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ヘルメットを被った人物の正体を探る雫の兄・悠馬と

雫の彼氏・輝樹ー。


ヘルメットの人物こそが、妹の雫を洗脳した張本人ー。


裏社会の便利屋・玉城東吾と結託して、

雫を洗脳したその人物の正体を突き止めない限り、

雫を正気に戻すことはできないー。


そんな中、輝樹は悠馬の彼女である愛梨沙を疑い、

執拗に愛梨沙を追求するー。


だがー、半月ほど輝樹が愛梨沙を追求しても、相手に動きはなく

愛梨沙は落ち込むばかりー。


愛梨沙を疑っていた輝樹もヘルメットの女は愛梨沙ではないー

と、そう思いかけたその矢先だったー。


二人に襲い掛かってきたヘルメットの女のヘルメットが吹き飛ぶー。


そして、その下の素顔はー

悠馬の彼女である森永愛梨沙だったー…


★前回はこちら↓★

<MC>歪められた絆⑱~素顔~

雫を洗脳した”ヘルメットの人物”は誰なのかー。 その容疑者として、 雫の彼氏である九条輝樹は、 雫の兄・悠馬に相談した上で、 悠馬の彼女である森永 愛梨沙を徹底的に追及し始めるー。 玉城東吾は言ったー ”ヘルメットの女は森永愛梨沙である”とー。 そこに可能性がある限りー、と、 悠馬は心を痛めながら、輝樹の行...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


★主な登場人物★


・神里 悠馬(かみさと ゆうま)

大学生。妹の雫が豹変したことに困惑する。


・神里 雫(かみさと しずく)

高校生。兄の悠馬のことが大好き。少しイタズラっ子な一面も。


・森永 愛梨沙(もりなが ありさ)

大学生。悠馬の彼女。成績優秀な優等生。コスプレ趣味がある。


・藤嶋 亮介(ふじしま りょうすけ) 

大学生。高校時代からの親友。困った時には頼りになる存在。


・西園寺 美桜(さいおんじ みお)

高校生。妹・雫の親友。表裏が非常に激しい。


・九条 輝樹(くじょう てるき)

高校生。妹・雫の幼馴染で悠馬とも小さいころから面識がある。


・玉城 東吾(たまき とうご)

裏社会の便利屋。ヘルメットの人物と共に雫を洗脳した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーあ~~~~~ぁ、

 バ レ ち ゃ っ た ♡」


普段は見せない狂気的な笑みを浮かべる愛梨沙ー。


吹き飛ばされたばかりのヘルメットが

音を立てて廃墟地帯の地面に転がっているー。


「ーーーなんでだよーーー

 ーーーー愛梨沙ー」


悠馬が悔しそうにそう呟くー


妹の雫を洗脳したのが、

彼女の愛梨沙ー?


なんでー?

どうしてー?


「ーーーな ん で か な ァ~~~~???」

愛梨沙はそう叫ぶと、いつもとはまるで別人のように

ニヤニヤと笑いながら、悠馬のほうを見つめたー


「ーー…わたしじゃないよ…信じてー」


あの言葉もー

あの涙もー

全部、何もかも嘘だったというのかー


「ど、どうしてー…どうしてこんなことを!」

悠馬が叫ぶと、愛梨沙は風で揺れる髪を触りながら笑ったー


「ーー何でって?

 ふふふふー

 だって…ふふふ…あはははは…

 面白いんだもん!」


愛梨沙は目を見開きながら笑うー。


「ーーーーあ、愛梨沙ー…」

彼女の恐ろしい本性に呆然とすることしかできない悠馬ー


だが、すぐに悠馬は口を開くー。

雫を洗脳したのが、愛梨沙であったとしてもー…

とにかく、雫は助け出さなければならないー


「雫を…雫を元に戻してくれ!愛梨沙!」

悠馬がそう叫ぶー。


「ーーーーどうしよっかなぁ~???」

愛梨沙が馬鹿にしたような様子で悠馬のほうを横目で見つめるー。


「ーーーーー俺…俺、愛梨沙に何かしたかー?

