<女体化>後を継ぐつもりなんてなかったのに②~変化~ (Pixiv Fanbox)
Content
実家が農業を営んでいる男子大学生の祐介。
しかし、彼には後継ぎになるつもりはなく、
着々と就職活動を続けていた。
父・厚英も、そんな祐介に対し、できれば後継ぎになってほしいとは
願いつつも、祐介が首を縦に振らないまま、就職先が決まれば
潔く諦めるつもりでいたー。
がー、そんなある日、奇妙なトマトを口にした厚英は
突然若返り、さらには女体化して”美少女”になってしまったー
美少女になった父・厚英は
”この姿でお願いすればー”と、妙なことを考え始めてー…?
☆前回はこちら↓☆
<女体化>後を継ぐつもりなんてなかったのに①~美少女~
「いやいやいやいや、俺は農業はやらないってー」 大学生の一人息子・勝村 祐介(まさむら ゆうすけ)は、 いつも通り、そんな言葉を呟いたー。 祐介の実家は、農業を営んでいるー。 しかし、父・厚英(あつひで)は、既に50代ー。 体力的にも、年齢的にも、祖父ー、いや、そのさらに前から 受け継がれてきたこの畑を...
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝ー
「ーー戻ってない!!!!!!」
目を覚ました父・厚英は、自分の手を見てそう叫んだー。
手を見るだけで戻っていないのが分かったからだー。
そしてー
自分の胸を見下ろし、ゴクリと唾を飲み込むー。
既に50代という年齢だったからかー、
女体化した直後は、特に自分が”女”になったということを
必要以上には意識しておらず、
”どうすれば元に戻れるのか”とか、そういうことばかりを
考えていたー
しかし、一晩経って冷静になったのかー
それとも、女になっただけではなく、若返ったことで
心まで若返ったのかは分からないがー、
改めて”自分の身体に胸がある”という状況に
ドキドキしたー
「ーー少しぐらい……いいよなー?」
昨日も意識せず、胸に手を触れてしまうことはあったが
そんなにドキドキしたり、変なことを考えたりはしなかったー
けれどー
今、改めて胸を揉んでみるとー
「ーうっ… な、なんだこの感覚ー」
厚英は、今までに感じたことのない感覚を覚えながら
生まれて初めての”自分の胸を揉む”感覚と
”自分の胸が揉まれる感覚”、その両方を同時に味わったー
「ーーーーーーはっ!」
ふと、我を取り戻した厚英が顔を上げると、
そこには顔を真っ赤にした息子の祐介がいたー
「ーーー……… も、も、戻ってないかぁ~~~
残念だなぁ~ ははっ!」
厚英は咄嗟に
”今、自分が目を覚ましたばかりで、男に戻ってるかどうか
確認するために胸を揉んでいた”風を装うも、
祐介は「いやー…まぁ、気持ちは分かるから、苦しい嘘は
つかなくていいよ」と、困惑の表情を浮かべたー
”バ、バレてるぅ~~~!?”
厚英は心の中でそう叫びながらも、咳き込むと、
「まぁ…真面目な話、寝ても元には戻らなかったみたいだ」と、
しゅんとした様子で呟いたー
「ーーー…!」
父・厚英を心配してやってきた祐介だったがー、
目の前に”悲しそうにしている女体化した厚英”を見て
再び頭がバグりそうになったー
”くそっ!親父だって分かってるのにー
可愛い子が悲しそうな顔してるように見えちまうー!”
そう思いながら
「ーお、親父ー、と、とりあえず昨日の夜、色々調べてみたいんだけどさー」
と、例のトマトや、父・厚英が女体化した現象について
ネットで色々調べてみて、可能性のありそうだった話を伝えたー
「ーーー…祐介ー」
女体化した厚英はそう呟くと、
「ー俺のために、色々調べてくれてたんだなーありがとう」と、
嬉しそうに手を握ったー
別に、深い意味のない行為だったがー
祐介はドキッとして顔を真っ赤にしたー
「ーーん?」
厚英が首を傾げるー
祐介は「あ、いやー…そのー…と、とにかく、元気出せよ!」と、
顔を真っ赤にしながらそのまま部屋から立ち去って行ったー
「ーーなんだ?」
しばらく首を傾げる厚英ー
そして、自分の手を見つめるとー
祐介が顔を赤らめた理由に気付くー
”あぁー…可愛い女の子に手を握られたような感覚になっちゃったのかー”
そう心の中で呟くと
「これはーーチャンスかもしれないー」と、
笑みを浮かべたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大学から帰宅した祐介ー。
「ーーーな、なんだよー」
帰宅すると同時に近付いてきた父・厚英に対して
戸惑いの表情を浮かべるー
やっぱり、可愛すぎるー
大学の子たちよりも可愛い気がするー
”な、中身は親父なんだー 惑わされるな俺ー”
そう自分に言い聞かせながら
女体化した厚英のほうを見ると、厚英は、にこっと
微笑んで見せたー
ドキッとして顔を赤らめてしまう祐介ー
”いやいやいやいや、何ドキドキしてんだ俺!?
