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”人を皮にする力”を手に入れた彼はー、

自分をバカにしていた教え子たちを次々と皮にして、

”俺”へと変えて行ったー。


汚染されゆく”クラス”ー


残る正気の教え子たちは3人となり、

八雲先生は最後の仕上げへと移るー。


★前回はこちら↓★

<皮>クラス全員「俺」にしよう③~自我~

人を皮にする力を授かり、 生意気な教え子たちを全員、”俺”にすることを決意した 八雲先生ー。 既に10人以上を”俺”にした八雲先生は、 ついに、”先生”のことを最もバカにしていた京子を ”俺”にすることを決意するー。 今までとは、また”違う”方法でー、 ゆっくりジワジワと”俺”にしようー。 そう、囁きながらー。 ★前回...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーお、おい… えっ!? えっー!?」


チャラそうな細身の男子生徒、門脇 真治が放課後に

空き教室呼び出されて、戸惑いの表情を浮かべていたー。


「ーーーえっ!? えっ!? 俺、何かした!?」

戸惑う真治ー。


”俺”になっていない残る生徒は三人ー。

生徒会副会長の峰崎 真綾ー

以前、八雲先生に消しゴムを投げた門脇 真治ー。

そして、不登校の三島 香織の三人ー。


「ーーーねぇ、あたしたち、もう”みんな”八雲先生になったけど?」

ギャルの京子が、ピアスを輝かせながら言うー。


「ーへへ、男子じゃお前だけだぜ、門脇ー」

「ーー八雲になってないなんて、時代遅れだなぁ」

「ーーーお前、いつも周囲に合わせるだけで自分の意思なんかなかったじゃねぇか」


”俺”になった男子生徒たちが笑うー。


「ーほら、いつも見たいに周囲をキョロキョロしながらさー

 周囲に合わせちゃいなよー」

”俺”になった純恋が笑うー。


「ーーそうだぞ。門脇ー。お前も”俺”になれ」

八雲先生が周囲の生徒を押しのけて言うと、

門脇真治は戸惑いながら「え?え?お前ら何言ってんの?」と、

言葉を口にするー


「あ~うるさいなぁ、いいから”八雲になる”って言えばいいのー

 みんな、なってるんだよ?

 ほら、あんた、バカなんだから」

丹沢希海が笑いながら、門脇真治の頭を掴んでそう言い放つと、

女子に頭を掴まれたからか、ニヤニヤしながら

「じ、じゃあー俺も、八雲になるっす」と、頷いたー。


”ケッーバカが”

