しそうな視線を向けながら言い放ったー。


「”「ーーーま、まさか、彼氏にこんなことされてるとは

 思わないだろうなぁ」”」


姫梨は、昨日、”憑依された自分”が口走った言葉を口にするー。


「ーーー…!」

康博の顔色がみるみる悪くなっていくー。


「ーーー…ーーー…どういうことなのー?

 まさか、康博がわたしに”憑依”してたのー?」


姫梨が涙目でそう言うと、

康博は「はっ…え!?!?ち、違うー…」と、

慌てて否定の言葉を口にするー。


「ーーお、お、俺が姫梨に憑依してるなら、

 そんなー… そんな、俺だってバレるようなこと

 言うはずがないだろー!?


 そ、そうだー!姫梨、越前先輩に付き纏われてたよな!?

 犯人は越前先輩だよ!そうに決まってる!」


慌てた様子でそう叫ぶ康博ー。


だがーーー


「ーーー何でキョロキョロしてるの!?」

姫梨が泣きながらそう言葉を口にしたー。


「ーーえ…」

康博が青ざめるー。


「わたし、小さい頃から康博と一緒だったんだから分かるよ!

 康博は嘘つくとき、相手の目を絶対に見ないから!」


姫梨のそんな言葉に、康博は瞳を震わせるー。


だがーーー


「ーーーーーーーごめん…なさいー」

康博はその場に膝を折ると、

悲しそうに、その言葉を口にしたー。


「ーごめんーー…姫梨、ごめんー

 俺…姫梨を傷つけるつもりじゃなかったんだー…

 ごめんー…ごめんー…」


康博は”憑依”を認めたー。

そう、姫梨に憑依して好き放題をしていたのは、

康博だったのだー。


「ーーーー…そんな……」

姫梨はあまりの悲しさに、その場で泣き崩れてしまうー。


そんな様子に、康博は心底慌てた様子で、

「ごめん…!本当にごめんー!」と、何度も何度も謝罪の言葉を口にするー


「ーー触らないで!」

姫梨が泣きながら、康博を振り払うと、

康博は「ホントにー、姫梨を傷つけるつもりはなかったんだー」と、

そんな言葉を口にしたー。


康博は、憑依薬は偶然ネットで手に入れたことー、

最初は、姫梨に憑依してほんの少しだけ楽しもうとしたことー。

使ううちに、病みつきになってしまって、何度も何度も使ったことー。

姫梨の人生を壊したりするつもりは一切なかったことー、

姫梨に”憑依されている間の意識がある”と聞いて焦ったことー、

最近は”夢を見ない”と言っていたことで油断したことー、

姫梨が寝不足になっているのを見て、週に半分ほどの憑依に留めていたこと、

などを全て説明したー。


「ーーー俺がーー…自分の欲望に勝てなかったんだー…

 俺ー…姫梨のこと、大切にしたいってずっと思ってたのにー

 …最低な人間だったー…ホント、ごめんー…


 憑依薬を使い切ったら、憑依はやめようと思ってたんだー…


 でもーーー…

 ーー姫梨に憑依なんてするつもりはなかったー

 本当に、本当にごめんー」


土下座しながら、そう言い放つ康博ー。


姫梨に憑依しておきながら、

何食わぬ顔で相談に乗りー、

姫梨を騙していた康博ー。


小さい頃から康博を知る姫梨は、まさか康博が

そんな酷いことをできる人間だとは思っていなかったー。


康博は土下座をしながら、涙を流すと

「残った憑依薬は全部捨てるーーー」と、鞄からそれを取り出すー。


「ーーー…本当は、どこかに隠し持ってたりするんじゃないのー?」

なおも、疑いの目を向ける姫梨ー。

その目からは涙が溢れているー。


しかし、康博は

「絶対に!絶対にないー約束する!」と、そう叫ぶとー、

「今から、捨てに行くからー…!」と、そんな言葉を口にしながら、

慌てて、大学の近くにある河川敷に向かって移動し始めたー。


姫梨もそれについていくー。

康博は、移動の途中も、ずっと謝罪を続けていてー、

川辺までやってくると、

迷うことなく、憑依薬の入った容器の蓋を開けて、

そのまま川へと放り投げたー。


「ーーーーー本当に、本当にごめんー

 俺、馬鹿だったよー」

泣きながらそう言い放つ康博ー。


しかしー…


「ーーー…ごめんーーー…

 今日は一人にしてー」


姫梨は、どうしても康博を受け入れることが出来ずに、

そうつぶやくと、そのまま一人で立ち去っていくー。


「ーー本当に、本当にごめんなさいー…!」

康博は泣きながらそう叫ぶー。


だがーーー

姫梨が立ち止まることはなかったー。


”明日”また謝ろうー。

いや、明日と言わず、何度でもー。


康博はそう思いながらその場を後にしたー



「ーーーーーーーーーーーー」

がーーー

その様子をーーー

眼鏡に癖毛の先輩ー…越前先輩が見つめていたー。


越前先輩は”あいつさえいなければ俺が三枝さんと付き合えるのに”と、

姫梨のことをまだあきらめてはおらずー、

ここ数日もずっと、康博のことを監視していたー。


そしてーーー

”憑依薬”のことも聞いてしまったー。


「ーーー憑依薬ーーーあれさえあればーー」

康博が憑依薬を投げ捨てたのを見つめていた越前先輩は、

迷わず川に飛び込んだー


「ーーーふひひっ!ふははははっ!」

憑依薬の容器が浮かんでー、

その周囲が、わずかに”不気味な色”に染まっているー。

すぐに、川の中で中和されるであろう、その部分をめがけて

越前先輩は人目も気にせず、泳いだーーー


そしてーーー

憑依薬の成分が浮かんでいると思われる部分で

口を開くと、そのまま川の水ごと憑依薬を飲み干したー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーー…」

