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夏休みを利用して、遊びに来ていた孫娘の愛梨に頼み込みー

1週間だけ入れ替わった状態でお店に立たせてもらうことになった藤吉ー。


愛梨の身体で、なんとか商売を繁盛させようと奔走するも、

つい胸を揉んでしまい、さらにはその光景を常連客に見られてしまい、

藤吉になった愛梨に報告されてしまうー。


気まずい雰囲気になりながらも、気を取り直して

再びお店の仕事に戻る愛梨(藤吉)と、

おじいちゃんに身体を貸した藤吉(愛梨)の運命はー…?


☆前回はこちら↓☆

<入れ替わり>孫娘は看板娘②~身体の違い~

時代に取り残されて廃業寸前だった商店の店主・ 平澤 藤吉ー。 だが、そんな藤吉は”将来、店を継ぎたい”と言っている 孫の英輔のためにも、何とかお店を守ろうとしていたー。 そんな中、夏休み期間を利用して遊びに来ていた孫娘の愛梨が 色々手伝ってくれて、一時的にお店は 数年以上ー、見たこともないような賑わいを...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


愛梨(藤吉)は、愛梨の身体でお店の接客を続けたりー

ここ10年近くやった記憶もないような呼び込みを

店の前でしてみたり、色々なことを試してみるー


「ーーおじいちゃんのお店をぜひ見に行ってください~!」


呼び込みを店の入り口のすぐ側で続ける愛梨(藤吉)ー


「ーおじいちゃんってば嬉しそうー」

店内のカウンターで座りながら、店の手伝いを少ししていた

藤吉(愛梨)は、

「ーーそれにしてもー…おじいちゃんってすごいんだねー」と、

近くにいたおばあちゃんの佳代子に言い放つー。


店と自宅部分の境目に立っている佳代子は

「何がだい?」と、笑うと、

藤吉(愛梨)は「ーだってー…こんなに身体、辛いのにー…

毎日頑張ってるんだもんー」と、

店の外で呼び込みをしている愛梨(藤吉)のほうを見つめるー。


「ーーーそうねぇー…

 あの人、本当にこの店が好きだからねぇー 


 正直、もう時代遅れって何度も言ってるんだけどさー」


おばあちゃんの佳代子もかなりの高齢だが、

佳代子の方は、”もう今の時代でこんなお店は限界だよ”と、

藤吉に日頃から言っていてー、

藤吉とは反対の考えをしていたー。


けれどー、それでも、佳代子にも妻として

藤吉を応援したい、という気持ちはあったー。


「ーでもねぇ…やっぱりー、

 こんなお店ー…今の時代じゃ、なかなか難しいよ」

佳代子がため息をつきながら言うとー、

藤吉(愛梨)は「ーーうんー」と、少し寂しそうに頷くー。


どんなに夢を大きく持ってもー

”時代”は確実に流れていくー。


古き良きものが好きな人もいるー。

それに、喜ぶ人間もいるー。


でもー

お店はボランティアではないー。

”利益”が上がらなければやがてお店は維持できなくなり、

”死”を迎えるし、お店を動かす人間がいなくなれば

やはり、お店は”死”を迎えるー。


お店にとって”利益”と”そこで働く人間”は血液だー。

どちらかが消えれば、店の血は止まりー、

そのお店は死を迎えるー。


「ーーー…でも、おじいちゃんのためにも

 できることはさせてあげたい」


藤吉(愛梨)がそう言うと、

佳代子は「ー愛梨ちゃんは、本当に優しいねぇ」と、

感心した様子で頷いたー。


「ーおばあちゃんだってー

 なんだかんだ言いながら、おじいちゃんの好きに

 させてあげてるんだし、優しいでしょ?」


藤吉(愛梨)が言うと、佳代子は少し恥ずかしそうに笑って

そのまま自宅の方へと戻って行ったー


「ーねぇ~お・ね・が・い♡」

色気を使って、客を呼び込み始めた愛梨(藤吉)を見て、

ニヤニヤしながら入ってきた客を見て

やれやれ、という様子で首を横に振った藤吉(愛梨)は、

そのお客さんが帰ったあとに、

「こら~!おじいちゃん~!何のお店を目指してるの~?」と

笑いながらお店の外へと向かって叫んだー


「す、すまん!ついー!