 愛梨沙にこんなことされるようなことー…

 俺、愛梨沙にしたかな?」


涙目でそう言い放つ悠馬ー。

普段、人前で泣くようなタイプではないー


しかしー

”自分の彼女”がー、

小さい頃から仲良しでー中学校以外の学校は全て一緒だった

愛梨沙がー、妹の雫を洗脳したという事実は、

悠馬には耐え難い、残酷な現実だったー。


「ーーーいい… いいよー」

愛梨沙は震えながら悠馬のほうを見つめるー


「ーその顔…いいよ… 最高!」

愛梨沙は興奮した様子で悠馬のほうを見つめると、

嬉しそうに笑ったー


「ーー雫ちゃんのために必死に駆け回る悠馬の姿、

 ほんっとうに、見てて面白かったし最高だった!


 ふふふ

 どうだった?わたしのコスプレ!」


両手を広げながらライダースーツ姿の自分を

見せ付けるような仕草をする愛梨沙ー


「全然!気付かなかったでしょ?」


コスプレ趣味のある愛梨沙ー

学校でも学園祭に備えてメイド服を着てたこともあったし、

洗脳された雫を尾行する際にはOL姿に変装していたこともあったー


そんなー、愛梨沙の”趣味”ー

いや、”特技”とでも言うべきなのだろうかー。


それが、こんな最悪なことに生かされてしまうなんてー


「ーーー………どうしても、答えてくれないんだなー…」

悠馬は悲しそうに呟くー


こんなことをした理由もー

悠馬の何が気に入らないのかも、愛梨沙は答えてくれないー


腰に手を当てながら笑みを浮かべる愛梨沙に対して、

悠馬は膝を折って土下座をしたー。


「ーー?」

愛梨沙が少しだけ表情を歪めるー。


「ー俺のことが嫌いなら、それでもいいー

 何か理由があって、恨んでるなら、それでもいいー


 でもー

 でも、雫だけは、元に戻してやってくれー」


土下座をする悠馬ー。


廃墟地帯の地面に額を押し付けるようにして、

悠馬は「頼むー…頼むー」と必死に呟くー


「ーーーーーー…」

そんな様子を少し離れた場所で見つめる雫の彼氏・輝樹ー


”悠馬さんー…”


兄・悠馬のことを大好きな雫ー。

”彼女”が”兄”を大好きなことに嫉妬したこともあったー。


だが、こんな妹思いのお兄ちゃんならー…


輝樹はそんな風に思いながらため息をつくー。


「ーーー確かにー

 このアプリを使えばー」


愛梨沙はスマホを取り出すと

雫を洗脳するときに用いた”ダークアプリM"を起動して

悠馬の方に見せつけるー


「雫ちゃんを元に戻すこともできるー」

その言葉に、悠馬は「じ、じゃあー…!」と少しだけ

希望の表情を浮かべるー。


しかしー

愛梨沙は続けて、邪悪な笑みを浮かべたー


愛梨沙が今まで絶対に見えなかった、邪悪な笑みー。


「ーーーでもーーー

 ”自殺”させることもできちゃうー」


愛梨沙がニヤァ…と笑みを浮かべるー


「ーーー…!!!!」

悠馬と輝樹が驚くー。


思わず輝樹が声を上げようとするも、

それよりも先に、悠馬が怒りの叫び声を上げながら

愛梨沙に近付き、愛梨沙の腕を掴んだー


「ーーーーー愛梨沙!」

拳を震わせる悠馬ー


「ー彼女を殴るの?」

馬鹿にしたように笑う愛梨沙ー


「ーー…くっ……ぅ…愛梨沙ー……なんで…」

悔しそうに拳を震わせる悠馬ー


「ー悠馬は、女の子を殴るような人だったんだぁ~~???」

馬鹿にしたような口調の愛梨沙を前にー

悠馬は震えながら、拳を下におろそうとするー。


だがーーー


その時だったー


「ーー!」

拳を下ろした悠馬に代わりー、

後から近づいてきた雫の彼氏・輝樹が

愛梨沙の顔面に拳を叩きつけたー。


吹き飛ばされて地面に手をつく愛梨沙ー


もう片方の手で少し出血した唇のあたりを触りながら

輝樹を睨みつけるーー


「ーーーあんたー…ふざけんなよ!

