Home Artists Posts Import Register
Join the new SimpleX Chat Group!

Content

ある日、突然女体化してしまった親友の敦也。


親友を男に戻すための方法を連日、必死になって探していた啓太郎。

全ては”親友のため”ー。


しかし、その当の本人は、自分の”可愛さ”に目覚め、

次第に啓太郎とは異なる道を歩み始めていた…!


★前回はこちら↓★

<女体化>女体化オタク②~二人の想い~

学生時代から仲良しだった 啓太郎と敦也ー。 お互い社会人になった今でも、二人はオタク趣味を楽しむ日々を 送っていたー。 しかし、ある日突然、敦也が女体化ー。 元に戻る方法が分からないまま、なんとか親友を元気づけようとする 啓太郎ー。 だがー 女体化して”美少女”になった敦也の中には 心境の変化が生まれつつあ...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


親友の敦也が女体化してから1か月ー。


啓太郎は、アニメキャラのコスプレをして

嬉しそうにポーズを決めている

女体化した敦也の写真をツイッターで見つめながら、

しばらくの間、呆然としていたー。


「ーーなんだ…これ…」


啓太郎は、女体化してしまった敦也を、

何とか男に戻そうと、この1か月間、必死にその方法を

調べて来たー


何か小さな手掛かりだけでもいい、

何か小さな可能性でもいいー、


この1か月間は、とにかく親友のことを考えていたー。


同じ趣味を持ちー、

同じ喜びを分かち合う、かけがえのない存在を救うためにー。


確かに最近、敦也に連絡しても反応は薄かったし、

直接会う機会も少なくなっていたー。


けれど、まさか敦也が”女になった自分”を楽しんでいるとは

夢にも思わなかったー


最近、反応が薄くなりつつあったのは

”敦也がなかなか男に戻れなくて、悩んでいるから”だと、

勝手に解釈していたー。


しかしー


「ーーーーーー」

啓太郎は”女体化した敦也のコスプレ写真”を見つめながらー

ようやく、身体を動かすと、

敦也のコスプレ写真を”かわいい”とツイートしていた

オタク仲間にメッセージを送ったー


”その子はー?”

啓太郎がそう質問すると、オタク仲間はすぐに返事を送ってきたー


”あぁ、最近さ、結構イベントとかにも顔を出してる

 アニメ好きの子だよー

 確か、敦美って名前だったかなー。


 本当に、すっげぇ知識量でさー。

 女の子にも、こんオタクな子、いるんだな~って”


そんな返事を見て、啓太郎は確信したー


この1か月ー

女体化した敦也は、”美少女”になった自分を楽しんでいたのだとー。


それを知らずに、啓太郎は

この1か月、必死に敦也が男に戻る方法を調べ続けて来たー


「ーなんだよ…………なんなんだよ…」


途端に裏切られたような気持ちになる啓太郎ー。


敦也は、ついこの間、通話したときも

”男に戻りたい”などと啓太郎に話していたー。

だが、実際はー…


「ーー…」

”女体化した自分”本当は楽しんでいるなら、

それはそれでも構わないー


でも、何で敦也は、そう言ってくれなかったのだろうー。

なんで、”男に戻りたい”などと、自分に言ってきたのだろうー。


啓太郎は、しばらく呆然としていたものの、やがて、

意を決して敦也に対して電話を掛けたー。


”あぁ、啓太郎ーどうした?”

いつものような口調で、返事をする敦也ー。


「ーーお前さ……本当に、”男”に戻りたいと思ってるのか?」

啓太郎は、単刀直入に、そう尋ねたー。


”え?急に何を言い出すんだよー。

 当たり前だろ~?はははは”


笑う敦也ー。

女体化した当初のような、”落ち込んでいる様子”は、

もはや、感じられないー。


「ーーー……俺、見たんだー」

啓太郎が言うー。


”見た?”

敦也は、とぼけるような口調で言ったー。


「ーーー…お前が楽しそうにコスプレしてる写真をー」

啓太郎は、ひと思いに、そう言葉を発したー。


”~~~~あ~~~~~見たのかー

 あ~~~…まぁ、そっかー、うんー。

 ま、いつかはバレることだしなー…


 俺さー…ちょっと”女の子”でいるの、

 楽しくなってきちゃってさー。


 だってほら、周囲が俺のこと、可愛い可愛いなんて

 いうんだぜー?

 なんか、こう…たまんねぇなって思ってー”


敦也の可愛らしい声に、

啓太郎は「ーー……どうして、俺には教えてくれなかったんだ?」と、

悲しそうな口調で呟くー。


”ん~~?あ~~~…まぁ、なんとなくー

 ほら、俺もオタクたちの相手に忙しくてさー


 あ、そうだー

 啓太郎も俺と遊びたいのか?

 なんなら、遊んでやってもいいぜ?”


