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”運命の日”の朝がやってきたー。


”人を着る凶悪犯”=モルティングとの戦いの始まりは

いつからだっただろうかー。


思えば、長い戦いになった気がするー。


ついこの間までー

交番勤務の若き警察官に過ぎなかった長瀬治夫は、

”深淵”に足を踏み入れたー


もう、後戻りすることはできないー


陰謀が交錯する中ー

長瀬治夫は、最後の戦いに、赴くー。


自分の信じた道を、進むためー。


・・・・・・・・・・・・・


登場人物


長瀬 治夫(ながせ はるお)

若き警察官。”皮”にまつわる事件に巻き込まれていく


松永 亜香里(まつなが あかり)

治夫の彼女。現在同居中。


目黒 圭吾(めぐろ けいご)

警視正。計算高い性格の持ち主で、出世欲も強い。


黒崎 陣矢(くろさき じんや)

指名手配中の凶悪犯罪者。”モルティング”のひとり。


ジェームズ・結城(ゆうき)

モルティングの一人。裏社会で暗躍するヒットマン。


泉谷 聖一(いずみや せいいち)

治夫の中学時代の恩師。モルティングたちに”皮にする力”を与えた黒幕。


大門 久志(だいもん ひさし)

目黒警視正が亜香里を警護するため派遣した捜査官。


・・・・・・・・・・・・・・


★あらすじ★


”長瀬ー。

 お前と話がしたい”


モルティングの親玉であり、長瀬治夫にとって中学時代の恩師でもある

泉谷聖一からの電話ー。


”天誅”の達成を告げた泉谷聖一は、

黒崎陣矢、ジェームズ結城らと別れ、

長瀬治夫と1:1で話をするべく、治夫を呼び出したのだー。


指定された日時は”明日の夜”ー


治夫は、

人を皮にする凶悪犯たち”モルティング”

そして、死んだ西園寺警察庁長官を中心とする”警察組織の闇”


その二つとの戦いに決着をつけるべくー

己の信じる道を進むべく、泉谷と会うことを決意するのだったー。


迎えた運命の日の朝ー

治夫は”夜になるまで”のひと時を過ごすのだったー。


★前回はこちら↓★

<皮>モルティング~人を斬る凶悪犯~㉚"前夜”

人は”極限”まで追い詰められた時ー ”狂気”に目覚めるー。 ”恐怖” ”苦痛” ”受け入れがたい現実” それらは、人間を狂気へと走らせるー。 彼ー 黒崎陣矢もそうだったー。 あの日ー まだ、純粋な学生だった黒崎陣矢にー 突然の”狂気”が降り注いだー。 母と父が仕事だったその日ー 家に突然、強盗が押し入ってきたー 宅配便を...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーおはよ」

