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オンラインゲームで知り合い、親しくなった”ナナ”ー。


しかし、そのナナは”皮”にされて乗っ取られていて、

”本当の中身”は、邪悪な考えを持つ男だったー。


そんなことも知らずに、ナナと親しくなっていく

男子大学生の俊樹。

ついには”ナナ”と直接会うことになってー…?


☆前回はこちら↓☆

<皮>オンラインゲームで知り合ったあの子の闇②~愉悦~

最近、オンラインゲームで”ナナ”というプレイヤーと 仲良くなった俊樹ー。 俊樹は、毎日のように”ナナ”とゲームをしながら、 楽しい時間を過ごす日々を送るー…。 しかし、俊樹は知らないー。 ”ナナ”の秘密をー。 ナナは、引きこもりのニートである彼女自身の兄・慎太郎に 皮にされているということをー…。 ★前回はこちら...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーはじめましてー。わたしが”ナナ”ですー」


その言葉に、俊樹はドキッとしながら

「と、トッシーです…初めましてー」と、

そう言葉を口にしたー。


”ナナ”は、想像以上に可愛らしい子でー、

俊樹からすれば”こんな可愛い子が、あのゲームを遊んでいるのか”と、

そう思うぐらいに、衝撃的だったー。


「ーーど、どうかしましたかー?」

ナナが少し戸惑った様子で笑うと、

俊樹は”か、可愛すぎる…”と、内心で思いながらも

平静を装って、「あ…何か食べますー?」と、

合流したファミレスのメニューを手に、そう言葉を口にしたー。


”ーーーークククー”

菜々美は、笑みを浮かべるー。

菜々美の”中身”は、菜々美の兄で引きこもりのニートだった

慎太郎ー。


彼はー、妹の菜々美を”皮”にして乗っ取って以降ー、

”菜々美”と”自分自身”、一人二役をこなして

男性プレイヤーを騙しては、弄ぶことを繰り返していたー。


「ーーーじゃあ、わたしはこれを!」

パフェを指差す菜々美ー


”本当は僕は甘いモノ、好きじゃないんだけどなー”

菜々美はそう思いながらも、

”ま、こいつの口で食べるとうまいけどなー”と、

ニヤニヤと笑うー。


皮にした人間で”食事”をすると、

味覚は”自分のもの”ではなく、皮にした人間の味覚になるー。

慎太郎は、これまで”菜々美”として食事を繰り返すうちに

そんなことに気付いていたー。


「ーわ~~~!おいしそう!」

菜々美がわざとらしいリアクションをしながら

”まだ”注文した料理が届いていない俊樹の方を見て

「あ、お先に頂きます!ごめんなさい」と、

可愛らしく微笑んだー。


顔を赤らめながら笑っている俊樹ー


(ククククー

 もっともっとー、”ナナ”のことを好きになれー)


