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入れ替わった状態のまま、お互いの家に帰ることになってしまった

翔太と綾のふたり。


”明日の朝になれば元に戻るはずー”

そう思いながら、それぞれ戸惑いながら一晩を過ごしたものの

二人は結局、元に戻ることはできなかったー。


戸惑いの中、入れ替わり生活2日目が幕を開けるー…。


★前回はこちら↓★

<入れ替わり>僕とわたしの不思議な青春③~帰宅~

入れ替わってしまった翔太と綾の二人ー。 何とかその日の授業を乗り越えー、 放課後、”元に戻る方法”を色々と試してみたー。 しかしー… ”放課後になれば元に戻れるだろう”という考えは甘かったことを 思い知らされたー。 色々と試してもー、 二人は”元に戻る”ことができなかったのだー…。 困惑の状況の中、 ”一晩寝れば...

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★主な登場人物★


遠藤 翔太(えんどう しょうた)

C組生徒。大人しく、奥手な性格の持ち主。綾と入れ替わってしまう。


星村 綾(ほしむら あや)

C組生徒。可愛らしい雰囲気に、明るい性格の持ち主。翔太と入れ替わってしまう。


神田 哲真(かんだ てつま)

C組生徒。翔太の中学時代からの友人。女子は苦手。


山井 穂乃果(やまい ほのか)

C組生徒。綾の友人。翔太のことはあまり良く思っていない。


伊藤 菜々美(いとう ななみ)

C組生徒。翔太の小さい頃の知り合い。昔とは雰囲気が違っている。


★脇役も含めた人物紹介はこちら↓★

<人物紹介>僕とわたしの不思議な青春~登場人物図鑑~

長編入れ替わりモノ 「僕とわたしの不思議な青春」の 登場人物図鑑デス! 連載前に予告として掲載した、 主人公たちのクラス名簿の内容に加え、登場する教員や その他の人物もご紹介しています~! ※ネタバレは控えめ(漫画や小説の最初の方のページに書かれている  人物紹介ぐらいの内容…)デス~!  最初にクラス名...

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「ーーーーーー」

学校に”少し早め”にやってきた綾(翔太)は

戸惑いの表情を浮かべながら、

自分の下駄箱の所に向かうー。


校内で履く上履きを手に、それを履いて歩き出そうとしたところで

「あーーー」と、口を開くー。


上履きのサイズがぶかぶかで、まともに歩けないー。


「ーー間違えたー…」

綾(翔太)が苦笑いするー。


”翔太の上履き”の方がサイズが大きくて、綾の足では

サイズが合っていないのだー。


「ー慣れないなぁ…」

”遠藤”と自分の名前が書かれた上履きを履くことができないなんて、と

思わず笑ってしまうー。


翔太の上履きを元の場所に戻し、綾の上履きを履こうとした

その時だったー


「え」


「ーーあ」


翔太の親友・神田哲真が偶然登校してきて、

少し困惑した表情を浮かべていたー


「あ、か、神田くんー…お、おはようー」

顔を赤らめながらそう声を発する綾(翔太)ー


今ー、

”間違えて僕の上履きを履いたところを見られたかも?”と、

不安に思う綾(翔太)


「ーーーあ、え、えっと…おはようー」

哲真は目を逸らしながらそう言うと、

綾(翔太)は気まずそうに自分のー”綾”の上履きを履いて

そのまま歩き出すー。


親友の哲真と一緒に歩く綾(翔太)ー


だが、会話はなく、哲真はソワソワしているー。


「ーーー…そういえば、昨日、カードの発売日だったよね?」

綾(翔太)が、沈黙が気まずくなってそう言うと、

「え…あ、あぁ、そ、そうー。よく知ってるなー」と、

哲真は恥ずかしそうに笑うー。


だがー、会話が続かないー。

”いつもならー”

翔太と哲真なら、会話が途切れないのにー、

今日はすぐに会話が途切れてしまうー


哲真は、女子があまり得意ではないー。

理由は分からないが、中学時代も男子とばかり騒いでいたー。


”星村さんになった僕”は、今までのように

神田くんと仲良くすることはできないのだろうかー。


そんな、寂しい気持ちが一気に膨れ上がって来るー。


”神田くんー実は、僕なんだー”

