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孫のために、浮気した挙句、孫を振った”元カノ”である

梨絵を皮にして乗っ取った祖父・祐五郎ー。


乗っ取った梨絵の身体で、孫の優司の家に足を運んだ祐五郎は、

優司を元気づけようと、梨絵として

あれこれ誘惑するような行動を繰り返すー。


がー…

”じいちゃんだよなー?”と、あっさりと見破られてしまいー…?


★前回はこちら↓★

<皮>じいちゃんが元カノになって帰ってきた②~戸惑い~

彼女の梨絵から振られてしまった優司ー。 その原因は、彼女の”浮気”だったー。 幼馴染だった梨絵と大学で再会、 そのまま付き合い始めて幸せな日々を送っていた優司ー。 がー、その梨絵に裏切られてしまったのだー。 梨絵の浮気に気付いた優司が、梨絵を問い詰めると、 梨絵は開き直った態度を取った挙句、そのまま家を...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「っていうかー…!

 梨絵じゃなくて、じいちゃんだよなー!?」

優司は、チャイナドレス姿の梨絵に対して、そう叫んだー。


「ふぉっ!?」

優司を誘惑していた梨絵は、顔を真っ赤にしながら

ギクッとした表情を浮かべると、

そのまま優司のほうを見つめながら凍り付くー。


「ーーー……そ、そ、そ、そ、そんなわけ、ないじゃろー?

 わしが…わしがおじいちゃんなわけ、ないじゃろー?」


咄嗟に言い訳する梨絵ー。

もはや、本性を隠せていないー。


「ーい、いやいやいや、その喋り方、じいちゃんだろ!?

 しかも、じいちゃんいつも家に来る日に来ないし、

 な、なんかお風呂でじいちゃんが好きな演歌、鼻歌で歌ってたし!」


優司がそんな言葉の嵐を浴びせると、

「ーわ、わたしは、梨絵だよっ うふっ♡」と、

わざとらしいポーズをしながら、甘い声を出したー。


「ーーーーーーー…」

”なんだかヤバいもの”を見たかのような、

死んだ目を向けて来る優司ー。


「ーーい…い…い……す、すまんーー

 すまん… わ、わしじゃー…確かにわしじゃ!」

チャイナドレス姿のまま土下座する梨絵ー。


「ーーー…や…や、やっぱりー…」

優司はそう言いながらも、今度は

”じいちゃんがどうやって、梨絵の姿にー?”と、

混乱を隠せない様子で、土下座したままの梨絵を見つめるー。


梨絵そっくりに変装したー?

いや、あり得ないー。無理があるー

魔法でも使わない限り、できるはずがないー。


じゃあ、何だー?

じいちゃんが、梨絵を脅して言う通りに行動しろとでも

言って、こういうことをやらせているのかー?


そんなことを思っていると、梨絵は顔を上げたー


「で、で、でも、身体は正真正銘、優司ー、

 お前のも、元カノの身体じゃー」

と、自分の身体に触れながら梨絵は言うー。


梨絵の姿、梨絵の声なのに、

喋り方は”じいちゃん”で、とても強い違和感を感じるー。


「ーーは…は…はぁ…ど、どういうことー?」

大混乱に陥る優司ー。

じいちゃんが何を言っているのか、まるで理解することが出来ないー。


「か、身体は梨絵ってー…?え…??え…?

 訳が分からないー」


そう言うと、梨絵はため息をつくと

「確かに、わしも逆の立場なら混乱するじゃろうなー」と、

笑みを浮かべると、

「ーー百聞は一見に如かずじゃ」と、

自分の後頭部のあたりに突然、手を触れたー。


「ーーーえ」


チャックのような不気味な音が梨絵の後頭部のあたりから聞こえて、

優司は思わず表情を歪めるー。


すると同時にー、

梨絵の後頭部が突然、ぱっくりと割れてー、

梨絵の顔が無表情になって、顔が前の方に垂れ下がるー


「ーひぇっ!?!?」

優司は思わず変な声を出してしまうー。


梨絵がペラペラになって、

まるで”バナナの皮”のようにめくれていくとー、

その中から”じいちゃん”が姿を現したのだー


「ーーは…は… はぁ…??? な、な、

 なんだこれー…?」


戸惑いの言葉を口にする優司ー。

その表情は青ざめているー。


チャイナドレス姿のまま、”皮”になった梨絵ー。

その中から出て来た祖父・祐五郎は

「こういうことじゃ」と、そう言葉を口にすると、

震える優司のほうを見つめるー


「ーーー…じ、じ、じ、じいちゃんー」

優司はそう言うと、

「ーこ、こんな本物そっくりの”着ぐるみ”作れるなんてー…

 す、す、すげぇー…」と、

震えながらそう言葉を口にしたー。


「ーーーーー………」

祖父・祐五郎が少しだけ表情を歪めるー。


”ーーーー……”

何を考え込む祐五郎ー。

だが、やがてため息をつくと、

優司のほうを見つめながら言葉を口にするー。


「ーーー…いや、そうじゃないんじゃー…」

祐五郎は気まずそうにそう呟くと、

優司は「え…き、着ぐるみじゃないなら、な、なんなんだよー?