菜々美は、笑みを浮かべながらパフェを口にしつつー、

”ゲームの雑談”を続けるー。


そもそも”俊樹”は、一度も”本当の菜々美”と話したことはないー。

元々菜々美はオンラインゲームなんてやらなかったし、

”ナナ”と名乗ってオンラインゲームをやり始めたのは、

慎太郎に乗っ取られてからー。

つまりは、自分の意思ですらないー。


「ーーーへ~~そうなんですね~

 トッシーさん、いつも優しいイメージですし、

 彼女さんとかいるのかと思ってました!」


菜々美は、俊樹と楽しそうに雑談を続けるー。


慎太郎はーー

”性格の良い女”を演じる自分に酔っていたー。


”菜々美”を着て、”良い子”に振る舞っていると、

本当に周囲はヘラヘラとー、

楽しそうにしているー。


その”間抜けなツラ”を見るのが何よりも楽しかったー。

だから、これまでにもーー

”俊樹”よりも前にも、何人も弄びー、

最後に”地獄”を見せているー。



「ーーひっ……?ば、化け物ー…?」


最初に騙した男子大学生はそう言っていたー。

散々”菜々美”として仲良くなってー、

家に呼びよせてー、楽しく雑談した直後に、

「実はわたし、お兄ちゃんに乗っ取られてるんですー」と、

そう暴露して、”目の前で菜々美の皮”を脱いでやったー。


菜々美が真っ二つに割れてー、中から慎太郎が出て来た

光景を見て、最初に騙した男子大学生は震えながら

「化け物……」と、そう言葉を口にしていたー。


あの光景は、今でも忘れられないー。



「ーーーーな、ナナさん!!! ナナさん!!!」


2人目のー…

社会人3年目の男を弄んだ際にはー、

家に呼んだあと、”皮にしたナナ”をあえて、

放置して、その男の反応を見て楽しんだー。


さっきまで”楽しそうに”話していたはずのナナが、

突然、”脱ぎ捨てられた皮”となって

部屋に横たわっているのを見たあの男の

青ざめっぷりと言ったら、本当に傑作だったー。


まるで死体を見つけたかのように焦り、怯えー、

そして、ついには救急車を呼ぼうとし始めたー。


”皮になった人間”を救急車で運んだところで何になるー、と、

あざ笑いながら、慎太郎は背後から姿を現し、

その男を”皮”にしたー。


本当に、傑作だったー。



そしてー、今回ー

”3人目のおもちゃ”が、俊樹だー。


「ーーー今日は、本当に楽しかったですー」

”ナナ”として、そんな言葉を口にするー。


”ナナ”を演じながら雑談をするのは、本当に楽しいー


”話自体”ではなくーーー…

”相手の浮かれる顔”を見ているのが、本当に楽しいー


”ーーぐふふふふふーーー…

 じゃ、またなー、トッシーさんよ”


菜々美は、心の中でそう思いながら

”また今度も会う約束”をして、

そのまま立ち去って行ったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「あ~~~…ナナさん 本当にいい人だったなぁ~…」

すっかり騙されてしまった俊樹は、

帰宅しても嬉しそうにそんな言葉を口にするー。


”ナナ”の笑顔が忘れられないー。


俊樹はそれからも、”ナナ”と楽しくオンラインゲームを

遊ぶ日々を続けたー。


だがー、ある日ー。


”今日は、お兄ちゃんもボイスチャットに参加したいみたいなんですけどー…

 いいですかー?”


ナナがそんな言葉を口にしたー。


ナナの兄”SIN"=慎太郎のことは、正直苦手だった。

ナナ自身も、あまり良く思っていない、とは言っていたが、

あまり雑に扱うこともできない、とー、

渋々それを承諾するー。


”ーートッシーさんもあまり乗り気じゃないと思いますけどー、

 ごめんなさい”

小声でそう呟くナナー。


「ーーあ、いえー、こちらこそ気を使わせてすみませんー」

そんな言葉を返すと、俊樹はそのままゲームを続けるー。


”へへへ~下手くそ同士、頑張って下さいねぇ~”

慎太郎=”SIN"の声が聞こえてきて、

俊樹は表情を歪めるー


「ーーお、俺はともかく、ナナさんは上手ですよ!」

俊樹が、ナナのことを庇うようにそう言うと、

”いえー、わたしはいつもトッシーさんに助けられてばかりでー”

と、申し訳なさそうに言葉を口にするー


”へへへーまぁ、今日は二人の戦いを見せてもらうから

 よろしくお願いしますねぇ”


ナナの言葉に続いて、兄である慎太郎の声が聞こえるー


「ーーー(嫌な感じのお兄さんだなー)」

そんなことを思いながらも、ナナとチームを組んで

いつものようにゲームを始めるー。


”俊樹”は当然ー、

画面の向こうには、”ナナ”と、その兄である”SIN"の二人がいる、と

そう思い込んでいるー


がー…実際に画面の向こうにいるのは、”ひとり”ー。

慎太郎が、菜々美の”皮”の顔の部分だけ脱いで”慎太郎”として話し、

すぐに”菜々美の顔の部分”をまた着て”菜々美”として話しているだけー。


”トッシーさんに優しい菜々美”と、

”嫌味な兄・慎太郎”