八雲先生は内心でそう思ったー


これがー、いつも周囲の様子を伺い、自分の意思もロクに持たない

中途半端なチャラい男子にふさわしい復讐だー。


「ーーじゃあ、お前を”俺”にしてやるー」

そう言うと、八雲先生は笑いながら、門脇真治を”皮”にしたー。


「ーー丹沢、お前が着て染めておけー

 そんな奴、俺が着る価値もない」


八雲先生はそう言うと、丹沢希海にその場を任せて

立ち去っていくー。


「ーーふふふーは~~い♡」

”俺”になった希海は笑いながら、皮にされた真治を着ると、

そのまま「俺は八雲孝義ー」と何度も何度も呟き始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


教室に入って来た生徒副会長の峰崎真綾は表情を歪めたー。


教室で”全員”が教壇に立っていたからだー。


「ーーな…何してるの?」

困惑する真綾ー。


そんな真綾に対して、生徒たちは笑うー。

「ー”先生”がここにいたら、おかしいかー?」

とー。


「ーーー…?」

峰崎真綾にその意味は分からないー。


だが、最近、どんどん”みんなの様子”がおかしくなったことは

理解していたしー、

”八雲先生”が何かしているのではないかと、そう、思っていたー。


「ーー先生ー。みんなに”何”をしたんですか?」

冷たい口調で言い放つ真綾ー。


「ーーククーそうだなぁ」

八雲先生はそう言うと、隣に立っていた純恋に手をかざしたー


「ーひっ!? お、俺で…試すなぁ…」

純恋は苦しそうな表情を浮かべながらそのまま”皮”になって、

そのまま崩れ落ちたー。


「ー!?」

いつも冷静で、誰よりも頭の回転も速い真綾にとっても、

その光景は理解できないモノだったー


ガタッと、机から立ち上がる真綾ー。


そんな真綾を前に、八雲先生は”純恋”を着ると、純恋になって、

嬉しそうに自分の髪を触りー、それをペロリと舐めたー。


「ーーどう?すごいでしょ?わたし、乗っ取られちゃったー♡」

純恋の口調を真似て、純恋を着た八雲先生が言うと、

真綾は「ーーな…なにこれー…」と、困惑しながら後ずさるー。


「ーククククー こうやってお前らを着てー…

 色々なことを念じると、そいつ自身の思考も歪めることができるんだ」


純恋を着た八雲先生は自分本来の口調に戻って、

そんな言葉を口にするー。


「ーー例えばーこの状態で”俺は八雲孝義”だと、強く念じながら

 何度も何度も”俺は八雲孝義”だと言い放つと、どうなると思う?」


純恋がにやりと笑うー。


真綾は怯えたような表情を浮かべたまま、答えないー。


「ーーククーその答えが、”これ”さー」

両手を広げながら純恋が嬉しそうに笑うー。


名坂京子がー、

丹沢希海がー、

門脇真治がー、

他のクラスメイトたちが、みんなニヤリと笑うー


「ーお前ら、自分の名前を言ってみろー」

純恋が演説でもするかのようにそう言い放つとー


「ーわたしは おれは ぼくはー」


「八雲孝義ー」

と、全員が一斉にそう言い放ったー


「ーーう…嘘でしょー…?」

真綾は焦りの表情を浮かべながらも、すぐに

「近寄らないで!」と、叫ぶー。


がーーー

八雲先生は、教え子たちに真綾を取り押さえるように命令するとー、

真綾に手をかざしながら言ったー


「安心しろー。峰崎ー。

 お前にはー”ちょっと違う”コースを用意してあるー」


そう言うと、八雲先生は純恋を着たまま、手を光らせて、

そのまま真綾を皮にしたー。


純恋の皮を雑に脱いで放り投げた八雲先生は

すぐに真綾を着るー。


そして、呟くー。


「ー俺は八雲孝義ー」

とー。


だがーー

次に発した言葉はー


「ーわたしは、峰崎真綾ー」


その言葉に

周囲の”俺”たちが、困惑の表情を浮かべるー。


「おいおい、何してるんだよ」

希海がガムを噛みながら言うと、

真綾はニヤリと笑ったー


「こいつみたいにプライドが高くて周囲を見下している女にはー

 ”スペシャルコース”だー。


 こいつはこれから、”俺”であり”わたし”になるー。

 自分が見下していた”八雲孝義”とまるで融合したような状態になったらー

 こいつはどうなっちゃうかなー?」


笑いながら真綾は自分を指差すー


嬉しそうにー、

「俺は八雲孝義ー わたしは峰崎真綾ー

 俺は八雲孝義ー わたしは峰崎真綾ー」を繰り返すー。


”俺”にしつつもー、

”峰崎真綾”としての自我も残すー。


他の”俺”は、

元の本人の記憶を残しながらも、自我も”俺”になっているー。

京子も、希海も、純恋もそうだー。


だが、真綾には”自我”もあえて残してやるー。


散々、”俺は八雲孝義、わたしは峰崎真綾”を繰り返すと、

満足そうに微笑みながら、八雲先生は、真綾の皮を脱ぎ捨ててー

元に戻したー


「ーーー!!!」

真綾が怯えた表情で、八雲先生のほうを見つめるー。


「ー名前は?」

八雲先生が尋ねるー。


「ーーやーーー…八雲ーーー真綾?」

自信なさそうにそう呟く真綾ー。


「ーーークククーそうかーそうなるのかー」

八雲先生は笑いながら呟くー。

”二人分の名前”を刻み付けたのは今回が初めてだー。


正直、どうなるかは八雲先生自身にも分からなかったー。

だが、どうやら”こう”なるようだー。


「ーーーわたしはー…わたしはーー…

 ちがうーわたしは、八雲なんかじゃー…


 わたしは、俺はーー俺はいひっいひひひひひっ!

