<皮>お姉ちゃん誰!?③~本性~(完) (Pixiv Fanbox)
Content
”親戚のお姉ちゃん”に、
誘惑される洋太ー。
何が起きているのか分からないまま、洋太は早織の
されるがままにされてしまうー。
さらに誘惑を続けようとする早織に対し、
洋太は叫んだー
「お姉ちゃん誰!?」とー。
その言葉を前にー
今まで笑みを浮かべていた早織の顔からー
笑顔が、消えたー…。
☆前回はこちら↓☆
<皮>お姉ちゃん誰!?②~誘惑~
1年に1度だけ会う親戚のお姉ちゃん・早織のことが 大好きな少年・洋太。 今年のお正月も期待に胸を躍らせながら、 親戚の家に両親と共にやってきた洋太は、 早速、早織お姉ちゃんと再会して、喜びを露わにするー。 両親たちが話をする中、早織に連れられて、早織の部屋にやってくる洋太。 しかしー、 洋太は知らないー ...
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「お前はーー
お前はお姉ちゃんじゃない!」
その言葉に早織の表情から笑顔が消えるー。
「ーーーふふふ…ふふふふふ
面白いこと言うんだね、洋太くんはー」
早織は再び笑顔を戻すと、
「ーいいから、揉みなよ。わたしのおっぱい」と、
乱暴に洋太の手を掴んで、自分の胸を触らせるー。
「ーー気持ちイイでしょ???
ほら、もっと!自分から揉みなさい!」
早織の言葉に、洋太は「本物の…本物のお姉ちゃんはどこだ!?」と、
早織のほうを、涙目で見つめながら叫ぶー。
洋太は決して、”早織お姉ちゃんの身体”が好きなわけではないー。
見た目が早織でも、
中身も早織でなくてはー、
それは”洋太の好きな早織お姉ちゃん”ではないのだーー。
「ーーー本物~~?わたしが本物の七瀬 早織に決まってるでしょ?
洋太くんってば~~~」
表情を歪めながらも笑みを浮かべる早織ー
”クソガキがー!
せっかく俺が楽しもうとしてるんだから、
ムードを壊すんじゃねぇよ”
早織の”中”にいる男は、心の中で怒りを爆発させていたー。
”殺人”という罪を犯しー、
逃亡中に偶然、人を皮にすることができる特殊な注射器を手に入れー、
そして、咄嗟にこの七瀬 早織という女子高生を見かけてー
皮にして乗っ取ったー
男は普段は”早織”としてー
ごく普通の女子高生として、生活しているー。
”男が欲望のままに振る舞えば”
せっかく、こうして警察の追跡からも逃れられている現在の状況を
壊してしまう可能性があるー。
だからー
こうして”裏”で、誘惑できそうなやつを手ごまにして
楽しんでいるのだー。
”このガキー…意外とこの女の誘惑に乗らねぇな…くそっ”
早織はそんな風に思いながら、洋太のほうを見つめるー。
「ーーな~~んちゃって!ごめんね~!洋太くん!
ちょっとイタズラしたくなっちゃったから~!
びっくりした~?」
今までの”誘惑”が、全て”ドッキリ”だったことにして
この場を収めようとする早織ー。
だがー
洋太は、早織を睨んだままだったー
「ー本物のお姉ちゃんは、どこだ」
まるで、自分が正義のヒーロー気取りかのように、
強気な口調でそう呟く洋太ー。
洋太は当然ー
目の前にいる”早織お姉ちゃん”に起きていることを
知っているわけではないー
洋太の中では
”この早織お姉ちゃんは偽物で、本物はどこか別にいる”
みたいな認識だー。
けれどー
今、目の前にいる早織は、”僕の大好きな早織お姉ちゃんじゃない”と
子供ながらに、そう悟っていたー。
「だから~!、ドッキリだってば~!
久しぶりに会ったから洋太くんを驚かそうとして
ちょっとやりすぎちゃった!
ごめんね!」
後頭部のあたりをイライラした様子で触りながら、
早織は笑顔を振りまくー。
「ーーー早織お姉ちゃんはどこだ!」
洋太は、なおも食い下がるー
気付けば、いつの間にか早織は、無意識のうちに
貧乏ゆすりを始めていたー。
ものすごくー、イライラしているのだー。
「ーーごめんってば~!
じゃあいつものように、おもちゃとかであそぼっか!」
早織は立ち上がるとそう呟いたー。
「ーーー僕は、本物のお姉ちゃんと遊びたいんだ!
偽物のお前なんかと、遊ばないぞ!」
洋太が叫ぶー。
「ーーえ~~~~」
”困っちゃう~”と、言いながら早織が、額のあたりを
ヒクヒクとさせるー。
「ーーーお父さんとお母さんにも言いつけてやる!」
そう叫ぶ洋太ー。
「ーーーーーーはぁ~~~~~~~~」
大きなため息をついて早織が髪の毛をぐしゃぐしゃに掻きむしり始めるー。
「本物のお姉ちゃんは、僕が助けるんだ!
