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人を皮にする力を授かり、

生意気な教え子たちを全員、”俺”にすることを決意した

八雲先生ー。


既に10人以上を”俺”にした八雲先生は、

ついに、”先生”のことを最もバカにしていた京子を

”俺”にすることを決意するー。


今までとは、また”違う”方法でー、

ゆっくりジワジワと”俺”にしようー。


そう、囁きながらー。


★前回はこちら↓★

<皮>クラス全員「俺」にしよう②~汚染~

教え子たちからバカにされる日々を送っていた 八雲先生ー。 ドラマで見たような教師になりたい、という幻想は、 打ち破られて、我慢の日々を送っていたー。 がー、そんなある日、”謎の人物”から 人を皮にする力を受け取った八雲先生は、教え子たちへの 復讐を決意ー、早速それを実行に移すー。 しかし、その過程で”皮に...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーーー!?!?!?」

京子が、目を覚ますー。


放課後の教室ー。

いつの間にか、寝てしまっていたのだろうかー。

机に座った状態で目を覚ました京子は、

周囲をキョロキョロと見つめるー。


「ーーおや、まだ残っていたのかー」

八雲先生が、何食わぬ顔で、夕日に照らされる教室に入って来るー。


「ーーっっ…何よー。残ってちゃ悪いの?」

ピアスを輝かせながら、相変わらず反抗的な態度を取るギャル・京子ー。


「ーいいや、別に」

八雲先生はそれだけ言うと、

”八雲先生と1秒でも同じ空気を吸いたくない”と言わんばかりに

荷物をまとめて、足早に教室から出ようとする京子ー。


「ーーーーーー”八雲”」

八雲先生は、立ち去ろうとする京子に、そう声をかけたー。


「ーーは?」

京子が振り返るー。


「ーー何言ってんの?」

そんな京子の言葉に、八雲先生はうすら笑みを浮かべながら

「いいやー、別に」と、笑うー。


「はぁ?キモ」

京子はそう言うと、そのまま立ち去っていくー。


「ーーーー”まだ”全然みたいだなー」

廊下で待機していた丹沢希海が腕組みをしながら教室に入って来るー。


「ーークククー」

八雲先生は笑うー。


そうー、

”さっきまで”八雲先生は、京子を皮にして乗っ取っていたのだー。


そしてー、

”俺は八雲孝義 俺は八雲孝義ー”と、数分間だけ呟きー、

”あえて”そのまま解放したー。


皮にした人間を”俺”にするにはー、

もう少し長い時間、”俺は八雲孝義”だと、念じる必要があるー。


だが、”あえて”そうせずにー、

京子を解放したー。


「ーーしかし、少しずつ”汚染”していくなんて、

 ”俺”も趣味が悪いなぁ」

希海は、机に飛び乗って、足をだらしなく開きながら笑うー。


「ークククーでも、”俺”同士ー、気持ちは分かるだろ?」

八雲先生がそう言うと、希海は「まぁなー」と、笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー。


「ぁ…」

廊下を歩いていた京子を、背後から無言で”皮”にするー。


何か言ってから皮にすれば、正気が戻ったあとに騒ぐ可能性もあるー。

それを防ぐために、無言で皮にしたー。


京子を着て、乗っ取った八雲先生は歩きながらー

「わたしは名坂京子じゃないー

 わたしは八雲孝義ー」

と、ブツブツと呟くー。


鏡の前にやってきて、

ハッキリとした口調で、

「ーわ た し は や ぐ も た か よ し」と、

刻み込むように呟くー。


「ーーこのぐらいにしといてやろうー」

京子がそう言い放つと、そのまま京子を空き教室の中に移動させてー、

”人間”に戻したー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーー名坂さんー」

「ーー名坂さんーー」

「ーーー名坂さん!!!」


京子を呼ぶ声がするー


「ーえっ!?」

スマホをいじっていた京子が、ハッとして

その声がしたほうを見るー。


そこには、生徒会副会長の峰崎 真綾の姿があったー。


”先生の味方”を装いー、真面目な雰囲気を漂わせつつ、

先生を見下している女子生徒だー。


「ーーー名坂さんー。

 シカトは困るんだけどー」

不満そうにそう呟く真綾ー


「えーーご、ごめん、あたし、ボーッとしててー」

困惑した表情を浮かべる京子ー。


”先生をバカにしている同士”とはいえ、

ギャルの京子と、先生を見下している以外は真面目な真綾は

元々、馬が合わないし、仲良くもないー。


無視されたと思った真綾は不満そうに、

「ーーこれ。美術室に置いたままだったから」と、

京子が忘れた美術の教科書を、京子の机に置いたー。


「あ、ありがとうー」

戸惑いながらそう返事をする京子ー


「ーーーー…」

京子は表情を歪めるー。


今ー、真綾から呼ばれていたのを

”無視”していたわけではないー。


”名坂さん”と、呼ばれている声も聞こえていたー。


しかしーーー


”なんで、”名坂さんは”返事をしないんだろうー”と、

そう思っていて、自分のことだと思っていなかったー


”名坂京子”は、あたしなのにー。


それにーーーー…


”美術の教科書”もそうー。

”名坂京子”と書かれた教科書が置かれたままに

なっていたのは、見ていたのだー


だが、それが”自分の”教科書だとは思わなかったー。


京子は”自分の名前”を見たのに、

それが自分の名前だと認識することが、できなかったのだー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「へへへー今日で5日目か?」

