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”100円”で憑依薬や入れ替わり薬などを売りさばく謎のお店

”100円のTSFショップ”ー。


しかし、100円故に、いずれの商品にもそれなりの欠点があり、

憑依でも、入れ替わりでも、皮でも、女体化でも、男体化でもー

それを使いこなすのは難しいー。


そんな”100円のTSFショップ”にやってきたのはー?

そしてー、このお店の秘密とはー…?


☆前回はこちら↓☆

<TSF>100円のTSF④~”入れ替わり”~

”100円”で、憑依薬や入れ替わり薬など、TSFに関係するグッズを売る 謎のお店”100円のTSFショップ”ー。 しかし、100円で提供するために 色々な部分でコストカットが図られておりー、 ”皮にした人間が破れやすい” ”女体化の効果が切れる可能性がある” ”憑依の安定性が不足している”など、 様々な問題点も抱えていたー。 そ...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「いらっしゃいませ~♡」

店主の梨沙がいつものように明るい笑顔でお客さんを出迎えるー。


一見すると、とても可愛らしい美少女の梨沙ー。

しかし、このような怪しげな店を経営しているだけではなく、

時に”クレーマー”を自ら排除することもあるー

そんな、”謎”多き彼女は、

ライダースーツ姿で、やってきた客のほうをチラッと見つめたー


”明らかにヤバそうー犯罪の香りがするー”