見た目は美少女でもこの子は親父なんだぞー!?
俺は中身が土だったとしても見た目がメロンなら
美味しそうに食べるのかー?
いいや、食べねぇだろー?
しっかりしろ、俺!”
自分の中で必死にそう言い聞かせながら
厚英の言葉を待つー。
父・厚英は普段からよく笑うー。
別に今も、可愛いを振りまいたつもりはないものの、
この姿で微笑まれると、やっぱり厳しいものがあるー
”親父”だと分かっていても頭の理解が追い付かないー
と、でも言えば良いのだろうかー。
とにかく、頭がバグりそうだー。
そんな戸惑っている息子を見つめながら
女体化した厚英が言うー。
「ーあのさ…祐介にお願いがあるんだけどさぁ」
”いつものが始まったー”
そう思った祐介は即答するー
「ダメー」
とー。
「ーーえ~?まだ何にも言ってないだろ~?」
いつもと同じやり取りー。
厚英が”農業を継いでほしい”と言ってきて、
それを祐介が拒むー。
だがー、今日は”可愛い子”にお願いされているような
気分になってしまいー、
戸惑いを隠せないー。
「ーーねぇ祐介ー♡」
突然、父・厚英が甘い声を出すー。
「ー!?」
祐介はドキッとして、厚英のー
美少女になった父の顔を見るー
「ーーー…~~~~~っ」
「ーーお願い♡ 後継ぎがいないと寂しい♡!」
ついに”美少女”の立場を利用し始めた父に、
「ーや、やめろ!き、気持ち悪い!」と、
慌てて振り払うと、
「ダメなもんはダメ!
俺は就職するんだから!」と、少し離れた場所から
声を上げるー
「ちぇっ!可愛いモードにすれば、
首を縦に振ってくれると思ったのにー」
拗ねたような声を出す女体化した厚英ー
「ーーふ、ふ、振るわけないだろ!」
呆れ顔で祐介がそう言うと、
厚英は「そっか~ダメか~」と、呟くー。
しばらく沈黙する二人ー。
「ーーーーーーー後継ぎになってくれたら
何でもしてあげても、いいんだぞ?」
ニヤッとする厚英ー
「ーーーーーーー」
祐介は、そんな厚英のほうを見つめながら
「ーーいやいやいやいや、それで首を縦に振ったら
ヤバい息子だろ!?」
と、ツッコミを入れたー
「ーっていうかさー、もし戻れないんだとしたら
ずっと…なんて言うか、その姿で生きていくんだろ?
あんま軽々、そういうこと言わない方がいいと思うけどなぁ」
祐介がそう言うと、
父・厚英は少しだけ恥ずかしそうに
「ーま…まぁ…そ、それもそうかー」と呟くー。
「そうよー、身体は大事にしないと」
妻である美代子が畑の方から戻ってきてそう呟くとー、
「ーー…わ…わかったー」
と、少ししゅんとした様子で父・厚英は静かに頷いたー。
・・・・・・・・・・・・・・・
さらに数日が経過しても、父・厚英は元に戻ることが出来ず、
母・美代子と共に”そろそろ服も買わなくちゃね”と、
買い物へと出かけていたー。
「ーー娘さん、よく似合ってますよー」
店員にそう言われて、「あ、いやーその…」と、
厚英は困惑しながら”む、娘じゃなくて、夫なのですがー”と
つい言葉を口にしようとしてしまうー。
だが、それを察した美代子が「あ、あは、似合ってるって~!
