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プチ同窓会の翌日ー。

参加した10人は、バラバラに身体が入れ替わってしまっていたー!


それぞれ、二日酔いで記憶も曖昧ー。

そんな状況の中、10人は自分たちに出来ることをしようと

別行動を取ることにー。


そして、ついに”入れ替わり”の原因が判明したー。

10人の運命はー?


☆前回はこちら↓☆

<入れ替わり>二日酔いの朝②~それぞれの行動~

久しぶりに学生時代の友人たちと集まり、 楽しいひと時を過ごした10人。 しかし、その翌日ー、 プチ同窓会に参加した10人は、バラバラに身体が入れ替わってしまっていたー…! 混乱する10人の運命は…!? ★前回はこちら↓★ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ★登場人物★ 立花 宗司(たちばな そうじ)⇒...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


★登場人物★


立花 宗司(たちばな そうじ)⇒オタク系の男子

青沼 修一(あおぬま しゅういち)⇒大学生の頃に4億当選した男子

小山 雄介(こやま ゆうすけ)⇒元イケメン男子。

小野寺 健太(おのでら けんた)⇒お調子者。現在は既婚者。

宇野 茂(うの しげる)⇒無口な男子


白石 咲(しらいし さき)⇒一応主人公(?)

伊達 葵(だて あおい)⇒のんびりした口調で喋る穏やかな子

藤川 萌々香(ふじかわ ももか)⇒みんなに信頼されるしっかり者

森永 梨沙(もりなが りさ)⇒気の強い性格の持ち主

篠崎 優里(しのざき ゆうり)⇒奥手な子。


★中身と身体★ ( ) が中身


宗司(梨沙)

修一(優里)

雄介(咲)

健太(萌々香)

茂(雄介)


咲(健太)

葵(宗司)

萌々香(茂)

梨沙(葵)

優里(修一)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーそれで、”入れかわりの原因”が分かったって言うのは、本当なのか?」


大学時代に宝くじが当選した修一の豪邸で、

調査を続けていた葵(宗司)からの連絡を受けて、

続々と集まって来た入れ替わり当事者たちー。


咲(健太)の問いかけに、

葵(宗司)が「ほぼ間違いないー。僕たちの身体の中に

普通の人間にはない成分が検出されたー」と、

言葉を口にしたー。


「ー原因は、恐らく、薬だろう、とー」

葵(宗司)がそう言いながら、”爪をかじる癖”をいつものように

やってしまいー、ハッとして気まずそうに首を振るー。


「ーー流石、立花くんだねー」

イケメン男子・雄介の身体になった咲がそう言うと、

「ー男に褒められてもなー」と、皮肉っぽく言い返しながら、

葵(宗司)は「まぁ」と、メガネをいじるような仕草をするー。


しかし、葵は眼鏡をかけておらず意味のない仕草になってしまい、

少しだけ不満そうな表情を浮かべると、

すぐに言葉を続けたー。


「ーーまぁ、僕じゃなくてー、そこの二人の功績なんだけどなー」

と、早口に言葉を口にしたー。


面倒見の良い萌々香の身体になった、無口な男子・茂と、

気の強い女子・梨沙の身体になった、穏やかお姉さん・葵ー。

その二人のほうを指さす葵(宗司)ー。


「ーーわたしの実家が、診療所だから、

 事情を説明して、お父さんに診察してもらったの」

梨沙(葵)が言うー。


雄介(咲)は

”気の強い森永さんも、中身が葵ちゃんになると、

 なんか、穏やかな雰囲気になるなぁ~…”と、

何となく微笑ましい気分になりながら、梨沙(葵)を見つめるー。


人間、”中身”で、同じ見た目でも随分と雰囲気というか、

オーラが変わるー。

実際に入れ替わってみて、そんなことを実感したー。


「ーそしたら、俺たちの中に、謎の成分が見つかったー」

萌々香(茂)が腕組みしながら言うー。


萌々香の身体で腕組みしているからか、時々胸に腕が触れて

”落ち着かない”というような仕草を見せているー。


「謎の成分ってー?」

唯一男⇒男の身体になってしまった茂(雄介)がそう聞くと、

「わたしのお父さんが言うには、何かの薬を盛られたんじゃないかって」

と、言葉を口にしたー。


「薬をー?」

雄介(咲)が戸惑いながら確認すると、

「ーつまり!この中の誰かの仕業ってことでしょ?」と、

オタク男子・宗司の身体で梨沙が不満そうに叫んだー


「ーも~!早く元の身体に戻りたいんだから、

 っていうか…こんなことしたの、誰!?」


宗司(梨沙)が不満そうに叫ぶー。


10人が入れ替わった原因は、”薬”ー。

そして、お店に聞き込みに行った感じではー、

他の利用客にそういうトラブルは起きていないー。


そうなると”店側”ではなく”利用者側”ー

つまり、この場合、自分たちに原因がある可能性が高いー。


もちろん、店主や他の座席の客が、薬を何らかの形で

盛った可能性は否定はできないもののー、

個室制だったし、10人全員でトイレに行ったりしたタイミングは

なかったため、薬が盛られたというのであれば、10人の中の誰かが

犯人である可能性は高いー。


「ー薬ねぇ…。しかし、そんなことできるのか?

