＜入れ替わり＞僕とわたしの不思議な青春㉒～スキー教室～ (Pixiv Fanbox)

クリスマス当日ー。

入れ替わった状態のまま、”綾”に告白した翔太ー。

その返事はー

”「わたし」から告白されるんじゃなくて、「他の誰か」から

　告白されたいー”

と、いうものだったー。

その言葉を聞いて、改めて元に戻れるその日まで頑張ることを誓う翔太ー。

そして、3学期を迎え、最初の行事である”スキー教室”の日が

やってきたー

★前回はこちら↓★

＜入れ替わり＞僕とわたしの不思議な青春㉑～新年～

2学期も終わり、クリスマスを迎えた二人ー、 綾（翔太）は、 自分に好意を寄せてくれた渉でもなく、 親友の哲真でもなく、 ”翔太（綾）”と共に過す道を選んでいたー 翔太と入れ替わってしまった綾に、 妹の美桜と、そして綾自身の家でのんびりさせてあげたいー、と、 クリスマスを口実に、綾（翔太）が翔太（綾）を家に...

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★主な登場人物★

遠藤　翔太（えんどう　しょうた）

C組生徒。大人しく、奥手な性格の持ち主。綾と入れ替わってしまう。

星村　綾（ほしむら　あや）

C組生徒。可愛らしい雰囲気に、明るい性格の持ち主。翔太と入れ替わってしまう。

神田　哲真（かんだ　てつま）

C組生徒。翔太の中学時代からの友人。女子は苦手。

野坂　優菜（のさか　ゆうな）

C組生徒。いつも穏やかな雰囲気の優しい女子生徒。

伊藤　菜々美（いとう　ななみ）

C組生徒。翔太が小さい頃よく一緒に遊んでいた子。

★脇役も含めた人物紹介はこちら↓★

＜人物紹介＞僕とわたしの不思議な青春～登場人物図鑑～

長編入れ替わりモノ 「僕とわたしの不思議な青春」の 登場人物図鑑デス！ 連載前に予告として掲載した、 主人公たちのクラス名簿の内容に加え、登場する教員や その他の人物もご紹介しています～！ ※ネタバレは控えめ（漫画や小説の最初の方のページに書かれている 　人物紹介ぐらいの内容…）デス～！ 　最初にクラス名...

