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とある高校ー


生徒の中に、裏社会で暗躍する犯罪組織幹部の息子がいるという情報を

手に入れた警察の特殊捜査班ー。


特殊捜査班に所属する捜査官の一人が、その男子生徒から

情報を引き出すために、女子高生に変身してその男子に接近することに…。


この記録は、女子高生に変身して、高校に潜入した

捜査官が残した記録…。


(第12週)


☆前回はこちら↓☆

<他者変身>JKに変身した捜査官の日記⑪~5/29-6/4~

とある高校ー 生徒の中に、裏社会で暗躍する犯罪組織幹部の息子がいるという情報を 手に入れた警察の特殊捜査班ー。 特殊捜査班に所属する捜査官の一人が、その男子生徒から 情報を引き出すために、女子高生に変身してその男子に接近することに…。 この記録は、女子高生に変身して、高校に潜入した 捜査官が残した記録…...

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☆主要登場人物☆


・山村 彩智(やまむら さち)/坂上 孝治(さかがみ たかはる)

潜入捜査官。現在は女子高生・山村彩智に変身して高校に潜入中。


・小野田 龍吾(おのだ りゅうご)

高校生。犯罪組織ドッペルサイエンス幹部の息子。


・小野田 正昭(おのだ まさあき)

犯罪組織ドッペルサイエンスの幹部とされている男。


・笠倉 千鶴(かさくら ちづる)

孝治の同僚捜査官。女性として自然に振る舞えるよう、孝治を指導した。


・春日部 本部長(かすかべ ほんぶちょう)/捜査班本部長

・郷原(ごうはら)/捜査官の一人。彩智の父親役を担当

・清水(しみず)/捜査官の一人。彩智の母親役を担当


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


6月5日(日曜日)


これから俺は、犯罪組織ドッペルサイエンスの幹部・

小野田正昭の指定した場所へと向かうー。


”山村さんの身に何かあったら、俺ー…

 親父が働いている施設と何があったのかは知らないし、聞かないー

 でも、これだけは約束してくれー…

 必ず、戻って来てくれー…

 俺、山村さんのこと、本気で心配してるし、

 本気で好きだからー…”


小野田正昭の息子、小野田龍吾から

そんな連絡も入っていたー…。


ーーー…


”潜入捜査”は、時として、潜入先で出会った相手に

感情移入してしまう危険性があるー。

実際に”それ”で、戻れなくなった人間もいるー。


”悪いが、それはできないー”


俺はそう思いながらも、プロに徹したー。


”うんー

 必ず、戻ってくるからー”


そんな返事を小野田龍吾に向けて送ったー。


女子高生として、高校に潜入し

犯罪組織ドッペルサイエンスの幹部・小野田正昭の息子である

小野田龍吾に接近ー

小野田正昭の情報を引き出すという当初の目的は

達せられたー。


”山村 彩智”としての俺の日常は、もうすぐ終わるー


願わくばー

この日記が、今日、この日で最後にならないことを祈りたいー。


ちゃんと、この場に帰ってきて、

また、この続きを書くことができるようにー…


さて、そろそろ時間だー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーー」

ふぅー。


俺は、スカートを気にしながら

自分の座っていた机から立ち上がるー。


”潜入捜査官”が、日記をつけるなど、

本来は、あるまじきことだー。


しかし、セキュリティは厳重にしているし、

俺はー仕事柄”いつ死ぬか”分からないし、

その覚悟は既に出来ているー。


だからこそー

”生きた証”を残したいー。


俺の死後も、誰にも読まれないかもしれないー

でも、俺はここに自分の生きた証を刻んでおきたかったー。


「ーーーー女子高生が銃なんて、似合わないなー」

自分の銃を手に、それをしまうと、

鏡の中の山村 彩智は悲しそうに微笑んだー。


既に”死亡”している女子高生の姿を借りての

潜入捜査ー。


それは、まもなく終わりを告げようとしているー


部屋から出た俺は

”山村 彩智”としての父親役・郷原さんと、

母親役・清水さん、二人の捜査官と話をするー


「行くのか?」

いつも軽い調子で、女子高生の姿になった俺に

セクハラまがいの発言ばかり繰り返している郷原さんも、

今日ばっかりは真剣な表情だったー


「ーーはいー。

 ”一人”でないと、会わないとのことだったのでー」


ドッペルサイエンス幹部・小野田正昭は

”俺一人で”指定の地点に来るように言っていたー。


”他の捜査官が来ていることに気付けば、話はおしまいだー”