 飲み物は別々だったし」

茂(雄二)が言うと、

咲(健太)が「ーーいや、”鍋”なら出来そうじゃないか?」と

言い放つー。


そうー、昨日のプチ同窓会で、終盤に”鍋”をみんなで食べているー。

その鍋に薬が盛られていたのだとすればー、

全員が食べているし、どういう仕組みか分からないが、

身体が入れ替わる可能性はあるー。


「ーーーそれよ!絶対それ!

 で、誰なの!?早く白状しなさいよ!」


宗司(梨沙)が叫ぶー。

オタク男子の宗司の身体で、平気でいつものように

喋っているため、その光景はかなり妙な感じだー。


葵(宗司)は、少しだけ不満そうにそんな”自分”のほうを見つめるー。


「ーーー…ねぇ…本当にこの中にいるのー?」

雄介(咲)が、不安そうにそんな言葉を口にするー。


咲としては、仲間を疑うようなことはしたくないー。


「ーー俺もー…白石さんの言う通りだと思うぜー?

 もう少し落ち着いて考えよう」

咲の身体になった健太がそう言い放つー。


学生時代は適当なお調子者だったのにー、

結婚したからだろうかー。

随分と頼もしくなったように思えるー。


「ーーそうだなー。咲ちゃんの言う通りだ」

茂の身体になったイケメン男子・雄介もそう頷くー。


「いや、僕はこの中にいると思うけどな」

葵(宗司)が、メガネをいじる仕草をまたしながらー、

”眼鏡ないんだった”と言わんばかりに首を横に振るー。


「そうよ!絶対この中にいる!

