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雫を洗脳した”ヘルメットの人物”

その正体も、本当の目的も分からないままー、

時間ばかりが過ぎていくー。

焦りを感じつつも、どうすることもできない状況に

歯がゆさを感じる雫の兄・悠馬ー。


しかし、そんな中、雫の彼氏である九条輝樹を洗脳しようと

ヘルメットの人物が夜道で九条輝樹を襲撃したー。


が、輝樹はそのヘルメットの人物を撃退、無事に洗脳を

免れたのだったー。


そしてーー

ヘルメットの人物と対峙した際に、輝樹はあることに気付き、

そのことを彼女である雫の兄・悠馬にも伝えたー。


「ーーあのヘルメット被ったやつーーーー

 ”女”でしたー」


とー。


★前回はこちら↓★

<MC>歪められた絆⑭~襲撃~

妹の雫を洗脳した謎の人物はー ”お前に会ったことがある”と、悠馬に言い放ったー。 戸惑う悠馬ー しかし、悠馬は彼女の愛梨沙からの励ましの言葉を受けて立ち直るー。 そんな中、雫の彼氏である九条輝樹は、 雫と、雫の親友・西園寺美桜の対立が深まっている状況を見かねて、 美桜を呼び出し、雫に代わって謝罪の言葉を...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


★主な登場人物★


・神里 悠馬(かみさと ゆうま)

大学生。妹の雫が豹変したことに困惑する。


・神里 雫(かみさと しずく)

高校生。兄の悠馬のことが大好き。少しイタズラっ子な一面も。


・森永 愛梨沙(もりなが ありさ)

大学生。悠馬の彼女。成績優秀な優等生。コスプレ趣味がある。


・藤嶋 亮介(ふじしま りょうすけ) 

大学生。高校時代からの親友。困った時には頼りになる存在。


・西園寺 美桜(さいおんじ みお)

高校生。妹・雫の親友。表裏が非常に激しい。


・九条 輝樹(くじょう てるき)

高校生。妹・雫の幼馴染で悠馬とも小さいころから面識がある。


・玉城 東吾(たまき とうご)

裏社会の便利屋。ヘルメットの人物と共に雫を洗脳した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


”あれは女ですねー”


妹・雫の彼氏である九条輝樹から聞かされた言葉を思い出しながら、

悠馬は険しい表情を浮かべるー


「女ー……」

玉城東吾に”依頼”をし、雫を洗脳した張本人である

ヘルメットの人物ー


それが、輝樹の言う通り、本当に女なのだとすればー…


「ーーー!」

自分の部屋から出た悠馬は、ばったりと廊下で雫と出くわすー。


「ーーーーーチッ」

雫が不愉快そうに舌打ちをするー。


”こんな振る舞いをさせられている”雫を見るたびに、

悠馬の心は傷んでいくー。


でも、それでもー

一番つらい思いをしているのは雫本人だー。


雫はいつも明るくー

いつも楽しそうに笑っているー

そんな子だったー。


洗脳される前まで、ずっと、そうだったー。


”顔は同じー”

”声も同じー”

もちろん”身体も同じー”


それなのに、振る舞いは、まるで”別人”ー


「ー何見てんの?うざいんだけど」

雫が低い声でそう言い放つー。


「ーーー…ごめん」

悠馬は雫に頭を下げてそのまますれ違おうとするー。


今の雫に言葉は届かないー。


ーとにかく、今はーなんとかしてー


「ーーーー…あんただってー

 わたしみたいなやつが妹で、ウザいって思ってるんでしょ?」


背を向けたまま雫が呟くー。


悠馬は立ち止まって、振り返ると、

背を向けたままの雫に「そんなことないー」と、即答すると、

「俺は雫のことをウザいって思ったことなんて一度もないー」と、

力強く言い放ったー


「ー出た!そういう偽善者!マジでうざい!」

雫はそう言い放ちながら振り返ると、

「死ねよ」と、冷たい口調で悠馬に言い放ったー


”妹に、”死ね”と言われるー”