そんな言葉が喉まで出かかるー。


けれどー…

”これは、僕だけの問題じゃないんだー”と、必死に

それを抑え込んでいると、そのうち、教室に到着したー。


「ーー綾!おはよ~!」

綾の友人・山井穂乃果が声をかけてくるー。


しかし、”穂乃果”からすれば”綾”は親友だがー、

綾(翔太)にとっては、まだ”ほとんど何も知らない”クラスメイトだー。


「お、おはよ~」

綾(翔太)が、そう言いながら手を振ると、

「あれ…?今日、綾、髪型違くない?」と、穂乃果が言葉を発したー


「ギクッ…!」

心の声が、思わず表に出てしまったー。


”綾”がー、

いいや、普段、女子が朝、どんな風に準備をしているのか、

正直、知らないー。


”学校で見る星村さん”を真似てみたつもりではあったけれどー…

やはり、何かが違うのかもしれないー。


「ーあ~~~もしかして綾、寝坊した?」

穂乃果が笑いながら言うー。


綾(翔太)は内心、”助かったぁ…”と思いながら

「う、うん…ちょっと…!」と、苦笑いするとー、

ちょうど、教室の中に入って来た翔太(綾)の姿が目に入ったー。


「あーー、穂乃果ちゃん、ちょっと、ごめんね」

綾(翔太)はそう言って立ち上がると、翔太(綾)に声をかけて

そのまま二人で教室から出て行ったー。


「ーーーー」

穂乃果はそんな様子を見つめながら、

不快そうに、”翔太”の後ろ姿を見つめたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ー昨日は大丈夫だったー?」

翔太(綾)が困惑した様子で言うー。


「ーーうんー。なんとかー…」

綾(翔太)がそんな返事をすると、

「でも、朝になれば元に戻れると思ってたけどー…

 戻ってないね…」

と、翔太(綾)は、戸惑いの言葉を口にするー。


「ーーー」

沈黙する二人ー。

どうすれば、元に戻れるのだろうかー。


「ーー今日は…どうしようー?」

綾(翔太)が、確認するかのような口ぶりでそう言うと、

「ー昨日と同じように、乗り切るしかないよね…」と、

翔太(綾)は言葉を口にしたー。


「ーなんか、ごめんねーーー」

翔太(綾)が、”わたしのフリするの、辛いよね…?”と、

心配そうに言葉を口にするー


「え…いやいやいやー

 僕の方こそごめんー

 星村さんに、僕なんかのフリさせちゃってー」

綾(翔太)がそう言うと、

翔太(綾)は「”僕なんかのー”って…

それはお互い様だし、気にしなくて大丈夫ー」と、

少しだけ微笑むー。


そうこうしているうちに、朝の学活5分前を知らせるチャイムが

鳴り響き、綾と翔太の二人は、そのまま意を決して

教室へと向かったー。


教室に到着して程なくすると、

少しして担任の若松 晴美先生がやってきたー。


クラスを持つのはこれが初めて、とのことで、

入学式から少し経過した今でも張り切っているように見えるー。


「ーーそれじゃあー、1時間目のHRの時間ではー…

 みんなが楽しみにしている部活とーー

 あと、これは楽しみじゃないかもしれないけどー、

 委員会活動!


 そのお話をしていきますー」


若松先生のそんな言葉に、

綾(翔太)は「ぶ…部活!?」と、思わず声を上げてしまうー。


「ー?」

隣の座席の男子・須藤 渉がそんな綾(翔太)の反応に

少し驚いた様子で顔を向けるー。


「ーーあ、いやー…」

綾(翔太)は誤魔化すー


”ぶ、部活ー…ど、どうすればいんだー?”