 み、みんなの反応があまりにも違いすぎて、

 ついなんか、こうー」


愛梨(藤吉)は顔を真っ赤にしながらもじもじすると、

「エロけを感じるんじゃ」と、意味不明な言葉を呟いたー


「こら~~!おじいちゃんのお店、エッチなお店になっちゃうよ!?」

藤吉(愛梨)の言葉に、愛梨(藤吉)は「す、すまんー!」と、

心底申し訳なさそうに言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ようやく、入れ替わった状態での、平澤商店の1日目が終わったー


「ーーそれにしても、すごいのぉ~!」

部屋の中で腕をぶんぶんと振りながら笑う

愛梨(藤吉)ー


「1日中お店で動き回ってても、ホラ、まだこんなに

 身体が動くんじゃ」


そう言いながら、嬉しそうに腕立て伏せまで

始めてしまう愛梨(藤吉)ー


「ーわぁぁ…おじいちゃん、

 は、張り切るのはいいけどー

 わたし、普段そんなに運動してないし、

 明日、筋肉痛になるよ?」


笑う藤吉(愛梨)ー


「ったく、あんたは本当にバカだねぇ」

呆れ果てる佳代子ー。


「ーーーでも、こんなに身体が軽くて

 スイスイ動くなんて、もうー…なんか

 すごいの一言じゃよ」


愛梨(藤吉)は、そう言いながらようやく腕立て伏せを

終えると、「筋肉痛ぐらい全然ー」と、

藤吉(愛梨)のほうを指差しながら笑ったー


「ーわしの身体の…ポンコツぶりに比べたらー」

自虐的にそう言い放つー


藤吉(愛梨)は「ぽ…ポンコツー」と苦笑いしながらも、

「ーでも…確かにおじいちゃんの身体ー、この状態で

 毎日お店頑張ってるなんて、ホントにすごいと思うー」と、

藤吉(愛梨)は、愛梨(藤吉)に対して心の底から感心したー


今までも、”こんな歳なのに、毎日頑張っていてすごいー”と、

心の底から感心していたもののー、

入れ替わってみて、藤吉の身体を実際に経験して、

その感情はさらに深まったー


「ーさ~て、お風呂の時間じゃなぁ」

ニヤッとする愛梨(藤吉)ー。


「ーーまさかあんた、入れ替わったままお風呂に入る気かい?

 お店の営業時間、終わったんだから

 いったん元に戻りなさいなー」


佳代子が言うと、

愛梨(藤吉)は「い、いや、そ、そ、それは、それはできないんじゃ!」と

顔を真っ赤にして言うー。


藤吉(愛梨)は「え…?」と、

”わたしたち、元に戻れるんだよね?”と、不安そうに呟くー。


「あ、あぁ、もちろん、それはできるんじゃが!

 そ、そのーなんていうかー、こう、同じ人と何度も入れ替わりを

 繰り返していると、身体に負担がかかるっていうかー、なんていうかー

 そう、色々、あるんじゃ!」


愛梨(藤吉)は意味不明な説明をして

強引に押し切ろうとするー


「ふ~ん、そうなんだね~

 でも、元に戻れるならよかったー」


藤吉(愛梨)が笑いながらそう頷くと、

妻の佳代子が呆れ顔で言ったー


「ーあんたが戻りたくないだけって素直に言ったらどうなんだい?」

とー。


「ーーうっ…」

愛梨(藤吉)がギクッ、という表情を浮かべるー。

藤吉(愛梨)は「えっ…おじいちゃん…そうなの?」と、

首を傾げながら言うー。


「ーまたどうせ、愛梨ちゃんの身体でお風呂に入りたいとか

 そういうこと考えてるんだろ?

 情けないったらありゃしない」

佳代子の言葉に、愛梨(藤吉)は

「ち、違うんじゃ!あまり何度も入れ替わりを繰り返すのは

 身体への負担もあるかもしれないと思ってー!」

と、顔を真っ赤にして恥ずかしそうに叫ぶー。


「ーーふふふ」

ふと、藤吉(愛梨)がそんな姿を見て笑うー。


「ーー?」

愛梨(藤吉)が顔を赤らめたまま不思議そうな顔をすると、

「ー中身がおじいちゃんのわたし、何だかいつものわたしと

 全然違って新鮮で、何かかわいい」

と、藤吉(愛梨)は笑いながら呟いたー。


「ーーえ…そ、そうかのぉ?

