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仕事人間の将司は、取引先に向かう途中に階段から転落ー、

美月と入れ替わってしまったー。


その身体のまま、取引先へのお詫びを終えたものの、

今度は”どうしても会社に戻らないと”と言いだす美月(将司)ー。


しかし、女子大生・美月の姿では、

当然、会社内に入れてもらえるはずもなく…?


☆前回はこちら↓☆

<入れ替わり>早く職場に戻らないと②~戸惑い~

取引先へのお詫びに向かうため、 慌てていた将司は、駅で階段から転落ー… 偶然その場に居合わせた大学生・美月と入れ替わってしまうー。 しかし、入れ替わってしまっても、彼が考えていたのは ”仕事”のことばかりー。 将司となった美月を連れて、取引先への謝罪を済ませたものの、 今後は”早く職場に戻らないと”と、言い...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「とにかく!僕が柿本将司なんです!!!」

大声で叫ぶ美月(将司)ー


警備員も、将司の後輩である京平も、困惑の表情を

浮かべているー。


しかし、やはり、周囲からすれば

”うちの社員の名前を名乗るヤバい女子大生”にしか見えないー。


「ーーーーそんなこと言われても、信じられると思いますか?」

後輩の京平が戸惑いながら言うー。


がー、将司(美月)が「こ、この人の言ってることは本当なんですー」と、

口を挟むと、京平は二人の顔を見比べて、

「ーーいや……え??? ……ど、どういうことですかー?」と、

困惑の表情を浮かべたー。


美月(将司)は「小暮社長へのお詫びに向かう途中で、

この子と入れ替わってしまってー」と、素直にそう説明するー。


京平と警備員の男は、あまりに現実離れした言葉を聞かされ、

呆然とした表情を浮かべることしかできないー。


それでも、美月(将司)は必死に話を続けるー。


粘り強く話を続けた結果ー、京平は半信半疑ながらも

話を信じてくれたのかー、

「ーわ、分かりましたー。つまり柿谷さんの姿をしてるのが、

 この身体の持ち主の子で、

 柿谷さんが、今は女子大生ということですかー?」

と、そう言葉を口にするー。


「そ、そうー。そういうことだよー」

美月(将司)は、そう言葉を口にすると、

京平は笑いながら「はははー…エロくないですか?それ?」と

興味深そうに美月(将司)のほうを見つめるー。


「ーー柿谷さんが、女子大生になれるなんて…

 いいなぁ……

 俺だったら今ごろ、喜んで街に遊びに行ってますよー」


京平は笑いながらそんな言葉をついつい口にするー


「ーーい…いや、僕はそういうのはー」

美月(将司)は顔を赤らめながら、そう言葉を口にするー。


「ーはは、柿谷さんは仕事一筋ですからねー。

 どうせ入れ替わったあとも仕事仕事言ってたんでしょう?

 俺にはお見通しですよー。」

京平はそこまで言うと、ふと、将司(美月)の方に視線を移すー。


なんだか、

将司(美月)から、睨まれている気がして、

「し、失礼しました」とすぐに頭を下げると、

気まずそうに、「そ、それでー、元に戻る方法はないんですか?」と、

言葉を口にするー。


その言葉に、首を振る美月(将司)ー


「元に戻る方法があったら、このまま会社に戻ってきたりはしないよ」

美月(将司)がそう言うと、

将司(美月)も、不満そうに「色々試しましたけど、元に戻れないんです」と、

困り果てた様子で言葉を口にしたー。


「ーそ…そうですかー……」

京平は戸惑いながら、

会社の方を見つめるー。


「ーでも、俺に言われても

 俺、平社員ですからどうにもできませんよー?

 その子の身体で会社内に入るわけにもいかないでしょうし」


京平の言葉に、美月(将司)は「やらないといけない仕事があるんだー」と、

焦り切った様子で言葉を口にするー。


「ーーってか、もし本当に二人が入れ替わってるならー、

 まず、病院に行った方がいいんじゃないですかー?

 仕事なんて言ってる場合じゃないですよ?」


京平のその言葉に、

将司(美月)は「わたしもそう思います!」と、咄嗟に口を挟むー。


美月(将司)は、まだ職場に戻ることを諦めていないのか

「いや、でもー…」と、ソワソワした様子を見せるも、

将司(美月)はうんざりした様子で言葉を口にしたー。


「ーこのままじゃ、会社全体に”入れ替わった”なんて信じてもらうことは

 多分できないと思いますし、

 かと言って、わたしが柿谷さんのフリをして会社の中に入っても

 何もできません!」


その言葉に、

美月(将司)は「いや…わ、分かってはいるんだけどー…」と、

そんな言葉を口にするー。


それでもまだ、職場に戻りたいオーラを出し続ける美月(将司)ー。


「ーーその子の言う通りですよー。

 病院に行けば、元に戻れるかもしれませんし

 何か分かるかもしれませんー。


 それにー…

 入れ替わったことを信じて貰えたとしても、

 その子の身体でずっと仕事をするわけにはいかないでしょう?」


京平の呆れ顔ー。

美月(将司)は、ようやく渋々と職場に戻ることを諦めると、

そのまま将司(美月)と共に、病院へと足を運んだー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ちょうど、近くに総合病院があったために、

