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彼女と訪れたキャンプ場ー。

その最中に、山奥の泉に彼女の紗智が転落してしまい、

泉の中にいた精霊を名乗るおじさんと入れ替わってしまうー。


連続での入れ替わりは、身体に負担がかかりすぎる、という理由で

翌日までその状態で過ごすことになるもののー、

翌朝ー…、彼氏の照康が目を覚ますと、

そこに紗智(精霊)の姿は既になくなっていたー…


☆前回はこちら↓☆

<入れ替わり>泉の精霊、人間界デビュー②~困惑~

二人でキャンプを楽しむために、山奥のキャンプ場に やってきていた大学生の照康と紗智の二人ー。 しかし、その最中、紗智が山の奥にあった泉に転落してしまい、 泉の中にいた泉の精霊と入れ替わってしまうー。 おじさんのような風貌をしている精霊によれば、 身体への負担を防ぐために、元に戻るには、明日まで待たなけ...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーんふふふふふふ…この女ー、いい身体じゃのおー」


そう呟きながら、”紗智の家”に帰宅した

紗智(精霊)はニヤニヤしながら、紗智の持っていた中で

一番短いスカートに履き替えて、

嬉しそうに太腿のあたりを触っているー


「ーーぐへ… うへへへへへへ…」

思わず涎を垂らしてしまう紗智(精霊)ー。


鏡の前で、モデルのようなポーズを決めて、

満足そうに微笑む紗智(精霊)ー。


何度も何度も、色々なポーズを作っては、

”鏡に映る自分”に興奮していくー。


「ーーへへへ… まずいまずいー

 身体が興奮しすぎておるー…

 女の身体ってすごいのぉ…」


ゾクゾクしながら、紗智(精霊)はそう呟くと、

自分のスカートをめくって嬉しそうに笑みを浮かべたりー、

”自分の身体”での変態行為を部屋の中で心行くまで堪能したー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーえぇぇっ!?」

精霊(紗智)は、困惑の表情を浮かべるー。


山小屋から、紗智(精霊)が姿を消したことを、

照康は仕方がなく、泉にいる精霊(紗智)に

伝えに行くと、

精霊(紗智)は、悲痛な叫び声を上げたー


「ーーじ、じ、じゃあ、わたしの身体はどこにー…?」

精霊(紗智)が、不安そうにそう言い放つー。


「ーーそれは、分からないー。

 これから探しに行くけど、紗智はそこから出られないしー、

 先に報告しておこうと思ってー」


照康は、いつものように”落ち着いている”要素でそう呟くー。


精霊(紗智)は、そんな照康に対して

「じ、じゃあ、わ、わたしー…何されてるか分からないってことー!?」

と、さらに不安そうに表情を歪めたー


「ーーだ、大丈夫だよー

 あの精霊もそんなに酷いことはしないと思うからー」

照康は、なおも落ち着いた雰囲気でそう呟くー。


昔から照康は、感情表現があまり得意ではなく、

表に感情は、あまり出ないことが多いー。

ワクワクしててもあまり表情に出ないしー、

今のように”かなり焦っていても”表情にあまり出ないー。


がー…

そんな照康に対して、精霊(紗智)は言い放ったー


「ーー照康は、落ち着いてられていいよねー」

とー。


「ーーー紗智?」

照康は、精霊(紗智)のほうを見つめるー。


「ー自分の身体のことじゃないからー、

 そんなに落ち着いてられるんだよねー」

精霊(紗智)は、そんな言葉を続けるー。


普段の紗智なら、こんなことは絶対に言わないー。


しかし、身体を入れ替えられた不安や恐怖ー

”わたしの身体”で何をされているのか分からない不安ー、

さらには、どうにかしたくても”泉”から出ることができないその不安から、

そんな苛立ちを、照康にぶつけてしまっていたー。


「ーーーー…ご、ごめんー

 俺、こう見えても今、滅茶苦茶焦ってるんだー」


照康はそう言うと、精霊(紗智)の方に近付いて、

その手を握るー。


水に濡れた手に伝わったかどうかは分からないー。


が、照康の手は手汗だらけで、近くで見ると、

かなり疲れ果てた表情を浮かべているのが、

精霊(紗智)にも分かったー


「ーて、照康ー…ごめんー……

 八つ当たりみたいになってー」

精霊(紗智)が申し訳なさそうに言うと、

照康は「いいんだ」と、それだけ返事をして、

歩き出すー。


「ー必ずあのおっさん、捕まえるからー、紗智はそこで待っててー」

そう力強く言葉を掛けながら

照康は、泉を後にすると、山を下山して、そのまま

”紗智になった精霊”が行きそうな場所を考えるー。


”紗智の持ち物から、すぐに分かるのは、紗智の家だよなー”

