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犯罪組織・デビルコブラへの潜入ー。


デビルコブラのボス・九条王牙の妻、繭の姿に変身し、

繭のフリをして組織に潜入した捜査官の正樹は

”毒の牙作戦”という恐ろしい計画を耳にするー。


それでも、デビルコブラの内情を探る正樹ー


”ある決意”を固めた正樹はー

王牙にその正体を見破られてしまうー。


「ーーー残念ーー

 ゲームオーバーだ」


邪悪に笑う王牙を前に、正樹の運命は…!?


★前回はこちら★↓

<他者変身>メタモル・ミッション③~毒の牙~

残忍な犯罪組織”デビル・コブラ”への潜入に成功した 警察内の秘密対策チーム”オメガ”に所属する潜入捜査官の正樹ー。 正樹はデビルコブラのボス・九条 王牙の妻、繭の姿に変身し、 繭として、デビルコブラ壊滅のための情報を探っていくー。 しかしー 繭に変身した正樹が目にしたのは、 想像以上に残忍なデビルコブラの実...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーこのワイン、美しいと思わないか?」

デビルコブラのボス・九条王牙が不気味に笑うー。


正体が露呈してしまった繭の姿をした正樹は

激しい拷問を受けていたー。


以前ー

九条王牙は、正樹の目の前で

裏切者の恋人を撲殺してみせたー。

女、子供、老人ー

誰であろうと容赦しない九条王牙の残忍な性格ー


そして今ー

繭の姿をした正樹が同じ目に遭おうとしていたー。


「ーーお前の身体の中を流れる血液と

 この赤いワインー

 どっちが赤いかな…?クククー」


九条王牙が、グラスに入ったワインを揺らしながら笑うー。


「ーーー偽物とわかっていてもー

 妻を殴るのは、いい気分はしないなー」

王牙はそう言いながら、繭の姿をした正樹を殴り始めたー

女の声で苦しそうに悲鳴を上げる正樹ー


「ーーん~~~ 妻の悲鳴を聞いているかのような気持ちだなー」

不愉快そうに笑う王牙ー。


だがー

その表情は、”嫌悪”ではなく”歓喜”に満ちているようにも見えたー


「ーーーーーっっ…」


激しい拷問に耐える正樹ー。


正樹はーーー

”前夜のこと”を思い出すー。


昨日の夜ー

王牙と”夜の営み”をしている最中ー

繭の姿をした正樹は、トイレに行く時間を利用してー

”本部”に連絡を入れたー


「ーー我妻班長ーー」

正樹は手短に要点を伝えるー


”本部関係者や家族を皆殺しにする毒の牙作戦は明後日結構であること”

”デビルコブラという組織自体は九条王牙にかなり依存していること”

”王牙の妻・繭に対する異常な愛情”


それらを伝えたー。


そしてー

「ーーー明日…俺は”あえて”王牙に偽物だとバレようと思いますー」

と、繭の声で正樹は伝えるー。


”ーーなんだと?”

我妻班長の言葉に、正樹は「危険は承知の上ですー。

俺の言う通りうまく行くかは分かりませんー。

けれどー…やるしかないんです」と、決意の口調で告げたー。


そしてーーー

正樹は、繭の声で、静かに計画の全貌を我妻班長に伝えたー。



”ーー俺は、ここで殺されはしないー”


現在ー

繭の姿をした正樹は、王牙に暴行を受け続けていたー


だがー

正樹の計画通りならー

王牙は正樹を殺さないー


何故ならー


「ーーさて…」

王牙は、繭の姿をした正樹に無理やりキスをしてから

笑みを浮かべるとー


「ー貴様を殺すのは簡単だー。

 だが、その前に貴様には”交渉材料”になって貰おうー」


王牙の言葉に、繭の姿をした正樹は、心の中で笑みを浮かべたー。


九条繭として”潜入”してからの王牙の振る舞いで、正樹は

”九条王牙は本気で九条繭を愛している”ことを悟ったー。

つまりー

”今、ここにいる繭が偽物”だと知れば、

正樹を人質に、繭の解放を捜査本部に迫る可能性がー

”高い”と、そう判断していたー


そしてーー

それは”読み”通りだったのだー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーー無線連絡が入りましたー」

”ハニートラップの魔女”の異名を持つ

潜入捜査班”オメガ”の女性捜査官・那奈の言葉に

我妻班長が「ーー繋いでくれ」と呟くー。


そしてー

モニターに覆面を被った男と、ボロボロになった繭ー

つまり、潜入捜査のため潜り込んだ正樹の姿が

映し出されたー


「ーー潜入捜査チームの皆さんー

 残念ながらーーー

 君たちのお仲間はーーー

 ”失敗”してしまったよー」


覆面を被り、声も変えている九条王牙が笑うー。


「ーーそこで、取引だー。

 今から1時間後ー、指定の場所に私の部下を向かわせる。

 そこに、私の本物の妻を連れて来いー。

 そうすれば、この愚かな捜査官は解放してやるー。


 ただしー 

 拒否したり、妻が死んでいたりー、小細工をすれば、

 こいつは死ぬー。

 

 どうするー?」


モニター越しに、そう言い放つ九条王牙に対しー、

我妻班長はすかさず叫んだー


「ま…待て!うちの捜査官はーー

 どうなる?」


我妻班長が、繭に変身している正樹の身を案じるー。


「ーー私の妻が無事に戻ってきたことを確認次第ー、

 解放しようー」


九条王牙の言葉に、

我妻班長が呟くー


「そんな言葉ー…信用できると思うかー?

