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学生時代から仲良しだった

啓太郎と敦也ー。

お互い社会人になった今でも、二人はオタク趣味を楽しむ日々を

送っていたー。


しかし、ある日突然、敦也が女体化ー。

元に戻る方法が分からないまま、なんとか親友を元気づけようとする

啓太郎ー。


だがー

女体化して”美少女”になった敦也の中には

心境の変化が生まれつつあったー…。


★前回はこちら↓★

<女体化>女体化オタク①~混乱~

森原 啓太郎(もりはら けいたろう)は、 今日もオタク仲間の、冬川 敦也(ふゆかわ あつや)と共に 夜遅くまでオタクトークで盛り上がっていたー。 啓太郎と敦也は、大学時代からの友人ー。 二人とも共通の趣味を持ち、話もよく合うことから 大学卒業後、社会人となった今でも、 こうして時間さえあれば通話したり...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・


啓太郎は、女体化してしまった親友・敦也のために、

敦也が男に戻るための方法を必死になって調べていたー。


「ーーーーー」

毎週見ているアニメの放送時間がやってきても、

それに気づかないほど、啓太郎は”親友のための調べ事”に

没頭していたー。


”女体化 元に戻す”

そういったワードを手当たり次第、検索していくー。


けれどー

目的の情報はないー。


検索結果に表示されるのは、

”現実”の話ではなくー、

アニメや小説、漫画、映画ー

”登場人物が女体化したアニメで、どうやって男に戻ったか”


そういったフィクションの話ばかりー…


「ーーーー…くそっー」

当たり前と言えば当たり前だー。


”男が突然、女になったー”などという話は

現実では啓太郎の知る限り、聞いたことがないー


「ーーーダメかー」

”美少女”になってしまった敦也の姿を思い出しながら、

「早く、あいつを元に戻してやらないとー」

と、困惑の表情を浮かべるー


「ーーーあっ!」

パソコンに向き合っていた啓太郎は、突然、そんな声を上げると、

ようやく、自分が毎週見ていたアニメの

放送時間が過ぎてしまったことに気付くー。


しかし、もう手遅れだー。

ふぅ、とため息をついて再びパソコンの画面を見つめると

”唯一無二の親友”のことを再び考えながら

パソコンで調べ事を再開したー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


だがー

そんな啓太郎の想いとは裏腹に、

女体化してしまった敦也の心境にはー

”ある変化”が生まれつつあったー。


先日ー

アニメグッズなどを販売する行きつけのお店に

啓太郎と共に足を運んだ際のことを思い出すー。


「ーあの子、誰だよ?」

「可愛くねー?」

「ーお!まさか彼女さん?」


お店の店長ー

それに、お店の客ー。


あの場に居合わせた人間たちが、

敦也を見てそんなことを呟いていたー。


「ーーーーーー」

そんな周囲の反応に、敦也は今までに感じたことのない

感情を覚えていたー。

自分でも”この感情が何なのか”よく分からないー


けれど、心の底から湧き出てくるような

この感情はー決して、悪い意味での感情ではないことだけは

確かだったー


”かわいいー”


「ーー俺がー…?」

鏡を見つめる敦也ー


鏡には、可愛らしい美少女が映っていて、

こちらのほうを不思議そうな顔で見つめているー


「ーーかわいい…かわいいー…」


敦也は今まで、どちらかと言うと容姿を馬鹿にされる経験のほうが

多かったし、

カッコイイと言われたり、ましてや可愛いと言われたことなど、

本当に子供のころ、おばさんやおじさんに言われたぐらいで、

”容姿を褒められた”経験など、まるでなかったー。


”可愛さで周囲の視線を釘付けにするー”

そんな、人生初めての経験に敦也はあの日から数日が

経過した今でも、ゾクゾクと、心が高鳴るのを感じていたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それから数日が経過するー。