その言葉に啓太郎はムッとしたー


”遊んでやってもいいー”


”やっても”


「ーーーー…なんだよそれー。

 遊んでやってもいいー?

 いつからお前ーそんなこと言うようになったんだよ!」


啓太郎はつい声を荒げるー


”なんだよ~!そんなにムキにならないでよ~!”

女の子っぽい口調で呟く敦也ー。


「ーーー…お前、本当に”男”に戻りたいのか?」

啓太郎が敦也に対して、そんなことを呟くー。


”ーーー…ま、まぁー。戻れるなら。

 でも、そんな方法なんてないだろ?

 啓太郎にも迷惑かけて悪いしさ、

 自分で元に戻る方法探すから、もう無理しなくてもいいぜ?”


敦也のそんな言葉に、啓太郎は咄嗟に、

とんでもないことを呟いてしまったー


「ー見つけたー」


嘘だー。

”急に女体化した敦也”を元に戻す方法なんて、

見つかっていないー。


けれどー

啓太郎は、そんな嘘をついてしまったー


”え?”

敦也が驚いたような声を出すー。


「ー敦也を元に戻す方法、見つけたんだー」

啓太郎は、自分でも、どうしてそんな嘘を

ついているのか、分からなかったー。


女体化した敦也を助けたいー。

けれど、敦也は、男に戻ることを望んでいないようなー

そんな風にも見える現在の状況に、

なんとなく腹が立ったのかもしれないー。


「ーー次に会った時にー」


”ーーはは!さすが啓太郎!

 本当にありがとうな!”


敦也は、啓太郎の言葉を遮って嬉しそうに言うと、

”あ、悪い、ちょっと人が来た!”またあとで話そう!”と、

そのまま電話を切ってしまったー


「え…?おい、敦也!」

スマホに向かって叫んだが、敦也からはもう返事がなかったー。


「ーーーー…何してんだ俺はー」


”男に戻す方法を見つけた”

そんな嘘をついて、自分は何がしたいのかー。


”俺はただ、お前を助けてやりたいだけだったのにー”


”戻りたくないなら、そう言ってくれればいいー”

だが、露骨に”美少女”として楽しみながらも

あくまでも啓太郎の前では”男に戻りたい”と嘘をつく

敦也に、啓太郎は強い不信感を抱き始めていたー。


そしてー

その日の夕方ー

啓太郎は、敦也からLINEもSNSも、何もかも

ブロックされたことに気付いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーえ~?ほんと~ですか~?うれしい~!」


可愛らしい服を身に着けて、

髪型も、すっかりおしゃれになった敦也は

”敦美”を名乗り、オタク活動を楽しんでいたー


”へへへ…ほんと、最高だぜ!”

”いきなり女体化”した最初の日は、もちろん戸惑ったー。


だが、今となっては、敦也は”美少女になった自分”を、

楽しんでいたー。

色々なおしゃれを楽しみ、

自分の好きなアニメキャラのコスプレをしたりー、

イベントに足を運んでは”可愛い”と周囲から言われたりー


敦也はすっかり”男に戻る気”を失くしていたー。


そしてー

有頂天になっていたー。


「ーーにしても、俺、可愛すぎだろ?

 オタクどもが喜ぶのがよく分かるぜ!へへっ!

