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とある島国の姫・マリーと海賊団”ナイトメア”の頭を務める

女海賊・カトリーヌが入れ替わってしまったー!


そんな中、落ち着く間もなく、カトリーヌの海賊団が二人が

流れ着いた無人島にたどり着き、やむを得ず、

マリーとカトリーヌは”お互いのフリ”をしながら、

海賊船に乗り込むことにー。


”入れ替わったことを打ち明けられない事情”がある中、

マリーになったカトリーヌは牢屋の中でー

カトリーヌになったマリーは船員たちの前で”お頭”として

振る舞いながら、元に戻る方法を模索していくー…


★前回はこちら★↓

<入れ替わり>女海賊とお姫様②~海賊船~

小さな島国の女王・マリーは、 この世界の中心を支配する”ヴェルラント王国”から、 船で自分の国に帰る最中にー、 ”海原の悪夢”の異名を持つ海賊団・ナイトメアに襲撃されてしまい、 さらにはその最中に嵐にまで襲われてしまったー。 目を覚ました時には、見知らぬ無人島に、 海賊団の首領・カトリーヌと二人きりの状態...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーー」

カトリーヌ(マリー)は、海賊たちのいる船の上層部分で、不安そうな

表情を浮かべていたー。


普段、厳しい表情を浮かべていることが多いカトリーヌが、

まるで乙女のような、少し弱弱しそうな表情を浮かべているー。


「ーーーーー(あ…)」

ふと、カトリーヌ(マリー)は海の方を見つめながら

あることを思い出したー


「そういえば…カトリーヌの身体になってから…

 船酔いしないなぁ…」

カトリーヌ(マリー)はそんなことを呟くと、

”…って、じゃあ…わたしになったカトリーヌは?”と、

首を傾げるー。


その時だったー


「お頭!」

背後から声がするー


だが、カトリーヌ(マリー)は、ぼーっと海を見つめたまま。


「お頭!おかしら! おかしら~!」

しつこく呼ばれて、カトリーヌ(マリー)は

”あ!今はわたしがお頭なんだった!”と、ハッとして

「は、はい!?」と、思わず変な声を出してしまうー。


背後にいたのは小柄のいかにも海賊っぽそうな服装の男ー。

狡賢そうな雰囲気を持っているものの、

悪い人ではないー。

そんなオーラを漂わせているー。


「ーーー少し、大事なお話がー」

その言葉に、カトリーヌ(マリー)は、表情を歪めるものの、

どう返事をしていいか、分からずー

「話って?」と、無難な反応をするー


正直ー

入れ替わって大して話をする時間もないまま

”お互いのフリ”をするなんて無理があるー。


この船には”マリーの知り合い”はいないー。

一緒に船に乗っていた側近のラウルもいないし、

当然、マリーの王国の住人や、臣下たちもここには、いないー。


だから、カトリーヌがマリーの身体でマリーのフリをするのは

そんなに難しくはないー

”誰も、本来のマリーを知らない”のだからー。


だが、カトリーヌになってしまったマリーの場合は

そうはいかないー。

ここにいる人間は全員カトリーヌを知っているし、

少しでもいつもと違えば、当然、違和感を抱く人間もいるだろうー


既にNo2のジャンという男は何か違和感を感じ取っているかもしれない。


「ーーー大事な話です。ここでは話せません。

 どうか、地下へ」


小柄な男がそう呟くー。


「地下ー…?どうして…?い、いや、何故だ?」

カトリーヌっぽい口調に意識的にしながら小柄の男に聞くと、

小柄の男は周囲をキョロキョロしながら

「ー言えません。とにかく地下へ」とだけ呟くー


既に周囲の海賊数名がカトリーヌ(マリー)たちのほうを見ているー


「ーーー」

カトリーヌ(マリー)はなおも、

”なんでこの人、わたしを地下に呼ぼうとするの?”と警戒心を

露わにしながら”どうして、地下にー”と言いかけるー。


しかしー


「ーーあんたの正体ー俺は知ってるー

 正体をばらされたくなかったら、地下に来いー」

と、早口かつ、小声で小柄な男はそう呟いたー


「ーーーー!!!!!」


そう言われてしまうとー

もはや”従う”しかなかったー


背筋が凍る思いをしながら「わかった」と呟くと、

牢屋がある船底の方に向かって、階段を下り始めたー。


「ーーーーーーーーーー」

その様子を、少し離れた場所で得意武器の鎖鎌を手に、

No2のジャンは不気味な笑みを浮かべながら見つめていたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーあ…あたしの正体を知ってるだってー?」