お前なんかにー
「ーーごちゃごちゃうるせぇぞクソガキ!!!」
早織が、洋太の声をかき消すぐらいの恐ろしい声で怒鳴り声をあげたー。
早織が、こんな声を出せるのかと思ってしまうぐらいにー
恐ろしい声ー
「ーーひっ!?」
威勢よく叫んでいた洋太も、心底驚いて、ビクッと身体を震わせるー。
「ーーわたしが本物だって、言ってんだろうが!
洋太くんってさぁ、そうやってお姉ちゃんを困らせるような
子だったっけぇ?」
早織は、荒い口調でそう言いながら洋太の腕を乱暴に掴むと、
「ーいいから、お姉ちゃんと遊ぼ」
と、笑顔を浮かべながら呟くー。
顔は笑っているが、心は、笑っていないー。
そんな感じの、顔ー。」
「ーーーお姉ちゃんじゃない…!お前なんか…お姉ちゃんじゃー」
「ーうるせぇよ!クソガキ!」
早織が洋太を思いっきりビンタすると、
「いいからわたしのおっぱい触れっつてんだよ!」と、
洋太を乱暴に蹴りつけるー。
洋太は悲鳴を上げながら早織のほうを睨むー。
「ーーやっぱり、やっぱりお前は偽物なんだ!」と、
泣きながら叫ぶ洋太ー。
”ちょっと~!?早織~!?どうしたの~!?”
1階から早織の母親の声が聞こえてくるー。
2階で音を立てていたため、1階にいる
早織の母親や、洋太の両親にも音が聞こえているのだろうー。
「ーーごめ~ん!少し静かにするね~!」
早織は部屋から顔を出してそう返事をするとー、
洋太の口を塞ぎながら、チッ、と舌打ちをしたー。
”面倒なことになりやがったー”
そう思いながら、早織は、表情を歪めて考え込むー。
”このあと、どうするべきかー”
洋太の口を塞ぎながら、早織を乗っ取っている男は
必死に考えていたー
”俺は、この年齢の頃には、もうエロ本読んでたぞ!”
男が若かったころとは違いー、
今の時代はネットでも、いくらでもそういうものを
見ることができるはずだー。
本物の早織から聞いた話では、
この洋太は、早織によくなついていたのだというー。
で、あれば、少し誘惑してやれば、すぐにその気になると
思っていたしー、こんな展開になるとは、男は思っていなかったのだー
「ーーー」
後頭部のあたりを触りー
少しだけ、”早織”を脱ぐと、本物の早織に
心の中で呟いて確認するー
”このクソガキを黙らせるには、どうすればいいー?”
男の言葉に、
早織の意識は答えるー
”そ…そんなこと…し、、しらないー”
早織の意識は、必死に抵抗を続けているー。
”知らないー?クソが!とっとと答えやがれ!
お前の身体で、お前の人生を滅茶苦茶にしてやってもいいんだぞ?”
男が脅すー。
そんなやり取りが”早織の中”で繰り広げられているとは知らずー、
口元を押さえられたままの洋太はもがいているー。
”そんなこと、しらないーーーー!
洋太くんにはもう、これ以上、酷いことしないで!”
早織の意識が、必死に叫んだー
”早織の皮”を、わずかに脱いだだけなのにー
早織の強い意識が流れ込んでくるー。
皮を脱げば脱ぐほど、早織本人の意識はハッキリとしてくるー
だが、”こんなに少し”皮を脱いだだけなのにー
”ーーーーフン”
早織は、舌打ちをすると、洋太のほうを見つめたー。
「ーーー余計なことを言うんじゃねぇー。
お前が少しでもおかしなことをしたら
わたしは、お前の大好きな”本物のお姉ちゃん”を殺してやるー」
早織がニヤニヤしながらそう呟くー
洋太の今までの発言からー
早織は、洋太が”今、目の前にいる早織は偽物で、本物はどこかにいる”と
考えているであろうことを、悟っていたー。
「ーーーそ…そんな…」
洋太が震えるー。
早織は、洋太から離れると、
「ーーーだから、大人しくしてて、ね?」と、
にっこりとほほ笑んだー
”早織お姉ちゃんのことが好きならー
お前は黙ってるしかねぇもんな?”
