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麻莉奈と淳也ー。

入れ替わってしまった二人は、それぞれの学校・職場に

入れ替わった状態のまま向かうも、

麻莉奈(淳也)も、淳也(麻莉奈)も信じてもらうことが

できないままー。


家族にも、職場にも、学校にも、

入れ替わりを信じてもらえなかった二人の運命は…?


★前回はこちら↓★

<入れ替わり>信じる者はいなかった③~職場と学校~

少し天然なOLの麻莉奈と、 生涯独身を宣言する男子高校生・淳也の二人が入れ替わってしまったー。 二人は、淳也の家に足を運び、事情を説明するも、 ”入れ替わり”を信じてもらうことはできなかったー。 仕方がなく、淳也(麻莉奈)は、淳也として淳也の家で、 麻莉奈(淳也)は、麻莉奈としてビジネスホテルで 一晩を過...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ー俺、考えたんですけどー」

麻莉奈(淳也)が言うー。


「バラバラに学校や職場に行っても、

 やっぱ、信じてもらうことなんて、できないと思うんです


 だってー、考えてみて下さい。

 例えば、お姉さんの会社の人が突然、”身体が入れ替わっちゃったんです!”

 なんて言って、出社してきたら信じますか?」


麻莉奈(淳也)の言葉に、

淳也(麻莉奈)は「う~ん…確かに、信じないかも」と、笑うー。


「ーーそうですよね?

 俺だって、知らない女の人がいきなり

 「俺だよ!身体が入れ替わっちゃったんだよ!」なんて、

 友達が言ってきても信じませんしー」


麻莉奈(淳也)がそこまで言うと、

「君、なかなか頭いいね!すごい!えらい!」と、

淳也(麻莉奈)は、麻莉奈(淳也)の頭を撫でながら笑うー。


「ーな、なんか”俺”に撫でられてると

 変な気持になるんですけど…」


麻莉奈(淳也)が戸惑いながら笑うー。


「ー確かにわたしも、”目の前にいるわたし”を

 撫でてるなんて変な気持ちー」


そう言いながらも、淳也(麻莉奈)は

「でも!今しかこんなことできないかもしれないし、

 普段、頑張るOLなわたしをいっぱい撫でちゃう!」と、

麻莉奈(淳也)を、さらに激しくなで始めるー


「ーちょっ!?ちょっと!

 やっぱお姉さん、何か変ですよ!」


麻莉奈(淳也)が撫でられ続けて乱れた髪を

なんとか整えながら、少しだけ笑うと、

「ーー変じゃないよ~!よく天然とは言われるけど」と、

淳也(麻莉奈)は呟いたー


”あ~…まぁ、言われるだろうなぁ”


そう思いつつも”二人で

それぞれの学校と職場に行って、

入れ替わったことを伝えようと提案する麻莉奈(淳也)ー


だがー、

淳也(麻莉奈)が「昨日、君の親は信じてくれなかったよね?」と

呟くー。


「ーーまぁ…それは、そうなんですけどー

 でも、学校と職場の場合は、やっぱりバラバラで行くより

 二人で言った方が、信じてもらえると思うんですー。


 俺の家族はほら、たまたま物分かりが悪かっただけでー」


「ーそうかなぁ…」


そうは言いながらも、麻莉奈(淳也)の提案した方法しかないとは

思うし、このままずっとふらふらしているわけにもいかないー。


漫画やドラマの世界では

”お互いのフリをして過ごす”みたいのもあるが、

現実的に、入れ替わってわずか1日でそれをやるのは

不可能に近く、確実に学校や職場で、変な視線を送られることに

なってしまうと思うし、

”相手が、自分の身体で何をしているのか”という状況も心配だし、

なかなかそれは難しいー


やっぱりここは、周囲に事情を話して、信じてもらうしかないー。


ーと、淳也(麻莉奈)は考えた上で、頷くー。


「ーーーうん。わかったー!

 まずは、信じてもらわないと、どうにもならないもんねー…」


「ーよかったー。

 じゃあ、まずはー」


まずはここから近い麻莉奈の職場へー。

次に淳也の学校に二人で行き、事情を説明することに決め、

麻莉奈の職場の方へと向かったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


麻莉奈の勤務している会社の入口前で、

必死に事情を説明する麻莉奈(淳也)と淳也(麻莉奈)ー


警備員たちは、さすがに戸惑った様子で

麻莉奈たちのほうを見ているー。


「ですので、今、わたしは見た目が男子高校生ですけど、

 中身は川崎麻莉奈でー


 こっちのわたしに見える人間が

 中身は男子高校生なんですー」


淳也(麻莉奈)が必死に説明するー。


麻莉奈(淳也)もすかさず口を開いて、

「う、嘘だと思うかもしれませんけど、本当なんです!」

と、説明するー


”二人が、同時に入れ替わったことを主張すれば”