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スキー教室当日ー。

一面の雪景色を前に、綾（翔太）は、物珍しそうに

それを見つめていたー。

「ーーへへへー今日1日でスキーを極めてやるぜ」

お調子者の男子生徒・栗原誠一が笑みを浮かべるー。

「ーはははー、今日は腹、壊さなかったんだなー」

翔太の親友・哲真が笑いながらそうツッコミを入れると、

誠一は「お、俺だっていつも腹を壊してるわけじゃないぞ！」と、

少し恥ずかしそうにそう反論したー。

そういえば、誠一は体育祭の時も文化祭の時もお腹を壊していたー。

学校行事を楽しみにしすぎて、緊張するのだろうかー。

そんなことを思いつつ、滑る準備をしていると、

翔太（綾）が、綾（翔太）に声をかけて来たー。

「ーーわたし、あんまりスキー得意じゃないから、

　わたしの身体、滑りにくかったらごめんね？」

小声でそう呟く翔太（綾）に対して、

綾（翔太）は「大丈夫大丈夫ー。僕なんか中学の時のスキー教室で、

派手に転んだりして、すっごいスキー下手だったからー」と、

笑いながら答えるー。

「ーーあはは、そうなんだー。わたしも転んだような気がするー」

翔太（綾）も、自分の過去のスキー教室を思い出しながら

そう言うと、「ーーお互い、怪我しないように楽しもうね」と、

そのまま翔太（綾）は、他の場所へと移動していったー。

そんな様子を微笑ましそうに見つめながら

「あ、そうだったー…この身体は星村さんのものだから、

　慎重に滑らないとー」と、ノロノロ滑り出す綾（翔太）ー

あまりにも慎重にしすぎて、よちよち歩くような状態に

なってしまいー、

それを見た綾の親友・穂乃果から笑われてしまうー。

「ーーあはは！綾ってば、何それ？ペンギン？」

穂乃果が笑いながら近づいてくるー。

綾（翔太）は少し恥ずかしそうに

「ぺ、ペンギンじゃないよ！？」と、声を上げると、

穂乃果は笑いながら「あ、せっかくだからあっちのコース

見に行ってみようよー」と、そんな言葉を口にしたー。

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翔太（綾）は、翔太の親友・哲真や、

イケメン男子の足立　幸也らと共にスキーを楽しんでいたー。

「ーー大丈夫か？」

哲真は何かと”翔太の身体で過ごす綾”のことを気にかけてくれているー。

同時に、綾になった翔太のことも気にかけていて、

二人にとっては”今の状況を唯一、理解してくれている”理解者だー。

「ーうん。スキー自体久しぶりだしー、

　身体の違いはあまり気にならないかなー」

翔太（綾）が笑いながら言うと、

「あぁ、確かにー。普段やってることより、違和感なさそうだもんな」と、

哲真が笑うー。

「ーーーってか、足立！スキー上手いんだな！」

哲真が、少し離れた場所で滑っている幸也に対して言うと、

幸也は恥ずかしそうに「ーいや、俺もびっくりだよー。

俺の学校、スキーなかったから、今回が初めてだし」と、笑うー。

「マジかよ！初めてなのかよ！」

哲真がそう言うと、翔太（綾）も笑いながら

「足立くんはすごいなぁ…」と”翔太”として振る舞いながら

言葉を口にしたー。

「ーーーよし、じゃあ、またリフト乗って上に行こうぜ」

そんな哲真についていきながら、翔太（綾）も充実した

1日目のスキーを過ごしたー。

スキーが終わり、宿舎に移動するー。

高校に入学してから、初めての宿泊行事ー。

楽しそうにしている者もいれば、疲れた様子の者もいたー。

けれどー、全体的に賑やかなムードの中、夕食も終わり、

それぞれ部屋へと戻っていくー。

がーーー

綾（翔太）は、ある問題に直面していたー。

「あぁーーー…僕、方向音痴なんだったー……」

思わず苦笑いしてしまう綾（翔太）ー。

意外と広い宿の中で迷ってしまったー。

廊下をウロウロしながら、周囲を見渡す綾（翔太）ー

そういえば、綾と最初にまともに話したのも

入れ替わり前の身体測定の日に、”方向音痴”を発揮したからだったと

思い出すー。

戸惑いながら廊下をウロウロした挙句、

国語の井上先生と遭遇した綾（翔太）は

「わたしたちの部屋ってどのあたりでしたっけ…？」と、

申し訳なさそうに聞くと、

井上先生は少し困惑したような表情を浮かべながらも、

部屋のある廊下まで案内してくれたー。

「ここまで来れば、あとは分かるかー？」

井上先生の言葉に、綾（翔太）は「あ、はいー。ありがとうございますー」と

頭を下げて、井上先生が立ち去ったのを確認すると、部屋に

戻ろうとするー。

「～～～～ーーーー　うっ…　…　ぐす」

「ーー！？」

綾（翔太）が、うっすらと聞こえて来た声にビクッとして振り返るー。

「ーーえ………な、なに…幽霊？」

綾（翔太）は青ざめながらそう呟くと、

声のした方向に少しだけ近付くー。

すると、今度はハッキリとすすり泣くような声が聞こえて来たー

「ーーー！！！！」

綾（翔太）はさらにビクビクしながら、

”このままスルーして部屋に帰ろうかな”と、思ったものの、

どうしても気になってしまいー、

その声がする廊下の曲がり角を曲がったー

すると、そこにはーー

「ーーー！！」

綾（翔太）は、少し驚きながらも、

”声”の主が幽霊ではなかったことに安堵するー。

そこにいたのは、教室では後ろの座席に座っている、

いつも穏やかな女子生徒・野坂　優菜だったー。

その優菜が一人、泣いているー

「ーー…あ……星村さんー」

優菜の言葉に、綾（翔太）は少し驚きながら

「あ、ご、ごめんー…こ、声が聞こえてー」と、

そう言葉を口にすると、続けて

「な、何か…あったのー？」と、そう言葉を口にしたー

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翔太（綾）は、男子の部屋に戻ると、

少しドキドキしながら表情を歪めていたー。

”ーーみんな、普通に着替えたりする…”

翔太（綾）は、そんな光景から目を逸らすー。

部屋は、男女別ー。

事情を知る人間以外、当然、ここに”女子”が紛れ込んでいるなんて、

夢にも思わないだろうしー、仕方がないー。

けれど、翔太（綾）はどうしてもドキドキしてしまって、

必死に目を逸らしていたー。

”そ、そりゃ、そうだよなー…”

