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憑依に入れ替わりに皮に女体化に変身ー…

あらゆるTSFジャンルを”現実”のものとすべく、研究を続けていた

TSF研究センター。


しかし、5人の研究員のうちの一人が、突如としてその独占を目論み暴走ー、

3人の研究員が葬られてしまうー。


所長であり、研究者の一人でもある葛西所長は、

暴走した女性研究員・東 美弥子の研究室にたどり着くもー…?


☆前回はこちら↓☆

<TSF>TSF研究センター②~独占の夢~

憑依に入れ替わりに女体化にー… あらゆるTSFな夢を実現させるために日夜研究を続けていた TSF研究センター。 ある日ー、いつものように 5人の研究員たちがそれぞれの分野の研究を進める中、 突然、研究所内が停電に見舞われるー。 異変を感じた葛西所長は、他の研究員たちの安否を確認しようと、 真っ暗の研究所の中を進...

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”入れ替わり”を担当していた宮藤奈々は、

昆虫と身体を入れ替えられてしまい、再起不能の状態になっていたー


”皮”を担当していた戸川駿介は、

紙のような状態にされて、画鋲で壁に打ち付けられていたー。


”憑依”を担当していた酒井田剛は、

”抜け殻”のようになって倒れ込んでいたー。


そしてー

今、”女体化と男体化”を担当している葛西所長は、

残る一人ー”変身”を担当していた東 美弥子の研究スペースの

入口にたどり着いていたー


”ふふふふふー

 わたしの研究室へようこそ~~~~!”


ふざけた口調の美弥子の声が館内放送を通じて聞こえてくるー。


いつも、研究以外に全く興味を示さず、無口だった美弥子の

別人のような振る舞いに、

葛西所長は強い違和感を抱きながらも、

そのまま研究室の扉を開くー。


この研究施設から、研究に関わるものを持ちだすためには

葛西所長の持つマスターキーが必要だー。


TSF研究センターでの研究成果独占を狙う美弥子は、

それを手に入れるために、葛西所長を最後まで

残しておいたのだろうー。


最初に葛西所長を襲撃して、カブトムシと入れ替えたり、

紙にしたり、抜け殻にしたりしてしまえば、

マスターキーの場所が分からず、”研究成果の独占”という

美弥子の野望は失敗に終わるー。


だからこそー

こうして”孤立状態”で葛西所長を残したのだー。


「ーー所長!いらっしゃい!ふふふふ♡」

美弥子が乱れた髪を揺らしながらニヤリと笑みを浮かべるー。


白衣も少し乱れているように見えるー。


普段から、髪型には無頓着な感じの美弥子だったがー

それにしては、髪が少し乱れすぎている気もするー。


「ーーー東くんー。どうして、こんなことをー」

葛西所長がそう尋ねるー。


美弥子は笑いながら

「ふふふふふふふふぅ~ 

 この研究所で研究している夢の技術を独占すればー、

 何だってできるじゃないですかぁ~」と、

笑みを浮かべるー。


「ー誰かの身体に憑依して好き放題したりー

 誰かの身体を入れ替えたりー

 気に入らないやつを皮にして抹殺したりー

 男にしたり、女にしたりー

 他人に変装して、侵入したりもできますよね?


 こ~んな夢の技術を前にしたら

 わたし、興奮しちゃいますよぉ♡」


美弥子が狂ったように笑うー。


「ーふざけるなー…!

 ここで研究している技術は悪用するためじゃないー


 そもそも、オーナーの飛田さんの意思も確認せずに

 そんな勝手なことー」


葛西所長の言葉に、美弥子は指をチッチッチッ、と

振りながら笑うとー、

「ーーそういう綺麗ごとは結構ですー。

 早くわたしにマスターキーをください」と、

手を差し出すー。


「ー渡すと思うか?」

葛西所長がそう言うと、

美弥子は「うふっ…♡」と、大げさに笑うー。


「ーーですよねぇ~!そう言うと思いましたよー

 でもー!

