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国外逃亡を画策していた指名手配中の男・俊は、

空港に向かう途中に女子大生の菜月美とぶつかり、入れ替わってしまったー


菜月美になった俊は、自分を慕う子分的存在の康司と合流し、

今後のことを話し合うも、康司は菜月美の身体に興味津々ー。

仕方なく、菜月美(俊)は、康司にタイツを舐めさせたりしつつ、

国外逃亡も視野に入れつつ、今後の計画を練り始めるー


一方、俊になった菜月美は、警察に逮捕されてしまい、

厳しい取り調べを受けることにー…。


☆前回はこちら★↓

<入れ替わり>わたしの身体で国外逃亡しないで!②~欲望と困惑~

数々の違法行為を繰り返していた男ー 浜崎 俊ー。 警察に正体を突き止められ、追い詰められた彼は 国外逃亡を画策していたー。 そんな中、空港に向かう途中だった俊は偶然、女子大生の菜月美と ぶつかってしまい、菜月美と入れ替わってしまうー。 女子大生の菜月美になった俊は、 入れ替わりの状況に驚きながらも ”騒が...

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入れ替わってから3日が経過したー。


未だに厳しい取り調べが続きー

俊(菜月美)は疲れ果てていたー。


初日のように、”わたしは菜月美なんです!”と主張することにも

疲れてしまいー

その表情は、次第に疲れの色が強く出るようになってきていたー。


「ーー君は、本当に自分が北森 菜月美という女子大生だと

 思っているのかい?」

”自白天使”の異名を持つ刑事・杉浦が優しい口調で尋ねると、

「ーーーはい」と、俊(菜月美)は答えるー。


けれどー、杉浦刑事は、そんな俊(菜月美)を鋭い目つきで見つめたー


優しそうな顔立ちで、口調も優しいー

初日から、もう一人の刑事・五十嵐とは違い、

怒るようなこともないため、俊(菜月美)からすれば、

”信じてもらえるかも…”という希望を最初は抱かせていたー。


だがー

3日経過しても、やはり”身体が入れ替わってしまった”などということは

なかなか信用してもらえなかったー。


”信じてくれているのか”

それとも

”疑っているのか”


それも、この”自白天使”こと杉浦刑事からは伝わってこなかったー


「ーー本当は、”自分のことを北森菜月美”だと思い込んでいるだけー…

 なんてことはないのかな?」


杉浦刑事が呟くー


「ーーよ~く、考えるんだー。

 いいかいー?

 もう一度、よ~く、考えてー。

 自分が”何者なのか”


 そうすれば、こういう時間は、終わるんだよー?

 わかるだろう?」


杉浦刑事の言葉に、ゴクリと唾を飲み込む俊(菜月美)ー。


杉浦刑事はその様子を見て

「とりあえず、ひとまずここまでにしようか」と、

机から立ち上がるー。


取り調べ室から出た杉浦刑事が、廊下を歩いていると、

トイレで俊(菜月美)を逮捕した五十嵐刑事が声をかけてきたー。


「どうだ?」

先輩・五十嵐の言葉に、杉浦刑事は立ち止まると、

「ーもう少しですね」と、自信満々に答えるー。


「ーそうかー。」

五十嵐が頷くと、杉浦は「あ、僕は午後、別件の捜査がありますので、

お任せしても良いでしょうか?」と、言葉を続けるー。


「ーあぁ、構わねぇよ。

 俺があのヤローに全部、自白させてやるー」


五十嵐は嬉しそうにそう言うと、

杉浦刑事は「よろしくお願いします」と頭を下げて

そのまま立ち去っていくー。


”今日”は、まだ無理だー。


「ーー」

”自白天使”こと杉浦刑事は心の中でそう呟くと、

”まぁ、適度に追い詰めておいてくださいー”と、

先輩である五十嵐のほうを振り返りながら、

静かにそう囁いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーパスポートは、まだか?」

菜月美(俊)は菜月美の家でそう呟くと、

子分の康司は「申請してから少し時間がかかりますんで」と、

ニヤニヤしながら答えたー。


菜月美(俊)のほうをじろじろと見つめている康司ー


入れ替わってから3日ー

菜月美(俊)は、菜月美の家で”パスポート”を手に入れるまで

様子を見ていたー。


大学は”体調不良”で休んでいるー。


確かに、康司が言う通り、”女子大生の身体で好きにすれば”、

今まで以上に色々やりやすくなる可能性はあるー


”女の身体”という武器が手に入ったからだー。


場合によっては相手の身体を誘惑したり、

ハニートラップを仕掛けることだってできるだろうー。


しかしー

慎重な俊はまだ、油断していなかったー


「兄貴の身体で、”わたしは女子大生なの~!”なんて

 言って、警察が信じると思うんすか?」


康司が言っていた通りー、

俊になった菜月美が、取り調べで

”わたしは入れ替わっちゃったんです!”と主張しても、

警察がそれを信じる可能性は限りなく低いー。


だがー”万が一”ということもあるー。


「ーー兄貴~…いや、菜月美の姉御~!そろそろ一緒にラブホいきましょうよ~!」

康司が笑うー。


「ーバカ野郎!”安全”を確保してからだ!