 実はわし、あれかな?女の子として生まれたほうが

 良かったのかな?」


愛梨(藤吉)は照れくさそうに髪を触りながら笑うー


「愛梨ちゃん!あんまり褒めるとこの人、

 すぐ調子に乗るから!」


佳代子の言葉に、藤吉(愛梨)は、笑いながら

二人のほうを見つめたー。


結局ー

下心目的でもあったようだったが

”何度も短期間で入れ替わりを繰り返す”というのは

身体に負担がかかる可能性も高い、というのは

事実のようで、店の営業時間終了後も

身体をいったん元に戻したりはせずに、

そのまま過ごすことになったー。


妻・佳代子に散々言われて

目隠しした状態で、藤吉(愛梨)がサポートしながら

愛梨(藤吉)の身体を洗っていくー


「これ、外してもいいかのぉ?」


「だ~め!」


そんな会話をしながら、お風呂を終えてー、

入れ替わってお店に立った初日を、ようやく終えたのだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


入れ替わり状態でのお店の営業2日目ー。


「ーあんまりやりすぎると、怪しいお店になっちゃうから、

 ほどほどにして、例えばお店の商品を紹介する動画を

 投稿してみたりだとかー」


藤吉(愛梨)は、愛梨(藤吉)に必死に色々説明をしているー


昨日のように、誘惑したりしていれば

確かに短期間で見れば客は来るかもしれないーが、

そのうち怪しいイメージが店につくだろうし、

何かトラブルの原因になったりしてしまう可能性も高まるー


それに、愛梨は夏休みが終われば、

実家の方に帰らなくてはならない。


学校もあるし、愛梨の身体でずっと誘惑したり、色仕掛けを

したりし続けてお店の売上を維持することは不可能だ。


「もっと健全にー自然な感じでー

 ほら、テレビのCMの女の子とかも、イヤらしい感じとか

 そんな風なCMはあまりないでしょ?」


藤吉(愛梨)に言われながら、

愛梨(藤吉)は頷き、真剣にその話を聞いていくー。


いつか、このお店を継ぎたいと言っている孫の英輔のためにも

このお店は残しておいてあげたいー

その気持ちは、本物だったー


もちろんまだ、英輔は小さい。

高校生になったりするころには「そんなお店」とか

言い出してるかもしれないー


けど、少なくとも、まだ夢を抱いているうちは、

この店を残しておいてあげたかったー



「ーー今日は、夏休みということもあって

 おじいちゃんのお店に手伝いに来ていますー」


愛梨(藤吉)が、藤吉(愛梨)に撮影してもらいながら、

お店の商品を紹介する動画を作っているー


昨日のような、イヤらしい感じではなく、

健全な感じの振る舞いでー。


「お客さんが来た時にも、昨日みたいに

 変な声出したりして誘うんじゃなくて、

 ”おじいちゃんを手伝ってる頑張っている女の子”みたいな

 感じのほうが、こういうお店の場合はいいと思うなー…


 ここ、別にそういうお店じゃないんだしー」


藤吉(愛梨)のアドバイスは続き、

愛梨(藤吉)は「勉強になります!おじいちゃん!」と、

ふざけて笑いながらも、

愛梨のアドバイスを真剣に実践し、色々なことを試していくー。


「ーーそうだー愛梨の写真ー

 店に使ってもいいかなー?


 そのー”孫娘のおすすめ”みたいな顔写真付きの値札を

 作ったりとかー」


「あ、うん!いいよいいよ!

 じゃあ、写真を撮らないと~!」


色々なことを試しー

お客さんが来れば接客をしてー、

2日目の営業は、昨日よりもはるかに充実した営業となったー。


「ーーわたし、先に戻ってるねー

 おじいちゃんの身体だと、いつもの5倍ぐらい体力使う感じー」


藤吉(愛梨)がくたくたになりながら言うと、

愛梨(藤吉)は「そうじゃなぁ…片付けはわしがやっておくから」と、

微笑みながら頷いたー。


店舗のスペースに一人になる愛梨(藤吉)ー


一瞬、胸を揉んでしまおうかと、頭の中で考えたものの、

”愛梨があれだけ一生懸命手伝ってくれてるのにー…

 そんなことしちゃだめじゃな”と、考えながら頷くー。


胸をこっそり揉むのをやめた愛梨(藤吉)は、

”揉むなら堂々と許可を取らないとだめじゃ”と、そう決心するー


その時だったー


自宅スペースがある2階から大きな物音が聞こえて

愛梨(藤吉)が首を傾げるー。


続けて、ドタドタと慌ただしく音が聞こえてー、

愛梨(藤吉)が様子を見に行こうとしていると、

妻の佳代子が慌てて1階へと駆け下りて来たー。


「ーーか、佳代子ー?」

愛梨(藤吉)が首を傾げながらそう言うと、

佳代子は憔悴しきった様子で叫んだー


「あんたー…愛梨ちゃんがー、愛梨ちゃんがー」

とー。


「ーあ、愛梨がどうしたんじゃ!?」

店の片づけを放置して、そのまま階段を駆け上がる

愛梨(藤吉)ー


するとそこには、廊下で倒れ込んだまま

意識を失っている藤吉(愛梨)の姿があったー


「あ、愛梨!!!愛梨!!」

何度か呼びかけるが返事がないー。


佳代子はすぐに救急車を呼びー、

呆然とする中ー、到着した救急車が、

藤吉(愛梨)を運んでいくー。


愛梨(藤吉)は、

自分が愛梨の身体であることも忘れて

「どうか、どうか孫娘を助けてやってくれー!」と、必死に叫んだー


藤吉の身体は高齢ー


悪い言い方をするのであればー

”いつ、倒れたりしてもおかしくない”年齢ではあるー。


それがー

不運にも、”今”

訪れてしまったのだー


救急車の音が鳴り響く中ー

愛梨(藤吉)は只々、孫娘の無事を祈ることしかできなかったー



④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


次回が最終回の予定デス~!

どのような結末が待っているのか、ぜひ楽しみにしていて下さいネ~!


今日は夕方~夜ぐらいに

今後執筆予定の新作を新たに6作品ご紹介する予定なので、

そちらも楽しみにしていて下さい~!

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