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作品の性質上、地震災害の描写などが存在します。

苦手な方は、ご注意ください!

作中で発生する地震災害、場所、物語は全てフィクションデス!


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入れ替わってからー

時折、”妙に鮮明な夢”を見るー。


あれは、”本当に夢”なのだろうかー。


今までに見た光景は、3つー。


一つめはー、

蒼月市北部を再び強い地震が襲う光景ー。

この光景を見たあとに、実際に強い地震が発生し、

蒼月市北部は更なる被害を受けたー


2つめはー、

彩香の同級生が、殺意を向けて来る中、

それに立ち向かう光景ー。

これも、後に実現したー。

あの時見た”夢”のような光景はー

”赤岩と入れ替わった早乙女美穂”と対峙している時の

光景だったのだー。


既に、2つは、実際に実現したー。

そしてー”3つめに見た光景ー”


順番通りー

そして、”現実”になるのであればー


この光景は、もうすぐ実現するのだろうー。


けどー

そうだとしても、

ここで、立ち止まるわけにはいかないー。

絶対にー。


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主な登場人物


月森 彩香(つきもり あやか)

高校3年生。修学旅行中に地震に巻き込まれる。俊樹と入れ替わっている。


日向 俊樹(ひゅうが としき) 

彩香を助けた男。彩香と入れ替わっている。とある会社に勤務していた。


的場 聡(まとば さとし) 

高校3年生。彩香の彼氏。不穏な行動を被災地で取り続けている。


木下 響子(きのした きょうこ)

高校3年生。彩香の親友。地震発生後は消息不明。


早乙女 美穂(さおとめ みほ)

高校3年生。大人しいタイプの子。赤岩と入れ替わってしまう。


赤岩 紀夫(あかいわ のりお)

危険な風貌の男。美穂と身体を入れ替えて、その身体を奪ってしまう。


神代主任(かみしろしゅにん)

製薬企業・宮尾製薬の研究主任。入れ替わりの原因の”試薬”の開発者。


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★あらすじ


震災発生から5日ー

彩香(俊樹)は、彩香を無事に送り届けるために、

蒼月市沿岸部に存在する工場の建設現場へと向かい、

そこで神代主任と対峙する決意をするー。


元に戻るための薬を手に入れて、

彩香に身体を返すためにー。


その場所に向かう最中、今まで散々不穏な行動をとってきた

彩香の彼氏・聡が姿を現し、協力を申し出るー。


そうしてー

入れ替わった彩香と俊樹、そして彩香の彼氏の聡は、

蒼月市沿岸部の工場建設予定地までやってきたー。


全てはーー

彩香を無事に元の日常へと帰すためにー。


★前回はこちら↓★

<入れ替わり>崩壊都市㉑~妹の豹変~

作品の性質上、地震災害の描写などが存在します。 苦手な方は、ご注意ください! 作中で発生する地震災害、場所、物語は全てフィクションデス! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「ーーーえぇ。申し訳ありませんー。  ”取引”は、1週間ほど延期していただけますかー?」 神代主任が笑みを浮かべながら、電話を手に...

