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”テツ”を名乗る江戸時代の侍に憑依されてしまった

隣の座席の生徒・梨乃。


そんな梨乃の事情を知った栄太は、

梨乃と、その中に宿るテツと話し合いながら、

戸惑いの日々を送ることにー。


”テツ”が言うには、この世界にやってくる直前、

自分は”人斬りの男”と戦っていて、

もしかしたらその男も”現代”に自分と同じように

やってきているかもしれないー、とのことだったー。


そしてーー…その翌日ー。

梨乃が剣道部の練習に向かった直後ー、

栄太もまた”侍”に憑依されてしまうー。


”テツ”と戦っていた、もう一人の侍にー…


★前回はこちら↓★

<憑依>憑依侍②~戸惑いの侍~

隣の座席に座る梨乃の様子が突然おかしくなったー。 そんな梨乃から声を掛けられた栄太は、 梨乃が”江戸時代の侍・テツ”に憑依されてしまったことを知るー。 あまり元の時代に変える気が無さそうなテツを前に、 話を聞かされた栄太も、 憑依された梨乃も、只々困惑することにー…。 ★前回はこちら↓★ ・・・・・・・・・・...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”急に驚かせてすまないー”


栄太の中に入り込んで来た”侍”の魂はそう言葉を口にしたー。


梨乃に憑依した”テツ”から話を聞いていた栄太は、

表情を歪めながら呟くー。


「ま、まさか、人斬りー!?」

とー。


テツは言っていたー。

自分はこの時代に来る前に、人斬りの男と戦っていてー、

その最中に現代に飛ばされたのだと言うー。


その時”同じ場所”で戦っていた人斬りの男も

この世界に来ているかもしれないー、と。


その言葉を思い出しながら栄太は

「ーーぼ、僕に憑依して…ど、どうするつもりだ?!」

と、そう叫ぶー。


がーーー


”ーーお、落ち着いてくれー。俺は人斬りじゃないー”

とー。


「ーー…え」

栄太がそう言葉を口にすると、

栄太の中に憑依した侍は、自分の名前を口にしたー。


”俺は源三(げんぞう)ー。

 人斬り・”テツ”を追っていた剣客だー”


その言葉に、栄太は表情を曇らせるー


「ーーーえ……」

栄太は呆然とするー。


”人斬り・テツ”ー????


梨乃に憑依している男は、確かにテツと名乗っていたー。

そしてー、栄太に入り込んで来たこの侍が

”人斬り”じゃないのだとすればー…


”ーテツはこの時代でもまた悪さをするかもしれないー。

 君の力を、どうか貸してほしいー”


その言葉に、栄太は戸惑いながら言葉を口にするー


「ーー…そ、そのテツって人が、僕の隣の座席の子に

 憑依しててー…


 で…でも、その人は自分が”人斬りと戦ってた”って

 言ってたけどー…」


栄太のそんな言葉に、

”源三”は、栄太の口で言葉を発したー


「ーーーーまずい」

とー。


「ーーーえ?」

栄太が、梨乃の時と同じように、一人二役かのように

言葉を口にするー。


「まずいって何がー?」

栄太が言うと、”源三”は栄太の口で説明したー。


「ーー実は俺も、この世界に来て、自分が何者なのか

 分からないまま、彷徨ってたんだー

 でも、だんだん記憶が戻って来てー、”テツ”の気配を

 ここに感じて、テツを止めるためにやってきたんだー」


源三は言うー。


”テツ”も恐らく、梨乃に憑依した時には

記憶が不完全だったのではないかー、と。


朧げな記憶の中、この世界に来る直前、自分が

戦っていたことは覚えていたテツは、

自分を”人斬り”ではなく、”剣客”の方だと

勘違いしたのではないかー、と。


「ーーじ…じゃあー…

 き、北村さんに憑依しているあの人が

 記憶を取り戻したらー…?」


栄太が心配そうに言うと、

「まずいことになるかもしれない」と、

栄太の口で源三は答えたー。


「ーーその子は今、どこに?」

源三がそう確認すると、栄太は

「あ、ーーえっと、剣道部の稽古場にいるはずー」と、

そう言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーー……拙者ー…思い出したでござるー」

梨乃の口で、”テツ”はそう呟いていたー


「ーーーククク…クク…ククククククー」

不気味な笑みを浮かべる梨乃ー


”ち、ちょっと…?わたしの身体で変な笑い方はーー

 やめてよー”


