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「ーー俺が、女になりたい君たちを、女にしてあげるよー」


とある街はずれにある豪邸ー。

その入口付近のホールで、階段から降りて来た

好青年風の男が、両手を広げながらそう呟いたー


「ーーホントに、俺たち女になれるのか?」


「ーーぼ、ぼ、僕でも…か、可愛くなれるのかー?」


ホールには、数名の男たちが集められていて、

好青年風の男ー

この屋敷の主人である、岩城 哲真(いわき てつま)に対して

続けざまに質問をぶつけているー。


「ーお静かに」

階段脇に控えていた執事のような男がそう叫ぶと、

哲真は、男たちが静まり返ったのを確認しながら

満足そうに何度か頷いたー。


「ー君たちおっさんが静かになるまで、5分かかりました」

校長先生のようなことを言うと、哲真はすぐに

ふっ、と笑って「冗談だよ。気になる気持ちは分かるー」と言いながら頷くー


集まった5人の男たちはいずれも、

どちらかと言うと、冴えない容姿のおじさん達ばかりー。


その5人が、いかにも金持ち、と言わんばかりの豪邸に

集まって、そこの主である青年・哲真に

質問の嵐を浴びせていたのだー。


「ーーー君たちの質問にまとめて答えようー。

 まずはそうだなー

 結論から言えば、君たちが”女”になることはできるー。

 そして、可愛くなることもできるー。


 それは保証しようー」


そう言うと、哲真は「見てごらん」と言いながら、

ホールの脇に控えているメイドたちを指さすー。


「みんな、可愛い子ばかりだろう?」

哲真のそんな言葉に、5人の男の一人は

「ーーあ、あの子たちもーまさか…!」と叫ぶー


哲真はふふっ、と笑うと

「そうだよ。あのメイドたちも、元は君たちと同じように

 ただの”おっさん”だったー」と、説明を続けるー


「君たちの”先輩”の姿だー。

 実際にその目で見ると、安心できるだろう?」


哲真の言葉に、5人のおじさんは、メイドたちのほうを見て

「マジかよ?」

「俺達でもあんなに可愛くなれるのか?」

「す…すげぇ…!」と、声を上げるー。


「ーー事前にお知らせしていた通りー、お金もいらない」

哲真はそれだけ言うと、少しだけ鋭い目つきになって

「ただー」と、言葉を続けるー


「2つー

 条件があるー。」


指を2本立てて、そう宣言する哲真ー。


「2つー…?」

男の一人が首を傾げるー。


「一つ、

 女になったあと、君たちには俺のハーレムに加わってもらうー

 つまりは、そこにいるメイドたちと同じように、

 ここで暮らしてもらうことになるー。


 平日には交代制で、メイドとしての仕事もしてもらうが、

 そんなに時間は長くないし、時間外は君たちのフリーだ。

 ブラック企業とは違うー。


 もちろんお出かけすることも構わないー。

 だが、必ず”門限”までにここに戻ってきてほしいー

 それが、俺との約束だー」


哲真がそう言うと、

男たちは顔を見合わせながら、

「ーー門限って…夕方だったりしないよな?」と、そのうちの

一人が確認をするー。


「ーーはっはははは、そんなわけないだろう?

 安心しろー。

 門限は毎日の0時。”メイド”としての仕事時間以外は

 ずっと外出して貰っていてもいいー。

 

 ただし、0時の門限だけは守ることー

 いいね?」


哲真はそこまで言うと、2つ立てていた指の一つを折り曲げて

「二つ目の条件はー

 ”俺を裏切らないこと”」と、告げたー。


ゴクリ、と唾を飲み込む5人のおじさんたちー。


「ーいや、そんなに怖がらなくてもいいー。

 別に意見してもらってもいいし、俺の行動に不満があれば

 文句を言ってもらってもいいー。


 ”裏切る”というのは、急にこの屋敷から無断で立ち去ったり、

 そういうことだよー。


 別に、難しい話じゃない」


哲真はそれだけ言うと、「さてー」と、顔を上げて

5人のおじさんたちを見つめたー。


「ー女になったあとは、ここに住み込みで暮らしてもらうことには

 なるが、個室も完備、外出も門限以外は自由、

 仕事も有給休暇もアリ、だー。


 それだけで君たちは”女”になることができるー。


 どうかなー?

