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女子大生と入れ替わってしまった治彦は、

裕美の身体で、一気に人気配信者へと上り詰めたー。


一方、治彦になってしまった裕美は、なんとか自分の身体を

取り戻そうと”入れ替わってしまった”ということを周囲に伝えようとする。


しかし、裕美(治彦)や、そのファンたちから

治彦(裕美)を”人気の女性配信者に嫉妬するアンチ”と

決めつけられてしまい、

治彦(裕美)の話に、世間は聞く耳を持ってくれなかったー…。


☆前回はこちら↓☆

<入れ替わり>今日から俺は人気者③~生配信~

全く再生数の伸びない配信者・治彦は ある日、女子大生の裕美と偶然ぶつかってしまい、 身体が入れ替わってしまったー。 最初は戸惑っていたものの、裕美の容姿と、”女子大生”という肩書を 利用すれば、人気の配信者になれると考えた治彦は 裕美の身体で配信者デビューを果たす。 一方、治彦になってしまった裕美は、な...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーあはははっ!最高じゃん!」

裕美(治彦)は帰宅すると、

可愛らしい自分の姿を姿見で見つめながら

姿見の前でくるっと一回転したー。


ちょっと前まで、人生に希望もなく、人気もなく、

職業も”自称動画配信者”でしかなかった治彦がー

今では”人気女子大生配信者”なのだー。


こんなに短期間で、こんなに人気が出るなんてー

夢にも思わなかったー


「ーーはははっ…!たまんねぇ…たまんねぇぜ…!」

自分のツイッターのアカウントと、

動画についたコメントを見ながら、嬉しそうに笑う裕美(治彦)ー


いかにも女の子な感じな可愛らしい部屋に様変わりした裕美の部屋ー。

元々、片付けがちょっと苦手だった裕美の部屋は、嘘のように

綺麗になり、まるで”理想のアイドルの部屋”のような部屋になっているー


「ーへへへ…実際の女の子の部屋がこんな部屋かどうかは

 知らないけどー…

 今の俺ー、いいや、わたしにぴったり!うふふふ♡」


嬉しそうに言うと、裕美(治彦)は、今日も動画の投稿をするために、

パソコンの前に誰も見ていないのにも関わらず、可愛らしい仕草を

しながら、座るのだったー


”かわいい”を振りまくの、やめられないぜー。


笑みを浮かべながら、うふっ♡、と一人わざとらしい声を

出してみせる裕美(治彦)ー


「ーーはぁぁぁ…俺の理想がギッシリつまった

 女の子にしてやるんだー…

 くふふふふふふ…」


裕美の顔は、本人が生まれてから一度も浮かべたことのないような

”欲望の色”に染まっていたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


治彦(裕美)は、治彦が暮らしているアパートで

”どうにかわたしの身体を取り戻さないと”と、

対策を練っていたー。


「ーーーー…」

裕美は、今まで”普通”に生きて来たつもりだー。

これと言って、何か立派な功績があるわけではないけれど、

普通の少女、普通の女子高生、普通の女子大生として

ごく普通に生きて来たー。

何も悪いことはしていないし、こんな目に遭うなんておかしいー。


治彦になってしまった裕美は、

そんな風に不満と焦りを感じながら、パソコンを見つめるー。


”裕美ちゃんに嫉妬して、どうせおっさんだろ?恥を知れよ”


そんな、辛辣なコメントが目に入るー。


”身体を入れ替えられてしまったー”

そんな、声を上げることで、なんとかして周囲に

”入れ替わってしまっている”という現実を伝えようとしたー


けどー

世間から見れば”何事も上手くいかない冴えない男”が

”可愛い女子大生”に嫉妬して、嫌がらせをしているようにしか見えないー


「ーーん~~~~………」

治彦(裕美)は、髪を掻きむしりながら

「ーだんだんムカついてきた…!」と、不満そうな表情を浮かべるー


最初は戸惑って、騒いでー泣いてー…

恐怖を感じてー

そんなこと、ばかりだったー。


でも、何だかだんだん腹が立ってきたー。


”どうしてわたしの身体を勝手に使われて

 こんなことさせられなくちゃいけないの?”という

不満が湧き上がってくるー。


「ーーあ~~!もう、アンチって言われたっていいし!