よかったね~!」と、”母親モード”で
女体化した夫・厚英に声を掛けるー。
女体化しただけではなく、若返った厚英は、
事情を知らない人から見れば
美代子の”娘”のようにしか見えなかったー
結局”母と娘”と勘違いされたまま、
いくつか服を選ぶと、そのまま買い物を済ませて
店の外へと出たー。
「ーーはははー
まさか娘扱いされてしまうなんてなぁー」
苦笑いする厚英ー。
「ーーー…そうね~…なんだか不思議な気持ち」
美代子も、”夫”が”娘”になってしまったー
そんな不思議な気持ちを抱きながら苦笑いしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”誘惑”されても首を縦に振らなかった息子の祐介は
父親が美少女になってしまった状況の中でも
引き続き、今まで通り大学生活を送り、
就職活動も進めていたー。
「ーーーーふぅ… はぁ… ぅぅぅ…」
祐介が帰宅すると、畑で重そうに作物の入った容器を
持ちながら息を上げている父・厚英の姿が目に入ったー
”父親が女体化した姿”と知らなければ
可愛い子が必死に重い物を運ぼうとしている、
そんな光景にしか見えないー。
「ーーーーー…」
祐介は、辛そうに荷物をなおも運ぼうとする
女体化した厚英を見かねて、
「ーいいよ どこに運べばいい?」と、
厚英に声を掛けたー
「ーーあ…ありがとなー」
少し戸惑った様子の父・厚英を前に、
ひょい、と荷物を持ち上げると、
「この場所でいいか?」と、確認する祐介ー。
「ーーあぁ、そこでいいー」
厚英は頷きながら、祐介が荷物を置き終えると
「すまんな…この身体になってから力が入らなくてさー」
と、手を振りながら笑ったー
「ーそりゃまぁ、そんな華奢な感じの姿じゃなー…」
と、祐介は女体化した父の姿を見つめながら呟くー。
”跡継ぎにはならない”だけで別に親子関係は
悪くはなく、女体化する前の父とも、普通に日常会話は
交わしていたー
だが、今は特にー
何だか”か弱い女の子”を助けているようなー
そんな不思議な感覚になってしまうー
「ーってか、大丈夫か?その手ー?」
祐介が女体化した父・厚英の手に、すり傷や赤くなっている部分が
あることに気付いて心配そうに言うー
「ん?あぁ…
なんかこうー、上手く行かないなー」
少し寂しそうに自分の手を見つめる厚英ー
「ーーー…!」
目の前にいる美少女は父ー。
それは、分かっているー
でも、何だかこうー…
放っておけなくなってしまったー
頭の理解が追い付かないー。
これが、人間の脳の限界なのかー?と、
思ってしまいたくなるぐらいに、
”見た目が美少女になった父親”に対する
理解ー…脳の処理が追い付かないー。
「ーまだ運ぶ荷物あるのか?」
祐介がため息をつきながらそう呟くー。
「ーーーえ?」
父・厚英が少し不思議そうに首を傾げるー
「ーーそ、そんな身体で無理させるわけには
いかないだろー?
まだ、運ぶもの、あるなら運ぶから」
祐介がそう言うと、
厚英は「ーー悪いなー」と、言いながら
嬉しそうに微笑んだー
「ーや、やめろー
そんな風に笑われると、なんかー
そのー調子が狂うー」
祐介が目を逸らしながらそう言うとー、
「ーおいおいー今のは普通に笑っただけだろー?
こんな姿になる前だって、いつも笑ってたしー」と、
父・厚英がすぐに反論するー
「ーーいやいやいや、今の親父はそういう姿なんだからー
今まで通りにはいかないんだよ」
祐介がそう言いながら立ち上がると、
「ー普通にしててくれればいいんだよー
今まで通りでー
女になって若返っちゃったけど、中身は俺なんだからー」
と、女体化した父・厚英が言うー
「いやぁ、そうはいかないー」
祐介が戸惑いながら荷物を運び始めるー。
「ーーーなんだなんだぁ?
俺のこと、好きになったとか言わないでくれよ?」
「ー親父のこと好きになったらヤバい息子だろ!そりゃねぇよ!」
親子の冗談を口にしながらー
その日は、たくさんの仕事を女体化した父のために
手伝うことになったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーーー」
女体化した身体で、不慣れな農作業を一生懸命
こなしている父・厚英ー
可愛い子が、一生懸命農業をしているようにー
そんな風に見えてしまうー
「いてっ!」
急激な身体の変化についていけていないのかー、
結構転ぶことが多くなった父ー
「おいおいおいおいー」
心配そうに祐介が擦りむいた足を見て戸惑うー
「ーーそんなに足を見て…エッチだなぁ」
笑う父・厚英に対して
祐介は「ちげぇよ!」と、ツッコミを入れながらも、
心配そうに厚英のほうを見つめるー。
体格ー
体力ー
腕の力ー
色々な違いが、言葉にはあまり出さないものの
父・厚英を苦しめている様子だったー。
「ーーーーー」
そんな様子を連日見ていた祐介は、
戸惑いながらも、ついに言葉を口にしたー
「ー親父ー…
親父が元に戻れるまでならー
俺、手伝ってもいいけどー?」
祐介がそう言うと、
父・厚英は「え?」と、首を傾げたー
「ーだ~か~ら、親父が親父に戻れるまでは
農業、手伝ってもいいって言ってるんだよ!」
祐介が恥ずかしそうにそう言うと、
父・厚英は、驚いた様子を見せながらも
心底嬉しそうに「ーー祐介!ありがとう!」と、
祐介の手を握り、嬉しそうに祐介を抱きしめたー
「バ…!やめろ!髪とか、おい!それも当たってる!
おい!!自分が女になった自覚を持て!おいっ!」
美少女に抱きしめられた祐介は、
そんな悲鳴を上げながらー、
顔を真っ赤にして「いいから!!!離れてくれ!」と
叫んだー。
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
私の作品にしては、
平和な時間が流れ続けている(?)作品ですネ~!
そのまま平和に終わるかどうかは…
最終回のお楽しみデス~
今日もお読み下さりありがとうございました~!☆