梨沙がそう思いながら見つめた先にいたにはー

”いかにも”危険なオーラが漂う体格の良い男だったー。


「ーーーお嬢ちゃん」

そんな視線に気づいてか、気付かずか、

低い声でそう呟くと、梨沙は怖気づく様子もなく

「はい~ 何でしょうか~?」と、

その男に近付いていくー。


「この”変身薬”ってのは、

 本当に”他人”の姿に変身することができるのか?」


高圧的な口調、視線で、梨沙にそう確認する男ー


「そうですね~

 服用後に、その相手に触れることで、

 その姿に変身することができますよ~」

梨沙がいつものように明るくそう説明すると、

男は「そうか」とだけ短く呟いてからー、

突然、売り場に置かれている”変身薬”の錠剤を飲み込むとー、

そのまま、梨沙の手を突然と掴んだー


「わっ!?」

少し驚いた表情を浮かべる梨沙ー


それと同時に、男が”梨沙”の姿に変身して、

自分の身体を嬉しそうに見つめるー


「ーーまさか、本当に変身できるとはなー」

両手を見つめながら笑みを浮かべる梨沙に変身した男ー。


「ーだ、だから、変身できるって言ってるじゃないですかー。

 急に手を引っ張らないで下さい」


梨沙は少し不満そうに頬を膨らましながら言うと、

「いやいや、お嬢ちゃん。悪かったー」と、

梨沙の姿のまま、男は一万円札をカウンターに叩きつけたー。


「この店の変身薬を、全て買いたい」

それだけ言うと、梨沙は目に「¥」のマークを

浮かべながら「あ、ありがとうございま~す♡」と、

とても嬉しそうにそのまま店の奥に行き、

変身薬の在庫ー…80個を

この男に売りつけたー。


「ー釣りはいらねぇ、とっておきなー」

男はそう言うと、大量の変身薬を紙袋に入れてもらい、

そのまま外に出ようとするー


「あっ!わたしの姿のまま店から出るのは、ダメですよ~!」

梨沙がそう言うと、

梨沙の姿のまま、男は振り返るー。


”同じ梨沙”なのに

本物と偽物では、目つきが全然違いー、

男が変身している方の”偽物の梨沙”は、恐ろしい目つきをしているー。


「ーー元の姿に戻る方法は?」

偽物の梨沙が低い声でそう確認すると、

「変身薬が入っている容器の中にシロップが一緒に入っているので、

 それを飲むか、あるいは10時間ほどすると元の姿に戻るようになってます」と、

梨沙は、とても愛想よく使い方を説明したー。


「そうかー。わかったー」

それだけ言うと、梨沙の姿に変身している男は

言われた通りに、”シロップ”を飲んで、そのまま

店の外に出ていくー


「ーーぁ~~~~~…久々に緊張したー」

ライダースーツの上から胸をなでおろすと、

梨沙は、ため息をつきながら

カウンターの方に戻っていくー。


「ーあの人、絶対ヤバい人でしょー。

 しかも、こんなに可愛いわたしの姿に勝手に変身するとか

 危うく”処分”しちゃうとこだったー」


梨沙が不満そうに一人そう呟くとー、

「でもまぁー」と、”変身薬”が全部売れてご機嫌そうに、

目をキラキラと輝かせながら1万円札を見つめたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーククククク

 これさえあればー…」


男は、この辺り一帯を縄張りにしている

裏社会組織”銀狼(ぎんろう)”の幹部候補の一人・増山(ますやま)ー。


増山は、同じく幹部候補の一人で、安仁屋(あにや)という男と

現在、次期幹部争いを繰り広げており、

その幹部争いを有利に運ぶため、

今日、この100円のTSFショップの噂を聞きつけて

やってきたのだー


その成果はあったー


「しかしー…」

増山はそう呟くと、梨沙の店のほうを振り返りながら

少しだけ意外そうな表情を浮かべたー。


「ーーまさかー。あんな小娘が店主とはなー

 てっきりどこぞの”同業のヤベェやつ”が出て来るかと思ったがー」


そんなことを呟くとー、

彼は夜の闇の中へと姿を消したー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


それからは、増山は”変身薬”を使って、欲望の限りを尽くしたー。


プライベートな時間には

好みな女に変身して欲望の限りを尽くしー、

”銀狼”の構成員として、敵対組織の男に変身して

相手を抹殺したりー、

美女に変身して、男を誘惑して”組織へ納める金”を荒稼ぎしたりー、

時には”女”を武器に敵対組織の情報や、

同じ幹部候補の一人、安仁屋を蹴落とすための情報も探ったりもしたー


「クククククー

 この変身薬があれば何も怖いモノはないぜー!」


貴金属買取店の店主の娘に変身して、

いとも簡単に、店のセキュリティ情報を盗み出した増山は

その子の姿のままゲラゲラと笑うー


「まさか、こんなスゲェもんが100円で手に入るなんてー」

可愛らしい顔立ちに邪悪な笑みを浮かべながら

増山は”変身薬”を使い、組織内での立場・影響力を

急速に高めて行ったー。


”増山ー ここ最近のお前には期待しているー”

銀狼のNo2の男からもそう言われー、

増山はライバルである安仁屋に大きな差をつけ、

そしてリードしていたー。


だがーー

1か月近くが経過したある日ー


「ふふふー…

 もっともっと、楽しみましょ?」


増山は、偶然街で見かけた女に変身しー、

その姿で、敵対組織の幹部の男を誘惑していたー。


”銀狼”にとって、ある情報を聞き出すためにー、だー。


女の姿に変身した後に、部下に用意させておいた妖艶な格好に着替えて

メイクをしー、元々の”物静かな美人”という印象の女の姿を

まるで別人のような、妖艶な姿へと変貌させたー。


そして今ー、

敵対組織の幹部の男とキスを交わしながら、

男を誘惑しー、情報を引き出そうとしているー。


変身薬を使い始めてから1か月ー。

最初の頃と比べても、かなり”女”としての振る舞いも上手くなった気がするー。


自分でも”こんな女が目の前にいたら抱きたい”と、

そう思うぐらいだー。

そのぐらいに、今の自分は妖艶だったー。


”ククククー女の身体ってのは、便利なもんだぜー”

そう思いつつ、キスを続けるー。


そろそろ次の段階にーーー


そんな風に考えていた、次の瞬間だったー


「ぶわっ!?!?うぉっ!?な、な、なんだお前は!?」

そんな声が聞こえたー


「ーーうん?どうかしたの?」

女っぽい口調で、増山がそう答えると、

自分の”声”の異変に気付いたー


「ー!?!?!?」

増山は驚くー


「ーーなっ……!?!?」

自分の姿が”元の自分”に戻っているー

女物の服を着て、メイクをした状態のままー


「ーな、な、な…!?