両方を、”一人二役”しているのだー。


「ーーあ!」

プレイ中にミスをしてしまう俊樹ー。


俊樹もこのゲームはそれなりに上手いが、

当然ミスをすることもあるし、一流プレイヤーに勝てるほどではないー


「すみません ナナさんー俺のせいで」

俊樹が申し訳なさそうに言うと、

ナナは”いえいえ、誰にでもミスはありますよ!気にしないでください”と、

優しく言葉をかけるーーー


がーーー


「ーーチッ」

マイクの音声を一瞬切って、”菜々美”の顔の部分だけ乱暴に脱ぐと

「ーったく下手くそだな!くだらねぇミスしてんじゃねぇよ」と、

本音を”慎太郎”として口にしたー


”すー…すみませんー”

”トッシー”の申し訳なさそうな声が聞こえて来るー。


慎太郎は笑みを浮かべながら”菜々美”の顔の部分を再び身につけるとー、

「もう!お兄ちゃん!そういう言い方しない!」と、声を出してから、

「ートッシーさんごめんなさいー 気にしないでくださいねー」と、

そう言葉を口にするー。


再び”菜々美”の顔の部分だけを脱いでー、

「そんな甘いこと言ってるから、トッシーさんも成長しないんだぜ」と、

嫌味を口にすると、

”すみませんー”と、謝罪する俊樹をあざ笑いながらー、

再び”菜々美”の顔の部分を身に着けたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”先日は、ごめんなさいー”