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5日目 20:12ー


蒼月市沿岸部にある宮尾製薬の新しい工場の建設現場ー。

順調に建設が進めば、半年後には、この場所に

宮尾製薬の新たな工場が完成する予定でー

宮尾製薬を牛耳る神代主任は、

”他人と身体を入れ替える試薬”を始め、

海外の裏社会組織に売り捌く予定の”悪魔の薬”たちを

この工場で大量に生産する予定だったー。


まだ骨組みだけの部分や、不安定な足場が多いその場所をー

彩香(俊樹)と俊樹(彩香)、そして彩香の彼氏である聡は

少し離れた場所から見つめていたー。


「ー神代主任と俺が話をつけるー」

彩香(俊樹)が言うー。


「ーー俺と君の身体を元に戻すには、

 入れ替わった原因であるあの薬をもう一度、俺と君で使うしかないー」


彩香(俊樹)も、神代主任の作っていた新薬の効能は

ハッキリとは知らないー。

だが、こうして彩香と俊樹の身体が入れ替わっていてー

あの赤岩も、彩香の同級生・美穂と身体を入れ替えている以上

”人と人の身体を入れ替える”力があるのは間違いないー。


周囲が騒がしくなるー。

”余震”ー

蒼月市北部を震源とする地震の発生から5日ー。

大きな地震の場合、そう簡単に余震の回数は減らないー。


場合によっては、何十年、何百年前の地震の余震が

発生することだってあるー。


人間にとっては途方もない時間ー

けれど、地球にとっては”束の間”の時間でしかないー。


「ーーー…」

彩香(俊樹)が、周囲の安全を確保しながら

揺れが落ち着くのを待つー。


彩香の彼氏・聡は険しい表情で周囲を見つめているー。


「ーーーー彩香ー…」

聡がふと、そう呟いて、ギリッと歯ぎしりをするー。

とても、悔しそうにー

”どうすることもできない何か”を後悔するかのようにー


「ーーーーー…」

彩香(俊樹)がそんな聡の表情の変化に気付くもー

言葉を飲み込み、そのまま建設現場のほうを見つめたー


この先に、神代主任がいるー。


神代主任は記者会見で”宮尾会長と共に視察する”と

言っていたー。

宮尾会長は既に外出困難なほどに衰えている状態で、

とても外出できる状態ではないしー

そんな宮尾会長と共に建設中の工場の視察に来る理由もないー。


つまりー


”ー神代主任は俺を誘っているー”

彩香(俊樹)は、そう感じたー


俊樹にとって、育ての親でもあり、恩人でもある宮尾会長を使って

彩香(俊樹)をおびき寄せているのだー。


そしてー

神代主任が彩香たちをおびき寄せる理由はただ、一つー。


海外の裏社会組織に流そうとしていた”試薬”の効果を

知ってしまった彩香と俊樹を、口封じのために、

この世から消し去るつもりだー。


「ーー君に頼みたいことがあるー」

彩香(俊樹)が、聡のほうを見て言うと、

聡は「ー彩香の姿で、”君”って言われると、やっぱ違和感すごいなぁ」と、

苦笑いすると、「ーそれはいいんだけどさ」と、

俊樹(彩香)のほうをチラッと見て、

彩香(俊樹)に近付くとー


「ーー!?!?!?!?!?!?!?!」

彩香(俊樹)に、聡がいきなりキスをしたー


「ーーえっ!?!?!?!?」

それを見ていた俊樹(彩香)が驚くー。

聡とは、彼女・彼氏の関係で、この修学旅行前まで

とても仲良しだったー。


だが、震災発生後の聡の行動はいまいちよく分からないー。

ふらっと現れたと思えばふらっといなくなるしー、

俊樹の身体になった彩香に辛辣な言葉を投げかけたり、

そうかと思えば、震災を楽しむかのような、恐ろしい言動まで見せているー。


「ーーお前、何をー」

彩香(俊樹)が困惑してー

「ーーこういうことは、中身もちゃんと君の彼女に戻ってからしろ!」

と、諭すように言い放つー


けれどー

彩香(俊樹)は”あること”に気付くー


そしてー

「ーーいいじゃないかー身体は俺の彼女のなんだしー」

と、聡が言うと、もう一度、彩香(俊樹)に容赦なくキスをしたー


「ーーーーーーーーー」


「ーーーーーーーーーーーーー」


長いキスー


「ーちょっと!いつまでやってるの!?」

俊樹(彩香)が困惑しながら言うと、

聡はニヤニヤしながら

「はははっ俺は、男の身体になった彩香には興味ないからさ!」と、

前に言ったような言葉を口にしたー。


「ーーー…」

彩香(俊樹)は、そんな聡のほうを見ると、

俊樹(彩香)の方に近付いたー


「君の身体で少し手荒な真似をすることになるかもしれないー。

 でもー 何があっても、信じてくれるか?」

彩香(俊樹)が言うと、

俊樹(彩香)は「ーーもう長い付き合いでしょ!何をいまさら!」と

笑ったー。


「ー長くはないなーまだ知り合って5日だし」

彩香(俊樹)が、笑いながらそう返すと、

「ーも~!大丈夫!信じるから!」と、俊樹(彩香)は、

彩香(俊樹)の手を握るー。


「ーー必ず、みんなで無事に帰ろうね」

俊樹(彩香)は、彩香(俊樹)と、彼氏の聡のほうを見つめながら微笑むー。


「ーーーー」

二人とも、少し寂しそうな笑みを浮かべると、

「ーーーーー神代だー」

と、彩香(俊樹)が、敷地内に神代主任が姿を現したことを確認したー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