敦也のことを心配している啓太郎は、

職場でもずっと敦也のことを考えていたー


「ーどうしたんだよ?考え事か?らしくないなー」

入社時から、啓太郎のことを指導してくれている

頼れる先輩・角田(すみだ)が、敦也のことを

考えている啓太郎に声をかけたー


「あ、角田先輩…」

啓太郎がそう返事をすると、

「ーなんだなんだ?恋人と喧嘩でもしたのかー?」


啓太郎に彼女がいるのか、いないのかまでは知らない

角田先輩は、悪気はなく、そんな言葉を呟くー。


「あ、いえー。」

啓太郎はそう言うと、少し考えてから言葉を続けたー。


「ーあの…先輩はもしも、大事な友達の

 性別が突然変わっちゃったら、どうしますかー?」

啓太郎の言葉に、角田先輩は「は?なんだよそれ?」と

苦笑いするー


「ーーああ、いえ…例えば、の話ですー」

啓太郎が慌ててそう呟くと、

「ーーそうだなぁ」と、角田先輩は、その話を本気には

しなかったものの、”もしも”の仮定で答えてくれたー


「俺だったらー…まぁ、そいつと一緒に今まで通りにしようって

 思うとは思うけどー…

 最後には疎遠になっちまう気がするなぁ…」


「ー疎遠ー?」

啓太郎が聞き返すと、角田先輩は

「あぁ」と、頷くー。


「ーいや、だってさー。

 急に友達の性別が変わったりしたらー… 

 こっちも、相手も色々心境が変化すると思うしさー。


 ”今まで通り”では、いられないと思うんだよー」


角田先輩の言葉に、啓太郎は、敦也のことを思い出すー。


「ーーー……ははっ、なんて、

 こんな話を聞いて、どうするんだ?」


笑う角田先輩に対して

啓太郎は「いえ、ありがとうございましたー」と、

お礼の言葉を述べて、頭を下げたー。


” ”今まで通り”では、いられないと思うんだよー ”


そんな、先輩のことが、帰宅後も

ずっと頭の中に響き渡ってー

なかなか消えてくれなかったー。


”そんなことないー”


”ー俺も、敦也もー、

 恋愛とか、そういうことには興味ないしー、

 性別が変わったって、関係が変わったりはしないはずだー”


啓太郎は心の中でそう呟きながら、

”明日は敦也の様子を見に行こう”と、

休日を利用して、敦也の家に行くことを決めるのだったー


・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


「ーどうだ~?元気にやってるか~?」

啓太郎が、敦也の家を訪れるー。


しかしー、

敦也の家を訪ねると同時に、啓太郎は少し表情を歪めたー。


女体化してから1週間ちょっとー。

今まで、敦也は”ジャージ”だとか、元々敦也自身が着るような服しか

女体化後は身に着けていなかったー。


だがー。

今日の敦也は、可愛らしいスカートを身に着けていて、

まるで”本当の美少女”になったかのような格好をしているー


「ーあ、敦也ー…その格好はー?」

啓太郎が少し戸惑いながら、そう尋ねると、

敦也は「ん?あぁー…せ、せっかくだしーって思って」と、

照れくさそうに笑うー。


「ーほら、俺、可愛いしー…」

敦也が髪をいじりながら言うー。


よく見ると、髪も手入れされていてー

最初の頃とは違うー。


「ーーは…はは、何か調子狂うなぁ~」

そんな風に呟きながら啓太郎は、

”それで、男に戻る方法だけどさ”と言いながら、

啓太郎が、敦也の方に近付くー。


ふと、敦也の部屋のパソコンが目に入る啓太郎ー。


そこにはー

”あつみ”と書かれたツイッターのアカウントの画面が

表示されていたー。


その画面にはー

”顔が映らないように撮影された、可愛らしい自撮り”の写真付き

ツイートが表示されているー。


「ーーーえ…」

啓太郎が戸惑いながら声を出すー。


その写真に写る少女はー

今、”女体化した敦也が着ている服”と同じ服を着ているー。


「ーーーあ」

敦也が、啓太郎に見られたことに気付き、

慌ててノートパソコンを閉じると、敦也は

「ーえ~っと、で、俺を元に戻す方法は見つかったのか?」と

話を変えようとするー。


「ーーえ…い、いや、ちょっと待てよ敦也ー

 今のはー?」

啓太郎は思わず聞き返すー。


”女体化した敦也が、自分で可愛い自撮りを撮影して、

 それをツイートしているー”


