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ガラの悪い男たちに絡まれてしまったことに驚き、

彼氏の絵梨を残して、一人逃走してしまった忠司ー。


そのことに後悔しながらも、

”自分は悪くない”と、彼女がいたことすら忘れようとしていたある日ー、

豹変した絵梨が、忠司の家にやってきたー。


忠司たちに絡んだ男たちの一人に、絵梨が憑依されているとも知らずに、

忠司は絵梨に罵倒されて、困惑するー…


☆前回はこちら★↓

<憑依>あなたは負け犬①~彼女の豹変~

映画館で映画を見終えた大学生カップルは、 映画の感想を話しながら、”このあと、何か食べようか?” などと、会話を交わしながら街を歩いていたー。 彼氏の藤重 忠司(ふじしげ ただし)はー 周囲に気を遣うタイプの男子大学生で、気配りができるタイプ。 小心者の一面もあるけれど、人を思いやる気持ちは強く、 彼女...

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「ーど、どうしちゃったんだよ…絵梨…」

不安そうに呟く忠司ー。


”絵梨を見捨てて逃げてしまった”

そのことに激しい罪悪感を感じながらも、

忠司は”それにしても絵梨の様子がおかしい”ことを

不安に思うー。


「ーーーだから、あんたのせいだって言ってるじゃん」

絵梨はキツイ口調でそう言うと、

髑髏のペンダントを手に掴みながら、笑みを浮かべたー。


「あんたがわたしを見捨てたせいで、

 わたし、こうなっちゃったの。

 わ・か・る?」


絵梨が、忠司に近付いてくると、

そのまま鋭い目つきで忠司を睨みつけたー。


「ーーわかってんの…?全部、あんたのせいだってこと」

絵梨が低い声で忠司を睨みつけながら言うー。


「ーーー…ひっ…」

小心者な忠司は、そんな絵梨を前にびびってしまうー。


「ーーあんた、びびってんの?」

絵梨が、忠司を見下すようにして笑うー。


「び、、び、、びびってなんかー」

忠司はそう言いかけたが、

牙の形をしたピアスや、髑髏のペンダントに威圧されてー

言葉を止めてしまうー。


「ーーーふふ…”負け犬”」

絵梨はバカにするようにそう言い放つと、

椅子に座って、足を組むと笑みを浮かべるー。


「ーわたし、あんたに見捨てられて気づいたのー。

 真面目にやってても、誰もわたしのことなんか助けてくれない、ってー」


絵梨はそう言いながら、ネイルを施した自分の手を見つめるー。


「ーーーえ、、絵梨…」

忠司は、”信じられない”という様子で絵梨を見つめるー


確かに、絵梨を見捨ててしまったのは事実だー。

だが、これまでの絵梨の言動から、

絵梨がこんな行動を取るなんてー

信じられなかったー。


「ーーーだってそうでしょ?

 わたし、あんたに見捨てられたあと、何させられたと思う?」

絵梨は笑いながら言うー。


「ーーな、、なにって…」

忠司は、震えながら絵梨のほうを見つめるー。


「ーーあの三人全員と、セックスさせられたの。わかるー?」

絵梨はそう言うと、自分の身体を触りながら微笑んだー。


「ーー全員に中に出されて…ふふ、

 な~んか、もう、やってらんねぇって感じ?」


絵梨の言葉に、忠司は

「そ、、そんな…ほ、、本当に、ごめんー…」と、

何度も何度も謝るー。


「ーーわたし、もう処女じゃなくなっちゃった!あははっ」

そこまで言うと、絵梨は髪を掻きむしりながら、

「あ~~~!マジでやってらんねぇ!」と叫び、椅子を

蹴り飛ばしたー


ビクッとしてしまう忠司ー


”クククククー”