20:30-


神代主任が工場の建設現場に姿を現したー。

地震により崩壊した場所もある中ー


「ーこれはこれはー派手にやられたものですねー」

と、ため息をつきながらも、笑みを浮かべるー。


「ーー会長ー…お身体の具合はいかがですか?」

神代主任が車いすに乗っている老人ー

宮尾会長に声を掛けるー


「ーーー~う~~~ぁ」

もはや、会話もままならない宮尾会長ー。


「ーーご無理はなされませんようー」

自分で連れ出しておきながらそう呟くと

神代主任は笑みを浮かべるー


”死にぞこないのおいぼれがー

 さっさとお迎えが来てくれれば、

 私としてももっとやりやすかったのだがー”


”日向俊樹ー、入れ替わったあの女ー

 死にぞこないのジジイー

 そして私を裏切った赤岩ー。

 全員、この工場で事故に見せかけて

 消して差し上げますよー”


「ーーーーー」

神代主任は、そこまで頭の中で考え終わると、

顔を上げたー。


「ーーーー…おやー…」

神代主任が、自身の背後で交差させながら、

余裕の表情で彩香(俊樹)を見つめるー。


「ーこれはこれは、日向俊樹ー。

 ご無事で何よりー」

神代主任が笑うー。


「ーー主任ー…

 くだらない茶番はやめましょうー

 あなたは俺を消したいー

 そうでしょう?」


彩香(俊樹)が言うと、神代主任は

「ーーははっ!これはこれは物騒な冗談をー」と、

笑いながら首を振るー。


「ーー私が無関係のお嬢さんを手にかけるとでもー?」

神代主任が笑みを浮かべながら言うと、

彩香(俊樹)は「ーお前は、そういう男だろうがー」と、

鋭い口調で、神代主任を睨みつけたー


「ーーー会長ーーー」

彩香(俊樹)は、車いすに乗ったままの宮尾会長のほうを見つめるー


彩香(俊樹)を見ても、宮尾会長はほとんど反応を示さないー。


「ーー大方、宮尾会長を餌に、俺をおびき寄せて、

 俺と彩香を宮尾会長ごと事故に見せかけて殺そうー

 そんな、ところでしょう?」


彩香(俊樹)の言葉に、

図星を付かれた神代主任は、笑みを浮かべるー。


「ーーいいえー」

即答で否定する神代主任ー


「ーー猿芝居はもういい。本性を現せー」


「ーーいいえ」

なおも否定する神代主任。


「ーー俺たちを、殺すつもりだろう?

 宮尾会長もろともー」


しつこく彩香(俊樹)が神代主任に言い放つと

「いいいぃぃぃぃいいぃぃぃぃぃええええぇぇえええええ!」と、

鬼のような形相で神代主任が叫んだー。


「ーー神代ー。取引をしようー

 例の薬を、こちらに渡せー」


彩香(俊樹)が、可愛らしい声のまま言うと、

神代主任は鬼のような形相で彩香(俊樹)を見つめるー。


「ーー俺はどうなってもいいー。

 だが、この子だけは、見逃してやってほしいー。

 俺と彩香の身体を元に戻したらー、

 俺のことは好きにしていいー。」


彩香(俊樹)はなんとか、俊樹になってしまった彩香に

身体を返そうと、言葉を口にするー。



「ーーーーーーーー」

少し離れた場所ではー

彩香の彼氏・聡と俊樹(彩香)が、こっそりと神代主任たちの横を抜けていくー。


「ーーーーー」

彩香(俊樹)はそれを確認すると、

神代主任の返事を待ったー


”神代主任が素直に交渉に応じるわけがないー”