梨乃の意識がそう言葉を口にするとー、

「ーーククククーーーうるさい小娘でござるなー」

と、梨乃の口で、テツはそう呟いたー


「ーーーえ…」

梨乃は、自分の口でそう言葉を口にするとー、

突然、両手が勝手に動いて、自分の胸を揉み始めたー


「ーーん~~~~

 いい胸でござるなぁ♡」

梨乃の口が勝手に動くー


無我夢中で自分の胸を揉む梨乃ー


顔はニヤけー、赤らんでいるー。


周囲の部員が、そんな梨乃の異変に気付くー


「ーーー…せ、先輩!?」

梨乃の後輩が、胸を揉んでいる梨乃に戸惑いの表情を浮かべるー


「ちょ、ちょっとー…何してんの?」

同級生の部員も、戸惑いの表情を浮かべるー。


「ーーーえ… こーーこれはーー むぐっ…」

梨乃が自分の口で言葉を発しようとすると、

右手が勝手に、自分の口を塞ぐー。


自分で自分の口を塞ぎながら、そのまま稽古場から

後ずさっていく梨乃ー。


稽古場の外に出ると、梨乃は木刀を手に、

そのまま校舎内に戻ろうとするー。


「ーーーぐ… な、なにをするのー…?

 今は部活中なのにー」

梨乃が、抵抗しようと身体の動きを止めるー


がーーー


「ー黙るでござるよ」

梨乃の口が、勝手に動きー、

身体が再び動き出すー。


「ーーーちょっと!

 わたしの身体で勝手なーーーー

 ーーー黙れと言っている!!!!!」


梨乃が口を動かしていた最中にー、強引に口の動きを支配した

テツは、梨乃の身体でそう叫ぶと、

身体の主導権をみるみるうちに支配していき、

そのまま歩き出すー


”え……ちょっと!!ふざけるのもいい加減にして!”

梨乃の意識が必死に叫ぶー。


しかしー

梨乃を乗っ取ったテツは笑ったー


「ー拙者ー、一つ勘違いしていたでござるー」

梨乃の口でそう呟くと、

そのままさらに”テツ”は言葉を続けたー


「ー拙者ー、この世界に来る前に人斬りと戦っていたと

 言っていたでござるがー……


 ーーーー人斬りは”拙者”の方でござったー」


ニヤァ、と笑う梨乃ー。


「ーー!!!!!!」

梨乃の意識は呆然とするー。


”う、嘘…あ、あなたが人斬りなのー?”

梨乃の意識の言葉に、テツは梨乃の身体で答えたー


「ーーそうーーー。

 拙者が人斬りのテツでござるー」


そんな邪悪な言葉を口にすると、

梨乃はニヤニヤしながら「ーーこの時代でもーーー血が欲しいー」と、

そう言葉を口にしたー。


何とか自分の身体を止めようとする梨乃ー。


「ーー無駄だーこの身体はもう拙者のものでござるよー」

梨乃の口で、テツはそう言葉を口にするー。


”ーーーや…やめて…!わたしの身体を返して!”

梨乃の意識がなおも抵抗するー。


するとーーー

梨乃は邪悪な笑みを浮かべながら、

木刀を手に、近くの空き教室に入ると、

「ーーうるさい小娘でござるなぁ…」と、

そう言葉を口にするー


「ーーークククク…

 そういえば拙者ー…江戸ではこういうこともしていたでござるー」


梨乃はそう呟くと、

木刀を手にして、木刀で自分のスカートを嬉しそうにめくりあげたー…。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「この先が剣道部の稽古場でー」

