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1年に1度ー、

身体を入れ替えて過ごしている仲良し夫婦ー。


だがー、そんな夫婦にも”変化”の時が訪れていたー。


そうー

妻である清美が妊娠したのだー。


そんな清美と話し合い、”今回は”入れ替わらないことを決意した

清美と美智雄ー。


しかしそこに”入れ替わりのお酒”を狙う

怪しげな男が乱入してきてー…?


★前回はこちら↓★

<入れ替わり>大晦日の交換2022①~二人の年末~

とある居酒屋を経営する若い夫婦は、 毎年1回、年越しの瞬間に”飲むと入れ替わるお酒”を飲んで 身体を1年ごとに交換しながら生活していたー。 坂根 美智雄(さかね みちお)と、その妻・清美(きよみ)ー ”飲むと入れ替わる謎のお酒”皇漢”ー しかし、今年は去年までとは少し違う事情を抱えていたー…。 ★昨年のバージョ...

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「クククククー」

立ち上がった清美は、明らかに”いつもの清美”とは違う笑みを

浮かべながら美智雄のほうを見つめたー


「ーーき…清美ー…?」

美智雄は、青ざめた様子で清美の名前を呼ぶー


目の前にいる清美の表情ー


そしてー、

二人が倒れ込む直前に”何”をしたのかー。


その状況から、美智雄は”最悪の可能性”を頭の中で浮かべながらも、

現実をなかなか受け入れることが出来ないー。


人は”最悪の事態”に直面すると、

現実逃避をしたり、良いほう、良いほうに物事を考えることで

自分を守ろうとする者もいるー。


「ーーーへへへへへへー

 女の名前で呼ばれるなんてーゾクゾクするぜ」


清美が邪悪な笑みを浮かべたー


美智雄は、言葉を失ってしまうー。


最悪の事態が起きてしまったー

そう、認めざるを得ない状況ー。


「ーーーう…嘘だ…!き、清美ー!」

そう叫ぶ美智雄ー


しかし、目の前にいる清美は自分の胸を揉み始めたー


「へへー こんなつもりじゃなかったけどー

 妊婦さんってのも、エロくていいなぁ ふへへ♡」


胸を揉みながら気持ちよさそうに笑う清美ー。


間違いないー

清美とー閉店後のお店に乱入してきた男は

飲むと入れ替わるお酒ー”皇漢”によって

入れ替わってしまったー


「ーーー…み…美智雄ー…」

意識を失っていた”男”が目を覚ます。


やはり、二人は入れ替わってしまったようだー。

美智雄はその現実を受け止めながら、

「ーー…い、今すぐ清美の身体を、返すんだ!」と、

清美(男)に向かって叫ぶー。


だがー、清美(男)は「い・や・だ」と、笑みを浮かべると、

少し膨らんだお腹を嬉しそうに触りながら

「いやぁ…これが妊娠中ってかー…ゾクゾクするなぁ♡」と

興奮した様子で呟くー


「や…やめて!」

男の身体になってしまった清美も必死に叫ぶー。


「ーーお~っと、動くなよー

 お腹、思いっきりパンチしちゃうぞ?」


清美(男)がヘラヘラ笑いながら呟くー


美智雄は”くそっー…どうしてこんなことにー”と、

思いながらも、必死に頭をフル回転させて

清美の身体を取り戻す方法を考えるー


二人を元に戻すにはー

もう一度、二人に”皇漢”を飲ませるしかないー。


だがーーー

皇漢は、酒類を保存している倉庫の方にあるー。

今、美智雄たちがいる店舗部分にあったのは、

床に散乱してしまった瓶に入っていた分だけー。


つまり、ここにはもう”飲める”皇漢”はなくー、

二人をもう一度入れ替わらせるためにはー

美智雄か、男になってしまった清美が、倉庫まで

酒を取りに行くしかないー。


「ーーー…清美ー」

美智雄がそう言うと、清美(男)が「は~い♡」と

ふざけた口調で返事をするー


「ーお前じゃない!!」

美智雄がそう叫ぶと、男(清美)のほうを見てー

「”皇漢”ー倉庫から持ってこれるー?」と、確認するー。


男(清美)は目に涙を浮かべながら美智雄のほうを見つめるー


「ーーー…俺がこいつを見張ってるー。

 だからー清美は、皇漢をー」


美智雄が言うと、男(清美)は、怯えた表情で

清美(男)のほうを見てから静かに頷きー

店の奥の方に向かって走り出したー。


ここで清美になった男を見張る役の方が、当然、はるかに危険だー。

だから、美智雄は男になってしまった清美を倉庫のほうに向かわせてー

自分が清美(男)を見張ることにしたのだー


入口の鍵を閉めて、

美智雄が清美(男)を睨むー


「まぁまぁ、そう怖い顔するなって」

清美(男)は、完全に男のような座り方をするとー

「煙草、あるか?」と、笑みを浮かべるー


「ーふざけるなー”清美”は煙草を吸わないー」

美智雄が言うと、清美(男)は、「なんだよ」と、

