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これはー

”撮影した相手に変身”することができるカメラを手にした

二人組の男のうちの一人が書いた日記ー…。


そのカメラを手に、彼は何を楽しみ、

何をしたのかー…

その、欲望の記録ー…。


(第8週)


★前回はこちら↓★

<他者変身>他人の姿を堪能する男の日記⑦12/27-1/2

これはー ”撮影した相手に変身”することができるカメラを手にした 二人組の男のうちの一人が書いた日記ー…。 そのカメラを手に、彼は何を楽しみ、 何をしたのかー… その、欲望の記録ー…。 (第7週) ★前回はこちら↓★ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12月27日(水曜日) 俺は田邊のやつの姿で、罪を犯した...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


1月3日(水曜日)


今日は同じアパートの女子大生・神里さんに変身して

午前中はお楽しみをしていたー。


本来であれば、絶対に見ることができないはずの

神里さんのメイド服姿とか、

神里さんのセーラー服姿とか、

神里さんのチャイナドレス姿とか、

そういうものが見れてしまうのは、やっぱり”変身”の醍醐味だよなー


へへー…

俺はただ、こういう風に”本人に迷惑をかけないように”

楽しみたかっただけなのにー、

田邊のやつが全部全部台無しにしやがったー。


あいつにも、俺みたいな理性があればよかったのにー。


まぁ、でも逃げ出したとは言え、やつは全国的に指名手配

されているー。

もう、どうすることもできないだろうー。


一応、俺の命を狙ってくる可能性はなくもないから、

それだけは警戒しておかないとな。



1月4日(木曜日)


秋村さんから、連絡があったー。


変身カメラを使って、秋村さんの姿で好き勝手していたのは

俺だと、ずっと疑われてきたけれど、

田邊のやつが逮捕されたことで、秋村さんも少し落ち着いたのか、

俺ともう一度話をしたいと言って来たー。


秋村さんも”ちょっと感情的になりすぎちゃったー”と、

大分落ち着いた様子だったし、

俺の疑いが晴れればー、あとは田邊のやつの居場所さえ

分かったら全て解決だなー。


今日はお祝いがてら、秋村さんの姿で

コスプレ三昧を楽しんだー。

もちろん、俺はSNSに勝手に秋村さんだと分かってしまうような

写真を載せたりしないし、

外に出かけるにしても、迷惑をかけるようなことはしないー。


これが俺の”変身”のお楽しみ方なのだからー。



1月5日(金曜日)


明日は秋村さんに会うー。


が、今日は一度実家に寄ることになっているので、

この今日の夕方から明日までは、変身を楽しむことはできないー。


流石に、実家に帰っている最中に

”変身”を楽しむのは、もしも見つかってしまった場合のことを

考えると、色々なリスクが大きすぎるからなー。


って、ことで今日は

出発する前に、同じ大学のギャル・三田村さんに

変身して存分に楽しんだー。


三田村さんって結構、メイクとか落とすと

大人しそうな雰囲気の顔になるのが

またいいんだよなー。

実は昔は大人しかったりしたのかなー?


まぁ、さすがに変身しても、

その人の過去まで知ることはできないから、

俺に三田村さんの過去を知ることはできないけどな。



1月6日(土曜日)


