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彼女のことを見下すような言動を繰り返しー、

雑に扱っていた彼氏の信幸ー。


しかし、ある日、彼女の花恋を突き飛ばしたことで、

信幸は”花恋の秘密”を知ってしまうー。


花恋は”スライムが変身した姿”で、本物の花恋ではなかったのだー。


出会ってからー、付き合い始めて、今までずっと

信幸は”偽物の花恋”と付き合っていたことが判明する。


そんな驚愕の事実を前に困惑すると同時に、

恐怖から二人の”立場”は逆転してしまうー…


★前回はこちら↓★

<他者変身>俺の彼女はスライムだった①~恐怖~

「お前は、いつも抜けてるよなぁ~」 大学生の川島 信幸(かわしま のぶゆき)は、 横を歩く彼女に対して、そんな言葉を口にしたー。 信幸の彼女である、福本 花恋(ふくもと かれん)は とても気弱で大人しい性格の持ち主ー。 とにかく大人しくて真面目なのだが、 時々”とても常識外れの行動”をすることも多くー、 ...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「どうしたんだよ?最近顔色が悪いぞ?」


大学内でー、

信幸の姿を見かけた親友の良一が笑いながら

そんな言葉を口にするー。


「そ、そ、そうかな…?そんなことないよー」

信幸がそう言うと、良一は苦笑いしながら

「花恋ちゃんと、何かあったのか?」と、呟くー


「えっ!?い、いや、そ、そんなー、何もー」

信幸の言葉に、良一は「そうかぁ~?」と、

なおも疑いの目を向けて来るー


「今まで、よく花恋ちゃんを馬鹿にするようなことばっか

 言ってたけど、最近全然そういう話聞かないからさ、

 なんかあったのかな?って」


良一のそんな言葉に、

信幸はゴクリと唾を飲み込みながら”先週”の出来事を思い出すー。


”「ー僕たちスライムはねー、人間の精液を食べて

 成長し、繁殖するんだー。

 僕たちにも一応、オスとメスがあるけどー、

 繁殖に必要なのはオスメス問わずー、

 君たち”男”のミルクだからー

 ふふー、だからこうして人間の女に変身して

 それを貰ってるのさー」”


”花恋”は、”花恋”じゃなかったー。

花恋は、人間に変身する不気味なスライムが変身した姿だったー。


その事実に驚愕し、恐怖すら感じる信幸ー。


”「本物はー僕がこの人間に変身するときにー

 ”処分”しちゃったからー」”


その言葉が、何度も何度も何度もー、

頭の中で繰り返し再生されるー。


あれからー、”立場”は逆転したー。

今ではすっかり信幸は”花恋”の言いなりだー。


”「ーーー誰かに言ったらーどうなるか、分かるね?」”


その言葉も、頭から離れないー。


「ーほ、ほ、本当に、何もないんだー」

信幸が明らかに挙動不審な雰囲気でそう言うと、

良一は「それならいいけどよ」と、笑うー。


「ーまぁ、そうだー。アレだー。

 今日、大学が終わったら飯でも行こうぜー?

 お前が元気ないと、俺も気持ち悪りぃし」


良一の言葉に、信幸は「は、はははー…そうだなー」と、

言葉を口にしたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


大学での1日が終わり、良一と待ち合わせた場所に向かおうとする

信幸ー。


しかし、そんな信幸の前に花恋が姿を現したー。

今日も可愛らしい雰囲気を振りまいているもののー、

その正体は”スライム”ー


「ーー信幸ー今日も、このあとどう?」

花恋がニヤリと笑みを浮かべながら言うー。


このあと、どうー?

と、言うのはー

つまり”ミルクをよこせ”と、そう言っているのだー。


「ーーーき、今日はー、良一と約束があってー」

信幸が苦笑いしながらそう言うと、

花恋の表情から笑顔が消えて、睨まれていることに気付いたー


「ーーふ~ん」

明らかに不機嫌そうな花恋ー


「ー”他の男”からミルク、貰うようにしようかなぁー…

 だったらもう、信幸は”いらない”なぁ~」


花恋が遠回しにボソボソと呟くー


「ーわ、わかったー…わ、わかったから!」

信幸は怯えた表情でそう言葉を口にすると、

花恋はすぐに笑顔に戻って

「やった~!」と、嬉しそうに言葉を口にしたー。


良一との約束をなかったことにして、

花恋と共に、花恋の家に向かうー。


もうー、この前までの花恋はいないー。

正体に気付かれてからは、花恋は二人でいる時は

本性を隠さなくなったー


「ーさっきは、何であんなこと言ったの?」

花恋が不満そうに言うー。


「そ、それはー…」

ビクビクとしながら信幸が花恋のほうを見るー。


「”僕”との時間が最優先でしょ?