だがー

身体を入れ替える試薬は必ずここに持ってきているー

彩香(俊樹)はそう確信していたー。


彩香(俊樹)が時間を稼いでいる間に、

聡と俊樹(彩香)がそれを探すー。

そういう、計画だー。


当然、危険ではあったもののー、

それでも、彩香(俊樹)は、確信していたー


”あの光景”が実現するのであればー

必ず、うまくいくー。


”だからこそー”

こんな危険で無謀な計画を実行しているのだー。


勝算があるからこそー

彩香の身体を危険に晒しているー。


「ーーそんな交渉に私が乗るはずがねぇでしょう?

 日向俊樹ー

 お前も、小娘もー…ここで死ぬんだよ!」


神代主任が、彩香(俊樹)に近付いてきて、

彩香(俊樹)の顎を掴むー。


「ーークククー

 その目だー。

 私はいつも、その目が気に入らなかったー


 そんな小娘になっても、そんな目で

 私を見るとはなー…!」


神代主任はそう言うと、彩香(俊樹)を突然ビンタしたー


「ーークククー

 日向俊樹ー

 君には”女”として最大の屈辱を味合わせてからー

 地獄に送ってあげますよー」


神代主任はニヤリと笑みを浮かべながら

”彩香”の身体に乱暴しようとするー。


だがー

「ーーー!」

少し強めの余震が発生して神代主任がバランスを崩すー


「ーーー神代!!!」

彩香(俊樹)はその隙を逃さなかったー


前に神代主任と遭遇した時のように、

神代主任の急所を蹴り飛ばすと、

神代主任は無様に悲鳴を上げながらぴょんぴょんとその場で

飛び跳ねるー。


周囲の護衛たちが唖然とする中ー、

神代主任は躓いて顔面から土の地面に顔を接触させたー。


「ーーーお前たちも!!神代の悪事にこれ以上加担すれば、

 ただでは済まないぞ!」


彩香(俊樹)が大声で、神代主任の側近たちに向かって叫ぶと、

自分たちも”悪事”に手を染めている意識があったからだろうかー

そそくさとその場を離れていくー。


「ーーー」

彩香(俊樹)は周囲を見つめるー。


”早乙女美穂の身体になった赤岩もここに来るはずだー”


神代主任は、計算高いが感情的になりやすい部分もあり、

シンプルで分かりやすいー。


だが、赤岩の方は何をしでかすか分からないし、

何より”美穂の身体”になっている以上、

傷つけるわけにもいかないー


今の美穂は、赤岩紀夫でもあり、人質でもあるのだからー


「ーひぃぃぃぃぃゅううがぁああああああ!」

神代主任の発狂した声に振り返る彩香(俊樹)ー


土まみれになった顔で、神代主任は、

宮尾会長の隣に駆け付けると、

宮尾会長に向かって注射器を向けたー


「ーか、会長!」

彩香(俊樹)が叫ぶー。


「ーこのジジイが死んでもいいのか?

 日向俊樹…お前の恩人なんだろ??」

神代主任が狂ったような笑みを浮かべながら

彩香(俊樹)のほうを見るー。


「ーーーー会長ーー…」

彩香(俊樹)は、宮尾会長に拾われたときのことを思い出すー。


少年時代ー、

今とは別の震災によって家族を失い、

行くアテを失っていた俊樹を助け、家族のように迎え入れてくれたのは

当時、まだ元気だった宮尾会長だったー。

宮尾会長の元で、俊樹は家族を失った悲しみから立ち直り、

今の自分があるー。


「ーーそうだよな?ジジイを見捨てることはできないよな?