悠馬にとって、これほどショックなことはなかったー。


いつもそういうことを言い合う兄と妹であれば、

そんな風には感じないかもしれないー。


けど、本体の雫はそんなことを言う人間では、断じてないー。


そんな雫に”死ねよ”と面と向かって言われるのはー

”洗脳されている”と分かっていても、つらいー。


そして、雫にそんなことを言わせてしまっているという

現実も、辛いー。


「ーー雫ー」

悠馬が悲しそうに雫のほうを見つめると、

「ーー何その顔?」と、雫は不愉快そうに呟くー。


「ーあ~~~あ…

 ”お兄ちゃん”が死んでくれればわたし、

 嬉しいのになぁ~~~」


まるで”いつもの雫”かのように、

明るい口調で”あえて”そう言い放ってくる雫ー。


「ーーあはは!ホント、笑えるー

 バカみたいー」


雫はそれだけ言うと、そのまま自分の部屋に

戻って行ってしまったー。


拳を握りしめる悠馬ー。


怒りはー”雫”に対してではないー。

何の目的かは知らないー。


だがー。

雫を洗脳し、こんな目に遭わせている

あのヘルメットの人物ー

男だか、女だか知らないがー、

とにかくー…絶対に許さないー…!


そう思いながら1階に降りる悠馬ー


母・裕子が指に絆創膏を付けているのが目に入りー

悠馬は「あれ?母さん大丈夫?」と声を掛けるー。


「ーーえ?あ、うんー

 これねー

 今朝、ご飯作ってる時に怪我しちゃって」


裕子はそう言うと、少しだけ自虐的に笑うー。


「ーーわたし…雫の育て方、何か間違ったのかしらー」

悲しそうに呟く裕子ー。


「ーーーー今の雫に、どう接したらいいか、分からないのー

 今まで悠馬も、雫も”いい子”だったから、

 いざ、こんな風になってみるとー……ね。


 こんなんじゃ、ダメな親なのは分かってるけどー」


母・裕子はため息をつきながら呟くー。


母・裕子も父・茂雄も悠馬から見て”とても良い両親”だー。

尊敬できる部分もたくさんあるー。


けれど、悠馬も、雫も”良い子”に育ったためー

こういう”トラブル”は今まで経験したことがなかったー。


だからだろうかー。

母の裕子も、父の茂雄も、突然の雫の豹変に、

対応しきれずにいたー。


「ーーー…母さんは、間違ってないよー」

悠馬は、そんな母・裕子に対して言い放つー


「ーー母さんも、父さんもー、

 何も間違ってないー。

 俺からすれば、そのー……ほら、ちょっと恥ずかしいけどー

 最高の両親だよー」


悠馬が照れくさそうに言うと、

裕子も苦笑いしながら悠馬のほうを見つめるー


「ー雫だってきっとそうさー」

2階のほうを見つめながら呟く悠馬ー。


「ーーーー………母さんー」

悠馬は、改めて母・裕子のほうを見つめると

「俺と、雫を信じてー」と、力強く言い放つー。


”洗脳”のことを言えば、

両親は必ず動くー。


でも、その結果ー……

両親まで巻き込まれることになればー


いやー…

”言わなくても”巻き込まれるかもしれないー。


”どっちが正解”なのかは分からないー。


ただーー

今はまだー、言わないー。


悠馬は、そう心に決めていたー。


”相手の狙いは、俺か雫ー

 多分、そのどっちかだー……”