と、息子の小野田龍吾が、”親父がそう言っていた”と

教えてくれたー。


「ーーー俺たちも全力でバックアップする」

郷原さんがそう言いながら頷くー。


”一人で来い”とは言われたが

”誰にも言うな”とは言われていないー。


だが、”周囲に伝えられること”を承知の上で

俺を呼び出しているということは、

小野田正昭にはー、

いや、犯罪組織ドッペルサイエンス側には

それなりの準備があるとみて間違いないー。


「ーーわたしは、笠倉さんの方の聞き取りのため、

 一度本部に合流するわ」


母親役の捜査官、清水さんが言うー。


笠倉 千鶴ー。

今回の潜入捜査の前にも、

俺に”女子高生としての振る舞い”を指導してくれた女性捜査官ー。


これまでにも、俺と何度か同じ任務に当たったこともあり、

互いに”捜査官としての強い信頼関係”があった相手だー。


だが、その笠倉さんは数日前に、

ドッペルサイエンスに内通していたことが判明し、

現在、本部で拘束されているー。


「ー春日部本部長も、増援の捜査員を、

 小野田正昭に指定された場所の周囲に配置する準備をしているー」


郷原さんの言葉に、俺は頷くと、

郷原さんは少しだけ笑みを浮かべて呟くー。


「ーーーこれで、お前のJK姿も見納めかー…

 寂しいな」


いつものようにニヤニヤしながら言う郷原さんー。


俺は、それが、緊張状態をほぐすための

郷原さんなりの冗談だとすぐに理解して笑ったー


「ーー今度は、郷原さんが、女子高生になってみれば

 いいじゃないですかー」


俺が冗談を返すと、郷原さんは

「そん時は、お前に女子高生としての振る舞いを教えてもらうか!」

と、笑いながら答えたー。



俺はー

郷原さん、清水さんに頭を下げてー

ドッペルサイエンス幹部・小野田正昭が待つ場所に向かったー


仲間の捜査官たちー

小野田正昭の息子・小野田龍吾ー。


色々な人の想いを受け取った俺はー

意を決して、合流地点へとやってくるー。


西地区に存在する湾岸エリアー。

そこにやってきた俺は、静かに歩き出すー。


本当はー

”俺の姿”でここに来たかったがー

春日部本部長とも相談した結果ー…、

”闇雲に本当の姿を晒すことは今の時点ではまだ避けたい”