酷く落ち込んだ様子で帰宅した姫梨ー。


幼馴染でもあり、恋人でもあった康博の裏切りに、

帰宅すると同時に再び泣き出してしまうー。


がーー

その時だったー


「ーーうっ!?」

ビクッと震える姫梨ー。


「ーーふ… ふふふーふふふふふふー

 ははっ…! あははははははははっ♡」

涙を流しながら、突然笑いだす姫梨ー。


姫梨は狂ったように笑いながら、

両胸を勢いよく揉み始めるー


「ーあははっ!憑依なんてー

 まさか、本当にできるなんてー

 あはははっ!あはっ! ひははははははっ♡」


悲しいはずの涙が、嬉し涙に変わって溢れ出すー。


「ーーこれで、俺がー

 俺が三枝姫梨だー

 へへっー へへへーわたしが姫梨ー!」


そんな狂気的な状況を前にー

”憑依された姫梨”の意識は戸惑いながら、

”え…ど、どうなってるのー!?ちょっと!康博!!”と

泣き叫ぶー。


がー、お構いなしに姫梨の身体は鏡にキスをし始め‐、

さらには、自分を嬉しそうに抱きしめながら

「好きっ!…好き好き好き好き好きっ!好きッ!」と、

狂ったように連呼し始めるー


”なんでー…なんでーーー…”

康博に再び憑依されたと思い込んだ姫梨の意識は絶望するー。


だがーーー


「ーー今日からわたしは”越前”姫梨になるのー

 な~んちゃって! ひははははははっ!」


その言葉にーー

姫梨は悟ったー


”今”姫梨に憑依したのは

今まで憑依していた康博ではなく、越前先輩ー…


”なんで……越前先輩がーー”

呆然としながら、”康博”の時とは違い、まるで容赦のない

乗っ取りぶりを見せ付けられる姫梨ー。


しかもーー

越前先輩は”姫梨の身体”を永遠に自分のものにするつもりだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ーーー


「ーーーねぇ、わたしと別れてよー」

クスッと笑みを浮かべる姫梨ー。


妙に短いスカートを履きー、

肩を見せるような服を着ている姫梨ー。

メイクがいつもよりキツイ感じでー、

髪型もいつもと違うー。


そんな姫梨に違和感を抱く康博ー


「ーーー…ご、ごめんー…本当に、本当にーー」

康博が憑依のことを謝ろうとすると、

様子のおかしい姫梨は笑みを浮かべながら

言葉を口にしたー


「謝らなくていいよー。

 むしろ、ありがとうーーー


 おかげで”新しいわたし”に生まれ変われたからー」


姫梨はそう言うと、

「短いスカートってエロイよねー」と、

スカートを触りながら、笑みを浮かべるー。


「ひ……姫梨ー…?」

戸惑う康博ー。


「ーーーふふふふふー

 お前が捨てた”憑依薬”、使わせてもらったよー」


そんな言葉を口にする姫梨ー。


その言葉に、康博は目を見開くー。


「ま、まさか、姫梨に憑依ー…?」

康博がそう呟くと、ニヤッと笑みを浮かべる姫梨ー。


「ーー…そ、そんなのダメだー…

 わ、悪いのは全部俺なんだー!

 姫梨は、何も悪くないー!

 これ以上、姫梨を苦しめたくない…!


 お、俺の身体ならどうしてもいいから!

 だから、姫梨じゃなくて俺に、俺に憑依してくれ!

 俺なら死んでもいいから!」


康博が必死に叫ぶー。


がーーー

姫梨は笑みを浮かべながら言ったー。


「ーー”男”の身体なんて俺はいらねぇよ」

とー。


クスクス笑いながら立ち去っていく姫梨ー。


「ーーーそんな…

 姫梨ーーー


 そんな…」


自分が”元凶”ー。

康博は、あまりに強い罪悪感に押しつぶされそうになりながら、

悲痛な叫び声を上げたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーごめんー急に会えなくなっちゃったー」

姫梨が”親友の幸恵”との約束を断るー。


もう、”今の姫梨”には関係のないことだー


”ーーーあ、ううんー

 大丈夫、彼氏とちょっと喧嘩しちゃっただけだからー”


理由を聞くと、幸恵はそう答えたー。


「ーーふん」

電話を切ったあとに、姫梨は笑みを浮かべると、

”すっかり””俺色”にカスタマイズされた自分の部屋”を見つめながら

笑みを浮かべたー。


「ーーこれからは、ず~っとずっと、いっしょだよー」

鏡に映る姫梨に向かってそう呟くーーー


そしてー、越前先輩は姫梨の身体で”一人二役”するかの如くー、

「うんー…越前先輩にわたしの全部、使ってほしいなー♡」と、

嬉しそうに姫梨の身体で囁いたー


おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


最後は完全に乗っ取られてしまうエンドでした…☆


越前先輩は、最初は憑依とは無関係で

ただの粘着質な先輩でしたが、

姫梨と康博を監視するうちに憑依薬の存在に気付いてしまい、

こういう結末になってしまった感じですネ~!


ちなみに、彼氏の康博が①の冒頭で妙に嬉しそうにしていたのは

憑依薬を手に入れたからでした~!

(姫梨に指摘されて咄嗟に漫画の発売日だと嘘をついていた設定デス~!)


あと、姫梨の親友・幸恵は憑依の件とは何の関係もないキャラでした!


お読み下さりありがとうございました~!☆

Files

Comments

No comments found for this post.