まずはそこで”入れ替わり”について、相談した二人ー。


しかしーー

当然、”入れ替わっちゃったんですけど”などと受付に行っても、

「???」という反応をされてしまうー。


病院側もまともに対応してくれない中、

美月(将司)と将司(美月)は、困惑の表情を浮かべながら

帰ろうとしたー。


がーー

その時だったー。


「ーーどうかしましたか?」

受付でしばらく説明を繰り返してもめていたからだろうかー。

年配の医師が美月(将司)と将司(美月)に対して、

声をかけて来たー。


「ーーあ…え、えっと、ぼ、僕とこの子の身体が入れ替わってしまってー!」

美月(将司)がそう叫ぶー。


「ーう、嘘だと思われるかもしれないんですけど、本当なんです!」

将司(美月)も、そう言葉を口にするー。


「ーーーーーい…入れ替わり…?」

やはり、その医師も、受付と同じような反応を示すー。


「ーー階段からこの人が落ちてきてーぶつかった時にー」

将司(美月)が、なおも必死に言葉を続けるとー、

あまりの必死さに、医師は折れたのか、

「ーまぁ、一応、診察してみましょう」と、

そんな言葉を口にしたー。



その結果ーーーー


「ーーー……あ、あり得ないー」


”二人の身体が入れ替わってしまった”ー

そう説明されたこの医師は、脳神経外科の医師らしく、

”そこまで言うなら”と、脳波に関係する検査を行ってくれたー。


当然、”異常なんてあるわけがない”と、そう思ってはいたものの、

”とにかく患者を増やして病院の収益を上げろ!”と、院長が

最近はうるさいので、”患者数”を増やそうと、

何も異常が出ないと思っていながら、検査を行ったのだー


がー…

その結果ー。


「ーーー……ど、どうかしましたかー?」

美月(将司)が、困惑した表情を浮かべたまま、

そう言葉を口にすると、

将司(美月)も「せ、先生ー?」と、不安そうに言葉を口にしたー。


「ーー通常の人間では、あり得ない”脳波”が検出されてるー…

 こ、これは一体ー…?」


医師は、困惑しながらそう言葉を口にするー。


「そ、それはどういうことですかー?」

美月(将司)が言うと、医師は「分からないー」としたうえで

「君たちの脳にはー…そうだなー…簡単に言うと、

 ”二人分”の反応が存在するー」

そんな説明を続けたー。


どうやら、”脳”に通常起きない反応が起きているようだー。


医師は、困惑した表情を浮かべながら、

「ーーーーーこんな反応、あり得ないー」と、再び

何やら検査結果を見つめているー。


美月(将司)と将司(美月)は、戸惑うー。


「ーーーそれで、元に戻れるんですかー?」

将司(美月)は不安そうに尋ねるー。


”女子大生”から”おっさん”の身体になってしまった彼女からすれば、

当然”元に戻りたい”というのが第1なのだろうー。

心底、心配そうに言葉を口にしたー。


がーー

美月(将司)は言うー。


「ーい、入れ替わっていることを証明するような、何か書類みたいな

 ものは出せますかー?」


美月(将司)のそんな言葉に、

戸惑いの表情を浮かべる医師ー。


「い、いやー、そんな書類はないがー…」

”入れ替わり証明書”などあるはずがないー。

医師が困惑の表情を浮かべていると、

美月(将司)は「ー入れ替わってることを証明してくれないと、

職場に入れてもらえないんです!」と悲痛な叫びをあげたー。


「ーーー……そ、そう言われてもー」

医師は戸惑いながら、

パソコンで何かを確認すると、

「明日、うちの常勤のこの手のことにもっと詳しそうな先生が

 出勤してくるからー、今日はひとまず検査入院という形で

 入院して貰って、明日、ゆっくり話を、ということでどうかなー?」と、

そう言葉を口にしたー。


”自分では手に負えない”と判断したのだろうー。

匙を投げつつも、”入院”させることで、院長の意向である

”患者数”を増やすことー、そして、さらには、

自分自身”未知の現象”に興味があり、

入れ替わりなどという状況に”本当に直面しているかもしれない”

2人を逃したくないという思いから、そう言葉を口にしたー。


「ーーー……」

戸惑う二人ー。


がー、このままの状況でどうすれば良いのか分からないまま

彷徨うよりはマシだー。

それに、今までの周囲の人々の反応から

”ここまで信じてもらう”のも難しいかもしれないー。

この病院でこのまま診察を受けたほうがいいと、

2人は相談の上で決めーー、今夜はひとまず、

この病院で”入院”することにしたー。


「ーーーー…はぁ…」

深夜になっても、書類の確認を続ける美月(将司)ー


「ーあ…あの…そろそろ寝ませんかー?