紗智の持ち物には、学生証が入っていたし、住所はすぐに分かるー。


あのじいさんのことだー。

紗智の身体を持ち逃げした理由は、何となく察しがつくー。


紗智の身体で変なことをされてしまわないためにも、

早く、紗智(精霊)を見つけ出さなくてはならないー。


”そんな単純じゃないと思うケドー、まずは紗智の家に行ってみるかー”

照康はそう思いながら走り出すー。

紗智は一人暮らし。

紗智の家にいけば、紗智(精霊)は人目を気にせず”お楽しみ”が

できるとは思うー。


もちろん、照康に見つかることを恐れて

そこまで単純な場所にいるとは思えないがー、

とにかくまずは紗智の家に行ってみよう、と、

照康は紗智の家を訪れたー。


するとーーー

中から、女の喘ぎ声が聞こえて来たー。


信じたくはなかったが、”紗智”の声だー


「くっそ…アイツ!」

照康は怒りの形相で玄関の扉に手を掛けると、

そのまま扉は開いたー。


そしてー、中に入ると

バニーガール姿で嬉しそうに、大人のおもちゃを手に、

喘いでいる紗智(精霊)の姿があったー


「おい!こら!!!!紗智の身体で何やってるんだ!」

照康がそう叫ぶと、

喘いでいた紗智(精霊)がその声と手を止めて、

表情を歪めるー。


その直後、照康に気付くと、驚いた表情でガバッと起き上がる

紗智(精霊)ー。


「ーーわ、わ、こ、こ、こ、これは違うんじゃ!

 この子の身体が勝手にムラムラしてー!」

紗智(精霊)が言い訳を口にすると、

「お前がムラムラさせたんだろ!っていうか、どこでんな服、

 手に入れたんだよ!」と、

不満そうに言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


無理矢理”紗智(精霊)をいつもの服に着替えさせた

照康は、怒りの形相で紗智(精霊)を見つめるー。


「ーーーーあんた、精霊なんかじゃないだろ?」

照康がそう言うと、

紗智(精霊)は「ギクゥ!」と、大げさな声を発したー。


「ー人間のことを

 知らない泉の精霊が、こんな短い時間の間に、バニーガールの服を

 買って、それを着るなんておかしいだろ!」


照康がそう突っ込むと、

紗智(精霊)は「い、いやー…た、たまたま似合う服を見つけてー」と

苦しい言い訳をするー。


「あ~!もう!紗智の身体で言い訳すんな!