 1時間後に、九条繭と交換する場所に、うちの捜査官も

 連れて来いー」


我妻班長が鋭い口調で言い放つー。


しかしー


「ーーダメだ。

 妻の解放が先ー

 貴様らの捜査員の解放はあと、だー」


冷たく言い放つ王牙ー。


「ーーーくっ」

我妻班長があえて”間を”とるー。


するとー

九条王牙は、信じられないことに

繭の姿をした正樹に突然キスをしてー

胸を揉んだり、アソコを触ったりし始めたのだー。


「な…何を…!」

我妻班長が叫ぶと

「ーー私の提案に乗るかどうか、考えているのだろう?

 返事を貰えるまで、私は暇だから、

 ちょっと遊んでいるだけだー」と、

九条王牙は、繭の姿をした正樹を犯しながら笑うー


繭の姿をした正樹が苦しそうに喘ぎ始めるー


「ーーくくく?どうだ?仲間が女として

 無様に喘ぐ声はぁ~?」


王牙は、”繭に変身した正樹”が

抵抗できずに喘がされている姿を、

我妻班長たちに見せつけているのだー。


”見せしめ”としてー


「ーーわ、、わ、わかった!いう通りにするー

 場所はどこだ?」


我妻班長は、九条王牙の要求に対してー

”折れたー”


ーーー”フリをしたーーー”


これはーー

正樹と事前に打ち合わせした通りー。


命懸けの”メタモルミッション”は、

まだー

続いているー。


「ーー1時間後ー」

王牙との会話を終えた我妻班長は

那奈や、軽い口調の捜査官・鷲見に向かって叫ぶー


「ーー”オメガ”の全メンバーを集めろー。

 必ず、奴らを壊滅させるぞ」


我妻班長の言葉に、

特殊対策チーム”オメガ”の全メンバーがただちに集まりー

デビルコブラ壊滅のための行動を始めたー


”一歩でも間違えればー”


死ー。

囮になっている正樹だけではないー

我妻班長も、那奈も、鷲見も、他の捜査官もー

全員が”命がけ”だったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


1時間後ー


デビルコブラが指定した地下駐車場でー

”本物の九条繭”の引き渡しが行われるー


「ーーー」

我妻班長と、鷲見、他2名の捜査官が

デビルコブラの構成員を待ち構えるー。


やってきたのはー

デビルコブラの構成員4名ー。


「ーーー」

我妻班長は意を決して、行動に出たー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それから、さらに1時間が経過したー


デビルコブラの本部に、

繭が到着したー


「ーーボス…、奥様をお連れしました」

4人の構成員が頭を下げると、

「ご苦労ー」

と、九条王牙は、繭を出迎えたー。


「ーーーーー…迷惑をかけたわね」

繭が王牙を見て言うー。


王牙は、繭を抱きしめると、4人の構成員に散るように命じてからー

繭のほうを見つめたー


「ーーーーー繭ー

 今日は”何月何日”だー?」


「ーーえ?」

繭は表情を歪めるー


「ーーーそんなの、スマホか何かで確認したらいいじゃない?」

繭が笑うと、

王牙は笑みを浮かべたー


「ーーやはりなーーー」


「ーーーー!!!」


”引き渡し”した、繭も”偽物”ーーー。

捜査官の”鷲見”が変身した姿だったー


部屋に並べてあった高級ワインを次々と割っていく王牙ー

王牙は怒り狂いながら、繭に変身した鷲見を見つめるー。


「ーーー本物の妻は、、どこだ?」


怒り狂った様子で、繭の姿をした鷲見を何度も何度も

殴りつけると、

繭に変身した正樹がいる部屋にそのまま

鷲見も放り込んで、

「貴様らは後でじっくり調理してやるー」と、

怒りの形相で叫んだー。


そして、すぐに捜査本部に連絡を入れたー


「貴様ーーどういうつもりだ?

 貴様の仲間の捜査官、血祭にしてやってもいいんだぞ?


