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「くっさ…!えっ…もしかして納豆食べてきた?」

彼女・亜季(あき)が、彼氏の良助(りょうすけ)に

対して言う。


「え?わかる?歯はちゃんと磨いたんだけどなぁ…」

大の納豆好きの良助は、

毎日のように納豆を食べている。


おかめ納豆の商品パッケージのおかめを見るだけで

興奮してしまうぐらいに、納豆が大好きなのだ。


「--も~…息が納豆臭いよぉ…」

亜季が嫌そうな表情を浮かべた。


同じ大学に通う亜季と良助は

大学内でも有数の仲良しカップルだ。


二人は趣味も合うし、性格も合うしで

とても仲良しだった。

でもー

ひとつだけ相容れない部分があった。


それはー

亜季は”納豆”嫌いであること。

納豆を食べるなんてとんでもないし

納豆のニオイやネバネバを見るだけで

お風呂に飛び込みたくなるぐらい

亜季は納豆が嫌いだった。

そのため、納豆のニオイには人一番敏感だった。


「も~!納豆とわたし、どっちを選ぶの?」

亜季が不貞腐れたように言う。


「--え~、納豆、かな」

苦笑いしながら良助が言うと、

亜季は「バカ!」と呟いて

不貞腐れてそのまま立ち去ってしまった。


「---やれやれ…

 納豆、美味しいじゃんか」

良助はそう呟いた。


・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


亜季は実家暮らしで良助は

一人暮らしのため、

亜季はよく良助の家に遊びに来ていた。


亜季は、良助の家に入ってくると

「昨日はこめんね~」と笑みを浮かべる。


納豆で喧嘩になることは

前からよくあることだ。

亜季自身、納豆が好きな人がいることはよく理解しているし

ついつい感情的になってしまうこともあるけれど

良助が納豆好きの部分は受け入れようと、

努力はしていた。


「---別にいいさ」

良助はそう呟くと、

今日のデートのために用意していた

”あるもの”を手に微笑んだー。


それはー

ネットで手に入れた”憑依薬”

他人に憑依する薬だ。


良助は、亜季とは違った。

亜季は納豆嫌いだけれども、

良助が納豆好きであることを受け入れようとしていた。


けどー

良助は、”受け入れられなかった”

亜季が納豆嫌いだと言うことを

信じることができなかったー。

”どうせ食べず嫌いだろう”と。

なんとか亜季に納豆を好きになってもらいたい。

そんな風に考えていた。


その結果、たどり着いたのが”憑依”だった。

憑依薬を使い、亜季の身体を奪い、

納豆を食べる。

そうすることで、亜季の納豆嫌いを

克服させようとしていた。


「--さて」

亜季が荷物を部屋に置いたのを見て

良助は笑みを浮かべた。


机の上に、2つのお茶碗と、

納豆を置く。


亜季はきょとんとした表情で

そんな良助の様子を見ていた。


「いっしょに納豆、食べよっか」


「へ?」


亜季は唖然とする。


「え、わたしは納豆嫌いだし、

 食べないよ~」


亜季が言う。

良助は、時計を見つめると

「でも今ちょうど昼時だし、

 おなかすいてるだろ?」と笑みを浮かべる。


「--あ、ここに来る前に食べてきたから」

亜季はとっさに嘘をついた。


しかしー

グルルルルルル…


最悪のタイミングで、お腹が鳴ってしまった。


「ふふ、身体は正直だな。

 さ、納豆食べようぜ」

良助が言う。


今日こそ、亜季の納豆嫌いを

克服させてやらなくてはならない。


「--え、、い、、いや、いいってば」

亜季が言う。


「どうして?納豆は身体にいいんだぜ?」

良助が言う。


できれば憑依なんかせずに、

亜季に納豆を食べてもらいたい。

良助はそう思いながら続ける。


「どうせ食べず嫌いだろ? 

