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2023年大晦日ー。


身体を奪われたままの妻・清美ー

夫の美智雄は、この1年間、清美の身体を奪った男・孝義を

探し続けて来たものの、結局見つけることはできなかったー


がー、新年目前ー

”清美”の身体を昨年奪った男が、自ら姿を現したー


”入れ替わりの力を持つ酒”と引き換えに

清美の身体を返すと言う男ー。


しかしー…?


★これまでの大晦日の交換はこちら↓★

<おまけ>大晦日の交換~これまでの一覧~

毎年の年末恒例の「大晦日の交換」の時が また近付いてきました~!☆! (毎年12月30日と12月31日に連載しています~!) その、”大晦日の交換”直前ということで、 これまで見たことのない皆様や、 今年が初めて!という皆様のために”これまでの大晦日の交換”を まとめて見ました~!☆ 振り返りや、これから読む際に活用...

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壁に叩きつけられた清美(孝義)が一瞬驚いた表情を浮かべるー。


美智雄と清美が授かった大切な我が子ー。

2人にとって、初めての子供ー。


しかしー、清美になった孝義は、妊娠した清美の身体で

お構いなく遊び続けた結果ー、

最終的には”流産”と言う結果を迎えていたー


「ーーよくも…よくも…!!!うぅぅぅぅ…!」

あまりの怒りに握りこぶしを作りながら震える美智雄ー。


温厚な性格の美智雄がー、

これほどまでに怒りを感じたのは、人生で初めてだったー。

そのまま、頭が破裂しそうなほどの、

あまりにも激しい怒りー。


「ーーク…クククククー

 あの時の感触、教えてやろうかー?

 お前も、”妻”の身体で流産した経験はないだろー?」

清美(孝義)がなおも笑みを浮かべながら

そんな言葉を口にするー。


美智雄は唇をガクガク震わせながら、

清美(孝義)を睨みつけるー

今にも、”清美”の顔面を殴りつけてしまいそうなほどに

あまりにも激しい怒りを覚えているー


「美智雄…! 美智雄!」

孝義(清美)が、我を失いかけている美智雄に向かって叫ぶー。


「ーへへへへ…そんな顔すんなってー

 子供なんか、また作ればいいじゃん?」

清美(孝義)はケラケラと笑いながらー

「何なら、”わたし”と、また小作りするー?」と、

挑発的に笑うー。


「ーーふざけるな…ふざけるなふざけるなふざけるなー!」

美智雄が怒りのあまりそんな言葉を叫ぶと、

拳を震わせながら、清美(孝義)を見つめるー。


「美智雄!だめ!落ち着いて!」

孝義(清美)が、そう叫ぶー。


「美智雄くん!そいつを殴ってもー、傷つくのは清美ちゃんの身体だー!」

常連客の男がそう叫ぶー。


そうー、清美(孝義)は、美智雄を挑発して、

”清美”の身体を殴らせようとしていたー。


「ーーぺっ!」

清美(孝義)が、笑いながら美智雄の顔に唾を吐き捨てるー。


”妻”に唾を吐き捨てられた美智雄はー、

”清美”の中にいる男にこの世の何よりも強い憎悪を抱いたー


そしてー


「うああああああああああああっ!」

美智雄が拳を叩きつけたー


清美(孝義)のすぐ横の壁にー


「ーーーはぁ… はぁ… はぁ…」

美智雄は、寸前のところで、

”理性”で自分にブレーキをかけ、

”清美の身体”を殴ることなく、自分を抑えたー。


「ーーーたとえ中身が違ってもー、

 俺に清美を殴ることなんて、できないー」


美智雄がそう言うと、

孝義(清美)は、涙目のまま、安堵の表情を浮かべて

美智雄に駆け寄るー。


「ーーー清美ー」

美智雄は小声で、孝義(清美)に「ごめんー」と、

寂しそうに呟くー


子供を守れなくてごめんー。

身体を取り戻せなくてごめんー

色々な意味での、”ごめん”


孝義(清美)は

「美智雄の気持ちは十分伝わってるから、大丈夫だよー」と、

寂しそうに呟くー。


そんな二人の様子を見つめていた清美(孝義)は

馬鹿にするかのような笑みを浮かべながら言葉を口にするー。


「ーーーへへ…さぁどうするー?