 気に入ったかい?」


哲真は両手を広げながらそう言うと、


「ーーーどうする?君たちが決めていいよ」と、

言いながらホールから2階に進むための階段に座り、

「ー30分あげるから、その間によく考えて決めてくれ」と、

笑みを浮かべたー。


「ーーー…」

5人のおじさんたちが互いに顔を見合わせるー。


「一度、女になったら元に戻ることはできないー、

 一度、女になったら、この屋敷に住む、という条件は

 守ってもらうー。


 だから、それが嫌なら、今、ここから立ち去ってほしいー。

 別に止めないし、後から追って行って、

 後ろからグサッ!とかやったりしないー。


 安心していいよ」


哲真は、そこまで言うと「ふぁ~あ」と、あくびしてから

「ー高山(たかやま)俺は30分寝るからー、よろしく」と、

執事に向かって呟きー、

階段に座ったまま眠り始めたー


”なんて自由なやつなんだー”


集まっていた5人のおじさんの一人、

沢渡 大樹(さわたり だいき)は、

心の中でそう思ったー。


大樹は、妻と別居中の30代後半の男で、

ネット上で”女になりたい男、求む!”という

広告を見かけて、今日、ここにやってきたー。


胡散臭いー、とは思っていたが、

失うものが無く、無気力な毎日を送っていた大樹は、

今日、何気なくこの場所に足を運んでいたー。


妻とは、”色々な積み重ね”で、関係が悪化していて、

今は別居状態ー。

中学生の娘もいるがー、

アパートを借りて、妻・娘とは別居している状態だー。


既に音信不通の状態に近く、

このまま離婚ー、あるいは婚姻関係だけはずっと続いた状態のまま、

何もなく終わるのは目に見えていたー。


「ーーーー(どうせ、俺に失うものなんて、ないんだー)」


”女になりたいー”

そんな願望が特別強かったのか、と言われれば、

大樹は正直、そんなに女になりたいわけでもなかったー。


だがー、

自分の無気力な人生を、変えて見たかったー。


そんな風に思って、今、ここに立っているー。


大樹を含む5人のうち、二人は、気が引けたのか、

そのまま立ち去っていくー。


残るは三人ー。


大樹を含めた三人は、どうやら”女体化”して

女になることを決めた様子だったー。


三人の決意を他所に、熟睡している哲真ー。


30分が経過しても、哲真は起きないー。

執事の高山は「申し訳ございません。もう少々お待ちを」とだけ

口にすると、さらに20分近く経過しただろうかー。


ようやく哲真が目を覚まして、

「すまないねー。俺は一度寝始めると熟睡しちゃうんだ」と、

だけ言って、そのまま「君たち三人が、”女”になることに決めたんだね?」と、

三人の顔を順番に見比べたー


「ー最後の確認だー。

 どうする?

