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とある高校ー


生徒の中に、裏社会で暗躍する犯罪組織幹部の息子がいるという情報を

手に入れた警察の特殊捜査班ー。


特殊捜査班に所属する捜査官の一人が、その男子生徒から

情報を引き出すために、女子高生に変身してその男子に接近することに…。


この記録は、女子高生に変身して、高校に潜入した

捜査官が残した記録…。


(第14週)


☆前回はこちら↓☆

<他者変身>JKに変身した捜査官の日記⑬~裏切り~

とある高校ー 生徒の中に、裏社会で暗躍する犯罪組織幹部の息子がいるという情報を 手に入れた警察の特殊捜査班ー。 特殊捜査班に所属する捜査官の一人が、その男子生徒から 情報を引き出すために、女子高生に変身してその男子に接近することに…。 この記録は、女子高生に変身して、高校に潜入した 捜査官が残した記録…...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


☆主要登場人物☆


・山村 彩智(やまむら さち)/坂上 孝治(さかがみ たかはる)

潜入捜査官。現在は女子高生・山村彩智に変身して高校に潜入中。


・小野田 龍吾(おのだ りゅうご)

高校生。犯罪組織ドッペルサイエンス幹部の息子。


・小野田 正昭(おのだ まさあき)

犯罪組織ドッペルサイエンスの幹部とされている男。


・笠倉 千鶴(かさくら ちづる)

孝治の同僚捜査官。女性として自然に振る舞えるよう、孝治を指導した。


・春日部 本部長(かすかべ ほんぶちょう)/捜査班本部長

・郷原(ごうはら)/捜査官の一人。彩智の父親役を担当

・清水(しみず)/捜査官の一人。彩智の母親役を担当


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーおやすみ 坂上捜査官ー」

眼鏡の位置を指で調節しながら、

犯罪組織ドッペルサイエンスの幹部・小野田正昭は

静かに笑みを浮かべるー。


女子高生・彩智の姿に変身したまま、

孝治は死を覚悟したー


こんな仕事をやっていればー

いつかは、”死”を迎えるー。

そんな覚悟も当然していたー。


ドッペルサイエンスの罠だと分かっていながらも、

この場所に来たのはー

”それでも”この場所に来なければ

犯罪組織ドッペルサイエンスを追い詰めることはできなかったからー。


だからこそ、罠だと理解しながら、

孝治も、他の捜査官もこの場所へとやってきたー。


死は、覚悟していたー。


それでもーーー


「まさかーー女子高生として死ぬなんてなー」

孝治は、彩智の姿のまま小声で静かにそう呟いたー。


そしてー

倉庫内に銃声が響き渡ったー


痛みはなかったー。

何も、衝撃すら感じなかったー


そうかー

頭を撃ち抜かれれば、人は一瞬にして死に、

何も感じることはないのかーーー


「ーーーーー」


直後、1発、2発、3発と銃声が響き渡り、

「なんだテメェは!」という大声が響き渡ったー


「ーーーー…!」

孝治が目を開くとー

ドッペルサイエンス構成員たちの方に向かって、

湾岸エリア内に乗用車が突っ込んできていてー

それに向かって小野田正昭や、構成員の飯田が

銃を発砲していたー。


だがー

車は止まらず、小野田正昭ら6人の方めがけて突っ込んだー


6人のうち、2人が巻き込まれるー


「ーーくそっ!どこのどいつだ!」

ドッペルサイエンスの構成員・飯田が叫ぶー。


その背後で眼鏡をかけなおしながら

小野田正昭が表情を歪めるー。


孝治は、すぐに動いたー

”誰”が車で突っ込んできたのかは分からないー


だが、潜入捜査官として、

彼は動いたー。


髪を揺らしながら、小野田正昭に向かって

強烈な蹴りを食らわせる孝治ー。


”女子高生の姿だってー戦えるー”


