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デート中に絡んできた柄の悪い男たちー。

恐怖から、彼女の絵梨を見捨てて逃亡してしまった彼氏の忠司ー。


残された絵梨は、

柄の悪い男たちの一人・竜也に憑依されてしまうー。


数日後ー

家にやってきた絵梨が、”竜也に憑依されている”とも知らず、

忠司は、絵梨の豹変に困惑し、

心を痛めてしまうー。


「ーー自暴自棄になっちゃだめだー…。

 絵梨ーーー

 何があったのか、全部聞かせてくれよー。


 あいつらに、何か言われてるんだろ?

 話、聞くからー」


そんな、”的外れ”の呼びかけを続ける忠司を前に、

憑依されている絵梨は…!?


☆前回はこちら↓☆

<憑依>あなたは負け犬②~彼女の罵倒~

ガラの悪い男たちに絡まれてしまったことに驚き、 彼氏の絵梨を残して、一人逃走してしまった忠司ー。 そのことに後悔しながらも、 ”自分は悪くない”と、彼女がいたことすら忘れようとしていたある日ー、 豹変した絵梨が、忠司の家にやってきたー。 忠司たちに絡んだ男たちの一人に、絵梨が憑依されているとも知らずに、...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーくくく…くく…あはっ!

 あはははははははっ!

 あはははははははははははっ!」


絵梨が突然笑い出すー。


髪を触りながら、髪型を少し乱すと、

絵梨は髑髏のペンダントを揺らしながら、

忠司のほうを見つめたー。


「ーーほんと、笑っちゃうんだけどー

 ”絵梨が優しい子だって知ってる”ってー?


 ぷぷっ…

 じゃあさー

 教えてあげるー」


絵梨が目を見開きながら、忠司のほうを見つめて

意地悪な雰囲気を前面に押し出しながら続けるー。


「ーーわたし、あんたと付き合う前からー

 竜也と付き合ってたんだよね~」


髑髏のペンダントを触りながら、絵梨は、

半笑いで呟くー


「ーーな…な、、何を言ってるんだよー…」

忠司は困惑してしまうー。


そんなはずはないー

そんな、はずはー


「ー忠司と付き合う前は、彼氏いたことなかったしー…

 正直、今でも夢みたいだけどー…

 もし夢なら、いつまでも覚めないでほしいな~…って

 思っちゃうぐらい」


あの時の笑顔も、全部嘘だったというのかー


「たすけて!!やめて!!たすけて!!」


柄の悪い男たちに絡まれたときの必死の叫びも、嘘だったというかー。


「ー嘘だ!絵梨!あのあと、何があったんだよ!

 頼むから教えてくれよー。

 逃げたことは…本当に謝るからー…頼むよー…頼むからー」


忠司は泣きながらそう呟いたー。


こんなことになるのならー

逃げなければ良かったー。


今更後悔しても、遅すぎるー

そんなことは分かってるー。


あの男たちに、直接暴力を振るわれるよりも、辛いー


大好きな彼女の、こんな姿を見せられるなんてー

大好きな彼女から、こんな言葉を聞かされるなんてー


そしてー

大好きな彼女を、こんな風にさせてしまったなんてー。


「ーーー何されたんだよ…あいつらに!」

忠司が叫ぶー。


絵梨は、クスッと笑うー。


「ーーだ・か・ら~

 わたしは元々、こういう性格なのー。


 あんたみたいないかにも童貞なやつ、

 揶揄ったら面白そうって竜也と話して、

 ”付き合ってたふり”してやってただけー。


 あんたなんて、暇つぶしの浮気相手ー


 だから、あの日ー

 竜也たちに待ち伏せしてもらってー

 ”わたしも被害者のフリ”をして、

 あんたと一緒に拉致されてー

 あんたから金を巻き上げようとしたのに、

 あんた、逃げちゃうからー」


絵梨の口から信じられない言葉が続くー。


全てー

”嘘”だー。

竜也に憑依された絵梨が”言わされている”だけー。


”お前の彼女に憑依したー”

それを”あえて”言わずに、竜也は楽しんでいるー

忠司の、反応をー。


「ーーー知ってる?」

クスっと笑いながら、絵梨は忠司に顔を近づけると、

牙の形を模したピアスを揺らしながら、

小声で囁いたー。


「ーあんたと最初にデートした日ー

 あんたと別れたあとに、わたしー

 竜也の家で竜也とエッチしたのー。

 ふふー

 知らなかったでしょー?