昨日は実家に帰っていたー。

1泊2日だったけれど、

久しぶりに懐かしいというかー、

やっぱり家に帰って来たというかー、

そんな感じがしたー。


親とも仲は悪くないし、

社会人になったら存分に親孝行してあげたい。


世話になった恩はやっぱり返さないとなー。


ーーそれはそうと、このあとは

秋村さんと会って、色々と話をする予定だー。


田邊のやつは、まだ捕まっていないようだが、

もしかすると、もうどっかで命を絶ってるとかー、

そういう感じなのかもしれないなー。


いずれにせよ、アイツの自業自得だー。

変身カメラを見つけて買ったのもアイツだし、

変身カメラを、調子に乗った感じで使いすぎたのもアイツだー。


俺はあいつを止めるために、アイツの姿で罪を犯したけれどー、

それはアイツを止めるため。

田邊のやつが”暴走”しなけりゃ俺もそんなことはしなかったんだし、

全部田邊が悪い。


 月 日


(翌日以降の日記は記述されていない)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


1月6日午後ー


「ーー秋村さんー」

公園で同じ大学の秋村 汐梨と待ち合わせをしていた

変身カメラを持ち、日記を毎日書いていた村山 大介は、

汐梨の姿を見つけると同時に、笑みを浮かべたー


「ーーごめん!少し遅れちゃったー」

汐梨が笑いながら言うと、大介は「いや、全然いいよー」と、

穏やかな言葉を口にするー。


汐梨は少しだけ笑いながら、

「ーーごめんねー。色々言っちゃってー」と、

言葉を口にしてから、

「あれから色々考えたの」と、そう言葉を口にするー。


「ーあの変なカメラのこと、ちゃんと聞けてなかったしー、

 何があったのか、ちゃんと教えてー?」


汐梨のそんな言葉に、大介は静かに頷くー。


聞けば、汐梨は”大介が犯人”だと決めつけて

大介に色々な言葉を浴びせて来たけれど、

ふと冷静になって、”やっぱりちゃんと話を聞こう”と

思い直したのだと言うー。


「ーーーーーー…分かった。全部、話すよー」

大介はそう言いながら、道を歩くー。


大介は変身カメラを手に入れた経緯ー

親友だった田邊の暴走やー、

汐梨の姿で色々”噂”になるようなことをしたのは

田邊の方であることー、

けれど、自分自身も変身カメラを使って

他の人に変身してお楽しみをしていたことは事実であることなど、

それらを全て、正直に話したー。


自分も変身カメラで”お楽しみ”をしていたことは言いたくはなかったけれど、

汐梨には直接カメラを触られてしまっているし、

そのことを知っている以上、隠すことはできない。

ここは素直に”汐梨の評判を落とすようなことをしたのは自分では

ないけれど、変身カメラを使って個人的に楽しんでいたことは事実”

ということを告げた上で、反省の色を示すことが得策だと、

大介はそう判断していたー。


「ーーーーー」

全ての話を聞き終えた汐梨は「そうー…」と頷くー。


「ーーー俺も確かに悪いところはあったと思うー。

 でも、こんなカメラを見つけたのも、買ったのも田邊のやつだし、

 秋村さんに迷惑をかけたのも、田邊のやつだしーー」


大介が、親友の田邊のことを悪く言うような言葉を口にすると、

汐梨は少しだけ微笑んでー、

「ーーー村山くんからちゃんと話が聞けて良かったー」と、

穏やかにそう言葉を口にしたー。


話し込んでいるうちに、気付けば日が暮れて、

辺りは暗くなっていたー。


「ーーあ、そうだー。村山くんに一つ、お願いがあるのー」

汐梨がふとそんな言葉を口にするー


「ーははー、お願いってー?

 色々迷惑をかけちゃったし、できる限りのことはー」


大介がそう言い放ったその時だったー。


「ーー死んで」

汐梨の冷たい声で響き渡るー


「ーーー!?」

大介が”えっ!?”と声を出すと同時にー、

大介は汐梨が隠し持っていたナイフによって、

切りつけられてしまうー


「ーーはっ!?!? ぅ…!?」


どこを切られたのかも分からないまま、

激痛に襲われて、その場にしゃがみ込む大介ー


「あ、あ、あ、秋村さんー…な、なんでー!?」

呼吸がおかしいー

首筋から血が流れているー。

これはヤバいー

ヤバいヤバいヤバいー…


大介は命の危機を感じながらも、

どこを切られたのか、パニックからか確認できないまま、

涙目で汐梨の方を見るー。


「ーーーなんでって?