 こんな可愛い俺と、お前らが釣り合うわけなんかないのにさ!ははっ!」


敦也は自分の姿を姿見で見つめながら

ご機嫌そうな笑みを浮かべるー。


「でもまさか、あいつが男に戻る方法を見つけるなんてなぁ…

 まぁ、もう、俺は戻る気なんて、ないけどなー」


既に敦也は、”会社を解雇”されているー。

女体化したままでは出勤できなかったし、

どうすることもできなかったー


だがー

今は”メイドカフェ”でバイトを始めたし、

”女”を利用してお金を稼ぐことが出来ているし、

大した問題ではなかったー


「ーーーあ~~~!ほんと可愛いなぁ~~

 ”わたし”ー

 ふふっ」


敦也は満面の笑みで自分の姿を見つめるー。


原因は、分からないー

けど、原因なんて、今の敦也にはもう、どうでもよかったー。


美少女になったおかげで、

こんなに楽しい日々を、手に入れることができたのだからー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


敦也からLINEも何かもブロックされてしまった

啓太郎は、一人、悩み続けていたー。


「何があったか知らないけど、元気出せよ」

会社の先輩・角田先輩の言葉に、

啓太郎は「すみません」と、頭を下げるー。


角田先輩が自動販売機が買った飲み物の一つを

そっと啓太郎に差し出すと、

「ーー友達のことで、悩んでるのか?」と呟くー


「ーーえぇ…まぁ…」

啓太郎が頷くー。


少し前に、角田先輩に

”もしも友達の性別が急に変わってしまったら、どうしますか?”と、

相談した際に言われた言葉を、啓太郎は思い出すー。


「ーいや、だってさー。

 急に友達の性別が変わったりしたらー… 

 こっちも、相手も色々心境が変化すると思うしさー。


 ”今まで通り”では、いられないと思うんだよー」


”今まで通り”では、いられないー。

結果的に、角田先輩の言葉通りになりつつあるー。


「ーーーー大切な親友と、今、ちょっと喧嘩みたいになっちゃってて」

啓太郎が言うと、角田先輩は「あ~~~」と、言いながら

缶コーヒーを口に運ぶー。


「ーーお前が、自分で少しでも”悪い”と思う部分があるならー

 なるべく早く謝ったほうがいいー。

 謝るのが遅くなればなるほど、相手は遠くに行ってしまうかもしれないし

 お前も後悔するー。


 相手が100パーセント悪いなら、謝る必要はないー。

 でも、1パーセントでも自分に悪いところがあると感じるなら、

 その1パーセントの部分は、すぐ謝るんだー」


角田先輩にそう言われた啓太郎は

”1パーセントでもー”

と、心の中で気持ちを整理したー。


”敦也のやつが、どうしたいのかを俺はちゃんと

 敦也に聞いてなかったのかもしれないー”


”男に戻りたいだろ?みたいな押し付けになっていたかもしれないー”


それにー


”男に戻る方法がある、と嘘もついてしまったー”


「ーーー」

啓太郎は、明日の休日に、敦也の家に直接行くことを決意するのだったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


「ーーー」

啓太郎が、敦也の家を訪れるー。


だが、インターホンを鳴らしても返事はないー。


何度か繰り返しインターホンを鳴らす啓太郎ー。

けれど、敦也から返事はないー。


「ーー留守…か」

仕方ない、と思いつつ、近くで敦也が帰宅するのを待つ

啓太郎ー。


しかしー、

敦也は予想に反して、家の中から姿を現したー


今日も美少女らしい可愛らしい格好をしているー。


”敦也ー…”

敦也は完全に”女になった自分”を楽しんでいるー


啓太郎は、そう思ったー。


そして、敦也の前に姿を現し、声を掛けるー。


「ーーお前ー」

敦也は表情を歪めたー


「敦也ー俺ーーー…」

啓太郎は、自分の悪い部分を認めた上で、

敦也に対して、これからどうしたいのかを確認しー、

その上で、敦也の選択を受け入れて

敦也の親友として付き合っていこう、と、

そう考えていたー


「ーーーーキモイ」


「ーーーえ?」


そんな啓太郎の想いを打ち砕く言葉が、

美少女になった敦也から浴びせられたー


「ーーーキモイんだよー。

 そんな見た目の癖に、俺に付きまとってー」


敦也の言葉に、啓太郎は

「お…お前…マジで言ってんのかー?」と、

震えながら聞き返したー


啓太郎も、敦也も小さいころから容姿には恵まれずー

お互い、女子に”キモイ”と言われたこともあるー。

大学時代に二人が出会い、意気投合したあとも、

そんな話題で盛り上がったこともあったー。


”キモイ”と言われる辛さは、敦也もよく理解しているはずー

それなのにー


「ーーお前、自分の姿、鏡で見て見ろよー

 俺が”今まで通り優しくしてやってる”のに、

 あんまり調子に乗るなよ?


 俺はこうして可愛くなったけどー

 お前はキモイままなんだからさー。」


美少女な見た目で、可愛らしい声ー

でも、最悪の言葉ー


啓太郎は震えながら敦也のほうを見つめていたが、

やがて、何かが自分の中で切れてしまったー


「ーーー…そっかー。キモくて悪かったな」


啓太郎は、すべてを諦めたような表情で、

敦也に対して言い放ったー。


もういいやー。


そのまま、敦也の前から立ち去っていく啓太郎ー。


この1か月ちょっとー

真面目に敦也を救おうとしているのが、

馬鹿みたいだったー。


啓太郎は、そう思いながら敦也の前から立ち去るー。


敦也のことは、本当に親友だと思っていたー

それなのに、”美少女”になった敦也は変わってしまったー


帰宅した啓太郎は、

敦也の連絡先も、敦也から貰ったものも、

敦也とイベントで一緒に撮影した写真も、

全て、捨てたー。


「ーキモいオタクで悪かったなー

 クソ女ー」


啓太郎は吐き捨てるようにそう呟くと、

2度と、敦也と関わることはなかったー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


女体化をきっかけに生まれてしまった

すれ違いのお話でした~!☆


女体化した原因は作中では明かしませんでしたが、

特にあまり深い理由はないので、

気にしないでください~☆笑


お読み下さりありがとうございました~!

Files

Comments

No comments found for this post.