 あんた、泉の精霊じゃなくて、ただのおっさんだろ?」

照康がそう言い放つと、

紗智(精霊)は、瞳を震わせながら

「ーーーーーー確かに、わしは精霊じゃないー」と、頷くー。


胡坐の姿勢で、目の前で座っている紗智(精霊)から

少し視線を背けながら、照康は

「じゃあ、あんたはー…やっぱりただの変態なのか?」と、

真剣な表情で言葉を口にするー。


すると、紗智(精霊)は言ったー。


「ち、違うんじゃー

 も、元々は普通の人間で、そのあとに精霊になって、

 今はこのーーむふふふ」


胸を見つめながら、顔を赤らめる紗智(精霊)ー。


「ーーじゃから、わしは精霊であったことは事実なんじゃー」

紗智(精霊)はそう言いながら、胡坐をかいた足を

嬉しそうにニヤニヤしながら見つめるー。


「ーー元々は普通の人間で、そのあとに精霊になったー?」

照康が不満そうに聞き返すと、

紗智(精霊)は頷くー。


「ーーそうじゃ。わしも5年前、あの泉に滑って転落しちまってなー。

 その時、泉の中にいた者と入れ替わってしまってー、

 それ以降、5年間、あの泉にいたんじゃー。」


紗智(精霊)の言葉に、照康は少し驚きながら

「じ、じゃあ、あんたは、泉の精霊じゃなくて、人間だったって

 ことかー?」と、そう言葉を口にするー


紗智(精霊)は「ふふふー。そうじゃー」と、頷くと、

「この娘と同じように、泉に落ちてしまってなー精霊さんと

 入れ替わって、精霊になってしまったんじゃー」と、笑みを浮かべるー。


「ーーーー」

照康は、呆然としながらも、

「ーっておい!じゃあ、山小屋の中で漏らしたのは何なんだよ!」と、

ツッコミを入れるー。


「ーあれは…人間じゃないフリをして、お主の油断を

 誘おうとしたのとー


 あとー…」


紗智(精霊)は、そこまで言うと、

「ー女の身体で漏らしてみたかったんじゃー」と、恥ずかしそうに

言葉を口にしたー。


「ーこの変態野郎!」

照康は、不満そうにそれだけ言い放つと、

「ーじゃあ、5年前にあんたと入れ替わったのが、本物の精霊?」と、

言葉を口にすると、

紗智(精霊)は、首を横に振ったー


「ーいいや、わしと入れ替わった娘はー…

 ”わしの前に精霊さんと入れ替わった”子じゃったー。


 あぁ、わしが入れ替わった時の”精霊”の中身は

 自称OLでなー…

 わしの身体になったときに、そのことを教えてくれたー」


紗智(精霊)の言葉に、

照康は、”泉に転落した人間が、泉の中に暮らす精霊と入れ替わる”と

いうことが、これまで何度も起きていたことを悟るー。


今、紗智の中にいる、精霊だと思っていたおじさんも、

元々は人間ー、そして、このおじさんが入れ替わったときの

”精霊”の中身はOLー…


「ーーじゃあ、”精霊”のホントの中身は?」

照康が聞くと、紗智(精霊)は「分からんー」と、呟くー。


「ーわしの前に精霊の中身だったOLも、

 ”わたしは汚らしいおじさんと入れ替わった”と言ってたー。

 恐らく、もう、かなり昔からあの泉で入れ替わりが

 続いてるんじゃろうなー。


 元々の精霊の中身がどこにいるかなんてー

 分かりようがないー」


紗智(精霊)は、そこまで言うと、

「ーーところで、あんたは何で泉に落ちたんだ?」と、

そう尋ねるー。


すると、紗智(精霊)は、ニヤニヤしながら答えたー


「いやぁ、綺麗な泉が山奥にあったもんじゃからー

 水の反射で可愛い子のスカートの中が見えたりしないかって

 少し期待してのぉ…」


とー。


「ー聞いた俺がバカだったよ」

照康はそれだけ言うと、

「あんたには同情するけど、またあの山まで着て、

 紗智に身体を返してもらう」と、そう言い放つー。

正直、理由が理由だし、同情はしていないが、

一応、照康はそんな言葉を口にするー。


このおじさんの言うことが本当なら、

紗智(おじさん)が、泉に落ちれば、精霊(紗智)とまた入れ替わって、

元に戻るはずだー。


理由が、何か可哀想な理由ならー、とも思ったが、

”ただの変態おじさん”だったし、紗智の身体を返してもらうことに

迷いはなくなったー。


もう一度、紗智(おじさん)を泉に連れて行き、

身体を返してもらうことにするー。


がー、紗智(おじさん)は、信じられない言葉を口にしたー。


「それは無理じゃー」

とー。


「ーーは?」

照康が表情を歪めるー。


「ーーわしの身体を奪った娘に聞いたんじゃがなー、

 その娘が精霊の身体になってしまったあとに、

 当時、泉の精霊だった若い男が、

 泉に落ちて精霊になってしまった娘に、身体を返そうともう1回

 泉に飛び込んだらしいんじゃがー

 元に戻ることはできなかったー。」


紗智(おじさん)の言葉に、

照康は「おい!適当なことを言うな!」と、言葉を口にするー


「嘘じゃないー。あの泉は”同じ組み合わせ”では入れ替わらないんじゃー。

 だから、わしがこの娘の身体で泉に飛び込んでもー


 そうー

 お主の大事な彼女の身体が濡れて、最悪、溺れるだけじゃー」


紗智(おじさん)の言葉に、

照康は呆然とするー。


がー、それでも照康は叫んだー


「ーどうせまた嘘を言ってるんだろ?