 力ずくでも貰いますからー…!」


美弥子はそれだけ言うとー、

突然、素手で襲い掛かってきたー


「ーー!」

容赦なく拳を壁に叩きつける美弥子ー。


「ーおい!東くん!!こんなことをして何になる!?」

葛西所長は必死に叫びながら

美弥子の攻撃を回避するー。


葛西所長に避けられた美弥子の拳は、そのまま棚の

ガラス窓に直撃するー。


ガラスが割れて、そのガラスで美弥子の手から

血が流れるー。


しかし、そんなこともお構いなしに美弥子が

ペロリと指を舐めると、

「ーーー…全部…全部欲しいんですよーわたしはァ…」と、

不気味な笑みを浮かべたー。


「ーーーーーーー…」

葛西所長は、そんな美弥子のほうを見つめながら、

強い違和感を感じるー


東 美弥子は、確かに自分の研究に没頭していて、

周囲のことなど、何の興味もない感じだったー。


恐らくは”隣で葛西所長が心臓発作を起こした”としても、

美弥子は平然とした顔でそのまま研究を続けただろうー。


だからこそ、他の研究員たちを葬ってでも、

全ての成果を自分のものにしようとする可能性は

十分にあるー…


しかしーー


「ーーーマスターキーを早く出しなっ!!!」

美弥子が血濡れた手を振りかざし、なおも葛西所長に

襲い掛かるー。


葛西所長はお世辞にも肉体派ではないー。

こういう荒事には慣れていないー。


だがー

華奢な美弥子は、葛西所長でもなんとか抑え込むことができるー


「ーーーくっ!」

葛西所長が美弥子の拳を掴むー。


拳を掴まれた美弥子は驚いたような表情を浮かべながらも

笑みを浮かべるー。


「ーーー君は、本当に東くんなのか?」

葛西所長が今一度確認するー。


「ーまァ、でも俺ァー、

 今は美弥子ちゃんに憑依したいんですけどねぇ」


憑依担当の”酒井田 剛”の言葉を思い出すー。


酒井田研究員は、自分の研究室で”抜け殻”のような状態に

なっていたー。

”憑依薬を研究していた酒井田 剛”への皮肉を込めた方法で

始末された可能性も当然あるがー、

一方で、剛が、”有言実行”した可能性もあるー


つまり、剛が美弥子に憑依した可能性だー。


「ーーー…ククク…ククククククーーー…

 まァー、気づきますよねぇ…!所長!」


美弥子は”そろそろいいでしょう”と、呟くとー

葛西所長を振り払って、白衣を自分の手から流れる血で

汚しながら笑みを浮かべたー


そしてー

美弥子の研究室の奥から、一人の人間が姿を現したー。


「ーーー新渡戸くんー…?」

葛西所長がそう呟くー


「クククー」

設備保全スタッフの新渡戸ー。

研究施設全体が停電した際に、葛西所長の研究スペースにいた男だー。


「ーーき、君がー…?」

それだけ言うと、新渡戸は笑みを浮かべながら、

美弥子のほうを見つめたー


「クククククーーーー彼女には俺の”分身”を

 憑依させましたー。

 まぁ、つまり”俺自身”と言うことですー」


それだけ言うと、新渡戸と美弥子が”同じ笑み”を浮かべるー。


「ー”完成した憑依薬”を使って、自分の魂を分割ー、

 俺の一部を、東 美弥子に憑依させたんですー

 その結果ー」


新渡戸は、美弥子を見ながらニヤリと笑うー


「東 美弥子は、俺そのものになったんですよ!」

とー。


美弥子もニヤリと笑うー。


「ーークククー

 いやぁー…”自分が二人いるような”気分で

 不思議な感覚ですよー」


美弥子の言葉に、

葛西所長は、「き、君が全てを仕組んだのかー…?」と、

表情を歪めるー。


だがー

設備保全スタッフの新渡戸にそんなことをする動機が

あるだろうかー。


そうは言ってもー

動機が分からなくても、とにかく今は、この危機を

乗り越えなくてはいけないー


「ー2対1ー…さぁ、マスターキーを俺に渡せー」

設備保全スタッフの新渡戸が言うー。


「ーーククククク」

美弥子が笑いながら襲い掛かってくるー。


新渡戸と美弥子ー

格闘技を身に着けているわけでもなんでもない葛西所長にとって

二人の攻撃を交わすのは、難しいー


研究室から飛び出して、研究所内を走る葛西所長ー。


”とにかく、ここでの研究を外に出すわけにはいかないー”


そう思いながら、逃げ惑う葛西所長ー。


しかしー

背後から追ってきている新渡戸とは別方向から

回り込んでいた美弥子が、鉄パイプを手に襲い掛かって来るー


「ーーおらァ!」

本性を隠す気もなく、見た目に似合わない暴力を繰り広げる

美弥子ー。


葛西所長は、無我夢中でそれを避けたー。


新渡戸にも追いつかれて、

必死にー、とにかく、避けたー。


自分でも美弥子の振るう鉄パイプに当たらなかったのは

奇跡だと、そう思いながらー。


何秒ー?何分ー?