事情を知る哲真は戸惑いながら、”せめて俺だけはー”と、

着替えたりするような時は、翔太（綾）から見えないように

行動するー。

”ー翔太も、星村さんも、早く元に戻れるといいんだけどなー”

哲真は、そんな風に思いながら、翔太（綾）のほうを見つめたー。

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2日目ー。

綾（翔太）は、野坂優菜と共に、

コースを回って、スキーを楽しんでいたー。

「ーー昨日は、ありがとうー」

優菜のそんな言葉に、綾（翔太）は「ううんー…全然ー」と、笑うー。

昨日の夜のことを思い出す綾（翔太）ー

1日目の夜の宿舎で、泣いている優菜を見かけた

綾（翔太）は優菜に声をかけるー。

「ーーー…野坂さんー…大丈夫？」

綾（翔太）が不安そうに言うと、

優菜は涙を拭きながら「ーう、うんー…ご、ごめんねー」と、

言葉を口にして、深呼吸をするー。

「な、何かあったのー？」

そう言葉を口にした綾（翔太）に対して、優菜は

少し恥ずかしそうにしながら、

「ーーその…ホームシックーー…って言えばいいのかなー？」と、

言葉を口にしたー

「ーほ、ホームシック？」

綾（翔太）は少し驚くー。

もちろん、言葉の意味は知っているー。

”家に帰りたい”と、なるやつだあー。

しっかり者で、いつも穏やかな優菜がそんな風になるとは

少し意外だったのだー。

「ーー前に、おばあちゃんと暮らしてるって言ったでしょー？

　でも、わたしのおばあちゃん、体調崩しててー…

　いつもは夜、必ず一緒にいるけど、なんだかおばあちゃんに

　会えないと思ったら、急に心配になっちゃってー、寂しくてー」

優菜のそんな言葉に、

以前、遠足の時に優菜は”体調を崩しがちな母方のおばあちゃん”と

同居していると言っていたことを思い出したー。

「ーそ、そっかー…う、うんー…その気持ち、わたしも分かるよー」

綾（翔太）はそう呟くー。

翔太にも、祖母がいるー。

父親側の祖母は既に亡くなっているが、優菜と同じように、

母親側の祖母はまだ、健在ー。

だが、昨年から体調を崩していて、翔太の祖母は現在入院中ー。

そして、”綾になってからは”会いに行くこともできていないー。

「ーーー大丈夫ー。

　おばあちゃんはきっと、野坂さんにも楽しんで来てほしいって

　思ってると思うしー」

綾（翔太）は、自分の祖母のことも口にしながら、

優菜を励ますー。

途中でー

”あ、やば…”僕”のおばあちゃんの話しちゃったけどー…大丈夫かな？”と

思いつつも、途中でやめることもできず、

”綾の身体で”翔太自身のおばあちゃんの話題を出しながら、

優菜と色々話をしたー。

そしてー、ようやく優菜は少し落ち着いて、

「ーありがとうー」と、微笑んでくれたー。

”どういたしましてー”

それが、昨日の夜の出来事ー。

優菜と共に、2日目のスキーを楽しみながら、

綾（翔太）は”自分のおばあちゃん”のことを思い出すー

「ーー…星村さんになってから、会いに行けていないなぁ…」

少し、寂しくも思うー。

それに、元に戻るまで待ってたら”もう会えない”可能性もある状況だー。

”ーースキー教室が終わったら、今度の休みに

　少し、様子を見に行こうかなー…”