す、スーツ?」と、首を傾げるー。


しかし、祐五郎は「”それ”は正真正銘、優司の元カノ本人じゃー」と、

そう言葉を口にするー。


「えっ…え、うええええええええええええええ!?!?」

優司は悲鳴に似た声を上げると尻餅をつくー


「じ、じ、じ、じ、じ、じいちゃんー

 ま、まさかーひ、り、梨絵を殺したのかー?」


優司は、そんな言葉を口にするー。

着ぐるみのようにペラペラになった梨絵ー。

どう見ても死んでるようにしか見えないし、

こんな状態になった人間は見たことがないー。


優司が驚くのも当然と言えるー。


「いやいやー、人殺しなんてするわけないじゃろー…?

 この娘は今、”皮”になっているんじゃー」


祐五郎は、人を皮にする注射器の存在を明かすー。

そして、今までの経緯を全て説明すると、

優司は戸惑いの表情を浮かべながら言ったー


「ーいや…じ、じいちゃんー

 気持ちは、本当にうれしんだけどさ…

 まさか、梨絵の身体でずっと生きていくつもりじゃないよなー?」


優司がそう言うと、

再び梨絵の皮を着直して”梨絵”になった祐五郎が言うー。


「ー大丈夫じゃ。優司があまりにも元気がないから

 半月の間、優司をこの娘の姿で励ましてやろうと思ってなー

 それが終わったら、この子は元の姿に戻すつもりじゃったー」


梨絵がそう言うと、優司は「そ、そっかー」と、呟きながらも、

不安そうな表情を浮かべるー。


”人の身体を勝手に乗っ取る”

そんな状況に直面したのは、これが初めてだー。

正気を取り戻した時、梨絵本人がどんな反応を示すか

分からないし、最悪の場合、事件沙汰になる可能性も考えられるー。

 

優司にとっては不安でいっぱいだったし、

何よりもー…


「ーーもしかして、この娘のことを心配しているのかー?

 この娘は、優司を裏切った子じゃぞ?」


梨絵が不思議そうに自分を指差しながら言うー。


「ーー…分かってるー…

 それでもー…」

優司が悲しそうに梨絵のほうを見つめるー。


自分の意思とは関係なく、チャイナドレスを着せられている梨絵ー。


裏切られたとは言え、梨絵とは幼馴染の間柄で、

”ユウくん”などと呼んでくれていて、親しかったのは事実ー。


確かに、裏切りは許せないー。

それでも、優司は梨絵への情を捨てきれずにいたー。


「ーーー………優しいんじゃな」

梨絵はそれだけ言うと、

「ーーーーじゃがー、当初の予定通り、半月ー

 28日までは待ってほしいー。

 そうしたらこの子はちゃんと解放するし、あとは

 優司の好きなようにすればいいー。


 優司をあんな落ち込ませたこの子を、わしが許せないしー

 この子にも反省してもらわないといかんしー、

 それにーーー」

と、そこまで言葉を口にして、梨絵は表情を歪めたー。


”もって、あと1か月ですー。

 残念ながら、延命治療を行っても、回復する可能性は皆無です”


「ーーそ、それにー?」

戸惑う優司ー


「い、いやー…なんでもないんじゃー。忘れてくれ」

梨絵はそう言うと、優司から目を逸らすー。


「ーーな、なんだよー気になるじゃないか~」

優司が少しだけ拗ねた様子で言うと、

今一度、梨絵のほうを見つめるー。


「お??お???

 今、この子のチャイナドレス姿を見てドキッとしたじゃろ?」

ニヤニヤしながら笑う梨絵ー。


「し、し、し、してない!」

優司は、梨絵から目を逸らすー。


「んっふふふふ…

 そんなこと言わんでも良いんじゃぞ?


 ーほら、今の”わたし”なら、優司に

 何でもしてあげちゃうよ?」


梨絵っぽい口調で、優司を誘惑してくる

梨絵を着た祐五郎ー。


そんな梨絵を前に、

「や、や、やめろってばー…

 な、中身がじいちゃんだと聞いても、

 あ、頭の理解が追い付かないー!」と、

優司は、梨絵から慌てて離れようとするー。


「ーえ~~~…

 いつもと違うわたしを抱いてみたいでしょ?」

甘い声で、誘惑するようなポーズを取る梨絵ー。


「ーぐ…

 ……って、本当に梨絵は元に戻れるんだよなー?

 絶対、大丈夫なんだよなー?」


優司は、浮気した挙句自分を裏切った梨絵のことも

なおも案じる言葉を口にするー。


「ーーーホント、心配性じゃなぁ…

 ちゃんと、元に戻る方法もあるし、

 問題ないんじゃよー」


梨絵が、”じいちゃん”の口調でそう言いながら笑うー。


「ーー……わ、分かったよー。

 何を言っても、じいちゃん頑固なところもあるし、

 どうせ、28日まで梨絵を解放する気はないんだろー?」


優司が呆れ顔でそう言うと、

梨絵は「ふふっ その通りじゃ!さすがわしの孫!」と、

笑いながら、優司を抱きしめて来るー。


「ぐええええええっ!やめろっ!