 あんたが、わたしとの初デートを終えて

 家でニヤニヤしてる間に、

 わたしは竜也のアレをお口に咥えて

 竜也を気持ちよくしてたの♡」


絵梨の言葉に、

忠司は「うそだああああああああああ!」と叫ぶー。


”嘘”だー。


だがー

”絵梨が憑依されている”などと、夢にも思わない忠司は、

あまりの言葉に、心を砕かれそうになっていたー。


「ーーこれが”本当のわたしー”

 どうー?

 驚いた?」


絵梨の言葉に、返事すらできない忠司ー


「ーー男とヤるの気持ち良すぎて、

 わたし、い~っぱいヤッてるんだから!くくくくくー」


絶望する忠司ー。

絵梨は、そんな経験は一度もないー

と、言っていたー


それなのにー


「ーほ~ら、見て」

絵梨が、スマホを手に、竜也の仲間の

目つきの鋭い男や、金髪男とエッチして、

喘ぎ狂っている映像を見せつけるー。


実際には、絵梨の意思とは関係なく、

竜也に憑依された絵梨が、仲間たちとエッチをしているだけー


けれどー

忠司は”絵梨の本性”がこうなんだー、と思ってしまうー。


「ーーあんたとの”恋愛ごっこ”

 マジで面白かったよ!

  

 ”童貞くんー”」


バカにするような口調で言う絵梨ー。


そういえばー

”絵梨はエッチなことが苦手”だと言っていたー。

と、忠司は思い出すー。

忠司も、そういうことは苦手で、

一緒にいるだけで幸せだと、絵梨に伝えていたがー

今思えばー


「ーー最初から…最初から、俺とは遊びだったってことかー…?」

忠司が言うと、

絵梨は、笑いながら言い放ったー。


「ーー当たり前でしょ?

 あんたみたいなキモイやつと、エッチなことなんか

 できるわけないでしょ?」


絵梨は、ニヤニヤしながら言うー。


「ーーあははは!ウケるんだけど!

 わたしが”そういうこと苦手”って言葉ー

 本当に信じてたんだ?


 わたし、毎日竜也たちとヤリまくってるのにー!

 くく、、ははははははははははっ!」


狂ったように笑う絵梨を見てー

ついに、忠司は吐き捨てるようにして呟くー。


「ーーーー最低だよー…

 絵梨がそんな子だと思わなかった!」


忠司は泣いていたー。


「ーーふふふふ わたしはわる~~~い女なの♡」

絵梨がなおも笑うー


「ーーあんたも、大学のやつらもー

 親もー

 み~んな、バカばっかりー。

 本当のわたしのことを分かってくれるのは、竜也だけー」


絵梨にそう言わせるとー

絵梨に憑依している竜也は、

”最低すぎてゾクゾクするなーこの女”とー、

自分で言わせておきながら、一人、興奮していたー。


「ーーー……絵梨…いや…お前なんて大っ嫌いだ!