と、いうことで、このままの姿でここに来ることになったー


中身は俺でも、

”完璧な変身”を遂げている俺の身体はー

今は”完璧に女子高生”だー。


どうしても、”戦闘”になるようなことがあれば、

俺のいつも通りの力を発揮することはできないー。


だが、そこは郷原さんたち、仲間の捜査官が

バックアップしてくれると信じてー

俺は、小野田正昭に指定された地点へとついにたどり着いたー。


湾岸エリアの中にあるB12番倉庫ー。

そこに足を踏み入れると、

すぐにその男が姿を現したー


「ーーお前が…小野田正昭かー…?」

女子高生とは思えないような低い声を出してしまった俺ー


だがー

もう、相手も”俺のこと”は、ほぼ理解していると

考えて間違いないだろうー。


「いかにもー

 息子が世話になったようだなー」


小野田正昭は、

俺の考えていたような容姿とは、真逆で、

スーツ姿のビジネスマンのような眼鏡をかけた男だったー。


眼鏡をいじりながら俺のほうを見つめて来る小野田正昭ー。

一見すると普通にその辺を歩いてそうな雰囲気にも見えるが、

その眼光は鋭く、只者ではないことが分かるー。


「ーー俺をここに呼んだ理由はー?」

俺が、そう呟くー。

どうしてもこの身体だと、その声には迫力はなくー、

どちらかと言うと”可愛らしい”感じになってしまうー。


「ーー君と”取引”がしたいー」

小野田正昭は、眼鏡をいじりながらそう呟いたー。


「ー取引?」

俺は周囲を警戒しながらも、そう呟くー。


「ークククー…安心したまえ。

 ”君たち”が動かなければ、こちらは何もしないよー」


小野田正昭が鋭い目つきで、こちらを見るー


当然ー

郷原さんたち”他の捜査官”が近くで

スタンバイしていることも理解しているのだろうー。


小野田正昭の身体から溢れ出る”自信”を見る限りー

やつらー…ドッペルサイエンスの構成員も

この辺りに潜んでいると考えて間違いないだろうー。


「ーーーー…それで、”取引”と言うのは?」

俺が呟くと、小野田正昭は、笑みを浮かべたー。


「ー”我々を、これ以上探ろうとしないことー”」


その言葉に、

俺はすぐに答えるー


「ーお前たちの犯罪行為を野放しにしろとでもいうのか?」


まるで”お父さん”と”娘”が話しているような

”周囲には絶対に理解できない”

この光景ー


俺は、華奢な手を握りしめて、

小野田正昭のほうを見つめるー。


「ーー我々は”ビジネス”をしているのだー

 邪魔者でなければ、意味もなく命を奪うことはしないー。

 どうだろう?

 警察と、我々で手を結ばないか?」


無茶苦茶な”取引”だと、俺はすぐに思ったー

そんな取引に、こいつは警察が応じるとでも思っているのだろうかー。


「ーーーーー」

俺は、ため息をついたー


もちろん、

最初から分かっていたー。


だがー

それでも、”ここ”に来るしかドッペルサイエンスの”中枢”に

近付く方法はなかったー


だから、ここに来たー。


そう、命を懸けてー


「小野田正昭ー。

 単刀直入に聞くぞー。」


俺は言い放ったー


「ーーお前が俺をここに呼んだのはー

 ”取引”のためじゃない」


その言葉に、小野田正昭は眼鏡の位置を指で調節しながらー

笑みを浮かべるー


「ー俺たちを”始末するため”にここに呼んだんだろ?」


俺が、小野田正昭を睨みながらそう言い放つと、

小野田正昭は苦笑いしながら、

拍手をし始めたー。


そしてー


冷徹な声で呟いたー


「ご名答ー…

 分かっているなら、話は早いー。


 用件は一つだー。


 ”死ね”ー」


とー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


”謎の連絡”


久遠様ー…


久遠様の指示で私はいつでも動く準備は出来ていますー。


我が偉大なる久遠様に、永遠の栄光と繁栄をー。

我が命と魂は、久遠様と共にありー。


”S”


⑬へ続く


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コメント


ついにクライマックスへ…★!

犯罪組織ドッペルサイエンスとの戦いの行方を

ぜひ見届けて下さいネ~!

今日もお読み下さりありがとうございました~!


※毎週土曜日の更新(コンパクト枠)とは?

(いつもと同じ説明デス↓ 既に知ってる方は読まなくて大丈夫デス!!)

毎週土曜日(以前は火曜日でした!)は、

私が仕事の都合で書く時間を確保できないので、

本来更新は難しいのですが

少しでも皆様にご恩返しということで、他の6日間で毎日

少しずつ執筆して、土曜日にも、作品をお届けしています!

そのため、いつもより少し文章量が少ないため

毎週土曜日の作品は、100円プランでも読めるようにしてあります!

(※土曜日枠のお話は必ず完結まで100円プランで読めるようにします!

  途中から上がったりはしませんので、安心してください)

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