 悠馬さんが、どれだけあんたのこと、大切にしてたか!」


輝樹が怒りの形相で叫ぶと、

愛梨沙は無言で輝樹を睨みつけるー


「ー俺があんたを調べたいって言った時も

 悠馬さんは本当に悲しそうだったし、

 ずっとずっとあんたのことを気にしてたー 


 なのにあんたはー

 そんな風に、悠馬さんをーー」


輝樹は怒りの言葉を口にすると、

さらに言葉を続けたー


「ー悠馬さんは優しいー。

 でもなーー

 俺は悠馬さんとは違うー


 悠馬さんがあんたを殴れないなら、

 俺があんたを殴ってやる!」


輝樹がそう叫びながら、愛梨沙に近付くー


「ま、待ってくれ!」

悠馬がそう叫ぶも、輝樹は愛梨沙の胸倉を掴んで

「雫を元に戻せ!」と、叫ぶー


愛梨沙はニヤニヤしながら輝樹のほうを見つめるとー

突然、輝樹の急所に強烈な蹴りを食らわせたー


「ぐっ…おっ!?」

輝樹が思わぬ不意打ちに苦しむ中、愛梨沙は笑いながら

ヘルメットを拾い、バイクの方に走っていくー。


「おい!!!愛梨沙!」

悠馬が思わず叫ぶー。


しかし、バイクにまたがった愛梨沙は、エンジンを掛けて

笑みを浮かべたー。


「ーーーわたしを追求しても、無駄ー

 ”徹底的に”何も知らないふりを貫き通してあげるー…


 ふふふふー

 学校で”わたしが慕われてるの”知ってるでしょー?


 悠馬もー

 あんたもー

 どんなに騒いでも無・駄ー!」


愛梨沙はそれだけ言うと、ヘルメットを被り、

さらに言葉を付け加えたー


「じゃあね悠馬ー

 また明日、大学で!


 あっはははははははは!」


それだけ叫ぶと、愛梨沙はバイクを容赦なく走らせて

そのまま走り去ってしまったー


「愛梨沙!!!!!!!!!」

悠馬が悔しそうに叫ぶー。


だがー

悠馬も、輝樹も何もすることができないままー

愛梨沙を取り逃がしてしまったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


帰宅した悠馬は、呆然とした表情を浮かべていたー。


あらゆる感情が噴き出してくるー。


なぜ、愛梨沙がー?


「ーーわたしもー

 悠馬の力になれるようにこれからも頑張るーー」


愛梨沙の笑顔を思い出すー


あれも、全部、嘘ー?


何でー?


そんな風に思っていると、

妹の雫が部屋から出て来たー。


相変わらず、悠馬を睨みつける雫ー。


妹の雫に睨まれてー

彼女の愛梨沙に睨まれてー


心が、砕けそうになるー。


けどー


雫を洗脳したのが愛梨沙でも、

悠馬のすべきことは、変わらないー。


「ーーーあんた、馬鹿でしょ」

ふと、雫がそんな言葉を呟いたー。


「ーえ…」

悠馬が顔を上げると、雫が少しだけ複雑そうな

表情を浮かべて悠馬のほうを見つめているー。


「ー自分のことを嫌う妹をそんな、ボロボロになるまで

 助けようとするなんて、頭、おかしいんじゃない?」


雫の、きつくー、無情な言葉ー。


「ーーー…どんなに嫌われてたってー

 俺にとってはたった一人の妹だからー」


悠馬がそれだけ言うと、

雫は「チッ」と舌打ちをするー。


こうしてー

”声を掛けて来てくれる”のは、何故なのだろうかー。


雫本人の意識が、”ほんの少しだけ”でも残っていてー

言葉は最悪だけれどもー”心配”してくれているのだろうかー。


「ーーそれにー

 今の雫の言葉は”本心”じゃないのはー

 俺が一番よく分かってるからー」


悠馬が悲しそうにそう言い放つと、雫は「は?」と

うんざりした様子で悠馬を見つめるー。


「ーー何それ?