綾(翔太)は困惑するー。


今、翔太は綾の身体だー。

勝手に入る部活を決めることはできないー。

それは、翔太も同じことー。


しかし、入部の期限もあるだろうしー、

かと言って、”相手に合わせて自分の入りたくない部活”に

入るのも難しいー。


そんなことを考えているうちに、

「あの~~~~…」と、前の座席の女子生徒から声をかけられたー。


「あ?え?あ、ごめん!」

綾(翔太)は咄嗟にプリントを受け取るー。


先生が配ったプリントが、前から回ってきたようだー。


前の座席のー

確か、笹野(ささの)さんだっただろうかー。

一人称が”ウチ”の気さくな感じの子で、

少なくとも、今のところ、悪い印象はないー。


そんな、笹野翔子から慌ててプリントを受け取ると、

後ろの座席のいかにも優等生な感じの野坂優菜にプリントを回すー。


そのプリントには、部活の一覧が記載されていたー。


「ーーー!!!!」

綾(翔太)はそれを見て目を見開くー。


”カードゲーム部…”ーーー


綾(翔太)はそれを見ながら

「は…入りたいー」と、まるで少年のように目をキラキラと輝かせたー



「ーはい どうぞ」

翔太(綾)も、プリントを受け取り、後ろの座席の男子ー

敷島 郡司(しきしま ぐんじ)に、プリントを渡すー。


「どうも」

郡司は、プリントを受け取ると、そう返事をしながら

そのプリントに目を通すー。

敷島郡司は”普通な感じ”の男子ではあるものの、

どこか含みがあるような、独特な雰囲気があるー。


翔太(綾)はプリントを見つめると、

前の方の座席の哲真が「翔太ー…へへ、カードゲーム部があるぜ」

と、ニヤニヤしながら声を掛けて来るー。


「俺も足立もカードゲーム部入るし、

 お前も入るだろ?」


”当然”と言わんばかりの哲真ー。

”翔太”ならそうなのだろうー。


けれどー


「あー…う、うんー」

翔太(綾)が、そんな風に戸惑いながら言うと、

先生が、部活について説明し始めたー。


「ー部活は今日、この場で決めなくてもいいんだけどー、

 一応、今日から体験入部とかもできるからー

 みんな、気になる部活があったら、色々と足を運んでみてねー。


 入りたい部活があったら、え~っと、

 そう、4月末までに入部届を出してくれれば、入部できるから、

 それまではゆっくり考えて!」


若松先生が、そう説明すると

「次は委員会だけどー」と、言葉を口にするー。


学級委員ー

図書委員ー

美化委員ー

保健委員ー

生活委員ー

などなど、色々な委員会の名前が並ぶー。


「これは今、決めてもらおうかなって思ってるんだけどー」

委員会の名前を黒板に全て書き終えると、若松先生がそう口にしながら、

”やりたい委員会”を生徒たちに確認し始めるー


「ーー」

翔太(綾)が、チラッと綾(翔太)のほうを見つめるー。


「ーーー……」

そしてー、翔太(綾)が再び黒板のほうを見つめるとー

委員会の名前の羅列を見てー

”図書委員”が目に入ったー。


”図書委員”であれば、二人で行動する機会も増えるかもしれないしー、

入れ替わった状態がもしも続くとすればー…

色々やりやすいかもしれないー。


そう判断して、翔太(綾)は”図書委員”と、口とジェスチャーで

綾(翔太)に向かって示すー。


”えっ!?図書!?”

