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廃工場にやってきた里香は、

友人の香苗に見られないように

悪い笑みを浮かべる。


「くくく…」

友人を陥れるー

そのことに興奮しながら里香は

振り返ったー。


「ついたよ」


里香の友人の・香苗は、警戒心を

露にしている


「何…ココ?

 ここに何があるの?」


香苗が周囲をキョロキョロしながら言う。


里香はそんな香苗を”ごみを見る目”

で見つめながら言う。


「アンタさ…」

里香は、本性を隠そうともせずに言葉を発した。


突然、アンタと呼ばれて動揺しているのが分かる


「…新庄君のこと、馬鹿にしたよね?」


「え?」


香苗の表情に困惑の色が浮かぶ。


「…ど、どういうこと?

 何で今、新庄君の話なんか?」


「「新庄君って、態度悪いし、なんか怖いよね。」 って、

 言ったよなぁ!」


里香の乱暴な口調に香苗はうろたえている


当たり前だー

本当の里香がこんな口調でしゃべるわけが

ないのだからー。


「え…・・・

 ど、、どうしたの里香!」


里香はその様子を見て笑みを浮かべ、

待ち伏せさせていた地元のワル三人を呼び出した。


「おぅ、好きにしていいぞ」


里香の可愛らしい声が廃墟に響き渡る。

最も、話している内容は本来の里香なら絶対に

口にしないような内容だが、今の里香は

嬉々として、友人を仲間たちに売った。


「いや、、やめて、、助けて!」

男3人に囲まれ、乱暴されようとしている香苗が

おびえて、なきながら里香に嘆願する


里香は不良仲間から貰ったタバコに火をつけた。

里香の体はいまやすっかり、タバコにも病みつきになっている

足を組みながら、見下すようにして

香苗の方を見つめるー。


「…罰は受けなくちゃね」

里香は、豊の意思のままに、邪悪な笑みを浮かべた。


ミニスカートであるが故に、その足は大胆に露出されている。


可愛い子がタバコをふかしながら、

友達が犯されていく様子を満面の笑みで見ている


「……り、、、里香!どうしちゃったの!」

仲間に乱暴されながら香苗は里香の方を見て泣き叫ぶ。


「…教えてやるよ。。

 実はよ、、俺、新庄なんだよ」

里香の言葉に、言葉を失う香苗。


「…え…どういう・・・こと…?」


豊は、里香の体で勝ち誇ったような笑みを浮かべて

言い放った。


「方法は教えないけどよ、俺はコイツの体に憑依して

 乗っ取ることに成功したんだよ。

 見ろよ!今じゃ里香は全部俺の思い通りだぜ。


 こうして色っぽい服装を着たり、

 ミニスカートで足を露出するのも、

 タバコを吸うのもな!

 あははははははは!」


狂ったように笑う里香を見て、香苗は絶句しているようだ。


「お前も里香みたくなりたくないだろ?

 なら、黙っとけよ。

 このことはな…

 

 誰かに言ったら、今度はお前の体をもらって、

 里香みたいに壊してやるからな」


不良顔負けの恐ろしい声を出して里香はそう言った。

すっかり、里香は悪女だー。

俺が、悪女に堕としてやったー。


香苗は、放心状態で言葉も出ないようだ。


里香は再び椅子に座り、満足そうにその様子を見つめ続けた。


ーーもしも本当の里香が見たら、

すぐにとめに入るだろう。


だが、豊の意思によって、その里香が嬉しそうにその様子を見ている。


”たまらねぇ。”


泣き叫ぶ香苗の声を聴きながら

里香は気持ちよさそうに自分の胸を触り始めた…。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


夜、里香が帰宅すると、

母親が「最近遅いのね…」と心配そうに里香を見た。


「…何したって、私の勝手でしょ」


愛想無く、言い放ち、里香は2階へと向かう。


既にメイドカフェでの稼ぎがかなり増えている。

じきに家族も学校も捨てて、一人暮らしを始めるつもりだ。


里香の体がありゃ、金なんていくらでも手に入る


「ウフ…私なら男の人なんていくらでも…」


妖艶な声で里香はわざとそう呟いた。


・・・自分の部屋に戻ると、そこには弟の孝雄が居た


「・・・何、人の部屋に入ってんのよ」

里香が、怒りをこめて言うと、孝雄が振り返った。


そこにはーーー

憑依薬の容器が握られていた


「なっ…勝手に触るな!」

里香は、ドキッとして、弟を怒鳴りつけた。


「…最後のチャンス…。

 お姉ちゃんを…返して」

孝雄は意を決した目で言う。


里香は孝雄を無視して香苗に乱暴した際の行為で汚れた服を脱ぎ捨て、

何回か着たショートパンツに履き替えた。


いつ見ても里香の体は綺麗だ。

自分で自分の足を狂ったように触る。


時間を稼ぎながら里香に憑依している

豊はこの状況をどう打開するか考えていた。


ーー里香のヤツを解放?