 まさか、わたしが本当は”お兄ちゃん大好き!”とか

 思ってるとでも言いたいの?」


雫が腕組みをしながら悠馬を睨みつけるー。


「ーーー…そうだよー俺は、そう信じてる」

悠馬は真っすぐな視線を雫の方に送るー。


そんな悠馬を見てー

雫は笑い出したー


「あはははははははっ!

 妄想ヤバすぎでしょ!?


 妹に”お兄ちゃん大好き”って思われてるって

 信じてるなんてー

 ヤバくない?


 マジでキモイー」


雫の言葉に、悠馬は”洗脳されている”と分かっていても、

心にガラスを突き立てられたかのような、

そんな痛みを感じるー


”でもーー…大分、慣れたー”

悠馬は心の中でそんな風に思いながらー


「ーーーーーその手ー」

と、雫のあることに気付いて、それを指摘するー


悠馬にキツイことを言うたびに、雫の手が小刻みに

震えているー

そんなことに、悠馬は気づいたー


どんなに強い洗脳であろうともー

”神里雫”を完全に支配することなんてできないー


悠馬はそう確信して叫ぶー。


「ーーーさっきからどうして、その手が震えているんだ!?」

悠馬がそう言うと、

雫は瞳を震わせながら「う…う…うるさいんだよ!!!」と、

乱暴な口調で叫んで、そのまま怒りの形相で階段を下りていくー


「ー雫ー…

 雫も、必死で戦ってるんだよなー」


悠馬はそう呟くと、拳をぎゅっと握りしめるー。


彼女の愛梨沙が黒幕だったからと言って、

立ち止まるわけにはいかないー。

愛梨沙にも、何か理由があるのかもしれないー。

とにかく、全てを明らかにした上で、雫を、元に戻すー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


同時刻ー


「ーーえぇ、えぇーもちろんー

 その件は順調ですよー」


オールバックの髪型にトレンチコートー

裏社会の便利屋”玉城 東吾”が、

スマホを手に、何者かと話をしているー。


「ーーーククククー

 そう心配するなー

 俺を誰だと思ってる?」


玉城東吾はそう呟くと、笑みを浮かべながら

「ーえぇ、ではまたー…村瀬教授ー」と、呟きながら

電話を切ったー


村瀬教授ー。

悠馬らの大学の教授で、

高圧的な言動が目立つ故に、生徒たちからは嫌われているー。

以前、玉城東吾を調べていた悠馬たちに対して

”圧力”とも取れる発言をしているものの、

その真意も、この件との関係も、悠馬たちからすれば

まだ分かっていないー。


「ーーーーー」

玉城東吾は、村瀬教授との会話を終えると、静かに座っていた

イスから立ち上がり、笑みを浮かべるー。


「ーーそろそろ、神里悠馬たちは、あの女の正体に

 気づいたころかー?」


玉城東吾は意味深な笑みを浮かべると

「ーまだまだ例の件も楽しめそうだなー」と、

満足そうに呟いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


「ーーマ…マジなのかー…?」


朝早くー、大学で親友の亮介に

”雫を洗脳したのは愛梨沙だった”ことを伝えるー。


愛梨沙が黒幕だった以上、

悠馬にとってこの件を共有している信頼できる仲間は、

雫の彼氏である九条輝樹と、

親友であるこの藤嶋亮介しかいないー


「ーい、いや、待ってくれー

 な、何かの間違いじゃねぇのか?」


亮介が困惑の表情を浮かべるー。


亮介とは高校時代からの付き合いー。

愛梨沙も同じ高校出身で、亮介も愛梨沙のことは良く知っているー。


「ーー…いやー………確かに愛梨沙だったー」

悠馬がそう言うと、

亮介は「ーーな…なんだよそれー…」と首を横に振るー


「ーお前に取って、絶望の大盛りみたいな状況じゃねぇか…」

亮介は困惑しながらも冗談を口にすると、

悠馬は、自虐的にーそして寂しそうに少しだけ笑ったー


「ーー…いやいやいやー…

 もし俺がお前の立場でー…

 倫子ちゃんが、黒幕だった、なんてことになったら

 俺、10年ぐらい寝込むぜ?」


別の大学に通う彼女・倫子のことを口にすると、