希海がガムを噛みながら言うー。


”ガムが好き”なのも、八雲先生と同じだー。

そもそも、”丹沢希海”は、ガムが嫌いで、元々はガムを

噛んだこともなかったー。


「ーーだんだん”俺”になってきてるのが分かるよなー」

八雲先生がそう言うと、

「なぁなぁ、俺も”丹沢希海”になりたい!」と、

”俺”になった男子生徒の一人が言うー。


「はぁ?この身体は俺のものだぜー」

丹沢希海が笑いながら言うー。


”希海”本人が、”俺は八雲”だと思い込んでそう言ってるのだとしたらー

笑えてしまうー。


八雲先生はそう思いながら

「いいじゃないか。全ての俺に女の気持ち良さも味合わせてやらないと」

と、呟くと”光る手”を、丹沢希海に向けたー


「ーや、やめっ!皮にされるの、気持ち悪いんだよ!

 本体の”俺”には分からないと思うけどーーーぁ」


希海がそう言いながら”皮”になっていくー。


「ーほれ、着ていいぞ」

八雲先生が、”俺”になった男子生徒にそう言うと

「へへへ…俺も丹沢希海だぁ」と、嬉しそうに希海の皮を着るー。


「ーーなぁなぁ、今日は”俺”と遊ぼうぜー」

”俺”になった純恋がニヤニヤしながら言うー。


「ククーそうだなー。昨日は希海と遊んだし、

 今日は純恋と遊ぶかー」

八雲先生はそう言うと、純恋を連れて、学校の外に向かって歩き始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーー」


翌日ー。


「ーーねぇ、”八雲”さんー」

背後から”俺”になった純恋が声をかけるー。


「ーーん?なぁに?」

京子が”自然に”振り返るー。


京子の名前は”名坂京子”ー

八雲などではないのにー。


「ー俺になんか用?」

京子が笑いながら言うとー、

「ーあれぇーーー…”名坂”さんーーー

 ”何で”八雲先生の手帳、持ってるの~?」と、

純恋が笑みを浮かべるー


”名坂さん”と、本来の自分の名前を呼ばれて

京子はハッとするー


「えっ!?!?」

京子の手には”八雲先生”の手帳ー。

さっきまで当たり前のように”俺のモノ”だと思いながら読んでいたー。


今朝ー

”あえて”八雲先生が京子の机の上に置いておいたのだー。


「ーーーそれに、いま、わたしが呼んだの”八雲先生”なんだけど、

 どうして名坂さんが振り返ったの?」


純恋が煽るような口調で言うー。


「ーーーーー…!!」

京子はパニックになりかけながら女子トイレに逃げ込んで

顔を何度も何度も洗うー。


「ーーあたしはー…

 あたしは…ーーー」

自分は”名坂京子”だと、自分に何度も言い聞かせるー


なのにーーー


「ーあ!八雲さん!」

トイレで待ち構えていた希海が笑みを浮かべながら言うー。


「ーーー!」

思わず振り返ってしまった京子は、表情を歪めながら叫ぶー


「あたしは、八雲じゃない!」

とー。


「ーいいじゃんー

 ”俺たち”と同じようにー

 ”俺”になろうよー?」


希海がクスッと笑うー


「ーた、丹沢ー…あんた、何言ってるのー…?」

京子は、そんな恐怖を感じると同時に、トイレから逃げ出すー。


だがー待ち伏せしていた八雲先生に

京子は”皮”にされてしまったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーー名前はー?」


八雲先生が笑うー


「ーー名坂ーー…名坂京子よ!決まってるでしょ」


放課後の空き教室ー。

八雲先生は、京子を皮にして、”俺は八雲孝義”と呟いてから

解放しては、”名前を聞く”ことを繰り返していたー。


周囲では、希海や純恋が楽しそうにその様子を見つめているー。


「ーーー俺はー…俺はーーー…八雲…八雲孝義ー」

震えながらそう言い放つ京子ー。


「ーーー…ちがっーー 俺はーー…あたしはーー」

頭を押さえながら、おかしくなっていく自分と戦うー。


けれどー、また”皮”にされて、乗っ取られた京子は

”俺は八雲孝義”と、呪いの言葉を呟くー。


解放、支配、解放、支配ー

それを繰り返された京子は、目に涙を浮かべながらー

「ーへへ…へへへへー俺は…そうだよ、八雲だよ!」と、

笑い始めるー。


「ーーそうだー俺は名坂京子なんかじゃねぇ!