分からないー。


だが、ただひたすらに美弥子の鉄パイプと、

新渡戸の攻撃を避け続けたー。


そしてー

鈍い音がしたー。


ついに、自分が殴られたのだと、葛西所長は思うー。


しかしー…

美弥子の振るった鉄パイプは、設備保全スタッフ・新渡戸の頭を

直撃していたー


「あっ…いっけねぇ」

美弥子がそう言うと、新渡戸の頭からダラダラと血が流れ始めるー。


「ーーお…おい…!」

”裏切者”とは言え、新渡戸の身を案じようとした葛西所長ー。


その時ー

信じられないことが起きたー。


新渡戸の身体が突然真っ二つに割れてー

中からー

”別の男”が姿を現したのだー


「ーふぅ~…危ない危ない”中”までは無事だったかー」


中から出てきたのはー

”皮”の研究をしているおじさん研究員ー

戸川駿介だったー


「と、戸川君ー!?」


”脱ぎ捨てられた新渡戸”は、

頭の部分が真っ赤に染まったまま皮になっているー。


「ーークククー所長ー。俺ですよー…黒幕は」

戸川駿介が言うー。


妻子持ちのおじさん・戸川駿介ー


しかし彼は研究所が”停電”した直後、

葛西所長と電話で話をしているー


”ーーし、所長…!た、助けて下さい!”

”ひ…く、来るな…!ひぃいあああああああっ!”


確かに、そう言っていたはずだー。


「ーークククーそれは、俺が一人で叫んでただけですよ所長ー。

 電話しながら、

 誰にも襲われていないのに

 

 ”ーーし、所長…!た、助けて下さい!”

 ”ひ…く、来るな…!ひぃいあああああああっ!”


 って、一人で叫んで、スマホを地面に叩きつけただけですー。


 おかげで、俺が犯人だとは思いませんでしたよね?」


優しそうなおじさんー、そんな感じの風貌の戸川駿介が

今はイヤらしい笑みを浮かべているー。


「ーー…だ、だがー…君の研究室で、君はー…」

葛西所長は、駿介の研究室で”紙のような状態にされて、

画鋲で壁に打ち付けられていた駿介”を思い出すー。


「ーーははは…所長ー

 あれは俺の姿を等身大で印刷しただけですー

 見た通り、ただの紙ですよー。

 俺じゃありません」


「ーーーー…!」

呆然とする葛西所長ー。


しかしー

「いや、待て!最初、君から電話があったとき

 君が”皮”にして着ていたそこの新渡戸くんは俺の隣にいたはずだ!」

と、葛西所長は叫ぶー。


確かに、新渡戸を駿介が着ていたのであればー

”駿介から電話があったタイミングで、新渡戸が隣にいた”のはおかしいー。


がー


「あぁ、それはー 

 俺が所長に電話して、襲われた風を装ってー

 あんたが移動を始めたあと、俺が新渡戸を襲って皮にしたー

 それだけのことです」


と、説明したー。


そこまで言うと、駿介は


「ー所長ー俺は、いつもいつも

 ”無能なおじさん”扱いしてくるあなたたちが、許せなかったー

 いつもいつもいつも、怒りを感じながらも

 へらへらしてたー。

 

 ”今日”この日ー、見返す時を楽しみにしてー」


と、言い放つー


「ーな、なんだって…?」

葛西所長がそう言うと、駿介は続けるー。


「俺はねー、この研究所で一番年上なわけですよ。

 でも、所長は葛西さんー、あんただー。


 それに、他のやつらも俺のことを”無能”扱いして

 見下していたー


 だから俺はー

 誰よりも研究したー


 所長ー

 俺は”全て”を完成させたー」


そう言うと、駿介は

”皮”の研究の進捗が微妙なフリをしながら、

”皮”だけではなく

憑依、入れ替わり、女体化、男体化、変身ー


この研究施設で研究している”全て”を

他の研究員よりも先に完成させ、

そして今日、”復讐”を実行に移したのだと言うー。


「ー俺の目的は

 全ての研究成果の独占ー

 あんたを含む俺を見下したやつらへの復讐ー


 そしてー、”妻”と”娘”への復讐ー」


妻子持ちの駿介は

家庭でも妻と娘に嫌われて”居場所”がないのだと言うー。


だから、憑依薬を使って滅茶苦茶にしてやるのだと

駿介は笑ったー。


「ーーーははははは!あんたはどうせ、

 担当の女体化と男体化の薬もまだ完成してないんだろ!?