 お前みたいな女、最低だよ!」


忠司が怒りの形相で泣きながら叫んだー。


信じてたのにー

信じてたのにーーー


「ーーはぁ~~~♡ ゾクゾクするー

 負け犬の遠吠えーー…滅茶苦茶興奮するー」


絵梨が顔を赤らめながら、興奮しきった様子で

自分を抱きしめているー。


「ーーーお前みたいな女ー…

 地獄に落ちればいいんだー。」


忠司がそう言うとー

絵梨は「ーーはぁぁ…最高…あんたの顔、最高ー♡」と、

何度も何度も、甘い息を吐き出すー。


「ーー大好きだった彼女に裏切られてー

 絶望に突き落とされたお前の顔ーー…

 あぁぁぁ…マジで、、マジで興奮しちゃうーー」


その場で絵梨は自分の胸を触りながら、

えへへ、、えへへへへへっ、と興奮を抑えきれない様子を

露わにするー


「ー出てってくれー」

忠司は呟くー。


「ーーあっれぇ~?彼女を追いだすの~?

 ひっど~~~い」


絵梨がふざけた調子で呟くー


「いいから出てってくれ!この、クソ女!!!」

忠司は裏切られた悔しさと、怒りで爆発してー、

大声でそう叫んだー。


ゾクッ、と絵梨の身体が興奮するのを竜也は感じたー


”はぁぁぁー…

 憑依ってマジでやべぇぜー。

 大好きな彼氏にこんなこと言わせちゃうこともできるしー

 大好きな彼氏から憎まれちゃうこともできるんだからなー”


「ーー騙されるあんたが悪いんでしょ?」

クスクス笑いながら、全力で悪女な振る舞いをするー。


「ーーーお前、ホント…最低な女だな…」

忠司は不貞腐れた様子で呟くー。


身体がピクッと、震えるー。


”おやおやー”

絵梨は思わず笑みを浮かべてしまうー。


”彼氏に心の底から嫌われて、思わずこの女の意識が

 反応したのかー?


 でもーーー”


絵梨は、ニヤニヤと笑ってしまう、自分の口を手で隠しながらー


”この身体は俺のものなんだよー”