悠馬は、ヘルメットの人物の姿を思い浮かべながら、

”明日、もう一度あの店に行ってみるかー”と、

玉城東吾が定期的に出入りしているバー、

”スターダスト・イリュージョン”に再び向かうことを

決意するのだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


夜の闇に紛れながら

オールバックの髪型にトレンチコートを揺らしながら

”裏社会の便利屋”玉城東吾がやって来るー。


「ーーー次の”依頼”かー?」

玉城東吾が笑みを浮かべながら言うと、

先に待ち構えていたヘルメットの人物が玉城東吾のほうを

見つめながらいつものような加工された音声で答えたー。


「ーーー依頼はもうないー」

とー。


「ーーもうない?」

玉城東吾が少し表情を変えながらそう言うと、

「ーー計画は”次”のステップに進むー

 神里悠馬、奴を苦しめるためにー」と、だけ

ヘルメットの人物は呟いたー


「ーーこの先はお前一人でやるってことか?」

玉城東吾がそう言うと、

ヘルメットの人物は頷き、玉城東吾に、

残りの報酬を手渡したー。


「ー”報酬”はこれで全て支払ったー

 問題はないはずだが?」

と、呟くー。


玉城東吾は笑みを浮かべながら封筒の中身を確認すると

「確かにー」と、頷き、

そのまま立ち去ろうとしたー。


だがーーー


「ーーーー」

少しして立ち止まると玉城東吾は笑みを浮かべたー


”人を洗脳するー”

こんな面白い出来事に、

今まで裏社会で数々の”仕事”をこなしてきた

玉城東吾でも、出会ったことはなかったー。


あんなに”お兄ちゃん”と言っていた神里雫がー、

文字通り”豹変”したー


これほど楽しいことは、ないー。


こんなに楽しい”最高の舞台”から、途中で降りるー?


「ーーーーククー…それは、勿体ないだろー…」

静かに呟いた玉城東吾は振り返り、

ヘルメットの人物のほうを見つめたー。


「ーなぁ、あんたー」

玉城東吾が軽い口調で、ヘルメットの人物を指さすー。


「ーーまだ何か用か?」

ヘルメットの人物がそう呟くと、玉城東吾は静かに呟いたー


「ーーーあんたーー

 そのヘルメットの下の素顔ー

 実は”美人”さんだったりするのか?」


ニヤニヤしながらそう言う玉城東吾に、

ヘルメットの人物は動じることなく「余計な詮索は無用だと

言ったはずだ」と淡々と答えるー。


「ーあぁ、覚えてるさー

 でもー、それは”契約”の最中だけー。


 もう、”依頼”は終わったんだー。

 あんたの指示を聞く道理はない、だろ?」


だがー、その言葉にも

ヘルメットの人物は動じる様子を見せないー。


「ーーー」

玉城東吾はニヤッと笑みを浮かべると、

そのままヘルメットの人物に近付いていきー、

その腕を掴むー


「ーーー最初は俺もあんたのこと、男だと思ってたよー

 けどよー、何度か会ううちに気付いたー。

 あんた、女だろ?


 女なのに怖えこと考えるよなぁ…

 俺もこうー ほら、ブルっちまってよぉ」


玉城東吾はふざけた調子でそう言うと、

ヘルメットの人物が、突然、玉城東吾の腕を振り払い、

その顔面に蹴りを食らわせようとしたー。


しかし、素早い身のこなしで玉城東吾はその蹴りを

手で受け止めるー。


「ーひゅぅっ!おっかねぇ女だなー!

 でも好きだぜ、そういうのー!」


玉城東吾はそう言うと、

「ますます顔を見たくなっちまった」と、

笑いながらヘルメットの人物に襲い掛かるー。


だが、ヘルメットの人物もなかなかの身のこなしで、

玉城東吾に応戦するー


「ーなかなかいい動きじゃないかー」


そう呟きながらも、玉城東吾は

”その動き”を目を細めて見つめるー


”嫌らしい目つき”ではなくーーー

”裏社会を生き抜いてきた男の鋭い”洞察”の目ー”


「ーーー(こいつーーー)」


そう思っているうちに、ヘルメットの人物がバイクに乗って

逃亡しようとするー。


しかし、玉城東吾はその隙を見逃さなかったー。


「ーーへへへー 

 俺を誰だと思ってるんだ?