梨乃の元に慌てて向かう栄太ー。


そう、言葉を口にしていると、

”待ってくれ!”と、栄太に憑依している源三が言葉を口にしたー。


「ーーえ…?」

栄太が戸惑いながら立ち止まると、栄太の手が勝手に動きー、

すぐ隣の空き教室を指差したー。


「ーーこの中から、”奴”の気配がするー」

栄太の口で、そう呟く源三ー。


「ーーー…」

栄太は、空き教室の方を見つめると、ゴクリと唾を飲み込むー。


「ーーこの教室は使われてない教室だしー、

 北村さんは今、剣道部の稽古の最中で、ここにはいないはずだけどー…」

栄太がそう言葉を口にするとー、

「ー…既に”テツ”に乗っ取られたのかもしれないー」と、

源三が、栄太の口でそう言葉を口にしたー。


「ーーーそんな…」

栄太が困惑した様子でそう呟くとー、

中からー、”女”の笑い声が聞こえて来たー


「ーーこ…この声はー…」

栄太は、そう呟くと同時にー、

空き教室の扉を開けたーーー


するとー、

そこにはーーー


「ーーふふふふ…♡ ふふふふふふふふ♡」

梨乃が、木刀で、自分のスカートの中を弄繰り回して

邪悪な笑みを浮かべていたー


髪は乱れー、服のボタンは外れていて、下着が見えている状態ー。


梨乃は、入って来た栄太に気付くと、

「ーー”この娘”は、もう拙者のものでござるー」と、

ニヤニヤと言葉を口にしたー。


梨乃の周辺には、梨乃の体液らしきものが散乱しているー。


梨乃は「気持ち良かったでござるよー…この女の身体ー」と、

笑みを浮かべると、

「何度も、何度も、何度も、イかせてー

 この娘の意識は、心の奥底に幽閉させてもらったでござるー」と、

そう言葉を口にしたー。


手をスカートの中に入れて、

指に自分の体液をつけると、嬉しそうにそれを舐める梨乃ー。


いつもの梨乃とは別人のような振る舞いに、

栄太は呆然としながら、顔を赤らめていたー


「ー今日から拙者は”人斬りの梨乃ー”

 ふふふふー…

 誰にも邪魔はさせないー」


梨乃はそう言うと、木刀を手に、

「ーそいつの中にいるんだろー?源三ー」と、

笑みを浮かべるー。


”ーーここは、俺に任せてほしいー”

栄太に憑依している源三が、そう言葉を口にすると、

栄太は「ーー…北村さんをーー救ってあげてー」と、

それだけ言葉を口にしー、

源三に身体の主導権を明け渡したー。


「ーククククー

 拙者に勝てると思っているのかー?」

梨乃は余裕の笑みを浮かべながら、そう言葉を口にするとー

「刀もない貴様が!」と、声を荒げながら、

木刀を栄太に向けて、本気で振って来たー。


梨乃の攻撃を交わすのがやっとの栄太ー


「ーははははははっ!

 この時代でもー、拙者は人を斬って斬って斬りまくるー


 今度は、人斬り”梨乃”としてー」


梨乃は狂ったように笑いながら、栄太への攻撃を繰り返すー。


「くっー…ーーあの子ーなかなかいい動きだなー」

栄太の口で、そう呟く源三ー。


”栄太”は運動が得意ではなく、源三からすれば身体が思うように

動かないー。

と、いうことは、”梨乃”に憑依している”テツ”も、同じハズー。


しかし、梨乃は先ほどから運動神経抜群の動きを見せているー


”き、北村さんは剣道部のエースだからー…

 普段は大人しいんだけど、身体は動くと思うー”