 今ならまだ、回れ右をして、ここから出て行っても構わない」


哲真の試すような言葉ー。

だが、大樹を含む残り三名の決意は固かったー。


「ーわかったー。

 俺のハーレムにようこそー

 まずは君たち三人を、”女”にするよー。」


そう言うと、哲真は「ついてきてくれ」とだけ呟いて、

階段を上がっていくー。


豪邸の奥の方にあった部屋の一室に案内されると、

そこには”見たこともないような装置”が大量に設置されている

謎の光景が広がっていたー


「俺は、遥か昔から伝わる魔導士の末裔でね」

哲真がそう呟くー


「おいおい、大丈夫かこいつー?」

三人のおじさんのうちの一人が言うと、

「さぁ?」と、もう一人が首を傾げるー。


「ははは、聞こえてるよ。

 ま、いきなり魔導士とか言い出したら頭がおかしいと

 思われても仕方ないなー


 でも、魔導士は実在するー。

 俺も、その末裔なのだからー」


哲真はそう言うと、「さぁ、始めようー」と、

その部屋に安置されていた錫杖のようなものを手にすると、

何か”聞いたことのない言葉”を唱え始めたー。


大樹は一瞬、今すぐ帰ろうかとも思ったが

既に時遅くー、

部屋中に見たこともないような光の輝きが

充満し始めたー。


「お、おいまさかあいつ、本当にー?」

残っていたおじさんの一人が言うと、

三人とも、自分たちの身体に”異変”を感じたー


苦しいー、という感覚ではない。

だが、気持ちいい、という感覚でもないー。


文字通り”今までに感じたことのないような感覚”を

身体に覚えて、

このまま何か、異世界に飛ばされてしまうのではないかと

思ってしまうような不思議な感覚ー


やがてー


「ーーえ…お、俺の髪がー!?」

おじさんのうちの一人が、自分の髪が伸び始めてー

さらには髪質まで変わり始めたことに気付くー


「あ…あ!こ、声がー」

もう一人のおじさんが叫ぶー


大樹は、身体の底から何かが突きあがるような感覚を覚えながら、

それと同時に、何かが無くなっていくような感じを覚えて、

股間のあたりを触ると「それ」がそこに無くなっていることを感じるー


そして、手に胸の膨らみがあたりー、

さらには、”全てが掻き混ぜられているような”そんな

感覚を味わいながらーー

やがて、身体中を襲った”不思議な感覚”は消失したー。


「ーおめでとうー」

錫杖を持っていた哲真は、それを手放して、執事の高山に渡すと

「君たちはもう、女性だー」

と、拍手をしながら笑みを浮かべたー。


「ーーこれは、女装でも、性転換の手術でも、何でもないー。

 正真正銘、君たちは生物学的に女性になったー。

 そう、単刀直入に言えば妊娠もできるー。

 完全に、女性と言うことだー。」


哲真がそう説明すると、

女体化した大樹は「す…すげぇ…」と、表情を歪めるー。


「ーーまだ君たちは”狩”の状態だー。

 これから、”ある程度”ではあるが

 君たちの望み通りの容姿や声に変えることもできるー。


 ただ、これはまとめてやることはできないから

 一人ずつやって行こうー。


 髪質ー、顔立ち、体形、胸のサイズー、

 色々と、自分好みに調整したい部分もあるだろ?


 俺が魔術でそれを叶えてあげるよー」


哲真はそれだけ言うと、

女体化した三人のおじさんの”希望”を聞くために、

一人ひとり別室に呼び出しながら

”調整”を行ったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーおはようございますー」


あれから数日ー

女体化した大樹は、美月(みつき)と名乗り、

豪邸のメイドとして働いていたー。


哲真の言葉に嘘はなくー、

”門限”さえ守っていれば勤務時間中以外は

完全に自由にすることができたー。


大樹は元々、”特別、女になりたい”という願望が

あったわけではなかったためー

穏やかそうな、ごく普通の容姿の女性になっていたー。


「ーーひとつ、聞いてもいいですか?」

美月=大樹は、哲真と共に食事を摂りながら、そう呟くー。


「ーーこうして、俺ー、あ、いやー、わたしのような

 人を集めて、その女にして、…何か、そのー

 企んだりしているんですか?」


美月=大樹の言葉に、哲真は「ははは…面白い質問だね」と、呟くー


一瞬、ビクッとする美月=大樹を見て、

哲真は「あ、いや、怖がる必要はないよー。別に構わない」と、

だけ言うと、「ーーこの方が色々と”都合がいい”だろ?」と

言葉を続けるー。


”都合がいい”とはどういう意味かー

それは、美月=大樹にはよく分からなかったが、

哲真は一つ一つ丁寧に説明してくれたー


本当の女の子を雇うよりも、給料をある程度抑えることができて

安上がりになることー。


”女の子になりたい”という夢を叶えてあげることで、

男たちにとっても得があることー


”女体化させてくれた”という恩を着せることで、

”裏切り”をしにくくなることー


元男であることで、男のこともよく理解している存在であることー


女同士の嫉妬や争いが、少なくなるー…ような気がすることー


色々な理由を挙げるー。


そこに、特に邪悪な理由はないように思えるー。


「ーーまぁ、そんな感じだよー。

 別に、特に悪だくみとかじゃないー

 元おじさんだって、俺の魔術に掛かればー、

 ほらー、もう、完全に女そのものだろう?


 まぁーー

 君のその座り方もそうだがー

 最初は、中身は”おじさん”のままでも、

 女体化して、普通に生活していれば、

 だんだん中身も後からついてくるさー


 だから、元おじさんの女の子でもー

 俺には本当の女の子と同じように思うことができる」


哲真の言葉に

美月=大樹は頷きながら、食事を再び口に運び始めたー


残りの二人はー

一人は、下心丸出しのおじさんで、女体化後は

自分の身体で連日エッチなことを繰り返しているー


もう一人は、元々女の子になりたい願望を持っていたため

おしゃれをしたり、買い物したり優雅にその生活を楽しんでいるー。


だが、大樹はー

”自分の人生を変えたい”と無気力な自分を変えるため

ここに来たが、女体化しても、特に何かが変わることなく、

すぐに飽きてしまいー、

相変わらず無気力な日々を送っていたー


0時になりー、

屋敷中に不思議な光が充満するー。


”門限を知らせる光”だと、言われている光を見つめながら

美月を名乗る女体化した大樹は、つまらなそうにため息をついたー。



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


謎の男のハーレムに加わった大樹たちの運命は…?

続きはまた次回デス~!


今日もとっても暑いので、

気を付けて生活して下さいネ~!

私も気を付けます~!☆


お読み下さりありがとうございました~!

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