 違う?」


花恋の問い詰めるような口調に、信幸は

「そ、そうだったーそうだったよー、ごめん」と

言葉を口にするー。


花恋の家に到着すると、

花恋は「早く脱いで」と、強気な様子を隠さずに言い放つー


もはや、偉そうな態度で花恋に当たっていた信幸の面影は

そこにはないー。

完全に立場が逆転してしまっているー。


”こんなことならー…”気づかなきゃ”よかったー”

信幸は、何度も何度もそう思うー。


あの日、花恋を突き飛ばしたりしなければー

今頃、”花恋はスライム”だということも知らずにー、

いつも通り過ごしていたに違いないー。


けれど、それを知ってしまった以上は、もうー。


「ーふふふー

 じゃあ、信幸のこと、気持ちよくしてあげるね♡」

甘い声を出す花恋ー。


今までも確かに、こういうことをするときだけ、

とても積極的だったー。

”そういう子”なのだと思っていたがー、

スライムにとって”繁殖”に必要な栄養素を得るこの瞬間ー

”気弱な花恋”を演じることもできないぐらいー、

彼らからしてみれば、幸せな時間なのだろうー。


だからー、こういうことをするタイミングだけー、

花恋が妙に積極的だったのだー


「ーうふふふふ♡ わたしも興奮してきちゃったー」


”そう”した方が、男がより興奮することを

スライムは知っているのかもしれないー。


”正体”がバレたあとも、花恋はHなことをするときだけはー

”女”として振る舞うー。

甘くー、妖艶にー…。


程なくして、信幸が花恋の口の中に、

スライムが求める”ミルク”を放出すると、

花恋は嬉しそうに笑みを浮かべながら

「そうだー」と、信幸のほうを見つめたー。


「ーーせっかくだから、見せてあげるよー

 ”繁殖”をー」


花恋はそう言うと、ニヤァ、と笑みを浮かべながらー

突然、ピクピクと痙攣しながら、白目を剥き始めたー


「えっ!?ちょっ!?」

びっくりする信幸ー


いや、そもそもこれは”花恋”本人の身体ですらないー

スライムが変身しているだけー。

苦しんでいるように”見える”だけなのだろうー。


「へへー…うひ…ひひひひひひひひーー」

花恋が仰向けに倒れながらピクピクと震えー、

苦しそうに、けれども嬉しそうにー

人間のものとは思えないような笑い声をあげるー。


それを聞いているだけでも怖くなってくるー


やがてー

花恋は口からドロドロした液体を吐き出し始めてー

口から出て来たそれは”スライム”のようにうごめき始めたー


「ーーーーはぁ…はぁー」

花恋はようやく元の状態に戻りながら、

よろよろと立ち上がるー


「これが、”僕たち”の繁殖だー」

そう言うと、花恋は産まれたばかりのスライムを手に、

それをベランダの外へと放り出すー。


「ーーんふふふー

 こうして、僕たちはどんどん”繁殖”してー

 どんどん”人間”と成り代わっているー」


花恋が服を着ながらそんな言葉を口にするー


「ーー…」

ガクガクと震えながら、信幸が花恋のほうを見つめるとー、

花恋は「も~…”前みたいに”普通にしてればいいじゃん~」と、

笑いながら言葉を口にしたー。


”普通に”と、言われてもそんなことできるはずもないー

だって、目の前にいるのは”花恋”ではなく”人の形をした化け物”なのだからー


「ーーーー前みたいに、わたしをぞんざいに扱ってもいいんだよ?

 ミルクさえ、くれればー」

花恋がクスッと笑うー。


”スライム”にとって、それが全てなのだー

それ以外のことは意味をなさないー。

優しくされようと、何をプレゼントされようと”どうでも”いいー。


だがーー


「ーーー…”使えなくなったら”ー

 ”いらなく”なっちゃうからね?」


花恋は脅すような口調でそう呟くー。


「ーーあ…ぅ… ぅ…

 お、俺を…俺を見捨てないでー」

信幸がガクガク震えながら言うー


”いらない”

つまりそれはースライムに処分されるということー…

そんな、意味であるような気がしたー


「じゃあさーー」

花恋はそう呟くと、信幸の耳元で囁いたー


「”ふつうに”しててよー

 そういうの、面倒くさいからー」


恐ろしく、冷たい声だったー。

喉の奥で、ごぼごぼと不気味な音が鳴っているー


”威嚇”するかのようにー。


信幸は冷や汗をかきながら、

「わ、分かったー…ふ、普通にするように、が、頑張るからー」と、

目から涙を溢れさせながら呟くー


「あんまり、そういう態度取られると、”僕のこと”

 バレちゃうだろ?

 誰かに言ったらー、”消去”だからねー?