 俺は八雲孝義だ!」


京子が笑いながら、京子の声でそう叫ぶー。


「ーーって、くそっ!何でよりによって

 名坂の身体なんだ!」


完全に”俺”になってしまった京子がそう叫ぶー。


いやーー


「ーーーー…!」

突然、我に返ったのか、”信じられない”という様子で、

「あーー…あた…しーーー」と、言葉を口にするー。


「ーーー楽になりなよー。

 お前は名坂京子じゃないー。八雲先生なんだからー」


希海が邪悪な笑みを浮かべながら言うー。


「ーーい…いやーーだ… あたしー…」

京子が必死に最後の抵抗を見せるー。


「ーーーーおい”八雲”ー女の真似はもうやめろよ」

”俺”になった希海が京子に言い放つー。


京子は最後の抵抗も空しくー、

完全に”俺”になったー


「ーははははは!そうだー俺は俺だ!」

京子はそう叫ぶと、

「ーへへへ 早速挨拶代わりに楽しもうぜ!」と、

希海に突然キスをしてー

”俺同士”のお楽しみを始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”ーーーお前には、失望したよー”

謎の男の声がしたー。


「ーー(やはり、来たか)ー」

八雲先生は、そう思いながら、

何もない精神世界のような空間で、その男の声を聞くー。


これで、三回目だー。

今回は、意識もハッキリしているー。


こいつはいつも”職員室”に居る時に現れるー。


「ーー失望?何が?」

八雲先生が言うと、男の声は答えたー


”お前に力を与えたにも関わらずー、

 お前は数名に復讐しただけで、日和った。

 情けないやつめ”


男の言葉に、八雲先生は失笑するー。


「ーーもっと”楽しいこと”見つけただけさー。

 それに、あんたは”力の使い方は自由”だと言ったー。

 別に、生徒たちに復讐するために使おうと、

 他のことに使おうと、自由なはずだー」


八雲先生がそう言うと、”謎の男”は

”それは、確かにー”と、呟きながらも、

”しかし、哀れなる教師・八雲よー。

 それで良いのかー。生徒たちにコケにされたままで、本当にー”と、

食い下がって来るー。


「ーー(ーー俺が教え子たちを”俺”にしてるってことはー、

 理解できてないようだなー)」


八雲先生は心の中で改めてそう思うと、

笑みを浮かべたー。


「ーーーまるで、俺にあのクラスの生徒たちを”どうにかしてほしい”と、

 そう言いたげですねー?」


皮肉っぽく、そう言い放つ八雲先生ー


”っっー まぁ良いー。好きにしたまえー”

男の声は、都合が悪くなったのか、そこで会話を打ち切りー、

そのまま消えて行ったー。


「ーーーーー」

”いつも通り”職員室で目を覚ました八雲先生は、

ペットボトルの飲み物を見つめながら笑みを浮かべたー


”これで、決まりだなー”

そう呟くと、八雲先生は不敵な笑みを浮かべながら、歩き出したー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーおはよう」


いつものように何食わぬ顔で教室にやってくる八雲先生ー。


既に”3人”を除きー、

”俺”にしたー。


「ーーーー…なんか、最近、みんな変じゃね?」

以前、八雲先生に”わざと”消しゴムを飛ばしたチャラそうな細身の男ー、

門脇 真治が戸惑いの表情を浮かべるー。


「ーーーーー」

生徒会副会長の峰崎 真綾も困惑の表情を浮かべているー。


「ーーーーー」

そして、もう一人は不登校の女子生徒、三島 香織(みしま かおり)ー


「ーーーーーーー…」

八雲先生は”俺”になった生徒たちを見つめながら満足そうに頷くー


”既に、俺に力を与えたやつも、ある程度絞り込んだー

 恐らく、俺にこの力を与えたのはーーー”


八雲先生は心の中でそう呟くとー、

”そいつへのご挨拶”は、まだもう少し先だー、

と、呟くー。


まずは、残りの三人を、一人残らず”俺”にするー。


八雲先生は、そう思いながら

”ほとんどが俺”になった教え子たちを見つめながら

「さぁ、授業を始めるぞー」

と、邪悪な笑みを浮かべたー。



④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


次回が最終回デス~!


3人を除き”俺”になってしまった教え子たち…!


最後に何が待ち受けているのか、

ぜひ見届けて下さいネ~!


今日もありがとうございました~!

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