 お前たちの持つ”皇漢”とこの身体を交換するか?

 それともー、この身体を”諦める”かー?」


清美(孝義)は、それだけ言うと、

挑発的に笑みを浮かべながら”スマホ”を手にするー。


「ーーこのスマホの中には、”清美ちゃん”が

 エロい格好をしてあんなことやこんなことをする動画が

 保存されてるー。

 妙な真似をしたら、これをSNSに投稿するー」


そう言いながら、清美(孝義)は”投稿する”というボタンが

表示された画面を見せ付けるー。


「ーーーさぁ、どうするー?

 この身体と、お前たちの入れ替わりの酒の交換ー

 応じるかー?それとも応じないかー?」


清美(孝義)が挑発的に笑みを浮かべると、

美智雄は、ギリギリと唇を噛みしめた末に、

「ー分かったよー。応じるよ」

と、そう言葉を口にしたー。


「ーー巻き込んですみませんー

 こいつが変なことしないか、見ていて貰えますか?」


蔵にある酒を取りに行くために、そう言葉を口にする美智雄ー。


常連客の男は

「おぅ、任せなー。清美ちゃんには指一本触れさせねぇ」と、

笑いながら応じると、美智雄は安堵した様子を浮かべると、

孝義(清美)に対しても「少し、待っててー」と言葉を口にしてからー、

小声でボソッと何かを口にしたー。


孝義(清美)はその言葉を聞いて

「うんーー。わたしはここで待ってるから大丈夫ー

と、そんな言葉を口にするー。


”ーーーーー”