眼鏡が宙を舞い、小野田正昭が苦悶の表情を浮かべるー


彩智の姿のまま、孝治は拳を叩きつけ、

蹴りを小野田正昭に食らわせるー。


小野田正昭が怒りの形相を浮かべながら

反撃しようとするー。


だが、それを素早い身のこなしで回避して、

スカートを揺らしながら、小野田正昭に強烈な

回し蹴りをお見舞いしたー。


吹き飛び、資材の山に突っ込むようにして倒れ込む

小野田正昭ー。


「ーーー山村さん!」

車の中から声が聞こえたー


「ーー!!」

その声に、孝治はー”山村彩智”として驚いた表情を

浮かべながら振り返ったー


小野田龍吾ー。

犯罪組織ドッペルサイエンス幹部・小野田正昭の息子ー


小野田正昭に近付くため、孝治が女子高生・山村彩智に

変身して高校に潜入ー

調査していた対象ー


「ーーーなんで、ここにー」

”彩智”として驚いた表情を浮かべながら孝治が言うと、

車から飛び出した龍吾は、銃をドッペルサイエンスの構成員に

向けて放ったー。


一人、また一人と倒されていくー


残るは小野田正昭と、その配下・飯田のみー。


「ーー山村さん!」

龍吾が叫ぶー。


その背後には、立ち上がった小野田正昭が銃を手に、

孝治に襲い掛かろうとしていたー。


孝治は慌ててそれを回避して、

彩智の拳を叩きこむー。


”女子高生の身体だからかー

 それともこいつがタフなのかー”


小野田正昭に何度も何度も拳を叩き込み、

蹴りを食らわせるー。


しかし、それでも小野田正昭は倒れないー


近くでは小野田龍吾が、父親の部下である飯田と

銃を撃ち合っているー


「ーー俺ー……

 親父がこんなアブねぇ連中を率いているなんてー

 知らなかったー」


龍吾は悔しそうに呟くー


「ー親父は、研究施設で立派な研究をしてるってー

 ずっと思ってたー」


その言葉に、孝治は”彩智”として

「小野田くん…」と呟くと、

龍吾は悲しそうに微笑んだー


「ーーーーー俺の親父が、ごめんなー」


そう、呟きながらー


この小野田龍吾は、自分の父親が

犯罪組織の幹部だなんて、本当に知らなかったのだろうー。


彼もまたー、

”犯罪組織ドッペルサイエンスの被害者”なのかもしれないー。


”彼女”である彩智のことを心配し、

こっそり父親の後をつけて来た小野田龍吾は、

父親たちがここに乗ってきた車を奪い、その車の中にあった銃を使い、

こうして自分の危険を顧みずに彩智を助けに来たのだったー


”好きな人”を救うためー


その”好きな人”が、

潜入捜査官の男が変身した姿であるとは知らずにー


「ーーーーー」

孝治は表情を歪めるー。


”潜入捜査”は時としてー

”善意”をも裏切ってしまうことがあるー。


悪を裏切り、善を裏切るー

それが、潜入捜査ー。


けれど、例えそうだとしてもー

”情”を抱いてはいけないー。

流されてはいけないー。


「ーーーチッ!バカ息子が!」

小野田正昭が唇から血を流しながら倉庫地帯の奥へと

走り去っていくー


「親父!!!」

小野田龍吾がそのあとを追うー。


「ーーー待ちやがれ!」

小野田正昭の部下・飯田もそのあとを追おうとしたー。


だがー

背後から、彩智の姿をした孝治はその隙を

見逃さなかったー。


飯田の背後から強烈な飛び蹴りを食らわしー

それが直撃した飯田は、壁に叩きつけられたー。


「ーー俺はーーー

 俺はーーー

 お前たちを必ず、追い詰める」


壁際に追い詰められた飯田に

一発、二発、三発と拳を叩きつけていく孝治ー


周囲から見れば

”女子高生に犯罪組織の男が壁際に追い込まれて殴られ続けているー”

