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突然到来したモテ期ー。


同じ大学に通う紗愛、バイト先の先輩・優花、隣人の明美ー。


しかしー、彼女たちは

三人とも親友の”拓真”が皮にして乗っ取っている存在ー…ということを

知らずに、修平は楽しい日々を送るー。


そしてある日ー

”修平が誰を選ぶのか”と、興味を抱いてしまった拓真は、

紗愛・優花・明美それぞれで、修平に告白するという暴挙に出たー。


何も知らず”三人から同時に告白された!”と喜ぶ修平の運命は…?


★前回はこちら↓★

<皮>突然のモテ期②~3つの告白~

同じ大学に通う同じ趣味を持つ女子大生・紗愛 バイト先の少し積極的な先輩ギャル・優花 穏やかな雰囲気の隣人・明美ー これまで女性と縁のなかった修平は 突然、三人の女性と親しくなり、 ”俺にもモテ期がやってたのか”と”錯覚”してしまうー。 しかし、修平は知らないー 紗愛も、優花も、明美もー 3人とも、その中身は親...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


紗愛ー

優花ー

明美ー


まるで”洗濯物”のように”部屋干し”している三人の皮を見つめる拓真ー。


「へへへー」


”3つの人生”を奪いー、

今は毎日のように”3つの人生”を楽しんでいるー


朝から夕方までは”紗愛”として大学生ライフをー

夕方以降から夜まではバイト先で優花としてギャルなバイト先の先輩ライフをー。

そして、明美の皮に着替えて、夜と早朝はプライベートな時間をこの部屋でー。


「ーーー”自分の身体”も、たまには洗わないとなー」

拓真はそんな風に呟きながら、風呂上がりのジュースを飲みながら

”無表情で干されている”三人を見つめるー。


これだけ見るとー

”リアルな人間の着ぐるみ”という感じだー。

皮にされてしまった三人の意思は、全く感じられないー。


「ーーしっかしー…”三人”を使い分けてると

 だんだん、頭おかしくなりそうになるよなぁー…


 自分が今、紗愛ちゃんなのか、優花ちゃんなのか、

 明美ちゃんなのか、一瞬分からなくなることもあるしー」


そう呟くと、

「まーーー…その感覚がまた、楽しいんだけどなー」

と、笑みを浮かべる拓真ー。


そしてー

何よりもー

今は、親友の修平の反応が何よりも楽しみだー。


”明日”ー

紗愛として告白の返事を聞く日ー。


「ー俺的にはーー…」

そう呟くと拓真は修平の隣人・明美の皮を身に着けて笑みを浮かべるー


「”わたし”が選ばれると思うんだけどなぁ~」

クスッと微笑む明美ー。


答えは、明日出るー。


大学の紗愛かー、バイト先の優花かー、隣人の明美かー


「ーーへへへーお前の返事ー楽しみにしてるぜー」

明美の皮を着たまま、拓真はニヤニヤと笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


大学で呼び出された紗愛は、笑みを浮かべながら

呼び出された部屋に向かっていたー。


「ーーーあ、杉本さんー」

修平はドキドキしながら、紗愛の前にやって来るー


紗愛もソワソワとした振る舞いを見せるー


「ー水嶋くんー…この前の…返事の話…だよね?」

紗愛が顔を赤らめながらそう言うと、

修平も顔を赤らめて「あ、あぁー…うんー」と頷くー。


ゴクリー

広々とした部屋でー、

時計の針が時を刻む音だけが聞こえる中ー、

沈黙する二人ー


お互いに緊張した様子で相手の反応を伺っているー。


”ーーーー紗愛ちゃんはーー振れよー?

 じゃないとー、俺の予想が外れるー”


紗愛の中にいる拓真はそんなことを思いながら

”別の意味”で緊張していたー。


別に予想がハズレても命を取られるわけではないがー

せっかくこうして楽しむなら、予想も当てたいー。


拓真がそんな風に思っていると、

ついに修平が口を開いたー


「ー俺なんかでーー良ければー」

修平がそう呟きながら、恥ずかしそうに目を逸らすーー


「ーーあ~~~~やっぱりぃ!」

紗愛が、うっかりそんな風に叫ぶと、

紗愛のリアクションが想定外だったのか、ビクッとした表情で

紗愛のほうを見つめる修平ー。


「あ、いえー、ううんーそうじゃなくてー

 や、やっぱり、水嶋くんとは運命の糸で結ばれてるぅ~って!」


紗愛が顔を赤くしながらそう言うと、修平は、

「ーやっぱり、杉本さんといると楽しいしー

 何より、趣味が合うって言うのが、本当に嬉しくてー」と、

恥ずかしそうにしながら言葉を口にしたー。


「太陽とトカゲー…トカゲの俺が太陽に告白されるなんてー」

ボソッと呟く修平ー。


「え?なにそれ?」

紗愛が笑いながら言うと、

修平は「あぁー、えっとー…その、杉本さんのこと、太陽みたいだって

前からずっと思っててー」と、嬉しそうに呟いたー。


こうしてー、

修平と紗愛は、正式にカップルとなり、付き合うことになったー。


”なんだよ~!紗愛ちゃんかぁ~!