 小細工は無駄だー。

 本物の妻を開放しろー。

 貴様が何人、偽物の妻を送り込もうと、 

 私には通用しないー」


王牙の言葉に、我妻班長はついに観念したー。


「ーーー…すまなかった…今から解放するー

 どうすればいいー?」


その言葉にー

王牙は、笑みを浮かべてー

我妻班長に直接、デビルコブラ本部付近まで

妻の繭と共に”ひとり”でやってくるように指示をしたー


「ーーわかったー

 部下の命は、どうか、助けてやってくれー」

我妻班長は、そう頭を下げて、王牙の指示に従うことにしたー。


「ーーーー九条繭…

 これからお前を開放するー」

我妻班長が、拘束していた、”本物の九条繭”を開放して

そのまま車に乗せるー。


「ーーここは頼むぞー」

女性捜査官の那奈に向かって我妻班長がそう言うと、

那奈は「わかりました。ここからサポートします」と、返事をしたー。


車に乗ってデビルコブラ本拠地の前に向かう我妻班長ー


我妻班長は冷や汗をかいていたー。


正樹との昨夜の会話ー

”俺の正体が露呈すれば、必ず九条王牙は、本物の妻との

 交換を要求してきますー。

 そしたら、俺以外の人間を、九条繭に変身させて、

 ここに送り込んでくださいー”


「ーーーーー」


だがー

それは失敗したー。

繭に変身した鷲見を送り込んだが、それもあっさり

見破られてしまったのだー。


おそらくー

九条王牙は、”本物の繭”を取り戻したら

我妻班長のことも、捕らえた繭の姿をした正樹と鷲見のことも

殺すつもりだー。


しかしーーーー

”死ぬのは、お前だー”


正樹からの報告で、デビルコブラは”九条王牙”への依存が強いことが

分かっているー

”何をするにも”ボス”である王牙が関与し、王牙の確認が必要な

 圧倒的カリスマによって支配されている組織ー”


故に、

王牙をーー

”蛇の牙”をへし折ることができればー

組織は瓦解するのだー。


「ーーーーついたぞ」

我妻班長が、デビルコブラ本部前に到着するとー

厳重な警備体制の中、中から4人の男が姿を現したー。


地下駐車場で取引をしたときにやってきた男たちだー。


「ーー奥様…さぁ、こちらへ」

男の一人が、本物の繭を回収すると、

我妻班長も一緒に中に通されたー。


「ーーーようこそー」

豪華な内装の部屋に通される我妻班長ー。

椅子には、九条王牙が座りー、

ワイングラスが3つ、置かれていたー。


「ーーーお前が…九条王牙ー」

我妻班長が言うと、

王牙は「いかにも」と、笑みを浮かべたー


「ーーつれてこいー」

王牙がそう言うと、4人の武装した男のうちの一人が

奥の部屋から”二人の繭”を連れてきたー。


正樹と鷲見が変身している”偽物”だー。


「ーーー…近藤!鷲見!」

我妻班長が言うと、

繭の姿をした正樹は苦しそうにしながら

「ーーお…俺は大丈夫ですー」と呟いたー。


「ーーー繭ーーー

 すまなかったなー。

 すぐに気づけなくてー」


王牙が、妻・繭に救出が遅れたことを詫びるー。


「ーーーホントよ。まったく…失礼しちゃうわ」

本物の繭が、王牙のほうを見て、そう言いながらも

笑みを浮かべると、二人は、我妻班長や、正樹、鷲見の前で

本物の繭と熱いキスを交わしたー


「ーー今日は、何月何日だー?」

王牙が言うとー

繭はクスッと笑ったー


「ーー0月0日ー

 わたしたち”蛇”は、日付になんて縛られないー


 …でしょ?」


繭の言葉に、

王牙は笑みを浮かべて、

我妻班長たちのほうを見たー。


「ーー私と、妻の”暗号”だー」


とー。


繭に変身している正樹も、

繭に変身している鷲見も

日付を聞かれた際の応対でバレたのだと悟るー。


「ーーー……さてーー」

王牙は繭のほうを見つめてから、ワインを3つのグラスに注ぐと、

笑みを浮かべたー


王牙自身と繭には紫色のワインー


そして、我妻班長のグラスには、赤色のワインを注いだー。


「ーーーどうぞ」

王牙が、我妻班長に赤いワインを差し出すー。


我妻班長は表情を曇らせながら言ったー。


部屋には、

九条王牙と妻・繭ー

4人の武装した男たちと、繭の姿をした正樹・鷲見の二人ー

そして、我妻班長がいるー。


「ーー俺たちを、殺す気か?」

我妻班長が言うー。

九条王牙が”覆面なし”で目の前に現れたということはー

”生かして返すつもりがない”

ことを意味しているー。


「ーー最後の晩餐だー。

 味わいたまえー。

 

 これから君たちの身体から、絞りだすことになるー

 真っ赤な血液の色をイメージしたワインだー。

 美しいだろう?」


王牙はそれだけ言うと、静かに笑みを浮かべたー。


我妻班長は震えるーー

”演技”をしながらワインを口にしたー


”最後の晩餐になるのはどちらかー”

”身体からこのワインのような赤い血を噴き出すのはどちらかー”


今日、ここで九条王牙を排除できなければー

どのみち、デビルコブラが企てている”毒の牙作戦”なる、謎の計画により、

我妻班長らは殺されてしまう可能性が高いー


今、この瞬間が最後の勝負ー。


”命がけのミッション”の決着の時は、近づいていたー


⑤へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


次回が最終回デス~!


最後に笑うのは、犯罪組織デビルコブラか、

特殊捜査班・オメガか、

ぜひその結末を見届けて下さいネ~!


今日もありがとうございました~!

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