 …こいつと意見が一致するのはイヤだけど!」

宗司(梨沙)が、不満そうにパソコンの前にいる葵(宗司)を

指差すー。


「ねぇねぇ、それより…青沼くんは?」

宝くじが当選した修一の身体になった奥手な女子・優里が

不安そうに呟くー。


「そういや、いないなー」

咲(健太)が周囲を見回すと、

「あいつならさっき、お金がどうこう言いながら出て行ったけどー」

と、宗司(梨沙)が言い放つー。


優里の身体になってしまった修一は、

”もしもこのまま戻れなかったらー”と、先ほど、自宅の金庫から

お金を持ち出して”金を移動させる”と、この家から出て行っているー。


「まさか…青沼くんがーー…なんてことはないよね?」

健太(萌々香)が不安そうにそう呟くー


「あ!絶対それだよ!アイツー、優里ちゃんの身体を奪って

 金も持ち逃げしようとしてるんじゃない!?」

宗司(梨沙)がそう叫ぶと、

葵(宗司)は「僕の身体であまり喚くなー…」と、

不満そうに言葉を口にするー。


「ーいやいやいや待てよー。

 そうと決まったわけじゃないだろー。

 もう一度、青沼のやつにも連絡をー」

咲(健太)がそう言いながら、スマホを手にするー。


だがー、その時だったー


「ーーーえ?」

健太(萌々香)の電話が鳴るー。


電話相手は”青沼 修一”ー。

優里の身体のまま、唯一ここに集まっていないー

宝くじに当選した男子生徒だー


「ーなんでわたし?」

健太(萌々香)は戸惑いながらも、

「ー藤川さん、しっかり者だからじゃないかなー?」と、

雄介(咲)が笑いながら言うと、

健太(萌々香)は「そ、そうかなぁ…」と、照れくさそうにしながら

電話に出たー。


固唾をのんで見守る8人ー


するとー、

健太(萌々香)が「えぇっ!?」と叫んだー。


ビクッとする8人ー。


健太(萌々香)は、すぐに電話を耳から話すとー、

「青沼くん、襲われて病院に運び込まれたってー」

と、そう言葉を口にしたー


「えっ!?」

”自分の身体”が病院に運び込まれたと聞かされた

修一(優里)は不安そうに声を上げるー。


「ーあ、怪我はしてるけど、無事みたいー

 ただ、お金を奪われちゃったってー」


健太(萌々香)は、そう説明しながら再び電話で

優里(修一)と話し始めるー。


どうやら”お金が丸見えの状態”で、

優里になった修一が金を持ち歩いていたため、

途中で、ガラの悪い男に狙われて、

金を奪われてしまったようだったー。


しかもー”優里の身体”であるため、

反撃も逃げることもできずー、

さらには”きみ、どうしてそんなにお金、持ってたの?”ということになり、

優里に迷惑をかけてしまう、ということで、

優里(修一)は警察に被害届を出すこともできず、

途方に暮れているらしいー


「ーーー青沼がここに来ていないのはそういうことかー」

咲(健太)がそう呟くと、

「ーーーねぇ…もしもこの中に”入れ替わり”を仕組んだ人間がいるなら

 早く、申し出てー。

 このままだと、こういうことがどんどん起きて、みんな大変なことに

 なっちゃうよー?」

と、青沼修一との電話を終えた、健太(萌々香)が言葉を口にしたー。



”ーーくそっー…”

入れ替わりを仕組んだ人物が内心で舌打ちをするー


”こんなことになるはずじゃなかったのにー”

ずっと、黙っているつもりだったー。


しかし、怪我人まで出てしまいー、

これ以上大事になってしまうのは、困るし、

それは本人も望んでいないー。


歯ぎしりをしながらー

彼は、静かに手を上げたー。


「ーー!?!?」

「はぁ!?」

「えっ!?」

「まさか、お前がー!?」


手を上げた人物以外の8人が驚くー。


「ーーーー…俺が、やったー」


そう呟くのはーー

無口な男子・茂と入れ替わったー、

イケメン男子の雄介だったー。


「ええっ!?小山くんが!?」

雄介(咲)が驚くー。


学生時代は、超がつくほど人気者だったイケメン男子の小山 雄介ー。

その彼が、何故ー?


「ーーーーーー俺が、ネットで手に入れた入れ替わり薬を使ったー」

茂(雄介)は悔しそうに自白するー。


”飲んだ人間同士を入れ替える薬”

