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毎週土曜日ー。


彼女はここ最近、”週に1度”ー

土曜日しか意識を取り戻さない状態に陥っていたー。


日曜日から、金曜日ー

自分は何をしているのかー。


恐怖に怯えるOLの記した毎週土曜日の、日記ー。


(第2週)


☆前回はこちら↓☆

<皮>毎週土曜日しか意識が戻らないOLの日記①~10月15日~

毎週土曜日ー。 彼女はここ最近、”週に1度”ー 土曜日しか意識を取り戻さない状態に陥っていたー。 日曜日から、金曜日ー 自分は何をしているのかー。 恐怖に怯えるOLの記した毎週土曜日の、日記ー。 (第1週) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10月15日 またー… また、先週と同じー。 わたしは先週の日曜日...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


10月22日


今週もー…

今週も”同じ”だったー


昨日は確かに10月15日だったはずなのに…

目を覚まして、すぐにスマホを開いたらー

10月22日だったー…。


どういうことなのー?


すぐにわたしは、友達の佳穂と、

同僚の尚美(なおみ)に連絡を入れて

”この1週間のこと”をそれとなく聞いてみたけれどー


やっぱり、”いつも通り、普通にしてた”という

内容の答えだったー。


そんなはずないー…

15日に夜に寝てー

16日の日曜日から21日の金曜日まで一切記憶が

ないなんてありえないー…


病院の先生から、

一時的な疲れやストレスから来る記憶障害ではないかー、

と言われたけどー…

”毎週土曜日以外の記憶が都合よくなくなる”なんて

絶対におかしいと思うー…


わたしは、他に何か異変がないか確認したけれど、

やっぱり、友達や実家で暮らす親とのLINEの履歴を見ても

”わたしがしそうな会話と反応”しかしていないしー

会社にもちゃんと出勤していたことが分かったー


わたしに意識が無くても、

わたしはいつも通り、まるで勝手にー”自動”で生活しているー…


意味が分からないー…


ただ、一つ気になったのはー…

病院から貰った不安を和らげる薬は飲んでいなかったことー。


わたしが15日の夜に乗んだっきり数が減ってないー。


だからー

日曜日から金曜日の間に、わたしは病院で貰った薬を

飲んでいないことになるー。


理由は分からないー


でもー

”わたしだったら”飲んだと思うー…



ここのところ、先週も、先々週も

わたしは”お休みの日”の生活しかしていないから、

同期の尚美にも全然会えていないし、

このままだと身体がなまっちゃいそうー…


たぶんー

この感じだと、今日の夜、わたしが寝れば

また、次はー10月29日になってるー…


こんなことが続いたら…わたしー…


…そうだー…

ーー…佳穂にー…佳穂に相談してみようー。


佳穂に今日のうちに”明日から来週の土曜日までに

わたしに変な部分がないかどうか”見てもらうことなら

出来るかもしれないー。


夕方ぐらいに、一度佳穂に連絡して、

相談してみようー。


・・・・・・・・・・・・


佳穂に”最近、土曜日以外の記憶がない”ことを

素直に打ち明けたー


前回が10月15日、その前が10月8日ー

最近は土曜日しか意識がないことを全部、佳穂に話したー。


佳穂は、最初は

”え~!?土曜日以外勝手に働いてくれるなんてラッキーじゃん!”

なんて言ってたけどー…


わたしがあまりにも辛そうにしてるからか、

わたしの話をちょっとは信じてくれたみたいー…


”何かおかしなことがあったら、次の土曜日に教えればいいのかな?”

なんて、言ってくれたしー、

もしかしたら何か分かるかもー。


……ーーー

でもー

やっぱりどう考えても”記憶障害”じゃない気がするー


まるでー

”誰かが勝手にわたしとして生活しているような”

そんな感じがするー。


……夢遊病?

二重人格ー…?


なんだか、分からないけどー…

何かー

何か、恐ろしいことが起きてる気がするのー。



…今日も、夜がやってきたー。


怖いけどー

わたしは、”あること”を試してみることにしたー。


”あなたは、誰?”