悠馬は少しだけ笑って「それ永眠だろ」と

冗談を口にするー。


「ーーー…無理、してないか?」

亮介は、悠馬が思ったより落ち込んでないような気がして

心配そうにそう呟くー。


「ーー……大丈夫ー…もう、慣れたよー

 何が起きても驚かないー」

悠馬がそれだけ言うと、

亮介は少しだけ戸惑いの表情を浮かべるー。


だがーー

その時だったー


「ーー!?」

悠馬が驚きの表情を浮かべるー


愛梨沙がーー

”平然と”大学にやってきたのだー


「ーーあ、愛梨沙ー…!」

悠馬が愛梨沙に向かって歩いていき、声を掛けると、

愛梨沙はいつものように微笑みながら

「あ、悠馬、おはよ~!」と、平然と挨拶をしたー


「ーー…お、おはようー…ってーー

 …き、昨日のー!」

悠馬が困惑の表情で愛梨沙にそう言い放つと、

愛梨沙は「昨日の?何のこと?」と、笑みを浮かべるー。


「ーーーわたしを追求しても、無駄ー

 ”徹底的に”何も知らないふりを貫き通してあげるー…


 ふふふふー

 学校で”わたしが慕われてるの”知ってるでしょー?」


そういうことかー

と、悠馬は表情を歪めるー


「ーーーそうやって、誤魔化すつもりなのかー?」

悠馬が悲しそうにそう言い放つと、

愛梨沙は少しだけ表情を歪めたー


「ーー…何のこと?」

とー。


あくまで答えるつもりはないらしいー


「ーー愛梨沙が何を考えてようとー…

 俺は絶対に雫を助け出すからー…」


悠馬が悲しそうにそれだけ言うと

愛梨沙は「どうしたの??」と、半笑いで、首を傾げるー


「ーーーーー…ゆ、悠馬!」

愛梨沙が雫を洗脳したと聞かされたばかりの亮介も

流石に困惑しているのか、悠馬に声を掛けて

悠馬を手招きするー


愛梨沙は、困惑した表情を浮かべながら

「ーじゃあ、悠馬ー…わたし、少し用事があるから

 先に行くね?」と言いながら立ち去っていくー。


「ーーー……ホントに、ホントに、愛梨沙ちゃんなんだな?」

亮介が再確認するー


今の愛梨沙の振る舞いー

亮介ですら、悠馬の言葉を疑うような言葉を発したことに

悠馬は強い不安を感じてしまうー。


「ーー…嘘じゃないー…昨日、本当にー

 雫の彼氏も、俺と一緒にいたし、間違いなく愛梨沙はそう言ったー」


悠馬がそう言うと、亮介は戸惑いながらも、

「ーお前がそう言うなら、信じるけどさー…」と、

悠馬を信じる言葉を口にするー


「ーーあの調子じゃーーー

 ”誰も信じてくれない”ぜー…?」


亮介は困惑した表情で悠馬にそう忠告したー。


”愛梨沙が表向きはいつも通り”

振る舞い続けているとなるとー

仮に悠馬がどんなに騒いだとしてもーーー

”悠馬がおかしなことを言っている”扱いされてしまうかもしれないー


「ーーーー…」

悠馬は愛梨沙の後ろ姿を見つめながら、

只々困惑した表情を浮かべることしかできなかったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”悠馬さんー 大丈夫ですか?”


”ーーー…あぁ……

 ーーーー今日は一旦帰るよー”


昨夜ー

悠馬と別れた時のことを思い出す

雫の彼氏・輝樹ー。


「ーーーー…悠馬さんもショックだろうなー…」


輝樹は一人、そう呟くー。

もしもー…もしも、自分が悠馬の立場だったら

やはり、相当なショックを受けるだろうー


だがーー


「ーーーーーーーーー…」

輝樹は鋭い目つきで、何かを考えながら

スマホを手に、”洗脳された雫”の写真を見つめてー

少しだけ表情を歪めたー



⑳へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


まだ明らかになっていないことが色々と…☆

そう遠くないうちに、もっと色々なことが明らかになっていきますが、

まだ詳しいことは言えません~★


私からネタバレしないようにお口にチャックデス…★


今日もありがとうございました~!

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