 俺の方が優秀だったんだ!!

 だから、俺が所長にふさわしかったんだー!

 それなのにー!」


そう叫ぶと、駿介は「おい!俺!そいつを抑えろ!」と言い放ったー。


駿介の魂の一部に憑依されている美弥子は「へへ…任せな!」と言うと、

葛西所長を背後から拘束したー。


「さぁて、どうやってーお前をいたぶろうかー。

 あぁ、その前にマスターキーどこにあるのか、教えてくれよ?」


ニヤニヤしながら近づいてくる駿介ー。


「ーーーその前に、他の研究員たちを元に戻せー」

そう言い放つ葛西所長ー。


しかし、駿介は首を横に振ったー


「酒井田さんも、宮藤さんも、そこの美弥子ちゃんも、

 もう元には戻せないー

 俺が作ったものは全部一方通行でねー


 あとー、まぁ、スタッフたちはみんな殺したよ」


駿介はそう言いながら微笑んだー


”もう、誰も助からないー”

そう聞いた葛西所長は絶望しー、

そしてー

静かに笑ったー


「ー戸川君ー確かに私はまだ男体化の薬も、女体化の薬も完成

 させることができていないー。

 君は優秀だー。


 でもー」


そう呟くと、研究室から飛び出した際に

たまたまポケットに入れていた”男体化薬”を背後の美弥子にー、

そして”女体化薬”の注射器を駿介に素早く打ち込んだー


「ーーー!?」

「ーー!!」


駿介と美弥子が驚くー。


「ーーーー…君と違ってー……理性はあるつもりだー」

葛西所長がそれだけ言うと、駿介と美弥子が苦しみ始めるー


「ーあぁ…やっぱまだ、人間に打ち込むには早すぎたかー」


”未完成”の男体化薬と女体化薬を駿介たちに打ち込んだ葛西所長ー


「ーー…お…お…お… く…おぉぉぉぉおおお…」

駿介がもがき、女体化していくー。


しかしー

その女体化は、中途半端なところで止まり、

やがて、身体がおかしな形に変異していくー。


美弥子も同じように、男体化が途中で止まって

うめき声のような声を上げるー。


カブトムシに入れ替えられてしまった菜々ー、

憑依薬か何かで抜け殻のようにされてしまった剛ー、

憑依されてしまった美弥子ー、

皮にされてしまった保全スタッフの新渡戸ー、


”研究成果を悪用”して、仲間の命を奪った

戸川駿介に対し、目には目を、と言わんばかりに

未完成の女体化・男体化薬を打ち込みー、

葬り去った葛西所長は、誰もいなくなってしまった研究所で

静かにため息をついたー。


動かなくなった駿介と美弥子を見つめながら

「こんな結果になったのは、私の責任だー」と、

静かにため息をつくー


もう少し、セキュリティ面や、警備に

費用をかけていればよかったかー。


そんなことを思いながらも今更嘆いても遅いー。


「ーーーーー」

葛西所長は、”こんな研究、しない方が良かったのかもしれないー”

と、心の底で呟くー。


憑依も、入れ替わりも、皮もー

”有効活用”できれば未来の新技術になったはずだー


だがー

こういう技術が生まれれば

必ず悪用する人間が出て来るー


残念ながらー

人間は、そういう生き物だー。


葛西所長は何かを悟ったように笑うと、

非常時のために研究施設に備わっている自爆装置を作動させて

静かに目を閉じたー。


「憑依も、入れ替わりも、皮も、女体化もー、変身もー

 何もかもが、夢ー


 夢だからこそ、輝くのかもしれないー」


そう、呟きながら葛西所長は最後の数分間を、

これまでの研究者人生を振り返りながら

静かに過ごしたー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


少し特殊なジャンル(TSF系全般がミックスされたお話)でした~!


複数ジャンルミックス系はそんなに書くことはないので、

(この先も特に増えたりすることはないデス~)

時々書くと、新鮮な感じ(書いている私は…)がします~!☆


ここまでお読み下さりありがとうございました~!

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