 それに、わざわざ言い直すな!兄貴でいい!」

菜月美(俊)は、菜月美のパスポートが手に入るまで、

菜月美の家から動かないつもりだったー。


ボロを出して、警察に捕まることだけは、避けたかったのだー。


「ーーってか、パスポート手に入れてからも、お前とラブホなんか

 いかねぇよ!」


荒々しく叫ぶ菜月美(俊)ー

友達や知り合いが今の菜月美を見たら、

きっと驚いてしまうだろうー。


「ーーっていいつつ、何で兄貴、いや、菜月美の姉御

 いつもタイツなんですかぁ~?

 兄貴もホントは、その身体に興奮してるんでしょ?」


康司がニヤつきながら言うと、菜月美(俊)は「うるせぇ!」と

叫びながら、吸っていた煙草を、康司に押し付けたー。


「あっちぃぃぃ~~~~~!!!」

康司はそう叫びながらも、

「姉御も、喫煙者じゃなさそうな女の子の身体で

 そんなスパスパ煙草吸っちゃって、悪っすねぇ」と、

なおもニヤニヤしながら揶揄うー。


「ーうるせ~!タコ!」

菜月美(俊)が、そう言い放った直後だったー。


♪~~~


菜月美のスマホが鳴っているー。


スマホには”お母さん”と表示されていたー。


「ーーー!!」

菜月美(俊)は、電話を無視するべきかどうかを考えたー。


”いやー待て…

 電話を無視したら疑われる可能性もあるー”


そう考えた菜月美(俊)は、すぐに電話に出るー。


入れ替わった初日の夜に、康司と一緒に

菜月美のスマホの中を一通り確認したー。


その中のー

菜月美と母親のLINEのやり取りから、菜月美が普段、

母親とどう接しているのかも、ある程度は、知っているー。


「ーーーも、もしもし~~~?」

女っぽい声を出す菜月美(俊)


「ーーぶふっ…」

隣にいた康司が、俊が必死に女子大生モードの振る舞いを

しているのを見て、思わず吹き出してしまうー。


「ーーー…あ、お母さん~…!

 うん、うん、あ、うん、げんきだよ~♡」


無理やり女子大生っぽい振る舞いをしているからか、

どこかぎこちない菜月美(俊)を見て、

康司はゲラゲラと笑いながら指を指しているー。


「ーーーあ、そうだね~!

 うん、お母さんは、げんき~?」


笑顔でそう言いながら菜月美(俊)は近くにあったペンで

紙に何かを書き始めるー。


「ーーあっ!そうなんだ~!へ~~~すっご~い!

 うふふふふふっ♡」


菜月美(俊)は、スマホを手にしたまま、

満面の笑み、紙に文字を書き終えると、

その紙を康司の方に向けたー。


満面の笑みを浮かべながら菜月美(俊)が

康司のほうを見つめるー


紙にはーー


”テメェ ぶち殺す!”

と、書かれていたー


「ーーひぇっ!?」

康司は思わず悲鳴を上げて、笑いを必死にこらえ始めるー。


ようやくー

母親との電話が終わり、菜月美(俊)が「くそが!」と

叫びながらスマホを叩きつけると、

康司のほうを睨みつけて、

菜月美(俊)は康司を壁ドンしたー。


「ーーーテメェ~~…あんま笑うじゃねぇぞ?康司? なぁ?」

菜月美の姿で康司を睨みつける菜月美(俊)ー


「ーーひ、、ひぇっ…す、、すんませんー」

お調子者だが、俊を兄貴と慕っているのは事実でー

俊からしてみれば、どこか憎めない一面のある康司ー。


「ーーで、、で、、でも、、

 そ、、そんな美人な身体で、睨まれるとーー

 俺、、、やっべぇ…ゾクゾクしちゃいますよぉ…

 菜月美の姉御ー…!」


康司が顔を真っ赤にしながら言うー。


そしてー

「ーーちょ、ちょっと兄貴ー、いえ、姉御…!