不満そうに呟いてから、

美智雄のほうをあざ笑うようにして見つめたー。


そしてーーー

口を開いたー


「”皇漢”ー

 俺も、持ってたんだよー」


「なに?」

美智雄が聞き返すー。


清美(男)は、足を広げたままの姿勢で

言葉を続けるー。


「ーー俺の家にも、あったんだー

 ”入れ替わることが出来る酒”ー」


清美(男)はそこまで言うと、

「でもー”お楽しみ”をしすぎて、無くなっちまったー」

と、悔しそうに言葉を呟いたー


「ーう、うちの家系に先祖代々伝わっているお酒だと聞いた!

 それが何故ー、あんたの家にー!?」


美智雄が困惑しながら叫ぶと、清美(男)は笑みを浮かべるー


「ーーーへへへへー

 実はなーー

 俺の実家と、お前ー…”遠い遠い先祖”が繋がってたんだよー

 だからだろうなー

 俺の家にも先祖代々伝わる形で、”皇漢”があったんだー」


清美(男)はそこまで言うと、胸を揉みながら笑うー。


「ー大学生の頃さー、この酒の力を知った俺はー

 妹や姉貴と入れ替わりまくる人生を送ってたわけよー。


 そりゃもう、エロくてエロくて最高だったー」


清美(男)はなおも胸を触りながら

鼻息荒く、美智雄を見つめるー


「ーーでもーー

 ある日ー、姉貴のやつがやりやがったー。

 寝てる俺に無理やり皇漢を飲ませてー

 身体を取り戻したあとに、樽に入ってた皇漢を

 全部捨てやがったんだー」


清美(男)は悔しそうにそう呟くと、

美智雄のほうを見つめたー


「それ以降ー…俺はずっと、”入れ替わり”の快感を

 忘れられずにいたー。


 そして、数年前ー

 聞いたんだー

 ”入れ替わり夫婦の噂”ー


 そう、あんたらのことをなー

 

 まさかと思ったよー

 俺も、あんたと同じように、俺の実家にしかー

 皇漢なんてものはないと思ってたからなー


 でもー”確信”したー

 色々調べていくうちに、あんたの家系と、俺の家系が

 遠い遠い先祖と繋がっていることが分かったし、

 あんたも、”皇感”を持ってるんだってー」


清美(男)はそこまで言うとー、

ニヤニヤ笑いながらー

「でもまぁー、流石に皇漢を奪うのは無理そうだしー

 この女の身体で我慢してやるぜ!ー

 元々、あんたの奥さん、綺麗だなって思ってたしさー」と、

ゲラゲラと笑ったー


「き…清美の身体でそんな笑い方をするな!」

怒りを露わにする美智雄ー


もはやー、

2023年、新年早々を祝っているテレビの音も

耳に入ってこないー。


そのぐらいの強い強い怒りを感じながらー

美智雄は清美(男)のほうを見つめたー。


「ーーーえ~~?

 これが本当のわたしだよぉ???」

清美(男)が挑発的に笑うー。


「ーーー」

美智雄は、怒りで我を失っているように見えながらもー

”冷静さ”も保っていたー。


清美の身体を奪った男との会話を途切れさせることのないようにー、

会話を続けながらー

男の身体になってしまった清美が”ここに戻って来る”のを、

待っているー。


そのための、時間稼ぎをしているー


「ーーーーー」

清美(男)がチラッと店の奥を見るー


「ーさて、とー俺はそろそろ行くかー」

清美(男)が笑いながら店の出口に向かおうとするー


その前に美智雄は立ちはだかるー


「ー行かせるものかー」

とー。


”清美”の身体相手ならー

押さえつけることぐらいは可能だー。


妊娠している状態の清美の身体に乱暴なことは

したくなかったがー、

それでも、ここで男に逃げられてしまうようなことがあれば、

さらに大変なことになってしまうー。


しかしーーー


突然、清美(男)が美智雄にキスをしたーーー


「ー!?」

驚く美智雄ー


さらに清美(男)は美智雄の手を掴んで美智雄に自分の胸を

触らせて来るー


「ーーな、なにをー…!」

美智雄が少し顔を赤らめながらも、

すぐに清美(男)を逃がさないようにすることに集中するー


”中身は清美じゃないー”

そう、分かっていてもー

たとえ一瞬でもドキッとしてしまう自分に

腹立たしさを感じながら、美智雄は

「清美の身体を返せ!」と改めて叫ぶー。


しかしー


「ーーーねぇ、美智雄ー

 そういうこと言われると、わたし、興奮しちゃう♡」

と、わざと甘い声を清美(男)は出したー


清美の甘い囁きに、美智雄は再びドキッとしてしまうー


”興奮しちゃう”などと、大好きな妻から甘い声で

囁かれてー、無反応でいるのは、なかなか難しいー


「ーーな~んてな!」

清美(男)は美智雄の”わずかなスキ”をつくと、

美智雄の股間を思いっきり蹴りつけたー


「ぐっあっ…!」

美智雄が驚きの表情を浮かべながらその場に倒れ込むー


「ーーくくくー”女の身体”なら取り逃がすことはないと

 油断したかー?