 わたし、嘘ついてないし、本当にわたしの身体なんだし!」

治彦(裕美)はそう叫ぶと、

裕美(治彦)の動画に悪い評価をつけたり、

”身体泥棒!!”とコメントを書き込んだり、

”裕美”の中身は男だと書き込んだり、

執拗な攻撃を繰り返したー。


元々、裕美自身はそんなことする人間ではないものの、

とにかく今は、身体を取り戻すために、何でもしなくてはいけないー。


ただー、

一部の人が疑問を持ったとしても、

今の状況は圧倒的に不利ー。


裕美(治彦)が上手く交わせば、

治彦になった裕美は”ただのアンチ”扱いされてしまうだけー


「ーこらっ!何なのこれ!もう!」

治彦の身体が”勃起”しているのに気づき、治彦(裕美)は

勃起したそれを叩くー


「いたっ!!! も~~~!」

男の人のソレは、叩かれると痛いとも聞いたー。

そんなこと経験したことのない治彦(裕美)はつい、本気で

それを叩いてしまってもがき苦しむー。


「ーっていうか!普段着ない服を着たわたしを見て

 なんでわたしがドキドキしなくちゃいけないの!?」


”裕美”の動画やツイッターの写真を見ていたら、

治彦の身体が勃起してしまったー


”自分の姿を見て、他人の身体で興奮してしまう”


そんな、とんでもない状況に、

”身体を奪われて好き放題されている悔しさ”に、

”他人が入っている自分に興奮させらている悔しさ”も感じて、

この上ない屈辱を味わう治彦(裕美)ー


「ーー!」


だがー

治彦(裕美)も、馬鹿ではないー。

彼女なりに、この状況を打開しようと必死に色々考えているー


ただ単に、”わたしの身体を返して!”と送るわけではないー。


「ーーやっと、来た!」

治彦(裕美)は笑みを浮かべると、

反撃のための更なる一歩を踏み出し始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


数日後ー。


”え~オフ会ですかぁ~?どうしよっかなぁ~”


裕美(治彦)は、ツイッターで仲良くなった

ファンと会話をしながら、

パソコンの画面を見つめていたー。


楽しそうに話しているものの、

配信の時以外は、結構無表情な裕美(治彦)ー


「ーーーー…まぁ、もっともっと魅了してやればー

 色々役に立つかもしれないしー

 ファンとオフ会をするのもいいのか…?」


裕美(治彦)は「いや待てー」と、

可愛らしい服を身に着けたまま、険しい表情を浮かべるー。


「ー今の俺は女子大生だからー…

 こういうのにホイホイ会いに行くのは、あんまりよくないのか…?」


腕組みをしながら、裕美(治彦)は「う~ん…」と

考え始めるー。


”ネットで出会った相手と、女子大生がすぐに会っても良いものだろうかー”

そんなことを、考えるー。


治彦が、治彦の身体であった時ならば、

もし、自分にファンがいればー、ネットで話の合う友達を

見つけたら、軽い気持ちで会いに行ったと思うー。


だがー

「ーー今の俺は、女の子だもんなー」


そう、呟きながら、裕美(治彦)は笑みを浮かべるー。


「ーー人気者になれたのは最高だけど、

 面倒くせぇことも色々あるなー」

ため息と苦笑いを同時に浮かべると、

裕美(治彦)は「そろそろ大学もどうするか考えねぇとな」と、

呟きながら、先ほどお湯を入れたカップラーメンを

食べ始めるー


「ーーいただきます♡」

わざと甘い声を出して、自分でニヤニヤする裕美(治彦)ー


「ーー女子大生がカップ麺喰ってるってだけで

 興奮するなー

 いやまぁ、喰う子は食うんだろうけどさ」


麺を口に運びながら、


”そういえば、そろそろ大学にも行かないとなー”

なんてことを考え始めるー。


入れ替わってから大学を休み続けているが

流石にそろそろ限界だー。

大学を退学することになってしまえば

”女子大生(嘘)”の肩書になってしまうので、

できればそれは避けたいし、

治彦自身、裕美の身体で女子大生ライフを送りたいー。


まぁ、そのための対策もー…


そんな時だったー。


部屋のインターホンが鳴ったー


「ーーっ…カップ麺、伸びるじゃねぇか」

裕美(治彦)は面倒臭そうに立ち上がると

”またこの身体の子でも来たのかな?まぁ、身体は返さねぇけど”と

思いながらモニターに表示された来客の姿を見つめるー


”ん…こいつはー…”

裕美と同じぐらいの年齢の女の姿を確認して、

裕美(治彦)は笑みを浮かべるー。


”確かー…この女の親友だったなー”


「ーーーあ、里恵!どうしたの~?」

裕美(治彦)が笑みを浮かべながら言うー。


”どうしたの~?じゃないよ~!

 大学に来ないから心配で”


「ーーー…」

裕美(里恵)は、カップ麺のほうを見ると

”カップ麺、この女が普段食うか分からないし、

 捨てとくか”と、考えながら

それを片付けると「あ、うん!今開けるね~!」などと

笑みを浮かべたー。


部屋の扉を開けると、里恵が表情を少し曇らせたー


「ーーえ…な、何これ…?」

里恵の言葉に、裕美(治彦)が

「ーーあ、うん~大学行ってない間に、部屋のお掃除をしてて~」

と、笑うー


「すご~い!綺麗になったね~!