絵梨は笑みを浮かべるー。


今の絵梨はー

柄の悪い三人組の一人・竜也に憑依されて乗っ取られているー。


絵梨の意思ではないー。

だが、”あえて”絵梨のフリをすることで、

忠司を揶揄って楽しんでいるのだー。


「ーーーどう責任取るの?」

絵梨が忠司のほうを見て言うー。


「ーーせ、、責任ってーー…」

忠司が怯えた様子で絵梨を見つめるー。


「そう。責任ー。

 もうわたしは二度と処女には戻れない。

 あ・ん・た・の・せ・い・で・ね!」


忠司の頬を指でつつきながら、怒りの形相を浮かべる絵梨ー。


「ーーま、、待ってくれ…あ、、謝る…謝るから!」

忠司が泣きそうになりながら言うとー

絵梨は「謝ってさ~、済むと思ってんの?」と、

吐き捨てるように呟くー。


「ーーーで、、でも…」

忠司は震えることしかできないー


「なら、わたしの前で土下座しなよ」

絵梨の意地わるそうな笑みー。


どうしてー

どうして、こんなことになってしまったのかー。


「ーーわ、、わかった…わかったからー」

忠司は、”どうにかして絵梨を助けてあげる方法はなかったのかー”と

思いながら、プライドも何もないまま、絵梨の目の前で

土下座をしたー。


「本当に、ごめんーーー」

とー。


無様に土下座している忠司を見て、絵梨は口元を歪めるー。

今この場で、下品な笑い声を出してしまいそうになるー。

我慢するために口元に手をやると、

絵梨は、忠司の足を踏みにじり始めたー。


「ーー負け犬…!負け犬…!負け犬…!」

絵梨が、笑いながら叫ぶー。


「ーーーごめん…ごめん…ごめん…!」

忠司はなんとか、自分が心から申し訳ないと思っているということが

絵梨に伝わればー、と思いながら何度も何度も謝罪の

言葉を口にしたー。


もちろんー

その言葉が絵梨に届くことはないー。

絵梨は”身も心も完全に支配”されているのだからー


「ーー”負け犬”」

絵梨は、笑いながら土下座している忠司に唾を吐き捨てたー。


忠司の手にその唾が付着するー。


忠司は震えながら

「謝って済むことじゃないのは分かってるー…

 でも…でも、、あいつらだって…

 なんで…なんで俺にだけ!!

 絵梨を傷つけたのは、あいつらじゃないか!」

と、叫ぶー。


絵梨は不満そうに、腕組みをしながら壁に寄りかかって

忠司の言葉を聞くー。


「ー絵梨、警察に相談しようー。

 俺はどう思われたっていいー

 でも、このままあいつを野放しにしておくわけにはー


「あいつら、あいつらー?

 あんた、人のせいにばっかしてさぁ、恥ずかしくないの?」

絵梨はそう吐き捨てると、忠司に再び近付いてきて、

忠司の胸倉を掴んだー。


「ー調子乗るんじゃねぇよ」

絵梨の脅すような口調に、忠司は”恐ろしい”と感じてしまうー


「ーーえ、、え、、絵梨…で、、でも…でも」

忠司は震えながら必死に言葉を振り絞るー。


まるで別人になってしまっているー。

そんなに壮絶な暴行を受けたのだろうかー


そう思いながら、忠司は「ーーだ、、大学のみんなも心配してるからー」と、

とにかく”絵梨に元に戻ってほしい”と嘆願したー


「ーーふっ…大学?」

絵梨は鼻で笑うと、忠司から離れるー。


「ー大学なんて、もういかねーよ」

絵梨の信じられない言葉ー


あれだけ一生懸命頑張っていた大学にー

行かないー?


「ーーな、なんで…どうして…?」

忠司は必死に叫ぶー。


「ーーあ、、あいつらに、、あいつらに何かされたんだろ!?

 そうじゃなきゃ、絵梨がそんなこと言うわけ…!

 言うわけないじゃないか!」


忠司は叫ぶー。

”絵梨はこんな子じゃないー”と


そう、思いながらー

そう、願いながらー


「ーー”絵梨がそんなこと言うわけないー”?」

絵梨はクスッと笑うー。


「--今、言ってるんだけどー

 あんたの言う”そんなこと”をー」


不機嫌そうに呟く絵梨ー。


「ーーーで、、でも…絵梨は…絵梨はーー優しいから…」

忠司は、声がどんどん小さくなるのを感じたー。

怯えてービビッてー、はっきりと言葉を発することすら

出来なくなっているー


「ーーわたしが優しいー?

 ふっ…ふ、、あははははははははっ!


 悪いけどー

 これが本当のわたしなのー」


絵梨はそう言うと、忠司を突き飛ばしたー。


「ーー無理やりヤラされてさ~

 わたし、すっごい気持ちよかったのー

 ゾクゾクしちゃった!


 もう、わたしは元の女の子には戻れないー

 あんたのせいでね…!」


信じられないー

絵梨は、絵梨はこんな子じゃー


「ーーり、、両親だって悲しむだろ!?

 た、、頼むから、頼むからやめてくれー。

 じ、自暴自棄にならないでくれー」


忠司は土下座を繰り返すー。


絵梨は、柄の悪い三人組に乱暴されて、

自暴自棄になってしまっているのだと、

そう”誤解”していたー。


「ーーー親?

 ふふっ、元々うざいって思ってたし、

 ”あんな奴ら”死ねばいいのよ」


絵梨の悪魔のような言葉に、

忠司は、唖然とするー。


”わたし、早く親孝行したいし…!頑張らないと!”

前は、そんなことを言っていたのにー


「ーー絵梨…!あいつらに何かされたなら、俺…!

 俺、絶対に助けるから…!絵梨!