 気を付けて」


花恋はそれだけ言うと、ポンポン、と信幸の肩を叩いてー、

そのまま微笑みながら、信幸の元から離れたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”大学を卒業して、何とか自然にフェードアウトできるまで

 耐えるんだー”


そう思いながら、信幸は耐えて、耐えて、耐えて、耐えたー。


花恋とHなことをするのもー

最初は楽しかったー。


でもー…

今はもう、恐怖の方が、勝るー。


それでも自分がこの”化け物”に消されないためにはー

耐えるしかないー。


必死に、花恋のために気持ちよくなってー、

花恋の口に体液を放り込むー。

そんな日々の繰り返しー。


怖いー、という気持ちが強くー、

花恋に咥えられても、それでも興奮しないこともあるー。

でも、出さなきゃ、殺られるー。


だからー

出さなきゃいけないー。


そんな日々を、信幸は1カ月半近く続けたー。


だがー、もう精神的に限界だったー。

このままこんな日々が続けば、恐怖で頭がおかしくなってしまうかも

しれないー。


そう思った信幸は、

花恋と特に用事がない日に、親友の良一を呼び出したー。


「ーなんだよー?緊急の相談ってー」

良一が困惑の表情を浮かべながらやって来るー。


だが、明るい性格の良一は、すぐに笑いながらー

「まさか俺に告白するんじゃないだろうなー?」と、

言葉を口にするー


「ーーははー、まさかー」

信幸は、良一の冗談に、青ざめた表情に少しだけ

笑みを浮かべながら、そんな反応をしたー。


「まぁ、別にそれならそれでも構わないけどよ」

冗談なのか、本気なのか、良一がそんな言葉を口にすると、

信幸はそれには反応せずに”本題”を切り出したー


「お前にしか相談できない大事なことなんだー

 助けてくれー」


信幸のその深刻な様子に

良一は首を傾げながらも「ま、まぁ、聞くぜ?」と、

話を聞く姿勢を取るー。


信幸は”彼女の花恋”がスライムだったことやー

そのスライムから脅されていることを良一に相談するー。


周囲を見渡し、ビクビクした様子の信幸ー。


今日、この場に花恋はいないはずだがー、

もしかしたらー、見られているかもしれないー。

そんな、恐怖を覚えながらー。


「ーーーははははー…マジかー」

良一は、笑いながらそう呟くー。


「ーー頼む…助けてくれー…

 あの化け物を一緒にやっつけるしかー

 もう、助かる方法はー!」


追いつめられた信幸がそう叫ぶと、

良一は首を傾げながら言葉を口にしたー。


「ーーーいや、悪いがそれはできないー」

良一の言葉に、信幸は「どうしてー?」と言いかけて

言葉を止めたー


良一の首が、”あり得ない角度”に曲がっているー。

首をかしげているのではなくー、

首が傾いているー


「ーーー…あぁ、俺もその”お前の言う化け物”だからー」

良一がそう言うと、ニヤッと笑みを浮かべながら呟くー。


「まさかー、花恋ちゃんも”そう”だとは知らなかったけどー…

 はは、そうかそうかー


 でもお前ー

 言われてただろ?

 ”他人に絶対言うなー”ってー。


 俺たちが、人間に姿を見られた時は必ず相手に

 そう言うか、始末する、しきたりになってるー。


 花恋ちゃんからもそう言われてるはずだぜ?」


そんな言葉と同時に、良一の顔以外がどろっとした

スライムのような物体に変わっていくー


「ひ、ひぃっ!?お、お前もー!?嘘だろ!?」

信幸が泣きそうになりながら叫ぶー


「ーーははー、俺たち”そこそこの数”いるぜー?

 あぁ、そうそうー

 俺も”お前と知り合った頃から”こうだからー、

 お前は”本物のこの男”とは会ったことすらないんだぜ?」


良一がそう言うとー、

信幸は「で、でも、お、お前たちはー男のアレで繁殖するって…!」と、

叫ぶー。


”花恋”は言っていたー。

”男の体液で繁殖するために、人間の姿に変身してそれを集めている”とー。


だったら何でー、

このスライムは、良一の姿に変身しているのかー!?


そう思いながら、それを叫ぶ信幸ー。


「ーははっ、男にしゃぶられるのが好きなやつもいるから、さー」

良一はうすら笑みを浮かべながらそう言うと、

「ーま、お前は”俺たちスライムのこと”を、誰にも言うなって

 言われてるはずなのに、俺に相談したー

 悪いけど、処分だー」

と、いつものような口調で言いながらー

そのまま顔も含めて全てがスライムになったー


震える信幸ー。


”どうしてー…どうしてこんなー…!”


あまりの恐怖に、もう動くことすらままならないー。


そしてーー

信幸はその日ー”姿”を消したー。


いいやーーー


翌日以降も”普通に”存在はしているー。


けれどー

それはもう”本物”の信幸ではなく、

スライムが変身した”偽物”の信幸ー。


本物の彼は、誰にも気づかれずにー、

この世から消されてしまったのだったー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


スライムX変身モノでした~!☆


元々性格の悪い主人公だったので、

自業自得のような感じもありますが、

恐ろしい結末に…★!


花恋に変身しているスライムだけは、

本物の信幸がいなくなったことには

気付きそうですネ~!


お読み下さりありがとうございました~~!☆

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