数日後ー、

”ナナ”からそんなメッセージが届くー。


俊樹は”いえ、ナナさんは何も悪くないですよ”と、

そう返事を返すと、

”また一緒に遊びましょう”と、そんなメッセージを送ったー。


それからも、ナナと一緒にゲームを遊んだりー、

都合が合えば、実際に会って食事をしたりー、

そんな日々が続いたー。


”菜々美”の皮を使って、俊樹を惑わし、楽しんでいる

慎太郎は、”飽きるまで”俊樹で遊ぼうと決めていたー。


そしてー

2カ月近くが経過したある日ー


ゲームを遊び終えた菜々美は”トッシー”からの

メッセージを見つめながら鼻で笑うと、

「ーー飽きた」と、真顔でそう言葉を口にしたー。


”菜々美”が、こんな怖い顔をしたことは

あっただろうかー。


「ーーーー」

鏡で菜々美の顔を見つめながら、菜々美を着ている

慎太郎は思うー


「いいや、僕を睨むこいつの顔はいつもこんな感じだったかもなー」

菜々美はクスクスと笑うと、

「さ~て、”トッシー”と遊ぶのもそろそろ終わりにするか!」と、

不気味な笑みを浮かべるー。


”菜々美”を乗っ取って”ナナ”として、ゲームを楽しむようになってから

”おもちゃ”はトッシーで三人目。

しかし、そのトッシーにも、もう飽きて来たー。


そろそろトッシーと遊ぶのもおしまいだー。

今までの男二人と同じように、最後に絶望を与えて

”皮”にしてやるー。


”一人目”は、

目の前で”菜々美”の皮を脱いで、慎太郎自身が姿を晒すことで、

絶望を叩きつけたー。


”二人目”は、

”皮”にした菜々美を遺体のように放置、それを見せ付けて、

絶望させたー。


”今回”はー…


「ククー」

菜々美は笑みを浮かべると、自分の頭の部分を触りー、

”頭部の部分だけを脱ぐー。


そして、慎太郎が顔を出すと、慎太郎は

笑みを浮かべながら言葉を口にしたー。


「ーへへへへ…僕のこと散々ばかりにしてたくせに、

 菜々美ーお前も今じゃ僕と同じニートだ

 しかも、男を騙して楽しんでるー。

 へへ、悪い女だなぁー」


慎太郎は、自分の声でそう言うと、

再び、菜々美の頭までしっかりと着こんで、

菜々美の声で答えたー


「ーーんふふふー

 わたしもすっかりニートになっちゃった♡」


菜々美に”そう答えさせて”興奮する慎太郎ー。


一人二役を楽しみながら、

やがてそれにも飽きると、

「ートッシーさん…いい絶望の顔ー、見せて下さいねー」

と、不気味に囁いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


数日後ー


”ナナ”から食事に誘われた俊樹は、

いつものように、楽しそうに”ナナ”とひと時を過ごしていたー


「ーーあ…そういえばトッシーさんー

 パソコン、詳しかったりしますー?」


興味も派手過ぎず、おしゃれなナナがそんな言葉を口にするー。


「ーーえ?あぁ、はいー…

 まぁ…それなりにはー…」

俊樹がそう言うと、ナナは少し微笑みながら、

「ー実は先週ぐらいから、パソコンの動作が遅くてー…

 このあと、お時間あったら、見に来てもらえればと…」と、

申し訳なさそうに言葉を口にするー。


「ーーえ…お、俺がナナさんの家に行くってことですか?」

俊樹が戸惑いながら言うー。


流石に、それは申し訳ない気がしたのだー。


しかしー

ナナは笑うー。


「ーわたしの家、ここからそんなに遠くないですしー、

 トッシーさんとはもう、会い始めて2カ月以上経ちましたしー

 信頼してますから!」


とー。


「ーーーー」

俊樹はそれでも戸惑うー。


”やや強引”な気がしたのとー、

”本当に、ネットで知り合った女性の家に行っていいのか?”という

疑問が、頭の中に浮かび上がっていたのだー。


がー…

そんな様子を見て、ナナは続けるー


「ーお兄ちゃんはケチなので、わたしのパソコンのことなんか

 見てくれませんしー…


 あ、今日はお兄ちゃんはいないので、大丈夫ですよー」


ナナはそう言うと、すぐに

「あっ!その変なことをしようとか、そういうわけじゃなくて、

 ただパソコンの調子をー!」

と、照れくさそうに言うー。


俊樹は「ははー分かってますよー。」と、笑うと、

”まぁ、パソコンの調子を見てあげるぐらいいいかー”と思いながら

「ーー俺が役立てるか分かりませんけど、それでも良ければ」と、

答えるー。


嬉しそうに喜ぶナナー。


「あ、あと!

 ナナさんの家に行くということは、

 俺、ナナさんの住所を知ることになってしまいますけどー

 大丈夫ですか?


 ーーあ、俺は別に、何も悪いことしませんけど、

 ほらー、その…一応、確認をー」


こういう経験がない俊樹は戸惑いながらそう言葉を口にするー。


ナナが軽い気持ちで、家に俊樹を呼んでいるのではないかと、

俊樹の方が逆に心配になったのだー。


「ーあはは!それは大丈夫です!

 トッシーさんだから、信頼して呼ぶんです。

 だから、気にしないでください」


ナナはそう言うと、「ーーじゃあ、食べ終わったら早速行きましょ!」と、

微笑むー。


「ーはい」

ナナが、自分のことを信頼してくれているー。

そう思って、心底喜ぶ俊樹ー。

そこには、何の黒い感情もないー、只々純粋な感情ー。


”ーーーいい顔だぜー

 ククー これから地獄を見てー

 そのツラが、どんなツラになるのかー楽しみだー”


ナナ=菜々美の中に潜む慎太郎は、心の中でそう呟くと、

これから始まる地獄を思い浮かべながら、笑みを浮かべたー。



④へ続く


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次回が最終回デス~!☆

どんな”地獄”が待ち受けているのでしょうか~?


今日もお読み下さりありがとうございました!☆!

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