そう思いつつ、綾（翔太）は優菜とのスキーを楽しむのだったー。

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「ーーあ…あれ…？伊藤さんー？」

翔太（綾）は、今日も哲真たちと一緒に滑っていると、

”翔太”が小さい頃よく一緒に遊んでいたという

女子生徒・伊藤菜々美の姿を見つけたー。

菜々美は相変わらず”何らかの理由”で心を閉ざしたままだー。

その菜々美が、少し足を押さえているのを見て、

翔太（綾）は「ーー神田くんー…先に行っててもらっていい？」と、

小声で言葉を口にするー

哲真は「分かった」と、だけ返事をすると、

そのまま足立幸也にも声をかけて、その場を先に去っていくー。

「ーー伊藤さんー…大丈夫？」

翔太（綾）が言うと、菜々美は少し不快そうにしながら

「ちょっと、足をくじいただけだからー」と、言葉を口にするー。

が、その言葉とは裏腹に、少し痛そうに表情を歪めているのを見て、

翔太（綾）は「大丈夫そうに見えないよ」と、

言葉を口にして、菜々美に近付くー

「ーーーー」

菜々美の怪我の様子を確認しながら、翔太（綾）は、

大けがではないことに、ひとまず安堵するー

「一旦、宿舎に戻ったほうがいいよー。」

そう言いながら、翔太（綾）は、宿舎まで付き添いすることを

提案するー。

しかし、

翔太（綾）のそんな言葉に、菜々美は少しだけ表情を曇らせると、

「ーーせっかくのスキーなんだから、わたしなんかに構ってる場合

　じゃないでしょ？」

と、それを拒むと、

翔太（綾）は「ーーでも、放っておけないよー」と、言い放つー。

”翔太”として、翔太にとって大事であろう菜々美と和解する機会が

作れればー、とも思っていたし、

綾自身の、困っている人を放っておけない性格からー、

そんな風に言葉を口にすると、

菜々美は、少しだけ笑うー。

「ー相変わらず、自分よりも他人を優先してーーーー

　自分の優しさで、損ばっかりー」

そんな言葉に、

翔太（綾）はー、

”遠藤くんー、わたしのことも気遣ってばっかりだもんねー”と、

心の中で苦笑いすると、

菜々美を半分背負うような形で運び始めたー

「ちょっ…！？」

菜々美は少しだけ驚くー。

「ーー大丈夫大丈夫ー。リフトまでは僕が運ぶよー」

翔太（綾）が笑うー。

”翔太”の身体は、綾と比べれば力もあるし、

綾からすれば”伊藤さん”は同じ女子同士みたいな感覚があって、

あまり深く気にせず、そんな行動に出たー。

がーーー…

「ーーあれ？あいつらー」

「ーーー…お？確かC組の伊藤さんと遠藤だよなー？」

隣のクラスー…”B組”の男子生徒二人が、

”翔太”が”菜々美”を背負っている場面を見かけてー、

揶揄うような笑みを浮かべたー。

「ーーふぅ、これでよし、とー」

翔太（綾）は、リフトに乗り込みー、

菜々美を宿舎まで送り届けると、

そう言葉を口にして、哲真たちと合流するため、またスキー場に向かうー。

「ーーありがとう」

菜々美は、そんな言葉を翔太（綾）にかけると、

翔太（綾）は、笑いながら「ー気にしないで」と、言葉を口にして、

宿舎を後にしたー。

スキー教室の2日目も終わりー…

3日目ー、生徒たちは全員、無事に帰路につき、

高校生活初めての宿泊行事は終わりを迎えたー。

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日曜日ー

「ーーーーーおばあちゃんー」

綾（翔太）は、”おばあちゃん”の入院している病院を訪れていたー。

昨年冬頃から、”おばあちゃん”の梅子（うめこ）は、

認知症も進んでいて、翔太のことも、元々忘れている日もあるぐらいだったー。

「ーーー……おや」

寝ていた祖母・梅子が目を覚ますと、

”一目だけでも”と、おばあちゃんに会いに来ていた綾（翔太）が

少しだけ驚くー。

「ーー起こしてしまって、ごめんなさいー」

綾（翔太）はそれだけ言うと、ぺこりと頭を下げて、

「早く、元気になって下さいねー」と、そう言葉を口にしたー。

祖母・梅子が、ニコニコと笑うのを見て、

今一度会釈をして立ち去ろうとする綾（翔太）ー

がー…病室から出ようとした綾（翔太）に、

信じられない言葉が投げかけられたー。

「…翔太かいー？」

「ーーえ？」

綾（翔太）が振り返ると、

祖母・梅子は今一度言ったー。

「ー翔太…翔太なんだろうー？」

とー。

その言葉に、綾（翔太）は目に涙を浮かべながら、

”おばあちゃん”のほうを見つめたー。