 いいから、死ねよ」


汐梨の冷たい言葉ー


大介は涙目で「な、なんでー!」と、

もう一度叫ぶー


がー、その時だったー。


切られた際に落ちたスマホが鳴るー。

そのスマホには”秋村さん”と表示されているー


「ーーー!?」

大介は表情を歪めるー。


”目の前にいる秋村さん”はスマホを手にしていないー。

なのに、何故秋村さんから電話がー?


「ーーーはは、偶然だなー

 でも、ちょうどいい種明かしの頃合いだー」

目の前にいる汐梨がそう言うと、

大介は目を見開いて、瞳を震わせたー


「お、お前ー…ま、まさかー」

大介が震えるー。


そうー、”話を聞きたい”と言って来た汐梨はー、

”汐梨”ではないー。


「ーー”秋村さんの姿”で近付けば必ずお前は

 引っかかると思ったぜー」


目の前にいる汐梨がそう言うと、

親友の”田邊”の姿に変わっていくー


「ーーひっ…た、た、田邊!」

涙目で叫ぶ大介ー


「ーーよくも俺を刑務所行きにしてくれたなー?」

田邊はそう言うと、再びカメラを使って

汐梨の姿に変身してから、笑みを浮かべたー


「ーーーお前だけは許さねぇー。くたばりやがれー」

田邊が変身した汐梨が冷たく囁くー。


大介は”本物の汐梨”からの電話に出ることもできないままー

そのまま、その場で命を奪われー、

ちょうど歩いていた路の崖下へと蹴り飛ばされて、

転落していくのだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”観察記録”


人間は欲深いー。

”力”を手に入れた人間がどうなるのかどうか、

”複数の人間”でテストを行ったものの、

全ての”人間”が、己の欲に飲み込まれて、

力を悪事に使ったー。


村山大介も、田邊信吾もそうー。


やはり、人間にはまだ変身カメラは早いー。


生き残った”カメラ所有者”も、全員を処分することで

本実験は終了とするー。




「ーーー…ーー」

開発した”変身カメラ”に搭載した、

人工知能からの”最終報告”が記されたメールを確認すると、

変身カメラを開発し、売りさばいた男はため息をついたー。


「ーー判定は”不可”かー」

変身カメラを手にした人間が”ルールを守り”それを使うことが

できるかどうかのテストー。

そのテスト結果が、各カメラに搭載されていた人工知能から

送られてきたー。


結果は”不可”ー


「力を持つ人間は、力に飲み込まれるー愚かなことだー」

男はそう呟くと、

そのまま、各カメラの人工知能に対して、

生き残った”田邊”を含む、全てのカメラ所有者を

”何らかの形”で処理することを指示して、

そのままその部屋を後にしたー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


最終回でした~!☆


ずっと大人しく(?)変身カメラを堪能していれば

2人とも、楽しい変身ライフが送れたはずなのに、

こんなことになってしまいましたネ~!


ちなみに、大介を始末した田邊くんも、

その後、身を隠していましたが

変身カメラに搭載された人工知能によって、

寝ている間にカメラが発火、隠れ家ごと燃えて、

そのまま処分されてしまった設定デス……


力を使う時には注意しないとですネ~!


お読み下さりありがとうございました~!

来週の火曜日枠から、また新たな日記シリーズがスタートします~!


※毎週火曜日の更新(コンパクト枠)とは?

(いつもと同じ説明デス↓ 既に知ってる方は読まなくて大丈夫デス!!)

毎週火曜日(以前は土曜日でしたが、また火曜日に戻りました!)は、

私が仕事の都合で書く時間を確保できないので、

本来更新は難しいのですが

皆様にご恩返しということで、他の6日間で毎日

少しずつ執筆して、火曜日にも、作品をお届けしています!

そのため、いつもより少し文章量が少ないため

毎週火曜日の作品は、100円プランでも読めるようにしてあります!

(※火曜日枠のお話は必ず完結まで100円プランで読めるようにします!

  途中から上がったりはしませんので、安心してください

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