孝義(清美)は少し緊張した表情を浮かべると、

美智雄は意を決して、”入れ替わりお酒”を取りに蔵の方に向かったー。


そしてー、数分後、美智雄は”皇漢”の入った壺のひとつを、

手にして店の中に戻って来たー


「へへへへへへー」

清美(孝義)が嬉しそうに笑うー。


「ーーくくくーー

 これでーーーーふひひひひ♡」

好き放題入れ替わりできるようになったあとのことを

考えているのか、下品な笑みを浮かべる清美(孝義)ー


「ーーーーよ~し、じゃあ、先にそれを貰ってから

 この身体は返すー。

 近くの裏道に車を止めてあるから、まずは酒を運ばせてもらおうかー」


清美(孝義)は、そう言いながら、壺を持ち上げようとするー。


がーーー


「ーーっ… ふぅー くそっ…この身体は力がねぇなー」

清美(孝義)は、不満そうにそう言葉を口にすると

「おい、車まで運ぶのを手伝え」と、清美(孝義)が

美智雄のほうを見つめながら呟いたー。


不満そうな表情を浮かべる美智雄ー。

がー、すぐに仕方がない、という様子で頷くと、

清美(孝義)と共に、壺を手に移動し始めたー。


こうしているとー”夫婦”で、モノを運んでいるようなー

そんな光景に見えるー。


けれどー、今の清美の”中身”は、邪悪な邪悪なー”男”ー


店の脇の路地に入り、車の方へと向かうーーーー


がーーーー

その時だったーーー


「ーー”自ら”姿を現してくれて、本当によかったー」

美智雄がそう呟くとー、

「あ?」と、言葉を口にする清美(孝義)と共に運んでいた

壺から美智雄は手を離したー


「ーーお、おいっ!?!? ぉ、おぃ!!!!」

清美(孝義)が顔を真っ赤にしながら

”清美の力”では持てない重さの壺をそのままバランスを崩して

盛大に路地にばらまいてしまうー。


壺いっぱいに入っていた”皇漢”が、壺からあふれ出すー。

壺が落下して、砕け散り、酒が辺り一面にバラまかれるー。


そしてーーー

「ーーーがっ!?!?」

美智雄は、零れ落ちた”皇漢”を手に汲むとーー

清美(孝義)の口を抑えながら、そのまま強引に清美の口の中に

捻じ込んだー。


「なっ…お前っ!」

清美(孝義)が叫ぶー。

そしてー、すぐに「やりやがったなー!」と、持っていたしまっていた

スマホを取り出そうとするー。


「ーーー!」

美智雄は表情を歪めるー。

”清美”のHな写真をネットに流出させられるわけにはいかないー。


一刻も早く、清美の身体を取り戻さなくてはーーー


そう思った美智雄は、地面に飛び込むようにして這いつくばりー、

路上にこぼれた”皇漢”を舐めたー


プライドとか、汚いとか、

そんなものはもうどうでもいいー。

とにかく、清美の身体を取り戻したかったー


「ーーっ… ぅぅ!?」

路上にこぼれたお酒を舐めていた美智雄がうめき声をあげるー。


「ーー…や…やったー…!」

”入れ替わって”清美の身体になった美智雄は、

清美の身体を取り戻したことに歓喜の表情を浮かべるー。


そしてーー

美智雄の身体になった孝義が、”入れ替わった”ことを認識する前にー

その頭を路上に押し付けてー

路上に零れ落ちている”皇感”を無理やり飲ませるー。


まずー、美智雄にとって最優先の”清美の身体”を取り戻したー。

だが、自分の身体を取り戻すにはー

”もう一度”入れ替わりのお酒を飲ませる必要があるー。


美智雄の身体になった孝義は「お…お前…!くそっ!」と、

悔しそうに声を上げるー。


がーー

そこにー、後を追ってきた孝義(清美)が姿を現すー。

その手には”皇漢”が既に注がれたコップが握られているー


「清美ーーー…今だ!飲め!」

清美の身体でそう叫ぶ美智雄ー。


店から出て来る前にー、

事前に孝義(清美)に美智雄は小声で伝えていたー


”ーまだ蔵に残っている皇漢をコップに注いで

 後を追って来てほしいー

 必ず、身体は取り戻すからー

 俺を信じてー”


とー。


その通りに、孝義(清美)はコップを手に、

ここにやってきたのだー。


既に”美智雄になった孝義”は、再び”入れ替わりのお酒”を飲んだ状態ー。

あとは、孝義(清美)がお酒を飲めばー、

美智雄の身体は清美がー、

清美の身体は美智雄が”所持”した状態になりー、

身体を取り戻すことができるー


がーーー


「ーくっそおおおおおおおおおおおお!」


孝義(清美)が酒を飲む前よりも早くー、

美智雄(孝義)が、道路に落ちていた”壺の破片”を手にしたー


「ーー!」

清美(美智雄)は襲われる、と思い身構えたもののー

彼はーー…

美智雄(孝義)は、その破片を手にー、

信じられない凶行に及んだー。


直後ーー、美智雄(孝義)と孝義(清美)が入れ替わりー、

清美が美智雄の身体に、孝義は自分自身の身体に戻されるー


がーーー


「ーーー…い、いたっ… ち、血がー」

美智雄の身体になった清美は、あまりの激痛に表情を歪めるー


「へ…へへへーた、ただじゃ返さねぇー」

自分の身体に戻ってしまった孝義は笑うー。


”身体を取り戻されるー”

そう思った孝義は、身体を取り戻されるまでのわずかな時間でー

美智雄の身体に少しでもダメージを与えようと、

砕け散った壺の破片を拾い、それを自分の目に突き立てるという

凶行に及んだのだったー…。


「ーーー…清美ちゃんー 美智雄くんー!」

店の中から常連客の男も飛び出してくるー。


常連客の男が、孝義をすぐに取り押さえてー、

慌てて、清美(美智雄)は救急車を手配するのだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”身体”を取り戻すことには成功したー。


