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ある日の下校中ー

謎の寄生虫に寄生されてしまった少女が

書き残した日記ー。


その日記には少女が徐々に寄生虫に支配されていく様子が

残されていた…

(最終週)


☆前回はこちら↓☆

<寄生>寄生された少女の日記⑤~支配~

ある日の下校中ー 謎の寄生虫に寄生されてしまった少女が 書き残した日記ー。 その日記には少女が徐々に寄生虫に支配されていく様子が 残されていた… (第5週) ☆前回はこちら★↓ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10月24日(日) 麻央ちゃんに言われたとおりにしてると… ほんとに、きもちいい… あたまの中...

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500年前の日記ー

私は貴重な資料を偶然、見つけることができたー。


先月亡くなった祖父の倉庫の中に

これが残されていたのだー。


梅村 鈴香ー。

この日記を書き残した少女は、

私の遠い祖先のようだー。


結局、この日記は、当時の10月30日で

途切れていて、私は遠い先祖にあたる

梅村鈴香がどのような人生を送ったのか、

はかり知ることはできないー。


しかしー


「ーーー…何を見てるの~?」

私の”妻”が、私に声を掛けてくるー。


「あ、いや、なんでもないー」

500年も昔ー

人間は、寄生虫に寄生され、支配されたというのかー。


確かに、学生の時に歴史で習ったことある。

自分たちは”人間を支配した存在”なのであると。


500年前の日記を見る限り、

この時代ではまだ、梅村鈴香をはじめ、”一部の人間”が

寄生され、支配されているだけに過ぎなかったようだが、

現代では、全ての人間の支配が終わっているー。


いや、それだけではない。

当時、支配した人間を使い、人間と我々寄生している側の血と

遺伝子が交じり合った存在をとにかく出産させたー。


梅村鈴香もおそらくは、身体がダメになるまで、

子供を出産させられたのだろうー。


その結果ー

今では、我々は完全に”人間”と同化することに成功しー

人間を超えた人間へと進化を遂げたー。


「ーー…梅村鈴香…か」

私は日記を読み終えてから、寄生虫に寄生されて、

完全に乗っ取られてしまった少女に想いを馳せたー。


先祖などに特別興味を持っているわけではなかったがー、

こうして、こんな生々しい”乗っ取り”の過程を見てしまうと、

梅村鈴香がこの後、どのような末路をたどったのかー

それを知りたくなるー。


500年前の人間がどのような人生を辿ったのかー。

正直なところ、それを知ることは決して安易なことではない。


しかし、私は知りたくなったー。

幸い、500年前である2021年という時代は、

2500年代となった現代でも社会生活の基盤を支えている

”ネット”が既に存在していた時代であり、

様々な記録を探ることは、不可能ではないー。


2021年当時に500年前を探るのであれば

大変だっただろうが、時代が違うー。


私はそう考えて、今日から梅村鈴香がどのような運命を

辿ったのかー。

それを探ることにしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


結論から言えばー

悲惨な人生だったー。

予想通りと言えば予想通りだが、梅村鈴香は

最後まで寄生虫に乗っ取られたまま、その人生を終えたようだー。


あのあとー

”麻央ちゃん”こと、寄生虫に乗っ取られてしまった梅村鈴香は、

男を次々と誘惑して、手当たり次第エッチなことを繰り返していたようだー。


とにかく、支配された側の人間と支配した側の寄生虫の

”ハイブリッド”となる子供を出産することしか頭になかったらしく、

日記にも書かれていた親友の朱美や新奈の心配も他所に、

欲望のままに行動を繰り返したらしいー。


学校も退学し、家族の前からも姿を消し、

身体が壊れるまでエッチなことをしまくったー。


当然、長い年月をかけて、10人近い子供も出産したようだったー。


偶然、親友だった”朱美”のブログと思われるものの

データを回収することができたが、

そこには、私の祖先である鈴香の豹変に心を痛める朱美の言葉と

”わたしの身体は、男とヤルためだけに存在するの!あんたは黙ってて”と、

豹変してしまった鈴香に、朱美が言われて、

朱美は強くショックを受け、そのまま絶縁になったことも