 あははははははっ♡」


泣きながら笑う真綾ー


プライドの高い真綾とー、

真綾が大っ嫌いな”八雲先生”の自我が植え付けられて、

耐えきれずに狂ってしまったかのように笑う真綾ー。


「ーー俺は…俺はーーーわたしはーうぁああああ♡」

泣きながら笑っている真綾を見て、

八雲先生は満足そうに笑みを浮かべるとー、

他の生徒たちのほうを見て言い放ったー。


「ー先生をバカにする悪いお前たちにはー、

 全員”俺”になってもらったー

 ククー、俺になった気分はどうだー?」


八雲先生は黒板の前に立ち、

”俺になった全員”を見つめると、

「ークラス全員、八雲孝義だー」と、嬉しそうに宣言したー。


”あとはー”


八雲先生は思うー。

これで、復讐は完遂したー。

あとは、いつでも好きな時にこいつらを呼び出して

お楽しみもできるしー、

こいつらが卒業するころには、誰か一人、お気に入りを妻にでも

してやるのもいいー。


”三島はーそもそも登校してないし、俺も何の恨みもないから

 放っておくかー”


不登校の三島香織には別に何の恨みもないー。

この先もどうせ学校に来ないだろうし、放っておけばいいー。


だが、あと一つー。


八雲先生は「今日の放課後ー”ご挨拶”をしようー」と、

”俺”たちに宣言するー。


そうー、

この力をくれた”彼”にご挨拶せねばならないー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーー」


校長室の扉が開くー。


「ーーん?」

校長先生が顔を上げると、

八雲先生と、真綾を除く、”俺”にされた生徒たち全員が入って来るー。


「ーーな、何かね?」

校長先生がそう言うと、

八雲先生と、希海たちは全員一斉にー

「素晴らしい力を、ありがとうございましたー」と、頭を下げるー。


「ーーなに?」

校長先生がそう言うと、

八雲先生は笑うー。


「猿芝居はやめましょうー校長ー

 ”この力”下さったのは、あなたですよね?」

手を光らせながら、八雲先生がそう言うと、

校長先生は表情を歪めたー。


「ーあなたは職員室で俺の飲み物に睡眠薬か何かを混ぜて

 俺を眠らせー、そして何らかの方法で、夢の中で語り掛けて来たー。

 この”人を皮にする力”も、大方、特殊な薬剤か何かを俺に投与して

 身に付けさせたのでしょうー。


 あなたは確か、教師になる前は研究者だったと聞きましたからね」


八雲先生がそう言うと、

校長先生は「それで?」と、言葉を口にするー。


「ーーー素晴らしい力を下さった”お礼”ですー」

八雲先生はそう言うと、希海と純恋に校長先生を取り押さえさせるー


「なっ!?むぐっ!」

顔を真っ赤にする校長先生ー


「おや、胸が当たって興奮してるんですか?」

希海が煽るようにして言うー。


「ち、ちがっ!」

叫ぶ校長先生ー。


その目の前に、八雲先生がやってきて笑みを浮かべたー。


「お礼に、あなたも”俺”にしてさしあげましょう」


淡々と呟く八雲先生ー


校長先生はこの時、”自分の愚かさ”を呪ったー。


八雲先生が担当しているクラスは”問題児”ばかりだったー。

だからーー…

八雲先生に”力”を与えて、

生徒たちに間接的に復讐しー、

ついでに生徒たちを処分しようと考えていたー。


八雲先生を選んだ理由は、担任であったこととー、

”日頃からストレスを貯めていた”こと、

”力を与えれば暴走するタイプ”だと分析したことからだー。

校長も”同じ力”を持っているー。

最後には油断している八雲先生を始末すればー、

それで校長の狙い通り進むはずだったー。


目論み通り、”最初は”八雲先生は力を使い、

教え子たちを滅茶苦茶にしてくれたー。


だがー、八雲先生は途中で

”皮にした状態の生徒”を汚染できることに気付いたー。

それ以降、八雲先生は”生徒たちを直接傷つけること”は

しなくなったためー、

途中からは”何もしていない”ように、

校長の目には見えたー。


しかしー、実際は

”教え子たちを全員”俺”にしていたのだー”


