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オンラインゲームを通じて知り合った”ナナ”ー。


そんな、ナナ=菜々美と、どんどん親しくなっていった

俊樹は、ある日、ナナから自宅にあるパソコンの調子が

悪いので見てほしいとお願いされるー。


俊樹は戸惑いながらも、菜々美の家に行くことを決め、

そのまま、菜々美と一緒に移動を始めるー。


そこが”闇の中心地”であることも知らずにー。


☆前回はこちら↓☆

<皮>オンラインゲームで知り合ったあの子の闇③~進展~

オンラインゲームで知り合い、親しくなった”ナナ”ー。 しかし、そのナナは”皮”にされて乗っ取られていて、 ”本当の中身”は、邪悪な考えを持つ男だったー。 そんなことも知らずに、ナナと親しくなっていく 男子大学生の俊樹。 ついには”ナナ”と直接会うことになってー…? ☆前回はこちら↓☆ ・・・・・・・・・・・・・・・...

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「クククククー…」

菜々美は、自分の家に向かいながら笑みを浮かべていたー


”トッシー”=俊樹と遊ぶのも、もう飽きて来たー。

飽きた玩具は捨てるー、それが、菜々美を皮にして

乗っ取っている兄・慎太郎の考え方ー。


俊樹の前にも”菜々美”として仲良くなって弄んでいた”玩具”は

2人いたー。


一人目の時は、目の前で”菜々美”の皮を脱いで慎太郎が姿を見せ、

相手の男を絶望させたー。


二人目の時は、脱いだ菜々美をペラペラのまま放置して、

相手の男が菜々美を見つけて驚く様子を見て楽しんだー。


そして、今回はー…


”福本”と書かれた表札の出ている家の前で立ち止まった菜々美は

「ここが、わたしの家ですー」と、微笑むー。


「ーーーあ…」

俊樹は、表札のほうを見て、”本名を知っちゃってよかったのかな”と、

少し不安になりながら、戸惑いの表情を浮かべていると、

「ーーあ…あはは!わたし、福本 菜々美と言いますー」と、

自分の本名を明かすー。


「ーー全然気にしないでくださいー。

 トッシーさんには、本当の名前、知っておいてほしいですしー」

菜々美のそんな言葉に、俊樹は少しドキッとするー。


ネット上の”友達”の本名を知ることは、何だか”特別な存在”のような

気がして、自然と笑みがこぼれるー。


「ーーあ、えっと…俺は重森 俊樹ですー」

自分だけ相手の本名を知るなんて失礼だと思いつつ、

俊樹はそう名乗ると、

「あははー…お互い、本名の一部を使ってたんですね」と、

菜々美は笑いながら俊樹に背を向けて、玄関の扉を開けるー。


”お前の名前なんて、興味ねーよ”