 と、、トイレで抜いてきます!」と、

叫びながらトイレの方に向かう康司ー


「バカ野郎!俺で抜くんじゃねぇ!」

菜月美(俊)がそう叫ぶと、康司は「これは仕方ないっす!自然現象っす!」と

トイレの方から声を上げたー。


「ーーーったくー」

菜月美(俊)は髪を掻きむしるとー

不機嫌そうに窓の外を見つめたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


入れ替わってから間もなく1週間が経過しようとしていたー。


「ーーー君は、本当に北森 菜月美だと、自信をもって

 言えるのかいー?」


”自白天使”こと杉浦の取り調べは続いていたー。


「ーーーーー……分かりません……」

俊(菜月美)は1週間にも及ぶ過酷な取り調べで

既に心身ともに疲弊していたー。


この時ー

俊(菜月美)は、初めて”自分は菜月美ではないかもしれない”と

思い始めていたー。


「ーーーーーわからない?」

杉浦刑事はそう呟くと、「もしかしたら自分は北森菜月美では

ないかもしれないー。そう言いたいのかな?」と、微笑むー。


入れ替わってしまったことをこれまで主張し続けてきた

俊(菜月美)ー


だが、あまりにもそれを信じてもらえない状況が続きー

もはや、杉浦刑事の言う通りー

”自分がそう思い込もうとしているだけなのではないかー”と、

そう思ってしまっていたー。


「ーーーーーーーー」

杉浦刑事は、鋭い目つきで、俊(菜月美)を見つめると、

笑みを浮かべたー。


そして、取調室から外に出るー。


「ーーー北森 菜月美を見張らせてくださいー」

杉浦刑事が先輩の五十嵐に言うと、五十嵐は「あ?」と

不思議そうな顔をしたー。


「ーー”念のため”ですよー。

 不審な動きがないか、僕を含め、徹底的に北森菜月美を

 マークしようと思いますー。」


杉浦の言葉に、五十嵐は「おい!あいつはどうするんだ!」と

俊(菜月美)のいる取調室を指さすー。


「ーーー五十嵐さんに、お任せしますー。

 ただーーあまり、きつくしすぎない方が良いかとー。

 彼はもう、”精神的に限界”ですー」


杉浦刑事はそれだけ言うと、警察署の外に向かって歩き出すー。


”あの反応ー

 入れ替わりなど、本当にあるとは思えないがー


 だがー

 やつが本当に浜崎 俊なのであれば、

 極限状態まで追い詰められたタイミングで、

 あのような反応をするのはー

 腑に落ちないー”


「ーー調べる必要があるなー」


もしかしたらー

本当に、”入れ替わっている”のかもしれないー。


杉浦は、あえて俊(菜月美)を極限状態まで

追い込むように取り調べをしてー、その反応を見ていたー


そして、今日ー

ついに、俊(菜月美)は

”自分は菜月美ではないかもしれない”などと言い始めたー


その反応からー

杉浦刑事は、”本当に入れ替わっているかもしれない”と

確信したー。


彼はー

人の目の動き、仕草から、感情をある程度読み取ることができるー。


”俊(菜月美)”のあの反応はー

”嘘がバレて観念した”反応ではないー

”追い詰められて追い詰められて、正気を失いかけている目”だったー。


浜崎 俊はそのような男ではないはずだー。


杉浦刑事は、そう思いながら、菜月美の家へと向かったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーへへへ…これでいつでも国外逃亡できるってわけだ」

菜月美(俊)は、申請したパスポートをようやく手に入れて、

笑みを浮かべていたー。


「ーー菜月美の姉御~!これで好き放題遊べますね~!」

康司が嬉しそうに言うー。


「ーその呼び方やっぱりやめろ!」

菜月美(俊)はそう叫びながらも、

”あとは、万が一警察に入れ替わりを疑われ始めたら国外に

 逃亡すればいい”と、笑みを浮かべるー。


その時だったー


♪~~


「ーーー」

菜月美(俊)は、康司に”奥に入ろ”と、顎で合図をすると、

そのままインターホンに応答したー


「はいー」

可愛らしい声を出す菜月美(俊)ー


奥では康司が”女子大生モード”の対応をしている菜月美(俊)を見て

またニヤニヤしているー


”ーー警察ですー”

菜月美の部屋を訪れたのはー”自白天使”の異名を持つ杉浦刑事ー。


「ーーーーー!!!!!!!!!!!!」

菜月美(俊)は、警察がやってきたことに、

悪魔のように目を見開くと、「ーーーーなんの、御用でしょうか?」と

動揺を悟られないように、冷静な声を振り絞ったー。


④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


国外逃亡エンド、

元に戻れるエンド、

それとも別のエンド…

どれになるのか、ぜひ結末を楽しみにしていてくださいネ~!

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Comments

みのむー

うわぁ、結末が楽しみだわー

無名

みのむー様!コメントありがとうございます~! ぜひ楽しみにしていてくださいネ~!☆