 そんなこと言わないでくれー」


忠司の悲痛な叫びー


「ーー(バカなやつ)ー」

絵梨に憑依している竜也は笑うー。


”あえて”憑依したことをバラさずー

”本人”のフリをして、忠司を苦しめることを楽しんでいる竜也ー。


”目の前にいる彼女の豹変”がー

”憑依されていることによるもの”ということを

「知っている」のと「知らない」のでは、

大きくイメージも変わってくるだろうー。


”憑依されて変えられてしまっているー”

”彼女が自らの意思で悪い子になっているー”


前者と後者では、感じ方が確実に違うはずなのだー。


「ーーー(この女はーーー)」


絵梨に憑依している竜也は、絵梨に憑依する直前のことを

思い出すー。


絵梨は、忠司に見捨てられて一人、取り残されても、

忠司のことを信じていたし、好きな気持ちは消えていなかったー


「クククー

 お前の彼氏、お前を捨てて逃げたみたいだな」

髑髏のペンダントをぶら下げた竜也が笑うー。


「ーーそ、そんなこと…!た、、忠司は必ず助けに来てくれます!」

絵梨は、涙を浮かべながらも気丈にそう言い放ったー


「へへへ…ちげぇよ。あいつは逃げただけさ。

 なぁ、お前、俺と付き合えよ。

 あんな負け犬捨てて、さ」


竜也が絵梨の頬をイヤらしい手つきで触るとー

絵梨は「わたしは…わたしは忠司が好きなの!」と叫ぶー


「ー他の人と付き合うことなんて絶対にしませんから!」

絵梨は、忠司のことが本当に好きだったー


「ーーへへへ でもあいつ、逃げたんだぜ?」

竜也の後ろにいた金髪の男が言うー。


「ーーそ、、それでも…わたしは忠司としか付き合いませんから!」

絵梨の意思は固かったー


「ーーあいつが、負け犬でも、か?」

竜也が言うと、絵梨は力強くうなずくー。


「ー忠司だって、あなたたちみたいな人に絡まれれば怖いと思うし、

 逃げたのだとしても、わたしは忠司にー」


絵梨の忠司を想う気持ちは、強かったー。

仮に、忠司が絵梨を見捨てたのだとしてもー

絵梨は忠司の気持ちも理解できる、とそう言い放ったー


「ーーーおい 竜也ー ”アレ”試したらどうだ?

 こういう女にこそ、使いたくね?」


目つきの悪い男が言うー。


竜也たち三人が、”可愛い女”を探していたのはー

つい先日、手に入れた”憑依薬”なるものを試すためだったー


「そうだなー

 この女にするかー」


竜也が言うと、絵梨は不安そうに竜也たちを見つめたー。


「ーーこれからお前はー

 彼氏のことを憎む悪い女になるんだー」


竜也の言葉に、絵梨は「そ、、そんなこと絶対しませんから!」と叫ぶー


「ーー彼氏を負け犬とあざ笑う女になるんだよー。

 俺みたいに、こういうペンダントぶら下げて、なー

 夜の街で遊ぶ女になるのさ」


竜也の言葉の意味が分からないー


絵梨はてっきり、脅しや暴力を振るわれるのかと思ったー


だが、それでも絵梨は、屈しないつもりだったー。


しかしー

「ーーーその身体、貰うぜー」

竜也の言葉に、絵梨は「!?!?」と、目を見開くー。


竜也にキスをされる絵梨ー

絵梨の意識は、そこで途切れたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーー」

憑依したときのことを思い出していた絵梨は

笑みを浮かべるー


”心の中から見ているか?

 彼氏をあざ笑う女になった自分をー”


絵梨の意識が今、どうなっているのかは知らないー


だが、今のこの状況をもし、見ているならばー

絵梨本人は泣き叫んでいることだろうー。



「ーーークククー…じゃ、そういうことだから」

絵梨は、忠司に向かって言い放つー


「ーあんたのせいで、わたし、人生何もかもやる気なくなっちゃったの

 ふふふ…

 これからは遊んで遊んで遊んで、遊びまくってやるから!」


そう言い放つと、そのまま立ち去って行こうとする絵梨ー。


しかしー


「ーーー!」

忠司が、絵梨の腕を掴んだー


”今度は、もう逃げないー”

小さいころから逃げてばっかりだった忠司は、

ここで絵梨をそのまま帰らせたら、

一生、絵梨は戻ってこないし、後悔するー


そんな、気がしたー


「ーーーーなんだよ?」

絵梨が不愉快そうに言うと、忠司は

絵梨のほうをまっすぐ見て呟いたー


「ーー自暴自棄になっちゃだめだー…。

 絵梨ーーー

 何があったのか、全部聞かせてくれよー。


 あいつらに負けちゃだめだー

 絵梨は優しい子だって俺は知ってるー


 あいつらに、何か言われてるんだろ?

 話、聞くからー」


忠司のその言葉にー

絵梨は、ニヤリと笑みを浮かべるとー


”ーーーバカな彼氏だぜー”

と思いながら、さらに邪悪な”遊び”を思いつくのだったー。



③へ続く


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コメント


”憑依したこと”をあえてバラさずに

追い詰めていくお話デス~!


果たして彼氏は、憑依に気づけるのでしょうか~?


今日もお読みくださりありがとうございました!!

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