と、心の中で囁くー。


「ーーふふふふ…騙されて絶望してるあんたみたいなやつを

 見るのがーわたしの最高の楽しみなの!」


髑髏のペンダントを触りながら、絵梨が嬉しそうに叫ぶと、

忠司は大声で叫んだー


「ーいいから出てけよ!もう二度と顔も見たくない!出てけ!出てけ!」


その言葉に、絵梨は勝ち誇ったように笑いながら

「あぁぁぁ~大好きな彼氏に恨まれるとか、マジで興奮しちゃう!」と、

そのまま玄関から立ち去って行ったー。


「ーーなんだよ、あいつー」

一人残された忠司は、泣きながらそう呟くー


「ーなんなんだよ…くそっー」


信じてたのにー

信じてたのにーーー

信じてたのにーーーー


忠司の頭の中で、何度も何度も絵梨との思い出が

浮かび上がってきては、消えていくー。


あれは、全部、嘘だったんだなー。


絵梨との楽しい思い出ー

それらが全部”嘘”だったなんてー


忠司は、そう思いながら歯ぎしりをするー。


「ーーふざけるな…!ふざけるなよー」


柄の悪い三人組の男たちと笑っている”悪女”な絵梨の姿が

頭の中に浮かぶー。


忠司の中で、激しい怒りと憎しみが湧き上がるー。


あまりの怒りにー

忠司は我を失ってー

静かに立ち上がったー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーどうだった?」

金髪の男が、笑みを浮かべながら、戻ってきた絵梨に声を掛けるー。


柄の悪い三人組がたまり場にしている場所で、

絵梨は煙草に火をつけると、

「この女の彼氏、マジで最高だったよー」と、ゲラゲラ笑うー。


「ーこの女が、憑依されてるって、気づきもせずにー

 ”このクソ女!”なんて叫んでたからさ、

 マジで興奮しちまったよ」


絵梨が煙草の煙をふかしながら言うと、


「-マジかよ!はははは!」

と、金髪の男が、アジトの入口の扉を閉めようと、

入り口付近に向かっていくー


目つきの鋭い男が「じゃあ、今日もヤリまくるかー」と、

笑みを浮かべながら絵梨に近付いてくるー


その時だったー。


ドサッ、と倒れる音が聞こえてー

絵梨と目つきの鋭い男が、入り口のほうを見たー


「ーーあ?」

目つきの鋭い男が首をかしげるー


入口付近にいた金髪の男が倒れるー。


そこにはー

忠司の姿があったー。


忠司が血のついた包丁を手に、

怒り狂った目で、絵梨たちを見つめるー。


「ーーよくも…よくも俺を…!よくも、、よくも騙したな!」


怒り狂っていた忠司は、我を見失っていたー


「ーーおい!テメェ!何してやがる!」

目つきの鋭い男が、忠司の方に向かっていきー

忠司から包丁を奪おうとするー


しかしー

忠司に刺されて、目つきの鋭い男も、その場に倒れるー。


「ーーな…」

絵梨は煙草を口から落として、唖然とするー。


「ーー俺…俺…絵梨のこと…本当に信じてたのに」

忠司は泣きながら、悔しそうに絵梨に近付いてくるー


「ーーお、、おい!待て!」

”絵梨の身体”では、忠司に抵抗するのは難しいー


かと言って、今、この場で絵梨から抜けるわけにはー


「ーーー”くそっ!揶揄いすぎたかー”」

あまりにも、酷い言葉を投げかけすぎて

忠司の精神を追い詰めすぎてしまったー。


絵梨は後ずさりながら、ついに追い詰められて

壁際で座り込みながら、命乞いをするー


「ーーークソ女… クソ女…」

忠司が泣きながら、歯ぎしりをして呟くー。


「ーあいつは、どこだー」

忠司の言葉に、絵梨は「あ、、あ、、、あい、、あいつー?」と、

パニックになって呟くー。


”あいつ”とは、絵梨に憑依している竜也自身のことだー。


「ーーお前と同じ、そのペンダントつけてたやつだよ!

 絵梨の、、絵梨の彼氏なんだろ!そいつが!」


忠司が叫ぶとー

絵梨は震えながら「ーーい、、今、、今はーー、外にー」と、

嘘をついたー。


忠司が絵梨に包丁を向けるー

絵梨は、悲鳴をあげながら、あまりの恐怖に

その場で漏らしてしまうー。


水たまりを作りながら、絵梨は「ま、、待て…おい!落ちつけ!」と

女言葉も忘れて忠司に叫ぶー。


忠司はー

そんな絵梨を見てー

絵梨との楽しい日々を思い出したのか、

泣きながら


「ーー大好きだったのにー」

と、悔しそうに呟いてー

そのまま、後ろを振り返ったー。


「ーーー」

震えながら絵梨はその様子を見つめるー。


「ーーー絵梨となんか…知り合わなきゃよかったー」

忠司はそれだけ言うと、「ーーもうつかれたー」と

言い残してその場から立ち去って行ったー。


絵梨のことを悪女だと思い込んでしまった忠司もー

絵梨のことを刺すことはできずー

そのまま立ち去っていくー


一人残された絵梨は、

恐怖に震えながら、笑みを浮かべたー


「ーーあいつ…自殺でもするのかー?

 それとも、自首ー?」


そう呟いた絵梨ー。


周囲には、仲間二人が倒れているー


絵梨は、そんな光景を見ながら、一人、狂ったように笑い始めるー


「「ーーー絵梨となんか…知り合わなきゃよかったー」だってさー

 やべぇ…興奮する…興奮する…くく、ひひひひひひー」


正気を失ったかのように笑いながら、絵梨はー

絵梨に憑依している竜也はー

”憑依のことを何も知らない彼氏に、そこまで言われてしまった”

ことに激しく興奮しながら、一人、絵梨の身体が限界を迎えるまで

その場でエッチなことを繰り返すのだったー


おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


バッドエンドな憑依モノでした~!


”彼女が憑依されていることに最後まで気づかず、

 心の底から、彼女に失望して、憎んでしまう”


をテーマに書きました!


もしも、彼が途中で気づくことができていれば…

また違う運命が待っていたかもしれないですネ~!


お読みくださり、ありがとうございました!

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