流石に信じてもらえるだろうー。


そう思って、警備員たちの説得を続ける二人ー。


麻莉奈(淳也)と淳也(麻莉奈)の必死の説得は続くー。


そしてー

ようやく警備員たちは、少しは信じてくれたのか

「ちょっと確認しますので、お待ちくださいー」

と、麻莉奈たちに告げたー


「ほら!信じてもらえそうですよ!」

麻莉奈(淳也)が少し得意げにガッツポーズすると、

「ーさすが!頼りになるぅ!」と、淳也(麻莉奈)は

調子よく、そんなことを呟いたー。


麻莉奈の上司である、木村(きむら)部長が

話を聞いてくれるということで、会議室に通される二人ー


木村部長は困惑した様子でー

「それで、話を聞かせてもらえるかなー?」

と、麻莉奈(淳也)と淳也(麻莉奈)に対して言い放ったー。


二人は、事情を説明するー。

けれどー、木村部長の反応は、淳也が思っているよりも

悪いものだったー。


うすら笑みを浮かべながら「いやぁ…」と、呟くと、

「川崎さんは、天然だとは思ってたけどー

 そういうこと言われちゃうとなー…」と、困ったような

表情で、淳也(麻莉奈)のほうを見つめたー。


「ーこの子は…弟さんか、何かかなー…?」


その言葉に、淳也(麻莉奈)は「ち、違うんです!