記されていたー。


一方、その朱美も、25の時の寄生虫に寄生されて

完全に乗っ取られてしまったようだったし、

大学生の頃の朱美のブログに、”新奈の様子がおかしい”と

書かれていたことから、新奈という子もまた、

寄生されてしまったものと推測されるー。


我々、寄生した側が、いつ、人間を完全に支配したのかは

分からないが、少なくとも2050年頃には

かなりの人間が寄生され、

人間と我々の血と遺伝子の混じった「ハイブリッド」と

呼ばれる子供が増えていたものと考えられるー。


そして、私の祖先の鈴香はー

30代中盤で身体を壊し、出産することが

できない身体になってしまったらしいー。


その後は、寄生されたまま、欲望のままに

エッチなことを繰り返し、

最終的には、身体が完全に壊れて、

そのまま息を引き取った、と記録に残されているー。


詳しい享年は不明だが、40代前後で

命を落としたものと考えられるー。


「ーーーー」

祖先である梅村鈴香のことを調べ終えた私は

何とも言えない感覚に陥っていたー


おそらく、500年前の”人間”は我々に

完全に支配されたのだろうー。


当時、ホモサピエンスと呼ばれていた人類は、

今ではパラサイト・ハイブリッドと呼ばれる種へと

変貌しているー。


人間と我々の遺伝子が融合したことにより、

病気に対する抵抗が圧倒的なものとなり、

現代では「病気」などというものはほとんど存在しないー。


平均寿命に関しても、当時よりも伸びているようだー。


しかし、一方で500年も経過しているからだろうか。

私も含め、我々には自分たちが”人間を乗っ取った寄生虫”であるという

自覚がないー。


今の人類ー

パラサイト・ハイブリッドには、

体内に寄生虫が1匹存在しており、

それが、人間の身体を守り、生命力を高めているー。

病気にならないのも、このおかげだー。


しかしー

”私”は、いったい”どちら”なのだろうかー。


人間なのだろうかー

それとも寄生虫のほうなのだろうかー。


今、こうして文章を記録しているわたしは、

”どっち”の意識なのだろうかー。


「ーーごはんができたよ~!」

妻に呼ばれる私ー。


「ーーー…」

私は、祖先を辿る旅を終えたー。


今更、500年前の人類云々を考えても仕方がないー。


けれど、500年前の祖先である

梅村鈴香の日記を読んで、私はあることを思ったー。


”本当に支配されたのは”

どちらなのか、ということだー。


確かに、梅村鈴香は、寄生虫に乗っ取られー

欲望のままに身体を悪用されたー。

彼女が乗っ取られたのは事実だし、

寄生虫がその時代に、人間を支配していたのは、事実だろうー。


しかしー


”今”はどうだろうー。

人間と寄生虫の遺伝子を持つ子供を出産しー

人間を支配する、という目的を持っていた寄生虫ー。


だが、私にはどうしても、今の人類を見ていると

こう思えてしまうー。


”長い年月をかけて、人間を支配したつもりでいた寄生虫は

 逆に人間に支配されているのではないか”


とー。


私は正直、自分自身を「寄生した側」の寄生虫ではなく

人間だと思っているー。


人間と交じり合った寄生虫は、

結局”人間の一部分”になってしまったのではないかー。


私は、そう思わずには、いられなかったー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


「寄生された少女の日記」の最終回でした~!

支配されてしまったのは、人間か、寄生した側の寄生虫か…

難しいところですネ~☆


来週からの土曜日枠は「女体化した男子高校生の日記」を

スタートする予定デス~!

日記シリーズの女体化は初デス!


お読みくださりありがとうございました!


※毎週土曜日の更新(コンパクト枠)とは?

(いつもと同じ説明デス↓ 既に知ってる方は読まなくて大丈夫デス!!)

毎週土曜日(以前は火曜日でした!)は、

私が仕事の都合で書く時間を確保できないので、

本来更新は難しいのですが

少しでも皆様にご恩返しということで、他の6日間で毎日

少しずつ執筆して、土曜日にも、作品をお届けしています!

そのため、いつもより少し文章量が少ないため

毎週土曜日の作品は、100円プランでも読めるようにしてあります!

(※土曜日枠のお話は必ず完結まで100円プランで読めるようにします!

  途中から上がったりはしませんので、安心してください)

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