ーそんな紙を机の上に置いてみたー。


もしーーー…

もしもー

何か反応があればー…


わたしの身に何が起きてるのかー

少しは分かるかもしれないからー


……明日はーー…

日曜日だといいなぁ…。


おやすみなさい。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


深夜ー


「ーーー」

麻梨の部屋に、いつものように男が入って来るー


「ー今週も”土曜日”を楽しめたか?」

ニヤリと笑う男ー


合鍵は、最初に麻梨を乗っ取った時に勝手に作りー、

そのまま男が持っているため、いつでも入室可能だー。


「ーーー……ぅ…」

麻梨が少し身体を動かすー。


「ーーー…」

男は笑みを浮かべると、

麻梨の後頭部のあたりに手をかざして、麻梨を皮にしたー。


毎週1回ー

男は、”自分のやること”を済ませるために

麻梨を脱いで、自分の姿で行動しているー。


「ーしかしー、週1しか自分の身体で行動しねぇとー

 だんだん、”わたしは麻梨”って自己紹介する方が

 しっくりくるようになるなー」


麻梨の皮を身に着けた男は、笑みを浮かべるー。


「ーーへへへ…おかえりご主人様♡

 ーーなんてな」


麻梨になった男は嬉しそうに立ち上がると

「今やこの身体の所有者は俺みたいなもんだからなぁ」

と、ニヤニヤしながら冷蔵庫の方に向かうー。


”冷蔵庫のお茶”ー


麻梨には、”寝る前にこのお茶を必ず数口飲む”という

行動パターンがあるー。

本人の記憶によれば”喉の乾燥を防ぐため”ということのようでー、

麻梨はこのお茶を”夜に寝る前だけ”必ず飲むー。


それを、麻梨を皮にして支配した際に知ったー。


そしてー

男はそれを利用しているー


「ーーククククー…」

このお茶の中に、軽く睡眠薬を混ぜてあるのだー。


そのため、男が”麻梨の身体に戻って来る”頃には

必ず麻梨は熟睡していて、

男が勝手に麻梨の部屋の合鍵を使っても、

麻梨が目覚めることはないー


「ーーーん???」

ふと、麻梨を支配した男は、机の上に置かれている紙に

気付いたー


”あなたは、誰?”


そんな”本来の麻梨”からのメッセージを見て、

支配されている麻梨はニヤァ…と、笑みを浮かべたー。


「ーーー……クククククー

 洋服の分際で生意気じゃねぇかー」


麻梨は邪悪な笑みを浮かべながらそう呟くとー、

その紙を見つめながら”どうしてやろうか”と、

ニヤニヤと考え込み始めるー


そしてーーーー

その紙に”返事”を書くと、

麻梨は笑いながら

「さぁ~て…そろそろ今週最初のお楽しみと行くか」と、

鏡の前に立って、嬉しそうに服を脱ぎ始めたー


見せ付けるかのようにー

色っぽく身体を動かしながら、

服を脱ぎ捨てていく麻梨ー


「へへへへー

 まさか”わたし”ストリップショーさせられてるなんて

 夢にも思ってないだろうなぁ~~ うふふふふ♡」


嬉々として、深夜の部屋で服を脱ぎ捨てた麻梨は

嬉しそうにー

そして、妖艶にー

不気味な笑みを浮かべたー



友達の佳穂とのメッセージのやり取りは

”麻梨の記憶をなぞって”いつも通りにー

会社でも麻梨として”いつも通りに”働く

麻梨を支配した男ー


”乗っ取った女に成りきっている”という状況にも

男は興奮したー。


”ねぇ、麻梨、どこか体調悪いところはない?”


水曜日の夜ー

佳穂が電話でそんなことを聞いてきたー。


「ーふふふ ないない~大丈夫ー

 土曜日になると、な~んか、最近精神的に落ち込むことが多くてー

 だから、土曜日にわたしが変なこと言い出したら

 また変なこと言ってる~!ぐらいに思っておいて」


麻梨はそう言うと、

佳穂は”何それ~?まぁー、1週間終わって疲れてる状態だから

仕方ないのかなぁ~”と、笑うー。


「ーーー…クククー」

麻梨は、笑みを浮かべると、

そのまま、残りの曜日も、表向きは普通に、裏では欲望を

満たし、金曜日の夜を迎えたー


ベッドに横たわりー

後頭部を乱暴に掴むと、引きはがすように

麻梨を脱ぎ捨てる男ー


麻梨の皮をベッドに放置してー

「さて…今週は銀行振り込みとかやっとかないとな」

と、”自分のやるべきこと”を思い出しながら

麻梨の家から外に出て行こうとするー


”皮の状態で、誰も着ずに5分放置すると人の状態に戻るー”


「ーー…ちょっと不便だがー

 まぁ、これはこれで面白れぇし…」


そう呟きながら”あなた、誰?”と書かれた紙に書いた

返事を見てニヤッと笑う男ー


男はー

”10月29日”と刻まれているスマホの画面を見つめると

笑みを浮かべながらそのまま立ち去って行ったー。



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


1週間、また1週間と進んでいってしまう状況…

麻梨本人からすれば、とっても不安ですネ~!


どうにかする方法はあるのかどうかは、

まだ今後のお楽しみデス~!


※毎週土曜日の更新(コンパクト枠)とは?

(いつもと同じ説明デス↓ 既に知ってる方は読まなくて大丈夫デス!!)

毎週土曜日(以前は火曜日でした!)は、

私が仕事の都合で書く時間を確保できないので、

本来更新は難しいのですが

皆様にご恩返しということで、他の6日間で毎日

少しずつ執筆して、土曜日にも、作品をお届けしています!

そのため、いつもより少し文章量が少ないため

毎週土曜日の作品は、100円プランでも読めるようにしてあります!

(※土曜日枠のお話は必ず完結まで100円プランで読めるようにします!

  途中から上がったりはしませんので、安心してください)

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