 こんな軽い調子でもー

 ”裏社会の便利屋”の異名を持つー

 玉城東吾様なんだぜ?」


そう言うとー

東吾は、ヘルメットの人物のヘルメットを思いきり、

弾き飛ばしたー


ヘルメットが、音を立てて地面に落下するー


そしてーーーー

ばさっ、と髪が揺れーーー

玉城東吾の読み通りー…

雫の彼氏、九条輝樹が言っていた通りー…

”ヘルメットの下”からはー

女の顔が現れたー


冷たいー

”何も映っていないー”

そんな、絶望の瞳ー


いやー

玉城東吾が驚いたのはそれだけではなかったー


「ーーーお前ーーー」


その”正体”に、呆然とする玉城東吾ー


そうこうしているうちに、その女は、バイクに乗り、

そのまま走り去って行ってしまうー。


「ーーーーへぇ」

一人残された玉城東吾は壁に寄りかかると、

煙草に火をつけてから、静かに笑みを浮かべたー


「ーこれはこれはーー面白れぇネタを掴んだぜー」


とー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


高校にやってきた雫は

明らかに不機嫌そうな態度で廊下を歩いていたー


「ーーー」

そんな雫の前から、担任教師である弓原がやって来るー。


若い女性教師の弓原先生は、

優しく、生徒たちからの人気もあるものの、

その若さゆえか、少しヒステリックな一面があったー。


「ーーー神里さんー…あなた、まだそんな態度を取っているの?」


露骨に不機嫌そうな雫に絡む弓原先生ー。


先日、雫を一度停学処分にした際にも、弓原先生は

雫の態度に激高していたー。


「ーーーそんな態度ー? 別に、ただ廊下を歩いていただけですけど」

雫が愛想なく言うー。


弓原先生は少しカチンとして、雫の腕を掴むと、

「そういう態度!いい加減になさい!」と言い放つー


だがー

雫は”凍り付くような冷たい目”で、弓原先生を見つめると、

「ー何か文句あんの?」とー

脅すような口調で言い放ったー


「ーーーーっっ!!!」

雫の”あまりに冷たい目”に、恐怖を感じた弓原先生は、

思わず雫の手を放し、その場に立ち尽くしたー。



「ーーーーーー」

そんな様子を廊下の物陰から見ていた雫の親友ー

西園寺美桜は、少しだけ表情を歪めると、

「雫ー…」と、不満そうに呟いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーー女?マジかよー」


昼休みー

大学の食堂で、亮介、愛梨沙、そして亮介の親友・我妻達也の

三人と、雫の件について話し合うー。


「ーていうか何で俺もいつもここにいるんだー…?」

特に雫の件に深く関わっていない

達也は、亮介の親友、というだけでいつも雫の件の

話し合いに参加していることが多いー。


そのことを苦笑いしながら、首を傾げると、

亮介は「ーんー…確かに」と、笑いながら達也の肩を叩くー。


「雫ちゃんを洗脳したのが、女の人って本当なの?」

悠馬の彼女・愛梨沙が話を本題に戻すー。


「ー雫の彼氏の九条くんがそう言ってたしー

 まぁー…愛想はないやつだけど、嘘はつかないと思うからー

 間違いないと思う」

と、悠馬は頷くー。


だがー、相手は以前、雫を通じて話しかけて来た際に

”一人称をコロコロ変える”などしてその正体が

バレないようにするほど、慎重な人物だったー


輝樹は”胸”で女だと判断したようだったがー

果たしてそれもーーー”本物の胸”なのかどうかー。


「ーーーお前、女の子に何か恨まれるようなことでもしたのかよ~?」

亮介が揶揄う様にして言うと、

悠馬は「い、いやー…してないと思うけどー」と、困惑するー


「あ、あれじゃね!ほら、後輩の田内さん!

 ”実はわたし、先輩のことが好きだったんですぅ!”みたいなー」


亮介が、この前、悠馬と廊下で話していた後輩の女子、

田内 純恋のことを話題に出すと、

「そんなまさかー」と、悠馬が苦笑いするー。


「ーもう!いつも馬鹿なことばっかり言わないの!