栄太の意識がそう言うと、

栄太の口で、「なるほどー」と答える源三ー。


「ーー遅い!」

梨乃が嬉しそうに笑いながら、栄太に木刀を振るーー


がー、その木刀を栄太は掴むー。


「ーーー!」

梨乃が表情を歪めるー。


「ー娘の身体より、この少年の身体の方が、”力”はあるかもなー」

栄太が、そう言いながら、梨乃から木刀を取り上げようとするー。


「ーーーー」

表情を歪めながら木刀を取り戻そうとする梨乃ー。


しかし、運動神経は良くても、梨乃の華奢な腕では、

思うように”力比べ”は上手くいかなかったー。


「ーー!」

木刀を取り上げた栄太は、梨乃を行動不能にしようとそれを振るー


がーー、


「ーー!?!?」

梨乃がその場でバク転を2度して、木刀の攻撃を避けると、

「ーーいい身体だ」と、梨乃はニヤニヤしながら言葉を口にするー。


「ーーーテツー…その子の身体を解放するんだー」

栄太がそう言うと、梨乃は「拙者はこの身体が気に入ったー」と、

自分の胸を触りながら、挑発的に微笑むー。


「ーーーー」

そしてーーー


「ーーー拙者の”真の力”を解放するためには、やはり”アレ”が必要でござるよー」

と、梨乃が笑みを浮かべながら呟くと、

梨乃はそのまま窓の方に向かって走り出したー。


「ーー待て!」

栄太が叫ぶと同時に、梨乃は窓から飛び出して、

まるで忍者のように下に降りると、

2階の窓から顔を出して栄太の方を振り返ったー


「ーーあははは!この身体は拙者のものでござる!」

梨乃はそう叫ぶと、そのまま走り去っていくー


「き、北村さん!!!」

思わず栄太が自分の口で叫ぶー


けれどー、

梨乃はそのまま学校から走り去りーーー、

姿を消してしまったー。


「ーーー…そ、そんな…このままじゃ北村さんがー!」

栄太は戸惑いの表情を浮かべながら、自分の中にいる

”源三”にそう言葉を発するー。


「ーーーーーー”奴”の向かった場所には心当たりがあるー」

栄太の口で”源三”はそう言葉を口にするー


「ーーえ…?」

栄太が聞き返すと、源三は、栄太の口で説明したー。


”人斬り・テツ”は、

元々は高みを目指して、ひたすらに剣術に没頭する

剣客だったー。


しかし、ある時、力を追い求めるあまり、

”妖刀”と呼ばれ、恐れられていた刀・闇雲(やみぐも)を、

手にしてしまったーー。

闇雲を手にしたテツは、人を斬ることに喜びを感じるようになり、

血に飢えた狂気の人斬りになってしまったのだというー。


そして、闇雲には邪悪なる未知の力が宿っていて、

恐らく、テツと源三自身がこの時代に霊体として飛ばされたのも、

闇雲の異常な力が原因だろう、と源三は語ったー。


「ーーそんな…」

栄太が、呆然としていると、

源三は栄太の口で再び続けたー。


「ー奴はきっと”闇雲”を回収しに向かったのだろうー」

とー。


この時代に”闇雲”の気配がするー。

恐らくはテツ・源三と共に、妖刀・闇雲もこの時代に

やってきているー。


「ーー気配を辿ればー、梨乃殿の場所にもたどり着けるだろうー」

栄太の口で源三がそう言うと、

栄太は「じゃあ、早速ー」と、そう言葉を口にしたー


がーー


「いやー…

 今のままでは彼女に勝てないー

 彼女を見つけ出しても、君の身体ではー

 彼女には勝てないー」


栄太の口で、申し訳なさそうに言う源三ー


つまりー

”梨乃の身体のほうが、運動神経がいい”ということだー。

”栄太の身体”を使って”梨乃の身体”を使うテツに勝つのは

今のままでは難しいー


「ーご、ごめんなさいー。僕、運動不足でーー」

苦笑いする栄太ー。


がー、源三は栄太の口で言ったー


「ー気にすることはないー。

 がー…君の身体で少し”修行”させてもらってもいいかなー?

 君の身体と、俺の剣術が馴染めば、テツに勝つこともできるはずだー」


源三のそんな言葉に、栄太は少し戸惑ってから

”北村さんを救うためにー”と、力強く頷いたー


「ーーーーあ」

栄太は、ふと、空き教室の入口に立っている女性教師の姿に

気付いて表情を歪めるー


「ーーだ…大丈夫ー?」

梨乃と栄太の戦いの騒ぎを聞きつけて駆け付けたのだろうかー


”独り言を永遠と喋り続ける栄太”と見て、

ドン引きした様子の先生が、そんな言葉を口にしたー


「ーーあ、あ、あ、!だ、大丈夫です!

 演劇の練習です!」


栄太は顔を真っ赤にしながら、そう言葉を口にしたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーククククー

 見つけたでござるよー」


梨乃は、邪悪な笑みを浮かべながら

廃墟地帯に刺さっていた妖刀・”闇雲”を見つめるー。


それを手にした梨乃は、

左目を赤く光らせるとー、

「ーーーー拙者はー… いいやー、わたしはーーー人斬りの梨乃ー」と、

狂気的な笑みを浮かべながら、

嬉しそうに刀を見つめたー



④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


次回が最終回の予定デス~!☆


完全に乗っ取られてしまった梨乃を救うことは

できるのでしょうか~?★

その答えは…次回のお楽しみデス!


今日は、今後の新作発表を17時に投稿予定なので、

そちらも興味があれば、ぜひ見に来てくださいネ~!

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