そんな風に思いながらー
早織が、洋太のほうを見つめるとー
「ーークククー
そうだ、それでいいー
この女の親も、周りのやつらも、
誰も気づいちゃいなーーーー」
早織は、そこまで言いかけて、
背後を振り返ったー。
そこにはーーー
早織の部屋の入口にはー
洋太の両親が立っていたのだー。
「ーーーーーー!」
早織が表情を鬼のように歪めたー。
早織の部屋の物音を気にした
洋太の両親が、
”こら!早織ちゃんに迷惑かけちゃだめでしょ!”と、
注意しに来てーーー
今の言葉を聞いてしまったーーー
「ーど、どういうこと…?」
洋太の母親が、戸惑いながら早織を見つめるー
「ーーーあ、、、あ、、、…、、こ、、これはー」
早織が慌てふためいていると、洋太の父親が
「洋太!」と叫んで、洋太を自分の方に引き寄せるー。
早織の母親も駆け付けてー
全員に見つめられた早織は、笑みを浮かべたー
「ーよ、よ、洋太くんと、ヒーローごっこしてて…!
わたしはほら、、その、悪の怪人役!」
早織がそう言うと、
洋太は叫んだー
「違うよ!あの早織お姉ちゃんは偽物なんだ!」
とー。
早織の表情から笑顔が消えるー。
「ーーーど、どういうことー?」
早織の母が、早織のほうを見て呟くー。
「ーーよ、洋太くん、ヒーローごっこしてたら、
わたしのこと、本当に偽物だと思い始めちゃーーー」
そう言おうとしたその時だったー
「ーーぐ、、、あ、、、ぁあああああああっ!」
突然、後頭部に激しい衝撃が走って早織が叫ぶー。
そのまま膝をついた早織ー。
早織を乗っ取った男が、”早織の後頭部の部分”を
わずかに開いた状態にしていたためー
早織本人の意識が、死力を尽くしてー
”自分の身体”の主導権を一瞬だけ取り戻して、叫んだー
「ーーわたし……この男の人にー着られてー
た、、助けてーーー!」
とー。
「ーーーチッ!」
すぐに身体の主導権を取り戻すと、早織の皮を完全に来て、
本人の意識を消すと、
早織は、戸惑う母親や、洋太とその両親を見つめたー
「ーせっかくJKライフを楽しんでいたのによぉ…!!!」
そう叫ぶとー
早織は、自分の部屋の窓をたたき割ってー
そのまま屋根に飛び出すと、
2階の屋根の部分から飛び降りて、地面に着地すると走り出すー
「ーーさ、、早織!?!?!?」
早織の母親が大声で叫ぶー。
「ーこの女は俺のものだ!ははははははははっ!」
早織はそう叫び返すと、そのまま唖然とする母親や、
洋太たちのほうを振り向くことなくー
どこかへと走り去っていったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーーー早織ーーー」
早織の身に何が起こっているのか、全く理解できていない
早織の母親は、頭を抱えていたー。
「ーーー…」
早織の母親の妹にあたる洋太の母親も
掛ける言葉が見つからずに困惑しているー。
「ーーあの早織お姉ちゃんは、偽物なんだー」
洋太が、悔しそうに呟くー。
本当は”本物”が着ぐるみのように着られて乗っ取られているのだが、
洋太も、そこまでは気づかなかったし、理解できていなかったー。
「とにかく、警察に通報しようー」
洋太の父親がそう提案するー。
早織の母親も、その通りにしたもののー
あまりにも荒唐無稽な話に、警察もまともに取り合ってくれることはなくー、
結局”家出した娘の捜索願”という形になってしまったー
「ーーークククー
女は男よりも”大変身”できるからなー」
”もう少しー普通の女子高生を楽しんでいたかったけどー
この身体は気に入ったしー
まだまだ楽しませてもらうぜー”
早織を乗っ取った男は、笑みを早織の身体で
笑みを浮かべるー。
髪型も髪の色もメイクも、服装も雰囲気もー
”何もかも”変えた早織は、笑みを浮かべながら
夜の街へと姿を消したー
翌年以降ー
洋太は”早織お姉ちゃん”と会うことはできないままー
次第に洋太も、中学生、高校生、大学生と成長していき、
”早織お姉ちゃん”のことも、次第に忘れていくのだったー…。
10年以上が経過したある日ー。
「ーーーえ」
洋太は、スマホのニュースを見ていて、驚くー。
とある事件の記事ー
そこには、男から金をだまし取って逮捕された容疑者の名前が
表示されていたー
”七瀬 早織 容疑者”ー
もはや別人のような顔写真だが、
確かに”早織お姉ちゃん”だー。
洋太は、”10年以上ぶり”の憧れのお姉ちゃんとの再会が、
まさか、”スマホのニュース記事”になるなんて、
夢にも思っていなかったー…。
「お姉ちゃんー…」
洋太のスマホを握る手に、少しだけ、強い力が加わったー。
おわり
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コメント
今年最初の皮モノでした~!☆
10年間ずっと皮にされて乗っ取られたままで
逮捕されてしまったのか、
それともどこかのタイミングで解放されて
自暴自棄になってしまったのか、
どっちとも取れますネ~!
いつか明かされる日が来るかもデス!
(来ないかもデス!笑)
※まだ後日談を書くかどうかは未定デス~!