 あんたー、自分のことを精霊だと言ったり、

 俺が寝てる間に山小屋から姿を消したりしたからなー

 信用できないー。


 今からあの山に行って、本当に元に戻れないのか、

 確かめさせてもらおうじゃないかー」


照康がそう言うと、紗智(おじさん)は、不満そうな顔をしながらも

「ーわかった。なら、そうしよう」と、言葉を口にしたー。


またー、数時間かけて例の山奥へと移動するー。


既に夕方になりかけたタイミングで、

泉にたどり着くと、

「ー紗智!」と、照康が叫んだー。


「ーー照康ー」

精霊(紗智)は、疲れ果てた様子だー。


「ーここ、トイレもないし、もう…早く元に戻りたいー」

精霊(紗智)が、そんな愚痴を言葉にするー。


紗智になったおじさんの言う通りー、

精霊になった人間は、この泉の中で漏らすしかないのだろうー。


照康は、そんな精霊(紗智)に対して、

「ーーおっさん、連れて来たからー」と、紗智(おじさん)のほうを指さすー。


「ーーー悪いが、この身体はもうわしのもんじゃー。

 元には戻れない」

紗智(おじさん)が言うー。


照康は「黙れ!」と、言うと、そのまま泉に転落するように促すー。


「ーーも~~~… 彼女を泉に飛び込ませるなんて、ひど~い♡」

紗智(おじさん)が揶揄う様にして言うのを無視して、

照康は「行け」と、淡々と言い放つー。


紗智(おじさん)は「つれないのぅ」と、不満そうに言うと、

「彼女の身体を傷つけるだけじゃぞー」と、そう捨て台詞を吐いてから

泉の方に向かったー



そしてーーー

二人は、”元”に戻らなかったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーど、どうすればいいの!ねぇ!」

精霊(紗智)が叫ぶー。


紗智(おじさん)は「残念じゃがーわしも精霊ではないし、

元々のその精霊の中身はどこにいるのかも知らないー

次に誰かがそこに落ちるまで、人間には戻れないしー

もう、元の身体には戻れない」と、残念そうに言葉を口にするー


「そ、そんな!ねぇ!わたしの身体を返して!」

精霊(紗智)が泣きそうになりながら言うと、

「ー返したくても、返せないんじゃ」と、

紗智(おじさん)は言葉を口にするー。


そして、その場から立ち去ろうとする紗智(おじさん)は

照康を見て、小声で囁いたー


「ー彼女のことは諦めるんじゃー

 わしが代わりに、お主の彼女になってやるー

 いいこともいっぱいしてやるぞ?」


そう言い放つと、紗智(おじさん)は照康の耳元に顔を近づけて

甘い声で囁いたー


「ーー照康のこと、たくさん気持ちよくしてあげる♡

 だから、気持ちに整理がついたら連絡してねー」

紗智(おじさん)は、それだけ言うと立ち去っていくー


「お、おい!待て!」

照康が腕を掴むと、紗智(おじさん)は

ニヤニヤしながら振り返ったー。


「ー泉の精霊になった彼女を愛し続けるのは無理じゃー。

 ー今はそう思っていても、必ず、イヤになるー


 だからー、

 諦めて、これからは”わたし”と遊ぼ?」


それだけ言うと、紗智(おじさん)はクスクス笑いながら

立ち去っていくー。


呆然とする照康ー

泉から顔を出したまま泣きじゃくる精霊(紗智)ー。


”ふざけるなー”

照康は、思うー。

このままでも、照康が好きなのは、精霊(紗智)だし、

必ず元に戻して見せるー、

とー。



だがーー

照康のそんな想いは空しく、二人の間に”亀裂”が

生じていくことを、照康はまだ、知らなかったー。



④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


元に戻れるかどうか、

だんだん怪しい雰囲気になってきましたネ~!☆


物語は終盤に向かっていきます~!

どんな結末が待ち受けているのか、ぜひ見届けて下さい~☆!


今日もお読み下さり、ありがとうございました!☆

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