確かにそれは可能だ。


「憑依薬」を人に憑依した状態で飲めば、

その憑依している人物は外にはじき出される。


最初に自分が飲んだときとは違い、憑依された側の人間は

死ぬことは無いらしい。

そして豊はまた新しい体をさがすことはできる。


里香は解放されて、

豊は次の身体を探し求めて旅立つのだー。


だが…

里香は鏡を見る。


「こんな可愛い体…返すわけないだろ」

里香の声でそう呟いた。


「そう…じゃあ」

すると孝雄が憑依薬のボトルを開けた。


「なにを…?」

コイツ、何をするつもりだ?

そう思った瞬間に、豊は思い出した


”一つの体に憑依できるのは一人だけ

 2人以上憑依した場合、先に憑依していた

 魂が消えてしまう”


そう、説明書に書いてあったことを。


つまり、、もし孝雄が薬を飲んで、

里香に憑依したら、、


消えるのはーーーー


ーーー俺


「や、、やめろ!!!!

 お前、それ飲んだら死ぬぞ!

 自分の体を失うぞ!」


鏡の中の里香もうろたえている。

”そうだ、、、俺が里香なんだから当たり前だ”


「…おねえちゃんを助けるためなら、

 それでもいい」


もう孝雄は薬を飲んでいた。

そして、孝雄が倒れる


「や、、、やめろ!やめろ!!! 

 やめてくれぇーーーー!」


余裕の表情を浮かべていた里香が

一転して悲鳴をあげて部屋から飛び出そうとするー


しかしーー

何かが入ってくる感触がした


「やめ…」


そしてーーー

憑依している豊の意識はーーーーーー


そのままー

途切れたー

ーーーーーーーーーーーーーーーー

1週間後。。


「おはよう里香」

「うん、おはよう」

香苗と里香が挨拶を交わす。


「でも良かった~本当に…

 里香が元に戻って」


「うん、、ごめんね。色々迷惑をかけて」


里香はいつもの笑顔を取り戻していた。

そして、本来の優しさもーーーー。


メイドカフェでのバイトも辞め、

不良たちとの関係も経ち、

”元の自分”を取り戻したのだった。


「…うん、じゃあまた明日!」


「バイバイ!」


そう言って、里香は家の帰路につき、

帰宅した。


「ただいま~」

台所の母に挨拶を済ませる。


そこには仏壇が増えていた。

弟の孝雄の仏壇だ。


憑依薬を飲んだ彼の肉体は死んでしまった。


あのあと、里香に憑依した彼は、

そのあと里香の体から出るために、憑依薬を再び手に…


ーーー部屋へ戻った里香は、

一人笑みを浮かべた


「……」

タンスにしまってあったチャイナドレスを出し、

それに着替えた。


豊が里香の体で購入したものだ。


自分の太ももや胸を見て里香は嬉しそうに笑みを浮かべる


「…ごめんね お姉ちゃん」

鏡を見ながら里香はそう呟いた


「…これからは僕が里香として生きていくね…」

弟の孝雄は姉を救うために憑依薬で姉に憑依した。


そしてすぐに憑依薬をもう一度飲み、

別の姉から出て、別の誰かに憑依するつもりだった。


だが、、あの日。

里香に憑依したとき、

ショートパンツと誘惑する服装を着ていた里香を鏡で見て、

孝雄は興奮してしまった。


そして、一人、行為に及んでしまい、

病み付きになってしまった。


もう、、この体から出ることは考えられないーーー

孝雄はそんな考えに支配されてしまったのだった。


里香は自分の綺麗な手を自分の舌でなめた


「最高だよ…おねえちゃん」

鏡の中の里香に向かって、里香はそう呟いた・・・



おわり


・・・・・・・・・・・・・・


コメント


「失恋の報復リメイク」の完結編でした~

ムスメの身代金に比べるとあっさりしたリメイクに

なっちゃいましたが、当時を懐かしみながら

書けましたし、”今ならこう書いたかな~”みたいな

部分もたくさんあって、新鮮でした!


ここまでお読み下さり、ありがとうございました!!


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