 でもまぁー紗愛ちゃんが一番会う機会も多かったしなぁ~

 それに、趣味も合ってるしー…”


拓真は紗愛の中でそんな風に呟くー。


”ーーま……でも、肉食系のギャルは、修平のやつには

 あまり合わないかもしれないし、

 隣人の明美ちゃんもなぁー…まぁ、無難っちゃ無難かー”


予想が外れたことを少し悔しがりながらもー、

”これからは”彼女”としてお前の反応を見ながらー

 楽しませてもらうぜ”と、心の中で呟いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


夕方ー


「ーーーーーあ?」

ギャルの優花は思わず変な声を出してしまったー。


優花が絶対に出さないような声とー

絶対にしないような表情ー


「え?」

修平が少し驚いた様子で、表情を変えるー。


優花に着替えた拓真は、バイト先で修平といつものように

仕事を始めていたー。


だがー、

客がいなくなったタイミングで、修平が信じられない言葉を

口にしたのだー


それはー


”俺なんかで良ければーこの前の話ー…”と、いう返事だったー


「ーーー…え…ぁ、あぁ、いやーほら、そのー

 水嶋くん、彼女とかいるんじゃないの~?って思ってさ!」


ギャルっぽく笑いながら優花がそう言うと、

修平は「いえー…俺は恋愛と縁がなかったのでー」と、

真顔で言い放ったー


優花は思わず修平に背を向けてー

「ーな、な、な、なんだよー…いきなり二股かー!?」と

驚きの表情を浮かべて、小さな声で独り言をつぶやいたー。


午前中ー

つい、さっきー…紗愛の告白を受け入れて

紗愛の彼氏になったはずの修平がー

同じ日の午後に、優花の告白を受けて入れて

優花の彼氏になったー


”意味がわからないー!”

拓真は優花の身体で少し頭を抱えながら振り返るとー

「そ、それ、マジで言ってる?」と

”再確認”するー。


修平は「こ、この前のー…冗談じゃないですよね?」と、

不安そうに呟くとー、優花は「も、もちろん!あたしはいつでも本気だし!」と、

告白は嘘じゃないことを伝えるー。


そしてー

そのままギャルの優花もー修平と付き合うことになってしまったー


「ーーっ…おいおいおいおいおいおいー」

修平がトイレに行ったタイミングで、優花は戸惑いながら声を上げたー。


「ーーいやいやいやいやいやー…

 え??? え??? 俺には理解できないぞー?」


優花は、修平の行動を理解することが出来ずに

困惑の表情を浮かべ続けるー


やがてー


「はっ!」

お客さんがいつの間にか来ていたことに気付いて、

「ーーあ、いらっしゃいませ~♡」と、

”俺”と言ったことを聞かれていないか少しヒヤヒヤしながら

営業スマイルをバラまいたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


夜ー


もはや、この先に起きることは

何となく想像がついたー。


拓真はため息をつきながら、明美に着替えて

”修平”会う約束を果たすため、近くのファミレスに足を運ぶー。


”晩御飯を食べながら”

返事をする、という約束なのだー。


「あ、水嶋さんー こんばんはー

 遅くまでバイト、お疲れ様でしたー」


明美らしく”大人しい女性”を演じながらそう言うと、

修平は笑いながら「川上さんもお疲れ様ですー」と

礼儀正しく言葉を口にしながら着席したー。


お互いに緊張した様子で料理を注文しー、

料理が到着するまでは、適当な雑談を緊張しながら進めるー。


そしてー

料理が運ばれてきて、メロンソーダを一口、口に運ぶと

早速、修平が口を開いたー。


「川上さんー…この前の話の返事、でしたよねー」

修平はニコニコしながら、明美のほうを見つめるー。


”こいつーー返事する前から笑ってやがるー!

 まさか三股するようなやつだったなんてー”


明美を支配している拓真がそんなことを思うー。


「ーーーごめんなさいー」


「ーーーあ????」

明美は思わず、優花に続いて変な声を出してしまったー


「ー今、何てー…?」

不愉快そうに言う明美ー。


その反応に、修平は「えっ!?えっ!?」と、

少し困惑した様子だー。


「ーそ、そのー…か、川上さんには申し訳ないと思ってるんですけどー…

 い、今は彼女とか、そういう場合じゃなくてー


 だから、これからもそのー”お隣さん”ーーと、いうことでー」


心底申し訳なさそうに言う修平ー。


明美は思わず舌打ちしてしまうー


”おいおいおいおいおいー

 なんで紗愛ちゃんと優花ちゃんはオーケーで

 明美ちゃんはフラれるんだー!?