あの数日後ー、自分の身体に戻ってしまった孝義は

自暴自棄になって、近くのコンビニで強盗未遂を起こし、

そのまま逮捕されたー。


”清美”の身体を取り戻すことに成功した美智雄ー。


しかしーー


「ーーーーごめんね…わたしのせいでー」

清美が悲しそうにそう呟くー。


「ーははは、謝ることなんてないさー」

美智雄が穏やかに笑うー。


「清美の身体は無事に取り戻せたんだしー…

 片目なんて、安いもんさー」

右目に眼帯をつけた美智雄が少しだけ寂しそうに

言葉を口にするー。


身体を取り戻す直前、孝義が美智雄の身体で、

自らの目に壺の破片を突き刺したことで、

美智雄の片目の視力はほとんどが失われてしまったー。


清美の身体を奪いー、

入れ替わりのお酒を奪おうとした男・孝義の

最後の悪あがきー…

それによって、美智雄は片目を失ってしまったのだったー。


医師からは、既に視力の回復は絶望的だと言われているー。


けれどー、それでもー…


「清美の身体を取り戻せたのが一番だからー

 清美は気にしなくて大丈夫ー」


美智雄が微笑むー。


清美は悲しそうにしながらも頷くとー、

美智雄は「片目だけでも残ってればー清美の姿も、

ちゃんと見えるからー」と、穏やかな笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それからしばらくして、お店の営業が再開されたー


本当だったら今ごろ一緒に暮らしていたであろう

美智雄と清美の初めての子供に、

美智雄の右目ー

色々なものを失ってしまったけれどー、

それでもこうして”清美”の身体を取り戻して

また、穏やかな日常を取り戻すことができたー


失われたものは戻ってこないー

でも、まだ、前に進むことはできるー。


「ーーーー…」

店には、”赤ん坊のシルエット”の写真が飾られているー。


顔を見ることもできないまま、いなくなってしまった

2人にとって、初めての子供ー。

それでもー、二人にとっては大切な家族だったー。


顔も何も分からないけれど、

そんな、大切な子供のことを忘れないようにー、

そしてー、せめてー、お父さんとお母さんのことを

天国から見ていてね、という思いをこめてー、

そんな写真を飾っているー。


「ーーー薫(かおる)に恥じないように、

 これからも、もっと頑張らないとなー」

美智雄は、そう呟くと、清美も穏やかに笑うー。


結局、子供が男女どちらなのかもまだ分からないままー

子供は奪われてしまったー

名前もまだ、決めていなかったー


けれど、そんな子供に、美智雄たちは名前をつけたー。


自分たちにとって初めての子が、

男でも、女でも、どっちでも使うことのできる名前をー。


「ーーーよし、今日も頑張ろうー」

美智雄がそう言葉を口にすると、清美は「うんー」と笑顔で頷いたー



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


2023年も今日で最終日デス~!☆

今年も1年間、休まず無事に更新を続けることができました~!☆


全ての皆様に心から感謝デス~!

ありがとうございます!!★


来年も毎日楽しく、色々なお話を執筆していければと思います~!☆

今年も1年間、本当にありがとうございました~!☆


…”大晦日の交換”は、まるで最後のような終わり方に見えますが

来年以降も、これまでのように続くのか、

それとも来年の年末からは新しいお話になるのかは、

…あえて、来年の年末までのお楽しみデス~笑


今年も残りあとわずか…★

私も書き納め(?)をして、後はこのあと仕事納めをして、

のんびり過ごします~!☆


あ、もちろん年始も1日から書き始め(?)なので、

明日以降も毎日更新します~★!


改めて、今年もありがとうございました~!

良いお年を~!☆

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