ずっと、ずっと、

”星村　綾”として、周囲からもそう思われて、

この1年近くを生きて来たー。

久しぶりに事情を知る人間以外に、翔太と呼ばれて、

目からこぼれる涙を押さえられなかったー。

「ーーーー…うんー…僕だよー」

綾（翔太）はそう言い放つと、”おばあちゃん”の手を握り、

嬉しそうに微笑んだー。

身体は違うのに、”孫”だと分かってくれたのだろうかー。

それとも、単に記憶がもうハッキリしないおばあちゃんが勘違いした

だけだったのだろうかー。

それは、分からないー…

けれどー、綾（翔太）は”おばあちゃん”と、

”最後”に言葉を交わすことができてー、

満足だったー。

祖母・梅子は綾（翔太）がお見舞いに行ってから、

5日後に、この世を去ったのだったー。

その顔に、穏やかな笑みを浮かべながらー

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数日後ー

学校に登校した翔太（綾）ー。

そこに、隣のクラス・B組の男子生徒二人がやってくるー。

末永　拓斗（すえなが　たくと）と、

二階堂　倫太郎（にかいどう　りんたろう）ー。

スキー教室の時に、翔太（綾）が、菜々美を背負って

宿舎まで連れて行こうとしたのを見ていた二人組の男子だー。

二人とも、正直なところ

あまり素行の良い男子生徒とは言えないー。

「ーーなぁなぁ、お前、伊藤と付き合ってるのか？」

拓斗がそんな言葉を口にするー

「ーーえ…」

翔太（綾）は、少しだけ困惑した様子を見せるー。

そうこうしているうちに、倫太郎が「ひゅ～！」と、揶揄うような

言葉を口にし始めて、翔太（綾）を茶化し始めたー。

「おいおいー、何なんだよお前らー」

近くにいた哲真が拓斗・倫太郎の二人を止めようとするー。

がー、二人は茶化すのをやめずー

そのまま”この二人は付き合ってるんだぜ！”と、教室中に向かって叫んだー。

㉓へ続く

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★1-Cの日常★

スキー教室の日ー。

成績に執念を燃やす渡辺　大樹は、つまらなそうに

宿舎の休憩スペースで一人、過ごしていたー。

”スキーなんて、時間の無駄だー

　学年末テストも近いと言うのにー”

そんな、不満そうな表情を浮かべながら

”騒がしい部屋”から逃げて来た大樹は、

スキー教室に持ってきた数学の問題集を手に、勉強を始めるー。

「ーーあれ？渡辺じゃんー」

ふと、そんな声がするー。

大樹が振り返ると、そこには運動好きで、

誰にでもスキンシップの激しい女子生徒・霧崎　理子の姿があったー

「ーーあぁ、霧崎さんー」

大樹はそれだけ言うと、興味なさそうに数学の問題集に視線を戻すー。

「ーあはは、こんなところで何してんの～？」

理子はそう言いながら、大樹に身体を密着させて来るー

「ーお、おい、ぼ、僕に触れるな！」

顔を赤らめながら大樹はそう叫ぶと、

理子は「あはは！別にいいじゃんー殴ってるわけじゃないんだし」と、

問題集のほうを見つめるー

「って、スキー教室に来てまで勉強？」

理子がそう言うと、大樹は「悪いかよー」と、目を逸らしながら言うー。

理子は、男兄弟しかいないためか、

男子との距離感がバグっているー。

「ーー悪くはないけど、なんか、すごいねー。　

　あたしには考えられない」

そんな言葉を口にする理子に、大樹は

「ー勉強の邪魔だから、そろそろ離れてくれるか？」と、

眼鏡をいじりながら言葉を口にするー

「はいはいー」

理子は笑いながら、大樹から離れると、

一瞬立ち去ろうとしてから、大樹の顔を見つめたー。

「ーな、なんだよー」

大樹がそう言うと、

理子は「ー渡辺も、赤くなったりするんだね？」と、

揶揄うように笑うー。

「ーう、うるさい！僕の視界から消えろ！」

大樹はさらに顔を赤らめながらそう言うと、

理子は笑いながらそのまま立ち去って行ったー

「ーー全くー…」

大樹は不愉快そうに表情を歪めると、そのまま再び

数学の問題集を見つめるのだったー。

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コメント

高校でスキー教室はあるところとないところがある気がしますが、

物語中の高校ではある設定デス～！☆

もうすぐ物語の中での1年も終わりを迎える季節…★！

でも、2年目以降もちゃんと描いていくので、

まだまだ楽しんでくださいネ～！

今日もありがとうございました～！