それを、使ったのだとー。

入れ替わりはお互いが睡眠中に起こるようで、

今朝になって全員が入れ替わったのは、それが原因のようだったー


「ーあんた!!!どうしてくれんのよ!」

宗司(梨沙)が、茂(雄介)の胸倉をつかむー。


萌々香(茂)がそんな様子にー

「い、いやー、そ、それ、俺の身体ー」と、

ツッコミを入れると、

宗司(梨沙)は「ふん!」と、叫びながら茂(雄介)を突き飛ばしたー。


「ーー……みんなを巻き込むつもりはなかったー」

茂(雄介)はそう言うと、

雄介(咲)を指差すー。


「ーー俺は、咲ちゃんの身体が欲しかったー」


「ーーはぁ!?!?」

「ーーえっ!?」

再び戸惑う8人ー。


茂(雄介)は目を閉じながら言うー。


昨日、雄介が狙ったのは、”咲”の身体だったー。

大学時代から、咲のことは気になっていたが、

何だかんだでその想いは伝えることのないまま、卒業しー、

そのままになっていたー。

そしてー、大学卒業後、雄介は仕事が上手く行かず、

実は現在はフリーターだった。


咲の前では”独立してデザイン関係の仕事をやってる”などと言ったが

あれは、嘘だったー。

借金もあり、追い詰められた雄介は、”大学時代に好きだった咲”の身体を

奪おうと画策、プチ同窓会でそれを実行しようとしたー。


入れ替わり薬を、自分のコップの水と、咲のコップの水にどさくさに

紛れて入れたーー。


それで、上手く行くはずだったー。


だがー。

誤算が起きたー。


「なぁなぁ、鍋の水、少なくないか?」

健太がそんな言葉を口にするー。


「確かに、少ないねー」

萌々香が、鍋を見ながら笑うー。


そんな会話の最中ー

”入れ替わり薬”を混ぜた、咲のコップの水をー

誰かが、”そんなものが入っているとは知らず”鍋の中に足す水として

使ってしまったのだー。


がー、

咲の近くには、別の誰かのコップが置かれていて

咲は気づかず、その水を飲んでいてー、

雄介も、それを見て”咲が入れ替わり薬入りの水を飲んだ”と、

思い込んで、今日に至るー。


しかし、実際には、”入れ替わり薬を混ぜた水”が鍋に投入されたことに

よって、鍋を食べた10人全員の身体が、翌朝に入れ替わってしまったのだー。


「ーーーーーーー……」

雄介(咲)は、裏切られたような気持ちになりながら、

茂(雄介)を見つめるー。


「その結果がこれだよー

 みんなを巻き込んだ挙句、優里ちゃんの身体を怪我させてー

 こんなトラブルにしてしまったー」


茂(雄介)はそこまで言うと、自虐的に笑いながら

「おまけに、俺だけ入れ替わり相手も男の身体だしー…

 たぶん、こんなことをした罰が当たったんだろうなー」

と、呟くー。


宗司(梨沙)をはじめ、怒号を浴びせる元同級生たちー。


だがー、雄介(咲)が「みんな!!落ち着いて!」と、叫ぶとー、

茂(雄介)に対して、言葉を投げかけたー。


「それで、元に戻る方法はあるの?」

とー。


「ーーある…」

茂(雄介)は、落ち込んだ様子で頷くとー、

「ーさっき、家から残りの入れ替わり薬を回収した」と、呟くー。


そうー、10人が集まった直後、

茂になった雄介がいったん、雄介の家にやってきたのはー

証拠を隠滅するためだったー。


「ーーこれを使えば、元に戻れるー」

茂(雄介)のそんな言葉に、

咲(健太)は「そ、それなら早く元に戻ろうぜ!話はそれからだ」と、

騒ぐ仲間たちを説得するー。


優里になった修一は、金を奪われて病院で治療を受けている最中ー。

だが、幸い、優里と修一だけは”お互いに入れ替わっている”だけのため

後で元に戻せばいいー。


ひとまずここは、その他の8人が入れ替わり薬を飲むのが先決だー。


健太(萌々香)が、水の中に入れ替わり薬を混ぜて、

それを全員に配布するー。


「ーーこれで、明日の朝ー、元に戻れるんだな?」

咲(健太)がそう確認すると、茂(雄介)は「あぁ」と、悲しそうに頷いたー。


その後、病院に移動し、優里と修一も入れ替わり薬を飲みー、

10人は”翌朝”を待ったー。



ーーーーーがーーー



「ーーーえっ!?!?!?!?」

朝、目を覚ました咲は驚くー。


”自分の部屋”ではないー。

しかし、入れ替わっていた雄介の部屋でもないー


「こ、これってー…!?」

鏡を見て呆然とする咲ー。


咲はー

今度は、気の強い梨沙の身体になっていたーーー


”おいおいマジかー”

穏やかな口調で話すお姉さん・葵になってしまったという健太と

連絡を取り合いながら、

梨沙(咲)は困惑するー。


「まさか、これってーーー」

梨沙(咲)は戸惑うー。


最初、入れ替わり薬を飲んだ10人がバラバラに入れ替わったー…


そうであれば、また10人が入れ替わり薬を飲んだところでーー

起きることは

”元に戻ること”ではなく、また滅茶苦茶に入れ替わることーーー


”お、俺たちー、アイツに騙されたんじゃー?”

呆然とする葵(健太)ー



そうーー

雄介は、反省したふりをして

もう一度、挑戦したのだー


もう一度”ガチャ”を回したと言ってもいいー。

もう1回、入れ替わり薬を10人で飲めば今度こそー、自分は”咲ちゃん”に

なれるかもしれないー


そう、思ってー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ククククー…クククク…ははははははっ!」

可愛らしい女が、笑いながら道を歩いているー。


「ーー咲ちゃんの身体じゃなかったけどー、

 萌々香ちゃんも可愛いからなぁ」


ニヤニヤしながら自分の手を見つめているのはー、

しっかり者の萌々香ー


「お目当ての身体は手に入らなかったけど、

 この身体で我慢するぜー」


萌々香はニヤッと笑うと、

「今日からわたしは萌々香だ!」と、嬉しそうに叫びながら

そのまま姿を消したー


その後ーー…

萌々香(雄介)がどこに消えたのかー、残りの9人たちは、知らないー。


入れ替わり薬も入手できず、

9人たちの困惑の生活は、続くのだったー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


久しぶり(?)の集団入れ替わりモノでした~!

以前の”入れ替わりクラス”とは別で、

今回は、あえて3話程度で完結させる集団入れ替わりモノということで、

考えてみた作品デス~!


人の姿が分からない小説+集団入れ替わりを短い話でまとめるのは

なかなかハードでしたが、私にとっても、大事な経験になりました~!


今後も、できる限り分かりやすく色々試行錯誤しながら、

時々、集団入れ替わりにもチャレンジしていきます~!☆


お読み下さりありがとうございました~~!

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Comments

みのむー

なるほど、こういう事か…… 雄介ひでぇww

無名

コメントありがとうございます~! 持ち逃げされちゃった子は災難でした~笑