治夫の彼女・亜香里が優しく微笑むー。


昨日、帰宅してからの治夫の様子を見て、

亜香里は、治夫が”何かを決意した”ことを悟りながらも、

あえてそれには触れずに、いつも通り、穏やかに接していたー


それが、自分にできることだと、思ったからー。


「ーーーいつも本当に、ありがとうー」

治夫は、そんな亜香里の気配りを感じ取り、

穏やかに笑いながら、お礼の言葉を口にするー。


そんな言葉に、亜香里は嬉しそうに微笑むと、

「ーー必ず、帰ってきてねー」

と、治夫のほうを見て呟くー。


「ーー…もちろんー。

 亜香里を一人になんて、絶対にしないよ」

治夫はそう言うと、

「ーーうん。信じて、待ってるー」

と、亜香里は、決意を込めて頷くー。


治夫は、出かける準備をしながら、亜香里のほうを見つめるー


小さいころー

公園で出会った亜香里ー。

当時、まるで男の子のようにボーイッシュだった亜香里を

最初は男だと思っていて、まったく気づかなかったー


高校で再会したときー

すっかり女子らしくなっていた亜香里に、治夫は全く気付かず、

今でもその時のことを亜香里に時々揶揄われているー。


少し前に、亜香里と過去のことを話したときの会話を思い出しながら

微笑む治夫ー。


「いや、ホント気づかないよアレ…

 俺じゃなくても」


「-お兄ちゃんが二人の家庭だったから、

 わたしもなんか男の子っぽく育ってたんだよね」

と、笑ったー。


「--そっか~…まぁ、そうなるのかもなぁ~」

 -ーでも、男っぽい亜香里もまた見てみたいような気がするなぁ」


「-もう、わたしが男みたいに振舞うことはないと思うよ~」


「--はは、そうだよなぁ~」


初めて出会った子供の時は、まるで少年のようだった亜香里ー

高校で再会したときには、急に女の子らしくなっていてー

それで、今はそんな亜香里が自分の側にいてー


こんな幸せをー

そして、笑い合えるような亜香里との大切な日々を守るためー


モルティングたちによる被害をこれ以上出さないためー


治夫は、モルティングたちとの決着をつけなくてはいけないー。


「ーーー行ってくるよ」

帰りが少し遅くなることを告げ、治夫が玄関先で振り返って言うと、

亜香里は「帰りが何時でも、治夫の好きなカレーライス、

用意して待ってるからね!」と

可愛らしく微笑んだー。


「ーーーはは…楽しみにしてるよ!」

治夫はそれだけ言うと、亜香里のほうを今一度見つめて、

深呼吸してからー

「いってきます」と、力強く呟いて、そのまま歩き出したー


「いってらっしゃい」

亜香里は”必ず…帰ってきてね”と、心の中で祈るようにして呟いたー



家から少し離れた場所で、治夫は物陰に隠れている

目黒警視正が送り込んだ護衛の捜査官・大門に一声かけるー。


「ーーご安心ください。松永亜香里さんは

 我々が確実にお守りしますー」


大門の言葉に、治夫は

「お世話になります。よろしくお願いします」と、

頭を下げると、そのままモルティング対策本部の方に向かって

歩き出したー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーーー」


埠頭ー

モルティングの親玉・泉谷聖一は、

煙草を手に、海のほうを見つめながら、静かにため息をつくー。


全ては、終わったー。

あとは”仕上げ”のみー。


西園寺警察庁長官と、その周囲に巣くう”警察内部の闇”を葬りー

教え子・雄作の仇でもあった、西園寺の息子も、地獄に送ったー。


あとはーーーー


「ーーー長瀬ーーー…

 俺は、俺の信じた道を進んだー。

 お前は、どんな道を、選ぶー?」


一人、そう呟くと、泉谷は”最後の朝日かー”と、

呟きながら少しだけ寂しげに太陽のほうを見つめたー


・・・・・・・・・・・・・・・・


サングラスをかけた女が、空港の方に向かうー。


モルティングの一人で、プロのヒットマンー

ジェームズ結城に”皮”にされて乗っ取られた

ごく普通の家庭の主婦・湯原 真紀(ゆはら まき)は、

空港を目指していたー。


「ーーーーー」

サングラスの下から、空港のほうを見つめるー


モルティングの親玉・泉谷からの依頼で、

”警察内部の闇に関係する人間”を全員始末した

ジェームズ結城は、拠点としている海外に飛び立とうと、

空港を目指しているー。


「ーーーーー」

スマホを確認する真紀ー。


心優しい母親も、皮にされて着こまれてしまえばー

その優しさは失われるー


「ーーーー」

無表情のまま真紀は、スマホを土の上に落とすと、

そのままヒールでそれを踏みにじるー。


自分のスマホを破壊しても、まったく表情を変えずにー

真紀はそのまま空港の方に向かうー。


当初の予定通りー


国内では”ジェームズ・結城”としての姿は目立ちすぎる故ー

この真紀という一般女性の身体で国外に飛び、

国外で真紀を破棄するー


”飛行機の予約は、夜かー”