船の船底に向かう階段を下りながら、カトリーヌ(マリー)は、

なおも”カトリーヌのフリ”を続けるー


この小柄な海賊が”どこまで”気づいているのかは分からないー。

だが、”100パーセントばれていない”のであれば、

まだ、何とかなるかもしれないー


「無理はしなくていいですよー。

 お姫様ー」


その男はそう呟くー。


「ーーっっ…!!」

カトリーヌ(マリー)は表情を歪めるー。

この小柄な男の発言から、マリーとカトリーヌが

入れ替わっていることは、”100パーセント”バレていると言っても

過言ではないー。


「ーー……わ、わたしをどうするつもりー…ですか?」

カトリーヌ(マリー)が言うと、

「ーそんな警戒しないでくださいよ」と、小柄な男は少しだけ

笑みを浮かべー、気づけば、船底付近の牢屋ー

マリーになったカトリーヌが幽閉されている場所にまで

やってきていたー


「ーーえ」

カトリーヌ(マリー)が言うと、

その男は呟いたー

「ーー俺はレオと言いますー。お頭から、あんたを

 連れて来るように言われて、ここに連れて来たんですー」


とー。


「ーーーえ…それじゃー」

カトリーヌ(マリー)はすぐに悟るー。

この小柄な男に、”入れ替わり”のことを告げたのは、

他ならぬカトリーヌ自身である、とー。


「ーーー奥へどうぞ 事情はお頭と共に説明します」

レオと名乗る小柄な男はそう言うと、

マリーになったカトリーヌがいる牢屋のところまで向かったー


「ーーお頭ーつれてきましたー」

レオがそう言うと、

「おぇっ… うぇっ… うっ…」という苦しそうな声が

聞こえて来たー。


レオは慌てて「お頭!」と叫んで、

牢屋の中を覗くー…


そこにはー

”船酔い”でダウンしているマリー(カトリーヌ)の姿があったー


「ーーあ…あぁ、レオー悪いねー」

深く深呼吸をしながら、マリー(カトリーヌ)が言うと、

カトリーヌ(マリー)の姿を見ると同時に

「ーーあんたの身体、船酔いするなんて聞いてないよ!」と、

少し怒ったような口調で言い放ったー


カトリーヌ(マリー)は「わっ!だ、だって仕方ないじゃないですか!」と、

すぐに反論すると、

マリー(カトリーヌ)は「ったくー」と、首を振りながら

「ー海と共に生きてきたあたしが船酔いなんてー」と、

自虐的に呟いたー。


「ーお頭」

小柄な子分・レオの言葉に、マリー(カトリーヌ)は

「あぁ、そうだったね」と頷くと、

カトリーヌ(マリー)に事情を説明し始めたー。


このレオという小柄な男は、

カトリーヌが最も信頼する子分の一人で、

カトリーヌをよく思っていないNo2のジャンの目を欺きながら

この状況を打開するために、レオに入れ替わりのことを打ち明け、

カトリーヌ(マリー)をここに連れて来てもらったのだというー。


「ーあんた、いきなりあたしとして振る舞うなんて、

 さすがに無理だろ?