 俺は亜季のためを思って…」


「--いいってば…納豆ホントに無理だから

 やめてよ」

亜季が困ったようにして言う。


亜季は、知らないー

いいや、大学の人間はほとんどが知らない


”良助の性格難”をー。

普段や優しく穏やかな良助だが

自分の好きなもののことになると

豹変してしまうことがあることをー


「食べず嫌いは良くないぞ~!」

良助が少し声のトーンを低くして言う。


「--だから!本当に無理なんだってば!」

亜季が少し怒りっぽく叫ぶ。


「ーーーふーん…

 じゃあ、仕方ないな…」

良助はそう呟くと、

憑依薬を手にして、それを飲み干した。


「え…な、、なに…?」


「ちょっと、亜季の身体、借りるよ?」

良助がそう呟くと、良助は煙のような姿になって

亜季にキスをしたー。


「--んくっ!?」

驚いて目を見開く亜季。

しばらく瞬きをしていたが

やがて、亜季は笑みを浮かべた。


「--ふふふ…亜季…

 ごめんな…でもこれも亜季のためなんだ」

亜季は、自分のことを他人のように呟きながら

机の方に向かう。


「ふふふふふ… 

 今、納豆を食させてあげるからねぇ~」

亜季はニヤニヤと笑みを浮かべながら

納豆のパックを開ける。


納豆の豆の上についたビニールを剥がして、

ビニールの方についていた納豆の粒を

ペロリと舐める亜季。


「んふふふふふ…お~いしい♡」

亜季は笑みを浮かべる。


「今…納豆を食べさせてあげるからね♡」

亜季ははぁはぁ言いながら

納豆をかき混ぜて行く。


亜季の身体で納豆を食べる、という行為に

良助は興奮していた。

亜季を乗っ取っている良助が興奮するということは

当然、亜季の身体も興奮することを意味している。


”ちょ…ちょっと…どうなってるの?”


頭の中に亜季本人の声が響いてきた。


「あれぇ?意識あるのか~…

 ほら、これも亜季のためだからさ」

亜季は口からそう発すると

納豆にネギを入れて納豆をごはんに

かけたー。


そして、ニオイを嗅ぐ。


「んっん~♪」

嬉しそうに微笑む亜季。


”ちょ…や、、やめてよ!

 やめて!臭いし気持ち悪いよ!”

亜季が叫ぶ。


「うるさいなぁ…

 納豆の美味しさを教えてあげるからさ」


亜季は躊躇なく納豆を口に運ぶ。


”いやぁぁ…気持ち悪い…”


身体を乗っ取られている亜季の意識が

今、どんな感覚を感じているのかは分からない。


けれどー

良助は”憑依薬のある効果”を期待していた。

憑依薬を使って相手を乗っ取っている最中は

相手の脳を使って色々と思考する。

そのため、強く念じたり、考えることで

乗っ取った身体にそれを刻み付けることができる…

と、一部では言われている。


亜季を乗っ取って亜季として納豆を食べれば

亜季も納豆を好きになってくれるかもしれない…


そんな風に、良助は考えていた。


”さ、、最低!”

心の中で亜季が叫ぶ。


それを無視して納豆を口に運ぶ亜季。

亜季は口をネバネバさせたまま

「わたし、納豆だ~いすき♡」と叫んだ。


”ふざけないで!この変態!

 良助がそんな人だとは思わなかった!”


心の中で亜季が叫ぶ。


”あんたなんて嫌いよ!

 もう別れましょう!

 あんたなんてずっと、納豆とエッチでも

 してればいいのよ!”


心の中の亜季が激怒してそう叫んだ。


「は?」

亜季が怒りの声を出す。


”早くわたしから出てって!

 変態!”


叫ぶ亜季の心。


「そんなに怒るなよ!

 俺は亜季のためを思って…」


”何がわたしのためよ!

 あんたの自己満足じゃない!

 ふざけないで!”


亜季に憑依している良助は思う。


”なんて、分からず屋なんだ”と。


「へぇ…

 俺もさ、穏便に済ませたかったんだけど…」


善意で、納豆を好きにさせてあげようとしているのにー。

ホンキでそう思っている良助は

亜季から”別れる”だとか”変態”だとか

言われたことで完全に”キレて”しまった。


「お仕置きが必要だなぁ~!」

そう呟くと、亜季は、納豆ご飯を

物凄い勢いで食べ始めた。


”ちょ…や、やめて!”