 へへへー”皇漢”は、諦めてやるー

 

 でも、この身体は貰ってくぜ?

 ははははははっ」


清美(男)はご機嫌そうに笑うと

店の鍵を開いて、そのまま店の外に飛び出したー


「待て…!おいっ!」

美智雄は身体を無理やり起こして、後を追いかけようとするー


しかしーーー


「きゃ~~~!たすけて~~~~」

清美(男)がわざとらしく悲鳴を上げー、

周囲の視線が集まるー


「ーー!」

美智雄はそれ以上、追跡することもできない状況になってしまいー

清美(男)を取り逃してしまうのだったー



「ーーーーー」

失意の表情で店内に戻って来る美智雄ー。


そんな美智雄の様子を、倉庫から”皇漢”を持ちだして

店内に戻ってきていた男(清美)が、困惑しながら見つめるー


「ーーごめんー」

美智雄が目から涙をこぼすー。


「ーー清美ー…本当に、ごめんー」

その言葉に、美智雄から話を聞くよりも先に、

男(清美)は理解したー。


”あの男に逃げられてしまった”のだとー。


「ーー謝らないでー」

男(清美)が悲しそうに言うー。


横にいる男が、今は清美ー

そうは分かっていても、強い違和感を感じてしまうー


美智雄は「本当に、ごめんー…」と

悔しそうに涙を流しながら

「あいつに……あいつに……逃げられたー」と、

身体を震わせたー


怒り、悲しみー、屈辱、色々な感情が

織り交ざって、美智雄は震えていたー。


「ーー美智雄ー………

 大丈夫だからー……自分を責めないでー」

男(清美)がそう呟くと、美智雄は悔しそうに

涙を流し続けたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


数日後ー


清美と入れ替わった男の名前は、

谷村 孝義(やむら たかよし)という名前であることが

判明したー


清美と入れ替わった男の身体に身分証が入っていたため、

そこから名前が判明したー


だがー、孝義(清美)と美智雄が孝義の家に行ってみても

やはり留守で、

清美になった孝義の行方は”不明”のままだったー


「ーーわたし、大丈夫だからー」

孝義(清美)はそう言って気丈に振る舞って見せたものの、

美智雄は知っていたー


毎晩、夜になると部屋でずっと泣き続けていることをー


美智雄は激しい怒りを孝義に対して燃やしながらー

”店”の営業を続けているー


「清美ちゃんはー?」

常連客の男が笑いながら言うー。


「ーえぇーそろそろ身体のことも考えてー

 お店はしばらく休んで貰ってますー」

美智雄が悲しそうに笑いながらそう呟くと、

何も知らない常連客は

「そっかー。元気な赤ちゃんが生まれるといいな!」と、笑うー。


「そうですねー」

美智雄はそう呟きながら、

”2023年1月”と書かれたカレンダーを見つめるー。


「ーーーーー」


今年はー

どんな年になるのだろうかー。


来年はーーー

このお店で”いつものように年越し”を迎えられるのだろうかー


そんな風に思いながら

美智雄は、食器を洗いながら悔しそうに表情を歪めたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーマジかよ…いいのかよ!?」

チャラそうな男が笑うー


「ふふふ いいのいいの♡」

清美(孝義)はそう笑いながらー

バニーガール姿で、街中で声をかけた男のほうを見ると、

「ーーわたし、エッチなことしたくて、たまらないの♡」と、

膨らんだお腹を触りながらー

妖艶な笑みを浮かべたー。



おわり


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コメント


毎年年末恒例の「大晦日の交換」でした~!


前の2年は、入れ替わりが一巡するまでを

描きましたが、

一巡したのでようやく、お話が前に(?)進みました~!☆

来年以降も、色々なことが起きそうですネ~!


2022年も今日で最終日デス!

私も体調面や色々な出来事がありましたが、

こうして皆様に毎日ゾクゾクをお届けできて一安心デス!

もちろん、私自身も、創作を始めた当時と変わらず

今でも毎日楽しく、私自身もドキドキしながら

時々、憑依されたつもりになりきりつつ(笑)、創作しています~!


来年も皆様と一緒に楽しく、たっぷりゾクゾクできればと思います~!


今年も1年間、ありがとうございました~!

良いお年をお迎えくださいネ~!


…これで2022年の創作納めデス!

そして…明日早速、2023年の創作初めデス!笑

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