 あたしはここにいればいいし、あんたの家来たちはここには

 いないから、”いつも通りのお姫様”じゃなくても

 何とかなるけどさー」


マリー(カトリーヌ)の言葉に、カトリーヌ(マリー)は

「ーそうですね…ちょっとわたしに海賊の頭のフリはー…

 厳しいです」と、苦笑いするー。


「ーあぁー。だから、レオをお前の側につけておくー。

 ”どう振る舞っていいか分からないとき”はすぐにレオに聞くんだー。

 レオも、気づいたことがあったら、姫さんに教えてやれ」


マリー(カトリーヌ)の言葉に、レオは

「はい、お頭」と頭を下げるー。


「ー安心しろ。レオは小柄で頼りなさそうに見えるが

 器用な男だー。

 それに、あたしの信頼は絶対に裏切らないー」


マリー(カトリーヌ)の言葉に、レオは

「お頭は俺の命の恩人ですからー一生ついていきますよ」と頷くー。


どうやら、元山賊のレオは、山賊同士の争いで大けがをして、

死にかけていたところ、偶然通りがかったカトリーヌに

助けられて以降、カトリーヌを慕ってついてきているのだというー。


「ーーありがとうございます」

カトリーヌ(マリー)が言うと、隣にいたレオが

「ーか弱そうなお頭なんて初めてみましたよ」と、少し

揶揄う様にして言うと、

マリー(カトリーヌ)は「あんた、元に戻ったらお仕置きだよ」と、

鋭い口調で言い放ったー


「ーひぇっ、怖いお姫様だなぁ…」

ボソッとレオはそう呟くと、

冗談はここまで、という様子で真剣な表情に戻って

「お頭の指示通り、シモンが別行動でお頭たちが入れ替わった原因と

 元に戻る方法を調べています」と、報告したー


「あぁ、ありがとうー。」

レオに向かってマリー(カトリーヌ)はそう言うと、

カトリーヌ(マリー)は「シモン…?」と、首を傾げるー。


「シモンはレオと同じであたしが信頼してる仲間だー。

 大丈夫、心配はない」

と、伝えたー。


このあと、海賊船は”海賊たちが本拠地にしている島”に向かい、

そこで、マリーが統治する国と”ある交渉”を行うのだというー。


「ーーあんた、女王の癖に、知らないんだなー

 あんたの国はー」


そういえば、さっきマリー(カトリーヌ)が

気になることを口にしていたー。

そのことを確認すると、マリー(カトリーヌ)は

「あんた、本当に知らないんだな」と、うんざりした様子で

足を組むと、言葉を続けたー。


「ーあたしたちの故郷は、あんたの国に焼き払われたー

 だからあたしたちは海賊となって、ずっと復讐の機会を

 伺っていたのさー」


マリー(カトリーヌ)の言葉に、カトリーヌ(マリー)は「えっ…」と、

戸惑うー。


マリーが統治する小さな島国の周辺には、

さらに小さな”集落”とも言えるレベルの、どこの国にも属していない

島が複数存在するー。


カトリーヌたち海賊”ナイトメア”はその一つの出身で、

かつてマリーの国に滅ぼされたのだというー。


「ーーあたしたちの狙いは、あんたを人質にー

 あたしらの故郷を焼き払った張本人の身柄を確保することさ」


マリー(カトリーヌ)がそこまで言うと、

カトリーヌ(マリー)は「…それは、誰なの?」と困惑したー。


少なくとも、マリーではないー。

マリーの父親も、生前、そのようなことはしていないー。


「ーーあんたの王国の宰相・セヴランー。

 そして、あたしたちの島を焼き払った実行部隊を率いていたのはー

 あんたの側近で、あんたと一緒に船に乗っていた、ラウルー」


マリー(カトリーヌ)の言葉に、

カトリーヌ(マリー)は「えっ…そ、そんなー」と呟くー


セヴランは父の代から”父と意見が対立する”こともあり、

マリー自身もあまり良い印象は抱いていないものの、

ラウルは小さい頃からマリーの世話役も務めていて

心の底から信頼していた”おじさん”のような感じでもあったー


そのラウルが、カトリーヌらの故郷を焼き払ったー


「ーお頭、そろそろ」

レオがマリー(カトリーヌ)に向かって呟くー


”あまり地下牢に居続けると他の者に疑問を抱かれる”

とー。


「そうだなー。姫さん、あんたは上に戻りなー。

 大丈夫。何かあればレオを通じてどうにかするー」


マリー(カトリーヌ)の言葉に、

カトリーヌ(マリー)は困惑しながらも頷き、

レオの案内で船の上層へと戻って行ったー



「ーーーふぅ…」

一人残されたマリー(カトリーヌ)はため息をつくと

「全く…どうにかならないもんかね…船酔い…」と、

大きくため息をついたー



ガタッー


「ーー?」

マリー(カトリーヌ)は、レオが戻ってきたのかと思い、

入口のほうを見つめると、

牢屋のある一角に入ってきたのはー

海賊団のNo2、ジャンだったー。


細身の、胡散臭い紳士風の髭が特徴的なジャンが

近寄って来るー


「ーー…あ…あの」

マリー(カトリーヌ)は”姫”のフリをして

”わたしをどうするつもりですか?”と呟くと、

ジャンは笑みを浮かべたー


「ーーー美しいー」

そう、言葉を口にしながらー。



④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


作中の海賊船も、頭の中では構造や風景まで

イメージしながら書いています~笑

脳内の映像をそのまま具現化(?)できる機械でもあれば、

すぐにお見せできるぐらいには…★笑


今日もお読み下さりありがとうございました~!

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Comments

琵琶行

啊~居然还没有发生邪恶黑暗的事情,不太符合無名大人的风格啊~ 笑~我还以为会发生女海贼借用公主的身体征服国家,虐待真公主之类的事情~

無名

コメントありがとうございます~!☆ まだ③なので、この先どうなっていくかは分からないですネ~笑 …毎回ダークになるとは限りませんが、どのような結末を迎えるのか、楽しみにしていてくださいネ~!

琵琶行

非常感谢您的回复! 请问一下,您之前是否有写过类似的文章呢~笑~ 因为,互换身体之后,使用对方的身体以及身体所带来的身份地位、力量上的优势来欺负身体的原主人也是很有意思的呢~ 笑,大概我就是喜欢这样黑暗邪恶文章的人吧~ 再次感谢您带来的精彩作品!

無名

ありがとうございます~!☆ ダークな作品も、この先色々用意しているので 楽しみにしていて下さいネ~! これからも頑張ります~!