そんな、光景ー


ついに、飯田はダウンして、そのまま孝治に手錠を掛けられるー。


「ーー小野田ー」

孝治は髪を払いのけながら、すぐに小野田親子が向かった方角に

向かって走り始めたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーチッー思ったより被害が大きいなー」


一方ー、

湾岸エリア周辺でバックアップのために待機していた

孝治たちの仲間の捜査官は、

ドッペルサイエンス狙撃班との激闘を制しー

7人のドッペルサイエンス構成員を連行している最中だったー


父親役の捜査官・郷原は腕を止血しながら呟くー


「ー坂上がこの先で小野田正昭と対面しているー。

 動けるものはすぐに急行してくれー」


その言葉、配下の捜査官たちが頷くと、

父親役の郷原は車に寄りかかって

深くため息をついたー。


「ー無事でいろよー…」

とー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


腫れた顔で湾岸エリアの端まで

逃げて来た小野田正昭ー。


穏やかな水の音が聞こえる中ー

小野田龍吾が、父親の逃げた場所に追いつくー。


小野田正昭の背後は、海ー。

もう、逃げる場所はないー。


「ーー親父ー」

龍吾が言うと、正昭は表情を歪めたー


”息子”の手には銃があるー。


「ーー”女”に惑わされやがってー」

正昭が不愉快そうに呟くー


「ー親父ー…何なんだこれはー…

 親父はいったい…何をしてるんだよ!!」


龍吾が銃を父親の正昭に向けながら叫ぶー。


「ーーー父を、撃つのか?」

正昭が険しい表情で龍吾に向かって呟くー。


「ー撃ちたくなんかねぇよ!

 でもーでも、親父ー…

 親父…ホント、何してんだよー


 俺、ずっと親父は研究施設で働いているって思ってたし、

 いつも忙しそうにしてる親父を誇りに思ってたー


 でも、でも、こんなー」


龍吾が涙目で叫ぶー


「ーーーーーーー」

小野田正昭は少しため息をつくと、

「ー”ドッペルサイエンス”は研究施設だー」と、呟くー


「ふざけんな!銃を持って女の子を囲む研究施設なんか

 あるわけねぇだろ!」


龍吾の言葉に、正昭は思わず笑いだしたー


そしてーー

邪悪な笑みを浮かべながら、小野田正昭は

息子の小野田龍吾に対して言い放ったー。


「ーーー息子よ、よく聞けー」


とー。


「ーーお前の好きなあの女ー

 ”山村 彩智”は、女ではないー」


「ーあ?」

龍吾が首を傾げるー


「ー山村 彩智はー潜入捜査官ー

 ”他人に変身する技術を使って女子高生の姿に変身している”

 潜入捜査官なんだよー」


「なっー…」


父の言葉に、小野田龍吾は身体を震わしながら、

言葉を失うー


穏やかな水面から響き渡る、微かな水の音が響き渡る中ー

”潜入捜査”は、最後の局面を迎えようとしていたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ドッペルサイエンス構成員の”光点”が複数、消滅したー


ドッペルサイエンスの首領・久遠は

青白い光が飛び交う部屋で不気味な笑みを浮かべると、

自分の支配する組織と戦う潜入捜査官の活躍を称えて

一人、ゆっくりと拍手をし始めたー


”ブラボー”と、静かに呟きながらー。


⑮へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


いよいよ次回が最終回デス~!

長い戦いになりましたが、ようやく

潜入捜査官たちのミッションが終わりを迎えます★!


今日もお読み下さりありがとうございました~!


※毎週土曜日の更新(コンパクト枠)とは?

(いつもと同じ説明デス↓ 既に知ってる方は読まなくて大丈夫デス!!)

毎週土曜日(以前は火曜日でした!)は、

私が仕事の都合で書く時間を確保できないので、

本来更新は難しいのですが

少しでも皆様にご恩返しということで、他の6日間で毎日

少しずつ執筆して、土曜日にも、作品をお届けしています!

そのため、いつもより少し文章量が少ないため

毎週土曜日の作品は、100円プランでも読めるようにしてあります!

(※土曜日枠のお話は必ず完結まで100円プランで読めるようにします!

  途中から上がったりはしませんので、安心してください)

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