「ーーーくっ うぅ…」

悔しそうに八雲先生を睨む校長ー。


「ーー校長、俺はねー

 元々、”誰かに指図されるのが”嫌いなんですよー」


その言葉と共に微笑む八雲先生ー。

そしてー、校長も”皮”にされたあとー

”俺”にされてしまったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


全ての復讐は終わったー。


”俺”にしながらも、”わたし”としての自我も残しておいた

峰崎真綾で遊びながらー、

”俺”になった教え子たちと欲望を楽しむ日々ー。


「ーークククーお前ら全員、俺の可愛い可愛い教え子だ!」

八雲先生は、すっかり力に魅入られ、満足そうにそう叫ぶー。


来る日も、

来る日も、欲望を堪能する日々ー。


そんなある日ー、

八雲先生は、”俺”になった教え子たちに呼び出されたー。


「ーーー今日は、なんだー?」

八雲先生が笑いながら言うー。


「ーーよぉ、”俺”」

胡坐をかきながらガムを噛んでいる希海が笑うー。


「全員集まってー

 ククーこれから欲望の宴でも開くつもりか?」

八雲先生がご機嫌そうにそんな言葉を口にするとー、

「いやー」と、希海が首を振るー。


「ーー”俺たち”全会一致であることが決まってなー」

希海がそう言うと、

「何が決まったんだ?」と、八雲先生が口を開くー。


その言葉に、ギャルの名坂京子が笑いながら

言葉を口にしたー。


「ーーーいつもいつも偉そうな”俺”をーー

 処分しようって、なー」


「ー!?」

八雲先生が表情を歪めると同時にー

”俺”にされた校長先生が、背後から”八雲先生”に光る手をかざしたー


「しまっーーー」

八雲先生は、その瞬間、自分の全身から力が抜けるのを感じたー。


”俺”になった教え子たちは、この力を使えないー。

だが、校長は”俺”にされる前からこの力を使えたー。


だからーーーー

”八雲先生”をこうして皮にすることもできるー


「ーな…なぜーー」

身体から力が抜けていくのを感じながら

八雲先生が表情を歪めると、

希海が八雲先生を見下しながら言ったー。


「ー”俺”ならわかるだろ?」

とー。


「ーーー!!」

八雲先生は震えたーー


”俺はー

 元々、”誰かに指図されるのが”嫌い”


八雲先生は、”俺”になった生徒たちの前で

”リーダー面”をしていたー。

教え子たちはあくまでも”八雲孝義”に染まってしまった存在に過ぎずー、

一番偉いのは、大本の俺自身だと、

八雲先生はそう思っていたー。


だがーーー


そうだーーー

”俺と同じ”考えをするならーー


そうだーー

こうするよなー


八雲先生は、床に倒れ込んで、皮になりながら、

そう、思ったー。


自分が、教え子たちの立場ならー

”俺”になった教え子たちの立場ならー


”偉そうにしている俺”を始末するだろうー、とー。


そんなことも計算できなかったとはー

俺もバカだなー…


八雲先生は、そんなことを思いながら、

もうほとんど力の入らない身体を必死に動かして、

”教え子たち”を見つめたー


希海が笑うー。


「さようなら、先生ー」

とー。



あぁーーー

結局、俺はーーー

”教え子”にバカにされるんだー。


教え子たちが”俺”になってもー

結局ーーー


八雲先生が最後に聞いたのは、

教え子たちのクスクス笑う声だったー



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


クラス全員「俺」にすることには成功したものの、

破滅してしまうエンドでした~★!


力を手にしたことで油断して、破滅してしまった点は

八雲先生も校長先生と同じなのかもしれませんネ~!


お読み下さりありがとうございました~!

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