 可哀そうすぎるだろ明美ちゃんー


 いや、まぁー全部俺なんだけどさー”


そんな風に思っているとー、

修平は「あ、あのー…本当に、すみませんー」と頭を下げたー


”お前にも、異性の好みとか、あったんだなー”

明美の中にいる拓真は、そう思いながらー

少しだけため息をついたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それからー

驚くぐらいに清々しいクズっぷりを修平は発揮したー


”優しいやつ”だと思っていたが

異性と親しくなるとこうなるのかー、と拓真は思ったー。


結局ー、

拓真は”2パターン”で楽しむことにしたー。


紗愛は”友好的”な彼女ー

ギャルの優花の方は”すぐに関係が悪化する彼女”を演じたー


すると、3か月後に、

「ーやっぱり、先輩と後輩に戻りましょう」と、修平に優花は

あっさりと振られたー。


”心変わりはやっ!?童貞卒業させてやった時のあのデレデレはいったいー?”


優花を着た拓真は、そう思いながらも

「ーそっか”別の女”ができたんでしょ?」と、

”わざと”嫌味っぽく聞いてみたー


「いやー、そんなことはないですよー」

堂々と嘘をつく修平ー


”いや、お前マジでやべぇなー

 まぁ、俺も人のこと言えねぇけどー”


拓真は、自分だって”三人の女性を乗っ取ってる”のだからー

もっともっとヤバいやつだと自覚しつつも、

修平の思わぬ本性に唖然としていたー。


そしてーーー

”仲良しモード全開”で接していた紗愛に対してもー

修平は態度を変えたー。


ゲームがクリアできないとキレたり、

協力プレイで紗愛が上手くできないとキレたりー、

些細なことでキレたりー


紗愛を乗っ取っている拓真は確信したー


”こいつはー、彼女とか作っちゃいけないタイプの人間だったんだー”

とー。


明らかにエスカレートしていく行為ー。

修平は、紗愛に暴力を振るい始めー、

ついに、耐えきれなくなった拓真は

「ーお前はそういうやつだったんだな!」と、紗愛の身体のまま叫んだー


「ーあ????」

ゲームの協力プレイで、”自分より下手な”紗愛に暴力を振るっていた修平が

表情を歪めるー。


「ーーずっと”彼女ごっこ”してようと思ったけどー

 もう我慢できねぇ」

紗愛の突然の豹変に、修平は少し表情を歪めるー。


流石に驚いている様子だー。


そしてーー

紗愛の後頭部がぱっくりと割れて、中から拓真が姿を現すとー

修平は目を見開いたー


「ーー紗愛ちゃんは、ずっと、俺だったんだよー!

 

 いやー、そりゃ俺だって”他人をこんな風に皮にして”

 乗っ取って、お前を揶揄ってたから人のことは言えねぇけどよー

 にしてもお前ー、二人から告白を受け入れて

 しかも挙句の果てに暴力振るうなんてー

 お前、そんなやつだったkーー


拓真がそこまで言いかけると、

修平が言葉を遮ったー。


「着ろ」


「ーは?」

紗愛を”半分脱いだ”状態の拓真が表情を歪めるー。


「ー着ろよ」

修平が、拓真を見ながらそんな風に呟くー


「ーーーえ…?」

困惑する拓真ー


「ーー早く紗愛に戻れって言ってんだよ!」

修平の言葉に、拓真は「な…」と、驚きながらも、

「ーいや、待てよ!だから紗愛ちゃんの正体は俺だって言ってるだろ?

 しかもー、目の前で人が”皮”にされてるの見て、そのリアクションはー」


と、声を上げるー。


”まさかこいつ、最初から気付いてー?”


拓真が一瞬そう思いかけるも、修平の返事はそうではなかったー


「いや、驚いたよ、確かにー

 こんなことが現実に起きるなんて

 でもーーーそれならそれで別にいいよー


 だからさっさと着ろー。

 着なきゃ、拓真ー、お前のこと、世間中に言いふらすー。


 それじゃ困るだろ?

 だから早く、紗愛を着て、紗愛になれー。

 

 拓真、これからお前はずっと紗愛でー、

 紗愛は俺の女だー。」


修平の言葉に、拓真はゾワッ、と恐怖を感じたー


修平は元々こういうやつだったのかー

それとも”突然三人から告白される”という”突然のモテ期”が

修平を壊してしまったのかー。


いずれにせよーー


拓真は紗愛を再び着ながら、紗愛になるとー

恐怖を感じながら心の中で呟いたー


”俺は、”修平を怪物にしちまったー”のかもしれねぇー”


とー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


突然のモテ期の最終回でした~!☆


修平くんはモテた経験も、彼女がいた経験もなかったので

自分でも気づいてなかったのですが

”女癖の悪い”男子で、それが、本来モテなかったはずなのに

一気にモテたことで、おかしな方向に発揮されてしまった

カタチですネ~!


拓真くんはもう、逃げられません…☆

(修平を皮にしてしまえばいいような気もしますケド笑)


お読み下さりありがとうございました~!

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