 お、おまっ!? 男ー!?

 いや、さっきまで… えっ!? おっ!?」


誘惑しようとしていた相手ー

敵対幹部の組織の男が困惑の声を上げるー。


「ーーい、いや、待て、こ、これはー…!」

女装した状態になってしまっている増山は

顔を真っ赤にしながら、どうするべきかを考えるー


”まだ変身の時間内だし、元に戻るための薬も飲んでねぇぞー?”

そう思っていると、相手の男が言葉を口にするー


「貴様ー”銀狼”の増山ー!

 なんて格好してるんだ!?」


とー。


「ーチッ…く、くそっ!」

増山は、慌ててその場から逃げ出すー。


しかしー、”女の格好をしたまま”ゴツイおっさんが

街中を走るー、というとんでもない絵面を街中で

晒すことになりー、

さらには、相手の男に”その写真”を撮影されて、増山は

大恥をかいただけではなく、銀狼内の同じ幹部候補の男、

安仁屋にそれを利用されて、失脚させられてしまったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ドン! ドン!


「ーーーーーー?」

お嬢様風な髪型と服装で店の片づけをしていた梨沙が

首を傾げるー。


「ーーーもう閉店なんですけどぉ~」

閉店時間を迎えて片付けていた梨沙が不機嫌そうに

そう呟くと同時にー、

まだシャッターを閉めていなかった扉が、

強引に開かれてー、中に目の血走った男が入って来たー。


「ーーテメェ!ふざけやがってー!」

入って来たのは、”銀狼”の幹部候補ー増山。


変身薬の効果が予期せぬところで切れてしまったことで

大恥をかいた挙句、銀狼も追放されてしまいー、

全てを失った彼は、梨沙に怒りの矛先を向けていたー。


「ーーふざけてなんかいませんよ~?

 何か、あったんですか~?」


閉店時間後だからか、梨沙が不機嫌そうにそう言うと、

「ーー変身薬!途中で効果が切れたぞ!」と、

乱暴な口調で増山は叫んだー。


「ーーーーあぁーー…

 もしかして、たくさん飲みました?」


梨沙がため息をつくー。


「薬ってー、

 頻繁に使ってると効き目が弱くなったりするやつ、あるじゃないですかー

 頭痛薬とか、痛め止めでも、毎日飲んでたりすると、

 だんだんとー…


 ちゃんとした変身薬はそうならないように、

 色々成分が入ってるんですけどー、

 このお店のは100円なので~

 そういう成分まで、入ってないからー…

 だから、頻繁に使ってると、体内に変身薬に対する抵抗とかー

 免疫って言うのかなー?

 そういうのができちゃって、急に元に戻っちゃうことも

 たま~に、あるんです」


梨沙が笑いながら言うー。


増山はさらに怒り狂った様子で、

「テメェには責任を取ってもらうぞ」と、

銃を取り出して笑みを浮かべたー。


「ーーは~~~~~~閉店時間後なんですけど」

うんざりした様子の梨沙ー。


しかし、増山は動じることなく言葉を続けたー


「ー安心しろー。テメェの人生を”閉店”にしてやるー」


そう言い放ちながらー、

増山が梨沙の頭に銃弾を放ったー。



がーーー


「ーー!?!?!?」

梨沙の”耳”から、突然、不気味なミミズのようなものが

姿を現しー、

それがー、”口”で銃弾をキャッチしてー、

梨沙への直撃を防いでいたー。


「ーーんふふふふ♡ みーちゃん、ありがと♡」

梨沙は、自分の耳から出て来た寄生虫のような物体を

嬉しそうに撫でると、

増山のほうを睨みつけたー


「ーわたし、クレーマーとか、高圧的な客、大嫌いなんですけどぉ?」

と、そう言いながらー。


増山は驚いてもう一度銃弾を放つー。


しかり、梨沙の耳から飛び出した寄生虫がそれをはじくー。


増山は情けない悲鳴を上げながら

その場に尻餅をついたー


「ーーお…お前…何者ー!?」

増山は、化け物を見る目で梨沙を見たー。


梨沙はクスッと笑うー。


”こいつは、憑依かー、入れ替わりか、皮かー、

 いやー、何かは分からねぇー

 けどー、こいつはーー”