菜々美はニヤッと笑うー。


そしてー、またニコッ、といつもの優しい笑顔を浮かべると

「ーートッシーさん、どうぞー!」と、

そう言葉を口にする。


「ーーお邪魔しますー」

俊樹は、そう言葉を口にしながら、中に入ると

”想像していたのとは違う”家の中に少し表情を曇らせるー。


かなり散らかっていて、

モノも散乱しているー。


そんな家の中、少し歩いて階段の先を指差すと、

「あの先がわたしの部屋ですー」と、ニコニコと微笑むー。


そうー

今、この家に住んでいるのは実質上ー、

引きこもりの慎太郎のみー。


妹の”菜々美”は、皮にされて着られているだけだし、

一緒に住んでいることになっている”両親”も、慎太郎がたまに着て、

親族や知り合いと連絡を取りつつ”生きている”演出をしているだけー。


この家に住んでいるのは、慎太郎一人なのだー。


引きこもりの慎太郎は、家の掃除も十分にせず、

そこら中が散らかっていたー


「ーーーー」

俊樹が、少し表情を歪めながら家の中を見渡すー。


「ーどうかしましたか?」

それに気づいた菜々美はニコニコしながら、そう言葉を口にするー


”菜々美を着ている慎太郎”からすれば、”これが普通”であり、

俊樹が”家の中の想像以上の汚さ”に驚いているとは気付かなかったー


「あ、いやー…その、何でもありませんー」

俊樹はまさか、”散らかってますね”などとは言えず、

そのまま笑顔を作ると、菜々美に案内されて、

菜々美の部屋の中に入ったー。


「ーーーー!」

俊樹は、ここでも驚くー。


菜々美の部屋は、可愛らしいぬいぐるみや、

小物類が置かれていて、アイドルのポスターらしきものも

貼られているーーー


がーーーー


まるで”その上から上書き”されたかのように、

美少女フィギュアや、アニメのポスター、キャラクターの抱き枕、

さらにはHなゲームまで色々なものが散乱されているー。


”元々、女子の部屋”だったところに

そのまま別の人物がやってきてモノを置いたかのようなー、

不気味な感覚ー


「ーーーー」

後から入って来た菜々美が、冷たい目線で俊樹の背中を見つめるー。


この部屋はー

”菜々美”が乗っ取られる前に使っていた部屋に、

そのまま兄の慎太郎が私物を大量に持ち運んだ部屋ー。


”菜々美の私物”は、わざとそのままー、

自分の私物を置いている状態ー。


「ーーーそ、それで、調子の悪いパソコンは、これかなー?」

俊樹は、部屋の中に驚いたことを悟られないように、

パソコンを指差すと、菜々美は「はいー」と、静かに笑みを浮かべたー。


そしてーーー


菜々美が突然、俊樹の方に近付いてくると、

菜々美は、謎の注射器を俊樹に打ち込んだーー。


「ーーー…え?」

驚いて首筋を押さえる俊樹ー。


「ーーーーー」

菜々美はニヤッと笑うー。


「ー”お前”は、わたしのお兄ちゃんを馬鹿にしたー…

 だから、許さないー」


菜々美の言葉に、俊樹は混乱しながら菜々美を見つめるー。

身体中から力が抜けていくー。


「ーーわたし、”慎太郎お兄ちゃん”のことがだ~い好きなのーー

 でも、トッシーさんは、わたしの大事な大事なお兄ちゃんのことー

 バカにしましたよねー?

 

 だからーーお仕置きするのー」


ニヤッと笑う菜々美ー


俊樹は「え……」と、混乱しながら、

身動きが取れなくなって、床に倒れ込むー。


菜々美が俊樹に注射したのは、”身体の力を一時的に抜く”注射ー。


”まだ”皮にするには早いー。


菜々美は笑みを浮かべながら

「お兄ちゃん~~!お兄ちゃんを馬鹿にしたトッシーを

 捕まえたよ~?どうする~?」と、部屋の外に向かいながら

言葉を口にするー。


「ーーー…な…ナナさん!」

俊樹は悲痛な叫び声を上げるー。


がー、菜々美は部屋の外に出ると、

「ーーわたしと仲良しになれたと思ってたでしょ?」と、

笑みを浮かべるー


「ーーー残念でしたぁ~~~~

 わたしは、お兄ちゃん一筋なんですぅ~~~!!」

菜々美は煽るような口調でそう叫ぶと、そのまま部屋の扉を

半分閉じて”部屋の外”が、中からは見えないようにしたー。


部屋の外の廊下に立った菜々美はニヤッと笑みを浮かべると

後頭部を触りながら、”菜々美の頭”だけを脱ぐー。


兄の慎太郎が顔を出すと、

「ーへへ…あのクソ雑魚野郎を捕まえたのかーよくやったぞ菜々美」と、

そう呟きーー…

そしてまた、”脱いでいた顔の部分”を身に着けて菜々美になるー。


「ーーえへへーお兄ちゃん、ありがとう!

 アイツ、簡単にわたしに騙されて家にまで付いてきちゃって、

 ホント、モテない男って感じだよねぇ~」


”菜々美の声”で言うー。


すぐに菜々美の皮を頭だけ脱いで”慎太郎”自身の声で、

「へへへへー”ナナさん!” ”ナナさん”とか嬉しそうに言ってる

 あのクソ雑魚の声ー、いっつもマジで面白かったもんなぁ~」と、

そう言葉を口にするー


”ーーあはははっ!マジでそうだよね~!