 っていうか裕美、最近、配信してるよね?

 随分人気になってるみたいだけど、大学辞めちゃうの?」


里恵が不安そうに言うー。

里恵も”裕美(治彦)の動画”を見たのだろうー。


「ーなんか、別人みたいー」

里恵の言葉に、裕美(治彦)は少しドキッとしたものの、

「ふふ、なんか、試しにやってみたら楽しくなっちゃって~」と答えたー。


その後は、”大学に来ないの?”という話になったー


「ーーーーー」

里恵は裕美(治彦)と話しながら、あることを思い出していたー。


数日前ー

里恵のツイッターのアカウントに”裕美”のアカウントから

連絡が来たのだー。


”里恵にしか相談できない話”とー、

話を切り出された上で、

”男の人と身体が入れ替わってしまった”ということを

治彦になってしまった裕美から伝えられたー。


治彦になった裕美は、動画のコメントでアンチ扱いされたあと、

”自分のツイッターのアカウント”であれば、

自分のスマホやPCでなくても、ログインできることを思い出したー。


幸い、裕美自身のスマホではいつも”ログアウト”する癖が裕美にはあり、

親友の里恵からはいつも”毎回ログアウトするなんて面倒臭くない?”と

言われていたが、それが幸いして、裕美になった治彦が、

裕美の元々のツイッターのアカウントを使うことも、気づくこともなかったー。


治彦(裕美)は自分のツイッターに治彦のPCからログインして、

ツイッターでも繋がっている親友の里恵にメッセージを送ったー

両親はツイッターをやっていないー。

友達の中で一番の仲良しは里恵ー。

治彦(裕美)にとって、”ツイッターで助けを求める相手”の

最初の相手は里恵以外に選択肢はなかったー。


直接里恵と会えば、里恵も”治彦(裕美)”が「わたし、裕美なの!」と

言っても信じてもらえない可能性が高いー。

だが、メッセージなら、落ち着いて話をすることができるー。


治彦(裕美)は里恵にツイッターで”アカウント乗っ取り”と思われないよう、

慎重に事情を説明したー。


その結果ー、里恵は”50パーセント信じる”と、言ってくれたー。


治彦(裕美)も”確かに、わたしも反対の立場だったら信じられないと思うし”

とした上で、里恵にあることを伝えたー


”入れ替わってることを証明できる方法ー”


そしてー

今日、里恵は、裕美(治彦)のところに来ていたー


”わたしの個人情報、さりげなく会話の中で色々聞いてみてー。

 答えられないはずだからー”


治彦(裕美)はそう言っていたー。


親友の里恵に信じてもらうことができればー

元通りになるための”強い味方”になってくれるし、

希望も生まれるー。


里恵は、そんなことを思い出しながらー

「ー誕生日、いつだったっけ?」と、笑うー。


「ーーえ~~~~?」

裕美(治彦)はそう言いながらー、

「忘れちゃったの?ひど~い!」と言うだけで

誕生日を答えようとしないー。


「ーーー…ごめんごめん~!で、いつだったっけ~?」

里恵は、裕美(治彦)のほうを見ながら言うー。


「ーー5月17日だよ~!」

裕美(治彦)は即答したー


「ーーー!!!」

里恵は表情を歪めるー


”正解”だー。


だがー

治彦(裕美)は

”簡単な個人情報だと答えられちゃうかも”と、言っていたことを

思い出し、里恵はさらに続けるー


血液型ー

裕美の両親の名前ー

大学の教授の名前ー

大学の友達の話題ー。

去年に里恵が渡した誕生日プレゼントの名前ー


色々なことを、聞いたー


だがー


「ーえ~去年の学園祭のとき、わたし、里恵と一緒だったでしょ?」

裕美(治彦)が笑うー。


それも、正解だー。


里恵は、唖然とするー


裕美(治彦)は、そんな里恵を見て、笑みを浮かべたー。


”クククー

 俺のこと、探ってるのかー?

 まぁいいさー”


裕美になった治彦は、この数日で、裕美として大学に復帰するため、

裕美の全LINE履歴や、全てのメールのやり取り、全てのSNSの書き込みを

徹底的に読み、”裕美のこと”を徹底的に勉強したー


全ては、”人気の現役女子大生配信者”になるためにー


「ーーー…あ、いろいろ聞いて、ごめんねー」

里恵は気まずそうにそう呟いて、あとは何も聞いてこなかったー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


後日ー


「えー…」

治彦(裕美)は呆然としていたー


”入れ替わったとかいう嘘、やめて下さい!

 アカウント乗っ取りですよね?

 通報しておきます”


里恵からツイッターに届いたメッセージに、

治彦(裕美)は、呆然とすることしかできなかったー。



⑤へ続く


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コメント


次回が最終回デス~!

果たして、最後に待ち受ける結末は…?


お読み下さりありがとうございました~!

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