増山は気づくー


こいつは、”美少女”なんかじゃないー

とー。


中身はきっと、”邪悪な男”なのだとー。


「ーーーあーーー

 言っておきますけどー、

 わたしは正真正銘、女ですよ?」


梨沙はクスクスと笑うー。


「身体だけじゃなくて、中身もー。

 憑依もされてませんし、入れ替わりで身体を奪われたりしてませんし、

 着られてもいないー。

 女体化したわけでもなければ、誰かに変身してるわけでもありませんー」


そんな言葉に、増山は混乱しながら梨沙を見つめるー。


梨沙は、そんな増山を見て笑うー。


「ーーーわたしのお父様は”お金持ち”でー、

 わたしは良い家のお嬢様でしたー。

 

 でもーー…

 過保護にされて、外にも自由に出れない生活に嫌気がさしてー

 ”他の誰かになりたい”って思ってるうちにー

 わたしは”憑依”や”入れ替わり”と出会ったー」


梨沙はそこまで言うと、

「そこからは、わたしは”TSF"に魅せられてー

 毎日、毎日、毎日、その研究に没頭したー

 お父様のお金を貪りつくしてー」

と、笑みを浮かべながら言葉を続けたー


梨沙は、その後ー

あらゆる国、あらゆる裏組織から情報や技術を集めー、

ついに憑依や入れ替わりが”現実に”実現可能であると知ったー。

さらに実験を繰り返し、親も実験体にしてー、

挙句の果てに”自分の身体”をも実験体にしたー。


体内に飼っている寄生虫”みーちゃん”も、

梨沙が、特殊なDNA操作で作り出した寄生虫を、

自分自身を実験体に、自分に寄生させたことにより、

共存している寄生虫だー。


そしてー、色々な実験にも飽きたころにー、

”この快感”を、他の皆にもわけてあげようと考えたー。


しかし、憑依薬や入れ替わり薬は非常に高額で

”お金持ちのお嬢様”である自分ぐらいにしか買えないことに気付いたー。


そこで、100円のTSFショップを始めてー

今に至るー。


梨沙の正体は、誰かに乗っ取られた美少女ではなくー、

”過保護にされすぎて狂ってしまったお金持ちのお嬢様”ー


「ーーーふふ、お話が過ぎましたー。

 ちょうど今”100円の洗脳光線”っていう商品を新たに作ってるのでー

 それのテストをさせて下さい」


梨沙は満面の笑みでそう言うと、

震える増山に対して、ペンライトのようなものを向けて微笑んだー


「一人で山奥に行って、その銃で勝手に死ね」

ニコニコと笑いながら囁く梨沙ー。


「ーーーぁ… ぁ…」

増山は”自分が洗脳される”ことを理解しながらも

どうすることもできず、震えながらそのまま店の外に立ち去っていくー


一人残された梨沙は、今一度大きくため息をつくとー

「あ~~~もう!クレーマーのせいで、片付けが遅れた!」と、

乱暴に扉とシャッターを閉めると、

「ー早くお風呂に入りたい~!」と、不満そうに大声で叫んだー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”100円のTSFショップ”に、また新しい客がやってくるー。


”100円の憑依薬”を購入した男ー。


またー

100円ならではの悲劇が、

いつものように始まろうとしていたー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


100円のTSFの最終回でした~!


ちょうど、100円ショップに足を運んでいる時に

思いついた作品ですネ~笑


店主の梨沙の正体は、色々な案があって

連載開始まで迷っていたのですが、

”頭のネジが外れたお嬢様”に、最終的に決まりました~!

(憑依されていたり、皮にされていたりした方がよかった~!と

 思う皆様もいると思いますが、そのパターンは結構よくやっているので~笑)


ここまでお読み下さりありがとうございました~~!☆!

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