 あっははははは♡”


菜々美の声が聞こえて来るー。


俊樹は、身動きが取れないまま、

深い絶望を感じていたー


部屋の外では”菜々美”と、その兄・”慎太郎”が、

俊樹を馬鹿にする会話を続けているー。


本当はーーー兄の慎太郎が”一人二役”とやっているのだが、

その光景は扉に遮られて見えないー


”ーーそれにしても、菜々美、悪い女だよなぁ~

 オンラインゲームで騙せそうな男見つけては

 こんな風に誘い込んでるんだからー”


慎太郎の声が聞こえて来るー


”ふふー…だって、わたし、可愛いんだもんー

 可愛い見た目は、有効活用しなくっちゃー”


菜々美の声が聞こえて来るー。


”ーーははは!さ~て、あのクソ雑魚はどうしてやろうかなぁ”


そんな慎太郎の声が聞こえて来ると同時にー、

慎太郎が部屋の中に入って来たー。


扉の外で、菜々美の皮を脱ぎ、足で端によせた慎太郎ー。


しかし、それが見えない俊樹は

”会話をしていた菜々美と慎太郎”が会話を終えて、

兄の慎太郎が入って来たようにしか見えないー。


「ーーー…な…何をするつもりですかー…?

 お、俺をどうするつもりなんですか!?」

俊樹が悲痛な叫びをあげるー


”あぁーーーいい顔だぜー

 信じてた”ナナ”に裏切られて絶望しているのに、

 自分自身の身に迫る危険も感じて、

 失望と恐怖が5:5でブレンドされたその顔ー”


慎太郎はそんな風に思いながら、

「菜々美は、お前なんかより兄である僕のことが好きなんだよ」

と、笑みを浮かべるー。


「いつもいつも、対戦が終わると菜々美、

 お前の悪口ば~っかり言ってたんだぜ?」


慎太郎の言葉に、目に涙を浮かべる俊樹ー。


「ーーー…お…俺はー…」

涙が溢れて、言葉が続かないー。


慎太郎は笑みを浮かべながら、また部屋の外に行き、

部屋の中から見えない位置に移動すると

「な?菜々美!」と、そう言葉を口にするー。


すぐに菜々美の皮を着て、

「ーうふふふ…だって~トッシーさん、キモいんだもん~」と、

”菜々美が自分の意思で言っているかのように”菜々美の声で

そう言葉を口にするー。


”ーーーーナナさんーーーー…”

菜々美の部屋の中で、聞こえて来る”二人”の会話を聞きながら

心底ショックを受ける俊樹ー。


”ナナ”に対する失望と怒りの感情が膨らんでいくー。


”トッシーさん、キモいだけじゃなくてゲームも下手くそだしー

 下手なくせにお兄ちゃんの言うこと聞かないなんて

 笑っちゃうよね~”


菜々美の声が聞こえるー


”はははーだよなぁ、そのくせ、僕の陰口なんか言っちゃってさ”


慎太郎の声が聞こえるー。


慎太郎が、菜々美の皮を脱いだり、着たりしながら

”一人二役の会話”を続けるー。


がー、扉に遮られて、部屋の前の廊下で話している二人の姿は見えないー。


しばらく、”二人”の悪口を聞かされていた俊樹ー


しかし、やがて”菜々美”が戻ってくると、

「ー本気でわたしみたいな”可愛い子”と仲良くなれたとでも思ったー?」

と、見下すような口調で言うー。


菜々美の顔は悪意にゆがみー、

心底俊樹を侮辱しているのが分かるー。


俊樹は涙目で「ーーゲーム仲間だと思ってたのにー」と、

そう言葉を口にするー。


菜々美は”わざと”鼻で笑うと、

「ー冗談はやめてよー。自分の顔、鏡で見たことある?