わたしたち、本当に入れ替わっていてー!」と、叫ぶー


「ーいやいやいや、入れ替わりなんてさー、

 ちょっと、こうー、自分が何言ってるか、理解できてる?」


木村部長がそこまで言うと、

淳也(麻莉奈)はムッとしてー

”会社の仕事内容”を、早口で一気にしゃべり始めるー。


「ーーーー!」

木村部長は驚いた様子で淳也(麻莉奈)を見つめているー


部署の同期の名前ー

上司の名前ー

仕事内容や、パソコンのパスワード、

今担当している案件、顧客の名前ー


思いつく限りを、言い放っていくー。


やがてー

木村部長は「わかった、わかった!もういい」と、

うんざりした様子で呟いたー。


そして、木村部長は、

言葉を口にした淳也(麻莉奈)の方ではなく、

麻莉奈(淳也)のほうを見つめながら、言葉を口にしたー。


「ーそうかー。よくわかったー。ー」


麻莉奈(淳也)は「信じてくれるんですか!」と、

嬉しそうに声を上げるも、

その視線に少し違和感を感じ、

木村部長のほうを見つめたー


「ー君は、会社以外の人間に、会社の情報を

 そんなにペラペラしゃべるようなやつだったんだなー。

 それも、パスワードまで」


木村部長は呆れたように言うと、

「君が会社のパスワードや重要な情報を、

 どんな風に扱っているか、ということを知ることができたー」

と、大きくため息をついてー、

「ー悪いが、うちの会社には、もう置いておけないだろうー。

 処分は追って連絡するー。

 それまで、自宅で謹慎してなさい」と、

言葉を呟いたー


「ーーえ…ちょ、ちょっと待って下さい!部長!」

淳也(麻莉奈)が叫ぶー。


木村部長はー

麻莉奈と淳也の入れ替わりを信じないどころかー、

麻莉奈が”淳也の身体”で、会社の情報を口にしたことが

仇となってしまったー。


”麻莉奈が淳也に、会社のパソコンのパスワードや顧客情報ー

 色々なことをペラペラと喋った”と

勘違いされてしまったのだー。


二人は、なすすべもなく、

そのまま会社から追い出されてしまったー。


「ーーこ、こんなことになるなんてー…

 すみませんー」


麻莉奈(淳也)が言うと、

淳也(麻莉奈)は落ち込んだ様子のまま

「き、君のせいじゃないしー…」と、呟いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーーーー」

校長先生が、麻莉奈(淳也)と淳也(麻莉奈)の

話を一通り聞いた後に、ため息をついたー。


「ーーそれで?」

校長先生は、首を傾げるー。


「ーーだ、だから、俺、この人の身体になっちゃったのでー

 これから、どうやって登校すればいいかー…

 分からなくてー 困ってるんですー」


麻莉奈(淳也)が、自分の身体が麻莉奈の身体になってしまったことを

アピールしながら、そう叫ぶー。


だが、依然として校長先生の反応は薄いー。


「ー話は、それだけかな?」

淳也(麻莉奈)のほうを見つめながら、

失笑する校長先生ー。


「ーーーあ、あの…」

麻莉奈(淳也)が校長先生に口を挟もうとすると、

「失礼ながら、彼とはどういう御関係でー?」

と、校長先生がため息をつくー。


「ーーい、いえ、あの、ですからー入れ替わってしまってー」

麻莉奈(淳也)は、

校長先生が、明らかに”入れ替わり”を信じていないことを

確信するー。


「ーーははははっ…ははははははははっ」

校長先生は笑いながら立ち上がると、

校長室の窓際の方に歩いて行って、

窓の外を見つめながら呟いたー。


「ー”入れ替わり”ねぇー」

それだけ言うと、校長先生は、

麻莉奈(淳也)と淳也(麻莉奈)のほうを振り返って

笑みを浮かべたー


「まぁほら、昼休みの時間も終わるー

 君は教室に戻りなさいー」


淳也(麻莉奈)に対してそう言い放つ校長先生ー


完全に”戯言”だと思われていて、

まるで入れ替わりを信じてもらうことが出来ていないー。


「ーーだ、だから、俺はー!」

麻莉奈(淳也)が叫ぶと、校長先生は

「大事な話というので、時間を確保しましたが

 私にもこのあと、予定がありますので

 これで失礼させていただきますよ」

と、うんざりした様子で呟き、そのまま校長室の

外に出て行ってしまったー。


「ーーーー……誰も、信じてくれないー」

淳也(麻莉奈)が不安そうに呟くと、

麻莉奈(淳也)は「だ、大丈夫ですよ…!な、なんとかなりますから!」

と、淳也(麻莉奈)を励ますー。


「ー大丈夫じゃないでしょ!

 家族にも、職場にも、学校にも信じてもらえなかったんだからー!」


淳也(麻莉奈)の言葉に、

麻莉奈(淳也)は「そ、それはそうですけどー」と、言いながらも

「こうなったら、もう、アレしかないですよ!」

と、麻莉奈(淳也)が叫んだー


「ーーえ…」

淳也(麻莉奈)が表情を歪めるー。


「ーーま、まさか…エッチするつもりー…?」

淳也(麻莉奈)の言葉に、

麻莉奈(淳也)は顔を真っ赤にしながら

「な、なんでそうなるんですか!大体俺は生涯独身を決めてるって

 言いましたよね!?」と、慌ててツッコミながら

「病院に行くんですよ!病院に!」と、

言葉を伝えたー。


「ーーあ~病院…」

淳也(麻莉奈)の言葉に、

「こうなっちゃったらもう、病院の先生に診察してもらって

 治してもらうしかないと思うんですよー」

と、麻莉奈(淳也)は提案するー


「ーま…まぁ、それが一番なのかもねー

 何か異常が見つかったり、原因が分かれば対処もしやすいしー」


そんな風に話をして”病院”に助けを求めることを

決めた二人は、学校からそのまま抜け出して、病院へと向かうー。


「あ~あ…これで俺も無断欠席ですよ。親にも怒られるなぁ…」

麻莉奈(淳也)が、ため息をつきながら言うと、

淳也(麻莉奈)は「わたしなんて自宅謹慎でクビになるかもだし」と、

苦笑いを浮かべたー


「な、なんかすみません」

麻莉奈(淳也)は申し訳なさそうに頭を下げるー。


そして、ようやく病院の前にやってくると、

麻莉奈(淳也)は「でもまぁ、病院で異常が見つかったり、先生が、

診断書でも書いてくれれば、学校も職場の問題も、解決ですよ」と、

笑みを浮かべたー。


「まぁ…それもそうね」

淳也(麻莉奈)はそう言いながら、

麻莉奈(淳也)と共に、病院の中へと足を運んだー。



しかしー


「ーーーーあ?」

病院の受付で、”入れ替わってしまった”という事情を

説明したところ、受付の人はすぐに「あ、はい」と、

状況を理解して、診療科を紹介してくれたー。


だがー


「ーーー……なんで精神科?」

麻莉奈(淳也)が、そう呟いて、

横目で淳也(麻莉奈)を見つめると、

「ーーほ、ほら…人と人が入れ替わるって

 精神(こころ)の入れ替わりでしょー?

 だからじゃないー?」と、

淳也(麻莉奈)は答えるー。


「あ、あぁ~なるほど~!納得!」

麻莉奈(淳也)は、そう言いながら安堵の溜息をつくと、

順番待ちのために、淳也(麻莉奈)と共に、椅子に着席したー…。



⑤へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


次回が最終回デス~!

未だに全く信じてもらえないこの状況を

抜け出すことはできるのでしょうか~?


ぜひ結末も見届けて下さいネ~!


今日もありがとうございました~!

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