 いつもの調子でそういうことされると、

 色々な意味で、死ぬー!」


優司はチャイナドレス姿の梨絵に抱き着かれながら、

顔を真っ赤にすると、そんな言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”じいちゃんに着られた梨絵”との

共同生活ー。


今でも、頭の理解が追い付かないけれどー、

梨絵は着ぐるみのようにペラペラにされて、

じいちゃんに乗っ取られている状態のようだー。


梨絵の身は心配だったし、

元に戻ったあとに、色々トラブルの予感もして

不安はないわけではないー。


それでもー、

梨絵に対する怒りがあったのも事実だし、

”じいちゃん”であれば、約束は守るだろうし、

嘘も言っていないと思うー。

梨絵を乗っ取ったあとは、浮気相手を振ったぐらいで、

他に何か”梨絵の人生を壊すようなことはしていない”ということも

しっかり確認したしー、

とりあえず、”じいちゃん”の言う28日まではこのままの状況で

過ごそうと、そう決めていたー。


”じいちゃんにも、心配かけちゃったんだろうなー…”

梨絵に浮気されて、落ち込んでいた自分を見せてしまったことを

今更ながら、反省するー。


「ーーーでも、すっかり元気になったみたいでよかった~!

 さすが、わたしの孫ー

 下心が元気の源なんだね~ふふふ」


揶揄うようにして言う梨絵ー。


「ちょ!おいっ!梨絵の口調で、孫とか言わないでくれよ~!

 梨絵の孫になったみたいで、頭がおかしくなりそうになる!」


ずっと振り回されっぱなしの優司ー。

どこか昔から、Hなところのあった”じいちゃん”ー

若い頃はきっと、もっとそういう感じだったのだろうー。


そんな”じいちゃん”にこの数日間はずっと

振り回されっぱなしで、正直、落ち込んでいる暇もないー。


梨絵が自分の意思で帰って来たわけではないことは、

残念だったけれどー、

こんな風に励ましてくれようとするじいちゃんを見て、

優司は、”いつまでも落ち込んでいられないなー”と、

そんな風に前向きに考え始めていたー。


「ーーー…ふふふふ

 ユウくんってば照れちゃって~」

メイド服姿で、ニヤニヤと笑みを浮かべる梨絵ー。


「ーーあ…!ま~た勃ってる!うふふふふ♡」

梨絵が顔を赤らめながら嬉しそうに優司を見つめるー。


「ーユウくんってわたしと同じで変態なんだね♪」

嬉しそうに言う梨絵ー。


「ーーり、梨絵の口調を真似してそういうセリフを吐くのをやめろ~~!」

優司はそう言葉を口にしながら、

梨絵から逃げようとするー。


「ーーあ~!ほら!こんなに魅力的なわたしは今しか見れないんだよ~!」

梨絵がそんな言葉を口にしながら、優司を追うー。


「ーもっと色々なことしようよ~!

 ユウくんのためなら”今のわたし”は何でもしちゃうんだから!」


メイド服姿の梨絵に、家の中で追い回される優司ー。


「ーほらほら!そこが大きくなってるってことは

 メイド梨絵ちゃんを見て興奮してるんでしょ!?」


「ーう、うるさい!そ、そんな姿でウロウロされたらー

 へ、変態じゃなくても、こうなっちゃうんだよ」


「それはどうかなぁ~?」


言い合いを続ける優司と、乗っ取られた梨絵ー。

まるで、本当の梨絵に揶揄われているような、

そんな錯覚も覚えながらー、

不思議なー、でもちょっと幸せにも感じるような、

そんな時間は続いたー…。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーー梨絵ー…………」

ギリッと歯ぎしりをする男ー。


”買い物”に一緒に出掛けている優司と”乗っ取られた梨絵”の姿を

見つめながら、男は怒りの形相を浮かべていたー。


「ー俺を裏切ったなー…」


憎しみの視線を、”梨絵”に向ける男ー。


彼は、梨絵の浮気相手だった”田島先輩”ー。

祐五郎に乗っ取られた梨絵は、即座に田島先輩を振り、

そのまま優司の家にやってきていたー。


が、”何も知らず”振られた田島先輩は、

怒りと憎しみを募らせていたー


「許せないー」

梨絵と優司のほうを見つめながら

田島先輩は、憎しみに満ちた目で、静かにそう呟いたー。



④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


次回が最終回デス~!☆

どのような結末を迎えるのか、ぜひ楽しみにしていて下さいネ~!☆


今日もお読み下さりありがとうございました~!☆☆!


寒い日が続いているので、

体調を崩さないように気を付けて下さいネ~!

私も気を付けます~!☆☆!

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