「うるさい!黙ってろ!

 わたしは納豆女だ!」

大声で叫ぶ亜季。


憑依されたままの亜季は

冷蔵庫から納豆を取り出すと、

それを自分の顔に塗りつけはじめた。


「んふふふ…納豆ぉ…

 わたし…納豆大好きぃ…」

はぁはぁ言いながら、顔に納豆をこすりつけた亜季は

ネバネバだらけになった手で

スカートや服を脱ぎ捨てはじめた。


”や…やめ…”

心の声が次第に小さくなっていく。


「くふふふふふ…」

下着姿になった亜季は、納豆の粒を

手でつかむと、自分の身体に

ベタベタと納豆を塗り始めた。


「ほらぁ…わたし、納豆大好き女なのぉ~!

 ふふふふふ…

 大好きな納豆、身体に塗りたくっちゃうぅぅぅぅ」


ネバネバまみれの手で

綺麗な身体に納豆をすりつぶすように

塗りつけて行く。


「んふふふふ…んふ…うふふふふふっふ♡」

下着にシミを作りながら

亜季は納豆まみれになりながら微笑む。


「はぁ…はぁ…」

身体中納豆まみれの亜季は

さらに冷蔵庫から納豆を取り出すと、

今度は自分のへそに納豆の粒を

押し込んだー


「んふふふふふ~♡

 あぁ…わたしってば、納豆大好きすぎ~♡」

亜季の表情は完全に正気を失っている。


納豆まみれになりながら

興奮した亜季は、自分の身体を濡らしながら

ネバネバまみれになった手を

ぺろぺろと舐める。


”あぁ…な、、なっとう…”

亜季の心の声が聞こえてきた。


「へへへ…気持ちイイだろぅ?」

亜季が言うと、

頭の中に「うん…♡」と声が聞こえてきた。


やっぱ憑依薬ってすごい。

良助はそう思った。

可愛い亜季を納豆まみれにさせているだけでなく

あれだけ納豆嫌いだった亜季を

納豆の魅力で塗りつぶしたー


「んっふふふふふふ~♡」

さらにエスカレートした亜季は

納豆の上についている透明のビニールを

手に取ると、それをパンツの中に突っ込んで

そのまま近くの机の角で角オナを初めてしまったー


「ぁあぁあ…♡わたしは、、、納豆星人よ~♡」

納豆まみれになりながら

亜季は大声で喘ぎ続けた…


・・・・・・・・・・・・・・・・・


1週間後ー


良助は、亜季と別れたー。


亜季から別れたのではない。

良助から、別れを告げた。


その理由はーーー


「わたし、納豆の会社に就職するから」

亜季は微笑んだ。


耳元には納豆のピアスがついている。


弁当を食べながら

友達は苦笑いする。


「ね、、ねぇ…亜季…?

 最近おかしくない?」

友達の言葉に亜季は

自宅から持ってきた”納豆弁当”を食べながら微笑む。


「そう?ふつうだけど?ふふ」

亜季はーーー

良助の狙い通り、憑依の最中の行為の影響を受けて

変わったー


いやー

”変わりすぎてしまった”

激しくやりすぎた。


納豆が好きどころか、

納豆女になってしまった。


納豆しか食べなくなってしまったし

熱心に勉強していた勉強もやめて

納豆のメーカーに就職すると言い始めた。

毎日へそに納豆を突っ込んでいるし、

”度を越した納豆好き”になってしまった。


「---ごめん。別れよう」


良助は、そう告げて

亜季と別れたのだった。


亜季は、”これからは納豆と付き合うもん!”と

真顔で言っていたー。


俺が、亜季を壊してしまった。

良助はその罪悪感に囚われ、

以降、納豆が嫌いになってしまったのだという。


おわり


・・・・・・・・・・・・・・


コメント


私は納豆が苦手なのですが

もしも憑依されたら食べちゃったりするのかな~と

思いながら書きました(笑)

お読み下さりありがとうございました~!

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