綾(翔太)は、翔太(綾)の仕草を見て、

そう受け取るとー

”まぁ、僕も本は嫌いじゃないしー”と、

黒板を見つめるー。


「学級委員をやりたい人~!」

若松先生の言葉に、

優等生風の野坂優菜と、物静かな真面目そうな生徒・守屋智花が

手を上げるー。


「あ~…男女一人ずつだからー…

 野坂さんと守屋さんは、どっちか一人でー…

 どうする?ジャンケンする?」

先生がそんな言葉を言うと、

優菜と智花の二人は、お互いに穏やかな笑みを浮かべながら

「どうする?」と、話し合いを始めるー。


そんな話し合いが進む中ー、

他の委員会をやりたい人の確認を進める若松先生ー。


そしてーー


「図書委員をやりたい人!」


「ーはい」

「ーーーは、はいー」


綾(翔太)と、翔太(綾)が手を上げるー。


「ーーー!」

綾の親友・山井穂乃果が”翔太と綾”が手を挙げたことに表情を歪めるとー、

「ーあ、先生、わたしも」

と、手を挙げる


「ーー…!」

翔太(綾)は、”親友”である穂乃果が手を挙げたことに

少し驚くー。


「じゃあ、ジャンケンしてー」

若松先生が、綾(翔太)と、穂乃果にジャンケンを促すー。


男子の希望者はいなかったため、翔太(綾)は図書委員に決まるー。


「ーーー…行くよ…綾」

穂乃果のそんな言葉と共に、綾(翔太)は戸惑いながら、

”チョキ”を出したー


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「ーーごめん。負けちゃったー」


1時間目が終わり、空き教室で話す綾(翔太)ー


結局、綾(翔太)は、穂乃果とのジャンケンに負けて

保健委員になったー。

隣の座席の須藤渉と一緒だー。


「ーーううん。ジャンケンは仕方ないよー。

 一緒の委員会なら、もし元に戻れなくてもやりやすいかなー

 って思っただけだしー」


翔太(綾)がそう言うと、

「ーそれに、穂乃果ちゃんはよく知ってるからー」と、

”身体は違っても、あまり知らない子よりやりやすい”と、

翔太(綾)は笑ったー


「ーーーーーー…」

綾(翔太)は、少し不安に思うー。


これまでの言動から”穂乃果”には、”翔太”は、あまり良く思われていないようなー

そんな、気がするのだー。

入れ替わりを知らない穂乃果からすれば、

”綾”は”翔太”でしかないー。


「ーーー…それより、部活はどうする?」

翔太(綾)が言うと、

「ぼ、僕はカードゲーム部に入りたいけど…」

と、綾(翔太)が言うー。


「ーふふ、やっぱりー」

翔太(綾)がそんな風に笑うと、

綾(翔太)は

「でも、星村さんの身体で入部するわけにはいかないよねー」

と、悲しそうに言うー。


一方、翔太(綾)は、美術部か演劇部か手芸部に入りたいのだというー。

しかし、やはり翔太(綾)も、どうすればいいか迷ってる様子だったー


「ーしゅ、手芸部とかー…僕、手、不器用だしー」

苦笑いする綾(翔太)ー


「とりあえず、先生が4月末までって言ってたしー

 体験入部とかだけしておいてー

 元に戻ったら入部届を出す感じで、いいんじゃないかなー?」


翔太(綾)が言うー。


”ギリギリまで伸ばして”

そして、元に戻る方法を探し、元に戻れたら入部届を出すー。

そういうことだー。


「ーーうん。わかったー。そうしよう」

綾(翔太)がそう言うと、

2時間目の時間が近付いていることに気付き、

二人は教室へと戻っていくー。


2時間目は英語ー。

担当は室松(むろまつ)という男性教師で、

かなりフレンドリーで面白い授業の先生だー。


”でも僕ー英語苦手だけどー…”

綾(翔太)は内心で苦笑いしながら、

2時間目の授業の場所へと向かったー。


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「ーーーえ…?星村さんー?」


ほとんどが男子のカードゲーム部を見学しにきた

綾(翔太)ー。


同じく見学しに来ていた翔太の親友・哲真と、

クラスメイトの足立幸也が驚きの表情を浮かべるー。


「ーー星村さん、カードゲームやりそうには見えないけどなぁ」

幸也が、哲真にそう小声で話をすると、

哲真も「あぁ…」と、戸惑いの表情を浮かべているー。


がーーーー

当の綾(翔太)はーー


「ーすごい!うわぁ…これもレアカード…!すごい!」

とー、部室に飾られたカードを、完全に

カードゲーム大好き少年のまなざしで見つめていたー。


「ーなんか、星村さん、イメージと違うなー」

「ー意外と俺たちと気が合うかもなー」

幸也と哲真がそんな言葉を口にしながら、

カードを嬉しそうに見つめる綾(翔太)の方を、

少し戸惑いの目線で見つめたー。


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「ーー!