 さぁ日向俊樹、そのお嬢さんの身体で跪けー」


神代主任の言葉に、彩香(俊樹)は、

表情を歪めながらも、その場に膝をつくー。


「ーークククーいいぞ。

 さぁ”お嬢さん”ー私の靴を掃除してもらおうか」


勝ち誇った表情で、笑みを浮かべる神代主任ー


「ーその綺麗な舌で、私の靴を舐めろ」


神代主任は、

彩香と、俊樹ーその両方に屈辱を味合わせようと

そう言い放ったー


「ーーーーー」

神代主任を見上げて睨みつける彩香(俊樹)ー


「ーお嬢さんにそんな顔させていいのかなー?」

神代主任はそう言うと、彩香(俊樹)の顔面を思いきり

蹴りつけようとしたー


その時だったー


「ーーーー…え?」

神代主任が、表情を歪めたー。


足元に、粉のようなものが撒かれたからだー。


「ーーーーー…」

神代主任が瞳を震わせるー。


それを見て、彩香(俊樹)はバッと後ろに下がるー。


「ーーーー……!」

その直後、背後から車いすで突進された神代主任は、吹き飛ばされるー


そしてーーーー


「ーーー宮尾会長…!?」

車いすに横たわり、もはや意識がほぼないような状態の

宮尾会長が、いつの間にか隠し持っていた”試薬”をばらまきー

神代主任に突進したのだー。


「ーーー」

突進された神代主任が立ち上がるー


車いすに座っている宮尾会長が、先ほどとは違い、

目を見開き、身体を震わせているー


”死にぞこないの老いぼれ”そう侮っていた宮尾会長に、

神代主任は、身体を入れ替えられてしまったー


「ーーう…あ… ぁ…ぁ…ジ…じじぃぃいいいいい!!!」

宮尾会長の身体になってしまった神代主任が

顔を真っ赤にして、必死に口を開き、叫ぶー。


神代主任になった宮尾会長は、

自由に動く身体を動かしながら少し感動したような

様子を浮かべるとー


「神代ー…よくも私の会社で好き放題してくれたな」

と、神代主任の身体で言い放つー


「ーージ…ジ… ぅ…ぅああああああ!」

宮尾会長になった神代主任は、鬼のような形相で

車いすを走らせてそのまま反対方向に逃げ去っていくー


「ーーーー…会長!」

彩香(俊樹)が、神代主任になった宮尾会長に声を掛けると、

「ーすまなかったなー」と、申し訳なさそうに

彩香(俊樹)のほうを見つめたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーあった…!」

彩香の彼氏・聡は神代主任の配下を気絶させて、

”試薬”のある場所にたどり着いていたー


事前に彩香(俊樹)から、試薬の特徴を聞かされていた

聡は、それが入れ替わりの試薬だと確信すると、

「ー5本あるー…これで早乙女さんも元に戻せるな」と、

俊樹(彩香)のほうを見て笑ったー


だがーー


「ーーーねぇ…」

俊樹(彩香)は、聡のほうを見て、不安そうに呟いたー


「ーーん?」

聡が笑いながら俊樹(彩香)のほうを見るー。


「ーーー大丈夫ー…?”顔色”すごく悪いけどー?」

俊樹(彩香)の言葉に、

聡は笑みを浮かべてから静かに頷いたー


「ーーははー、大丈夫だよー。

 気にすんなー」


心配そうに聡に触れようとすると、

聡は俊樹(彩香)の手を振り払ったー


「ー男の身体のうちは、そういうのいいや」

相変わらず冷たく、何を考えているのか分からない聡ー。


「ーー……聡ー」

俊樹(彩香)が悲しそうにすると、

聡は「とにかく、アイツと合流して、まずは彩香の身体を元に戻して、

それから早乙女さんを探して、赤岩とかいうスキンヘッド野郎から

早乙女さんの身体も取り戻そう」と、言葉を口にしたー。


21:10ー


蒼月市で、普通に思い出作りをするはずだった彩香の

過酷な日々は、もうすぐ”夜明け”を迎えようとしていたー



㉓へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


もうすぐ今回の長編も連載開始から半年ぐらいになりますネ~!

最後まで無事に執筆できるように頑張ります~!☆


次回作の長編も、そろそろ本格的に

練り始めないと…な、日々デス…★!

(大まかな構成はもう出来てますケド…!)


今日もお読み下さりありがとうございました~!

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