 悠馬を困らせちゃだめ!」

愛梨沙がぺしっ!と亮介の手を叩くと、

「愛梨沙ちゃん、ホントに俺にだけ当たりがきついなぁ」と、笑うー。


「ーーーあ、実は愛梨沙ちゃんだったりして!」

亮介が笑いながら愛梨沙を指さすと

「わたしが悠馬を傷つけるとか死んでもあり得ないよ!」と

愛梨沙はすぐに反論するー。


「ーーそんなこと言い出したらお前の彼女の

 倫子ちゃんだって怪しくなるし、

 疑い出したらキリないだろ」


隣にいた我妻達也が、ボソッとそう呟くと、

亮介が「俺の倫子ちゃんを容疑者にするな~!」と、

達也に絡み始めるー。 


少ししてから亮介は真剣な表情に戻ると

「まぁー…でも、実際、心当たりはないってことだよな?」と、

確認すると、悠馬は静かに頷くー。


「ーーー…今日、また、例のバーに行ってみようと思うんだー」

悠馬が言うと、愛梨沙が「玉城って人がいるところ?」と、呟くー。


「ああ。まぁ…いるか分かんないけど

 手がかりは今、あの店しかないからなー」


悠馬の言葉に、愛梨沙は心配そうに「わたしも行こうかー?」と、

悠馬に提案するー。


だがー、悠馬は首を横に振るー。


「大丈夫ー、いざとなったら店の外に飛び出すしー、

 それに、愛梨沙を危険な目に遭わすことはできないよ」


悠馬がそう言うと、愛梨沙は心底心配そうに

「ー絶対…無理しちゃだめだよ?」と、悠馬にくぎを刺すー。


「ーーもちろん」

悠馬の言葉に、愛梨沙は心配そうにしながらも頷くー。


亮介も達也もそんな二人を見て、少しだけ心配そうな表情を浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


夜ー


悠馬は再び”スターダスト・イリュージョン”に向かっていたー。


玉城東吾と会えるかは分からないー。


だが、ヘルメットの人物も、ヘルメットの人物に

雇われている玉城東吾も、普段、どこにいるのかは分からないし

居場所に関する手がかりはないー。


唯一分かるのは

玉城東吾が定期的にこの店に出入りをしているー

と、いうことだけだー。


「ーーーーー」

玉城東吾が不在でも、玉城と親しげにしていたバーのマスター・井上が

ここにはいるー。


少しでも話を聞くことができるはずだー。


”CLOSED”


バー・スターダストイリュージョンの扉には

そんな札が掛けられていたー。


だが、店内の明りはついているー。


「ーー」

悠馬は少し迷ったものの、扉をノックするー。


しかし、返事はなくー

店内から物音もしないー。


”今日は引き返すか?”と、一瞬思ったものの、

雫のことを思い浮かべながら

悠馬は扉を開いたー


”早く、雫を助けてあげないとー”


扉には鍵はかかっていなかったー。


だがーーー


扉を開いた直後、悠馬は思わず悲鳴を

漏らしそうになったー。


「ーーーな…  な…なんだ…これ…!?」

呆然としながら店内のー

”それ”を見つめる悠馬ー


バーのマスター・井上が客席の一つに座っているー。


「ーーー…~~~…!」

声を失う悠馬ー。


何故ならー

客席に座っている井上は、自分に包丁を突き立てて血を流しー

絶命していたからだー


「ーーー…く、くそー…な、なんだよ…これー」

青ざめながら悠馬がスマホを手に、警察と救急車を呼ぼうとするとー


バーの入口の扉が再び開いたー


「ーー!」

スマホを持っていた悠馬とー

店にやってきた玉城東吾の目が合うー。


「ーーーーー!!!!」

悠馬が驚いて目を見開いていると、

玉城東吾は「ーうぉ…」と、井上の遺体を見て少しだけ驚くと、

悠馬を見て「ーお前がやったのか?」と、静かに呟いたー



⑯へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


今月最初の長編でした~!☆

だんだんと色々なことが分かって来る段階に…☆!


怪しい人が多いと困ってしまいますネ~笑


続きはまた次回デス~!

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