 ゲームも下手、コミュニケーションも下手、

 トッシーさんにいいところなんて、ひとつもないの」

と、キツイ口調で言葉を続けるー。


俊樹は決して下手ではないし、

コミュニケーション能力も”普通”だしー、

顔も別に悪くはないー。


がー、今の状況で菜々美がそう言えば、

俊樹がさらに”絶望”することを、慎太郎はよく理解していたー。


「ーーーーー最低だよー」

俊樹は、悲しそうに、そして吐き出すように菜々美に言い放つー


菜々美はそんな俊樹の姿を見て、ゾクゾクと興奮するー


”あぁ、いいよー

 その裏切られた絶望のカオー

 天国から、地獄に落ちた顔ー


 それとーー”菜々美”に怒りをぶつけるその顔ー


 へへへー…

 菜々美も僕に乗っ取られてるだけの被害者なのにー

 憎まれちゃうんだー

 

 くくーーーー”


「くくっ…くくくくくくーーー」

菜々美は笑いをこらえ切れなくなって、

口元を押さえながら、慎太郎の”普段の笑い方”で

笑ってしまうー


「ーーーーー…」

俊樹は、そんな菜々美を見つめながら、

今一度悲しそうな表情を浮かべるー


「ーわたしに失望しましたかー?

 ”ナナ”は、こういう女なんですよぉ? ふっふふふふふふー

 ははははははっ♡」


菜々美が煽るようにして言うーーー


俊樹は「ーーもう、ナナさんとは二度とゲームなんてしないよー」と、

茫然とした表情を浮かべながら呟くー。


怒りも通り越して、無気力な振る舞いを見せる俊樹ー。

そんな俊樹を見つめながら、菜々美はにっこりと笑みを浮かべたー。


「ーーじゃあ、トッシーさんー」

そう呟くと、菜々美は”人を皮にする注射器”を手にして笑うー。


「ーーー‥な…何を…何をするつもりだ!?」

俊樹が叫ぶー。


菜々美は、邪悪な笑みを浮かべながら答えたー。


「ーーー”わたしたち”のコレクションになってもらうんですー」

菜々美はそう言うと、部屋のクローゼットのような部分を開くとー、

その中に吊るされていた”2枚の皮”を見せ付けたー。


”俊樹の前”に、

”ナナ”の正体を知らずに弄ばれた男たちの末路ー。


「ーーーふふふふー

 わたしとお兄ちゃんは”バカな男”たちを、戦利品として

 こうして飾ってるんですー。

 見るたびにーー

 ”みんな、わたしに騙されたんだなぁ”って興奮するからー」


菜々美のそんな言葉に、俊樹は思わず震えるー


”この子は悪魔だー…”

そう、思ったー。


「ーーふふふー

 わたしのこと、わる~~~い女だと思ってますよね?


 ふふふー

 いいーー… イイーーー

 その、わたしを憎む目ーー

 ふふふふ 憎まれて興奮しちゃうー!」


菜々美は心底興奮した様子で、そう言葉を口にするー。


”僕のせいで、菜々美が憎まれてるー クククーたまらないー”


兄・慎太郎は思うー。

菜々美も”僕”に皮にされた被害者なのに、

何も知らない俊樹は、菜々美のことを悪い女だと思って

憎んでいるー。


本当に、たまらない、とー。


「ーーさよならトッシーさんー

 あ、最後にわたしに言いたいこと、ありますか?」


菜々美が注射器を手に、そう言葉を口にすると、

俊樹は”もう、自分が助かる術はない”と、悟ったのか

大きくため息をついて、菜々美の方を見つめたー


「ーーナナさんー

 俺は君を軽蔑するー 心の底からー」


そう、ハッキリと強い口調で言う俊樹ー


菜々美は思わず嬉しそうに笑みを浮かべると、

そのまま俊樹に注射器を突き立てたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


1か月後ー


「あはは!木星さんって上手ですよね~!

 わたしも頑張ります!」


”ナナ”が今日も楽しそうにゲームをプレイしている。


”えへへー…ナナさんに褒められると嬉しいですー”


”歩く木星”と表示された男性プレイヤーが

嬉しそうにそんな言葉を口にするー。


「ーーふふー」

ニヤリと笑みを浮かべるナナー。


また、新しいおもちゃを見つけたー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


俊樹くんは最後まで”ナナ”を悪女だと思い込んだまま

皮にされてしまいました~!


いつか、慎太郎がこれを繰り返すうちに誰かが真相に気付いて、

彼を懲らしめる日が来るかもしれないですネ~…☆


お読み下さりありがとうございました~~!☆!

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