 ーーー遠藤くんの手だと、手が震えちゃうー…!」


”手が不器用”

そうは聞いていたけれどー…


手芸部の体験入部にやってきていた翔太(綾)は戸惑うー。


針に糸を通そうとするだけで、手がぷるぷると震えるー

”不器用”は、身体が持つ性質なのだろうかー。

そう思いながら、女子だらけの周囲を見て、

翔太(綾)は少しだけ視線を感じながら戸惑いの表情を浮かべるー。


別の日に、演劇部や美術部にも顔を出すー。


「ーーへぇ、君も美術部に興味があるんだー」


ふと、声を掛けられて振り返ると、

そこには中性的な雰囲気でクールなクラスメイトー、

倉守詩音の姿があったー


「あ、倉守さんー」

翔太(綾)が言うと、

「ーー僕も美術部に入ろうかな、って思ってー」

詩音がそう言いながら、少しだけ笑うー。


一見すると美少年にも見えるようなそんな風貌の詩音ー。

クラスで唯一、一人称が”僕”の女子生徒だー。


「ーーーまぁ、もし君も美術部に入るなら、よろしくー」

詩音はそんなことを口にすると、そのまま、美術室に飾られている

絵の方に向かって歩いて行ったー。


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戻れないままーーー


”入部届”を出す期日が近づいてきてしまったー。


「ーーーえっとー……

 星村さんは”美術部”に入ることにしたんだよねー」


綾(翔太)がそう言うと、

「ーーじゃあ…僕が美術部に入部すればいいのかな?」

と、言葉を口にしたー。


翔太はカードゲーム部に入りたいー。

だが、今、翔太は”綾の身体”を使っているー。

だから、自分は美術部に入らないといけないー。


そう思って言葉を口にしたー。


だがーーー


「ーーううんー。

 いいよー。遠藤くんは”カードゲーム部”に入りたいんでしょ?」

翔太(綾)が微笑みながら言うー。


「ーーえ? で…でも、それじゃ、星村さんが

 カードゲーム部に入るってことになっちゃうよ?」


綾(翔太)が不安そうに言うと、

翔太(綾)は笑いながら、

「ーせっかくの高校生活なんだし、やりたいことをやった方がいいよ」

と、言葉を口にするー


「ーーもう半月以上、元に戻れていないしー

 急に元に戻れる可能性なんてー……

 低いと思うから」


翔太(綾)が少しだけ寂しそうに言うー。


「ーそ、そんなことないよー

 き、きっと、じきに戻れるよ!」

綾(翔太)が、綾を励ますために、そんな根拠のない言葉を口にするー


「ーーーーふふ…うんー。そうだね、ありがとうー」

翔太(綾)はそう言うと、

「でも、部活はお互い、”好きな部活”に入った方がいいと思うー。

 もちろん、遠藤くんが”美術部”になっちゃうのがイヤなら

 わたしは我慢するけどー、

 遠藤くんは、わたしの身体でカードゲーム部、入っていいよー」と、

言葉を口にしたー。


「も、もしも元に戻ったらー?」


「そのときはそのとき!またいくらでも色々方法はあるでしょ?」


微笑む翔太(綾)ー。


綾(翔太)は「ーーありがとうー」と、

そんな言葉を口にすると、

翔太は綾の身体でカードゲーム部に、

綾は、翔太の身体で美術部に、それぞれ入部することを決めてー、

入部届を提出したー。


いつ、元に戻れるかは分からないー。

だからこそー、今はこうしようー、

二人で、そう決めたー。


その選択が正しいのか、間違っているのかは、まだ、二人には分からないー。


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★1-Cの日常★


野球部ー


「おい…なんか変なのが来たぞ」

「あいつ…大丈夫かー?」


野球部の先輩部員たちが戸惑っているー


「ふふふふふー

 俺の右腕に宿る闇の力を、この野球部で存分に発揮してやるぜ!」


そう叫ぶのはー

翔太や綾と同じクラスの男子生徒・米沢 海斗(よねざわ かいと)ー


”闇の力”だの、”魔王”だの、そんな言葉を多用する、

ちょっと変わった生徒だー


野球部の先輩たちは、そんな海斗を見ながら困惑しているー。


だがー、そんな困惑を他所に、海斗は笑いながら

先輩たちに向かって言い放ったー


「封印された魔王の力を、解き放つ時が来たッ…!」

とー。


先輩も、顧問も、呆然として、そんな彼のほうを見つめることしか

できなかったー…



⑤へ続く


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コメント


入れ替わった状態で、部活と委員会を決める…!

結構大変なことですよネ~!☆


3年間を描く長編だからこそ、こういう部分も

のんびりと描けるのデス…!


次回は高校生活初の遠足に旅立つ予定デス~!


今日もありがとうございました~!

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