そんな風に、見えたからだー。


「ーーーネット見てただけだよ

 ホラ、アニメのイラスト探しててさ」

敦也がそう言葉を口にするー。


だが、どうしても啓太郎は気になってしまったー。

”敦也の自撮り”にしか、見えなかったー


「ーほ、本当かよー

 ちょっと見せて見ろよ」


啓太郎がそう言いながら、ノートパソコンの方に

近付こうとすると、

「ー汚い手で触るなよ!」と、突然敦也が声を荒げたー。


「ーーーーー!」

一瞬ビクッとする啓太郎ー


敦也もハッとしたのか「あ、いや、ごめんー。

ほら、まだ手、洗ってないだろー?」と、穏やかな口調にすぐに戻して

啓太郎にそう言い放つー。


「ーあ、あぁ、いや、そうだなー。悪かった」

啓太郎はそう呟くと、確かに敦也の言う通り、敦也の家に来てから

手を洗ってないことを思い出して、

そのまま洗面所の方に移動していくー。


啓太郎が戻ってきたときには、敦也はもう、

パソコンの画面を切り替えたのか、

開かれているパソコンにさっきの画面は映っていなかったー。


「ーーそういえばさ…俺、アレ見逃しちゃったよー」

啓太郎は戸惑いながらも、女体化して悩んでいるであろう敦也のために

雑談を振るー。

先日、敦也の女体化について考えていた際に、

啓太郎がいつも見ているアニメを見逃したー。

そのことを笑い話として口にするー。


敦也は、いつものように笑いながら、その話を聞いていたー。


啓太郎は、敦也のことを”女”として

考えずに、いつも通り普通に接したー。


啓太郎は、恋愛をしたこともないし、する気もないー。


♪~~


雑談をしている最中、

インターホンが鳴ると、

敦也は「あっ」と言いながら、

玄関の方に向かっていくー


配達業者は、敦也の家に来たのに

美少女が出たことに少し戸惑っている様子だったが、

何て説明したのか、敦也はそのまま戻ってきたー。


「ーいやぁ、それにしても

 仕事とか、済む場所とか、今後どうするか悩むよな。

 ここ、俺の名義だから、今後、色々考えないとー

 このままじゃ、ここに住んでるわけにもいかないし、

 俺が敦也だって言っても大家さんも信じてくれないだろうしな」


笑う敦也ー。


敦也が思ったよりも元気そうで安心したー。

女体化した当初のように、ずっと暗いままだったらどうしようー、と、

啓太郎はそんな風にも考えていたー。


だが、実際こうして数日ぶりに会ってみると、

この前、一緒に買い物に行ったときよりもはるかに元気そうだったー


いやーーー

”元気すぎて、不安になったー”


「ーーー男に戻るまでの辛抱だから、あまり心配するなー」

啓太郎はそう呟くー。


まるでー

敦也が”男に戻る気がない”ような発言をしているような気がして、

啓太郎は心配になってしまったー。


「ーーーえ…」

敦也はしばらくきょとんとした表情で、瞬きをしていたものの、

少しして、啓太郎の言ったことを理解したのかー、

”あ、あぁ、そうだな!”と笑いながら答えたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


その日以降ー

啓太郎は、敦也からの”返信”が遅くなったことに

不安を感じていたー。


会おうとしても、”用事がある”と、言われてしまい

なかなか会うこともできず、

啓太郎からの連絡に対する返信も

明らかに遅くなっていたー。


女になってしまったことで、ふさぎこんでいるのではー?


そうも思ったものの、

先日、最後に会った時の敦也は

”むしろ元気になっていた”ことも気になるー。


啓太郎は相変わらず、女体化した敦也のことを

一生懸命考え、”なんとかあいつを元に戻してやろう”と

必死に、突然の女体化について調べ続けていたー。


だがー

そんな啓太郎の思いとは裏腹に、

敦也の心境はー、既に変化してしまっていたー。


”かわいい”

”かわいい”

”かわいい”


そう、言われることの快感に目覚めてしまった敦也はもう、

”男”に戻るつもりを失くしていたー。


そして、いつの間にか敦也は

”自分”のような男を内心で見下し始めていたー。


イベントに可愛らしい格好で足を運んで、

周囲からチヤホヤされて、愉悦感に浸る敦也ー。


「ーーほんとですか?ありがとうございます!」

”かわいい”とオタク男から言われて、

嬉しそうに微笑む敦也ー


”俺、可愛いんだー!ふふふ…俺は、可愛いんだ!”


敦也は、好きだったアニメキャラのコスプレを

”自分自身”ができることにも気づき、それにハマり始めるー。


啓太郎は必死に、敦也の女体化について調べ、

敦也を救おうとするー


敦也は”可愛い”自分に快感を覚え始めてー

次第にそれに溺れていくー


そんな二人の時間は流れていきー、

やがて、敦也が女体化してから1か月近くが経過したー。


そんな、ある日ー


「ーーーーーーーーー!!!!」


啓太郎はー、

ネット上のオタク仲間のツイッターを見ていて、表情を歪めたー


”この子可愛すぎる”と、

アニメキャラのコスプレをした子を撮影した写真が、

SNSに載っていたのだー。


そしてーー


「ーーあ…敦也ー…?」

啓太郎は、震えたー。


アニメキャラのコスプレをした親友…女体化した敦也が

満面の笑みで写真に向かってポーズを決めていたー


この1か月ー

”女体化したことを、敦也は悩んでいる”と、ずっと思っていた啓太郎は、

しばらく”女体化した親友の嬉しそうにポーズを決める写真から

目を話すことができなかったー。



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


異なる方向に進み始めた親友…!

続きはまた次回デス~!


今日もお読み下さりありがとうございました~!

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