 それー…”わたしの身体”なんでー」

将司(美月)が不満そうに言うと、

美月(将司)は、ショボショボした目をこすりながら

「ーーそ、それもそうですね」と、そう言葉を口にして、

ようやく寝る体制に入ったー。


「ーーーーーーー」

美月(将司)は、寝る姿勢に入って、

ようやく、自分と入れ替わった相手の女子大生の美月に対し、

何だか申し訳なさを感じて言葉を口にするー。


「ーーなんか、今日は色々巻き込んですみませんでしたー」

美月(将司)のそんな言葉に、

将司(美月)は、今日の出来事に色々な不満を感じつつも、

「いえー…」と、そう答えたー。


「ー明日には、元に戻っているといいですねー」

将司(美月)は、そう言葉を口にすると、

静かに、そのまま目を閉じたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌朝ー


「ーーーー!!!」

将司が目を覚ますと、自分の手を見つめながら表情を

歪めたー。


「ーーーえ…ーーも…元に戻ってるー!?」

将司は嬉しそうに声を上げると、

すぐに立ち上がって、病室から外に出るー。


すると、偶然、病室に顔を出そうとしていた昨日の担当医・

久保田(くぼた)と鉢合わせしたー。


「おやーおはようございますー

 昨日お話した先生も、このあといらっしゃるのでー」

久保田医師のそんな言葉に、将司は「い、いえ…その」と、

少し戸惑った様子を見せてから、

嬉しそうに「先生!僕、元に戻りましたよ!」と、

そう報告したー


「ーーえ…?」

久保田医師は戸惑いながらも、将司の方を見つめながら

「ほ、本当ですかー?」と、そう言葉を口にするー。


「ーはい!本当です!」

将司は嬉しそうに目を輝かせながら、

「ーこれで会社に戻れますね!お世話になりました!」と

頭を下げて、退院手続きの方法を確認し始めるー。


「ーーー…で、でもどうして急にー?」

久保田医師の方が戸惑いの表情を浮かべるー。


将司は「寝たから治ったんじゃないですか?」と、

そんな返事をしながら、職場に戻れるのが嬉しくてたまらない、という

様子を見せるー。


「寝たら治ったー…?そんなはずはー」

久保田医師はそう呟きながらも、

”寝ている間は、起きている間とは脳の活動が異なるー

 それが入れ替わりに何か影響をー?”と、

そんなことを頭の中で考えるー。


すぐに久保田医師は「退院前に、もう一度検査だけでもー」と、

提案するー。

脳の状態を見ておきたいー。


しかし、将司は「昨日の分の仕事もたまってますのでー

僕はこれで」と、”とにかく職場に戻りたいモード”全開で、

そのまま足早に退院してしまったー


「ーーー…ーーーは…はぁ」

久保田医師は、今日紹介するつもりだった先生になんて説明すればー、

と戸惑いながら、まだ病室にいるであろう美月に話をしようと、

そのまま美月の所に向かうー。


「ーーーあ、先生ー」

美月は目を覚ましたばかりなのか、眠そうにしながら

久保田医師の方を見つめると、

「ーー何か、寝ている間に元に戻ったみたいだねー。」と、

笑いながら言葉を口にするー。


「えー」

美月が少し驚くー。


「柿谷さんにも、念のため”検査だけでも”って言ったんだけどー

 あの人、仕事のことしか考えてないみたいでー

 さっきもう退院しちゃったよ」


苦笑いしながらそう言い放つ久保田医師ー。


がー、美月は「え…?」と、今一度言葉を口にすると、

信じられない言葉を続けたー。


「ーーーあ、あのー先生」

美月の言葉に、久保田医師は「ん?」と、

美月の方を振り向くー。


「ーーぼ…僕…柿谷将司なのですがー?」


美月は、そう言ったー。


「ーーん???」

瞬きしながら、戸惑いの表情を浮かべる久保田医師ー。


「ーーぼ、僕!元に戻ってないんですけど!」

美月はそう叫ぶー。


「ーーんんん????」


さっきー、

確かに”将司”は”元の身体に戻れた”と喜んでいたはずー。


がー、まだ、美月の中身は”将司”なのだと、

目の前の美月は言っているー。


「ーぼ、僕が退院したってどういうことですか!?」

美月は戸惑いながらそう叫んでいるー。


てっきり”美月”も、自分の身体に戻っていると思い込んでいた

久保田医師は、ただ困惑の表情を浮かべることしかできなかったー。


将司の中身は将司に戻ったー?

でも、美月の中身も将司のままー?


謎の状況を前に、美月も、医師も困惑することしかできなかったー。



④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


一体何が起こってしまったのでしょうか~?☆

その答えは、次回の最終回のお楽しみデス~!


今日もお読み下さりありがとうございました~~!☆☆!

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