空港近くまで到着した真紀は、周囲を少しだけ警戒すると、

サングラスを少しだけずらしながらー

綺麗な顔に、冷酷な瞳を輝かせたー


この女の夫と子供は、今頃、”優しいお母さん”が

姿を消したことに驚いているだろうー。

捜索願も出されているかもしれないが、

そんなことは関係ないー


髪型も、髪の色も、服装も、雰囲気も、

何もかも違う”この女”をそう簡単に見つけることはできまいー

この国から出国するまで持てば十分だー。


「ーーーーー」

今一度サングラスを書き直すと、

ジェームズ結城に支配されている真紀は、サングラスを

輝かせながら、空港のほうに視線をずらしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーー」


クラシック音楽を聴きながら、

黒崎陣矢は笑みを浮かべていたー


現在、黒崎陣矢が”着ている”のは、

西園寺警察庁長官の娘・西園寺梓の皮だー。


「ー”中古”ってのもゾクゾクするぜー」

梓はニヤニヤしながら呟くー。


西園寺 梓の”皮”は、

昨日までジェームズ結城が身に着けていたー。


しかしー

ジェームズ結城が”逃亡の際に警察庁長官の娘は目立ちすぎる”

という理由で、梓の皮を脱いだため、黒崎陣矢が

その梓の皮を着ているのだー。


派手なアクセサリーを大量に身に着けて、

髪を金髪に染めた梓が笑うー。


「ーーまるで別人じゃねぇか…

 まぁ、今の”わたし”は、お嬢様の西園寺梓じゃなくて、

 芸術家の”黒崎 梓”だもんなぁ?

 ははははははははははっ!」


机に置いてあるりんごを手にして、ナイフで皮を剥いた

それに噛り付く梓ー。


黒崎陣矢は”狂気”に染まっているー

学生時代に妹を目の前で殺されたあの時からー。


”美しいー”

死にゆく妹を見て、そう思ったあの時ー

黒崎陣矢は、壊れたー


「ーーーククク」

りんごの皮を剥いたナイフをペロリと舐めると、

梓は、振り返って、

被害者の女たちのー

”皮にされる前の姿”と”乗っ取られたあとの姿”の写真が

それぞれ貼り付けられているコルクボードの方に向かって

ナイフを投げつけたー


”before”

”after”


ナイフが、治夫の彼女・松永亜香里の写真に突き刺さるー


他の女性の写真は、2枚ずつー


けれどー

今もまだ、亜香里の写真は1枚ー


”早くー

 ”after”が、見たいよな

 ククク”


黒崎陣矢に乗っ取られた梓は、そう呟くと

りんごを丸かじりしてから、そのまま外に向かって歩き出したー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーー」

目黒警視正は、モルティング対策本部の自室でー

不敵な笑みを浮かべていたー。


「全ては、この世の”秩序”を守るためー」


人を皮にする凶悪犯・モルティングを殲滅しー、

警察組織内の”闇”を、深淵へと葬り去るー。


人々が”地獄”を見る必要などないー

地獄には”蓋”をするべきだー。


「ーー治夫くんーー

 あなたのような”青臭い正義感”は、

 本当に私の力になってくれましたー。


 あと少しだけーーー

 あなたの力を貸してもらいますよー」


パソコンに表示された治夫の顔写真と履歴を見つめながら

目黒警視正は微笑むと、

薄暗い部屋の明かりを見つめながら、静かに呟いたー


「ーー全て”闇”に消えてもらいますよー」


とー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


治夫は、対策本部に向かう前に、

警察署を訪れていたー。


治夫が守ることができなかった女子高生・片桐由愛ー。

かつて、治夫が由愛を助けたことがきっかけで、

由愛は治夫のことを慕っていたー


だが、その由愛はー

治夫が黒崎陣矢と初めて遭遇した直後ー

黒崎陣矢に皮にされてしまい、

敵対することになってしまったー


優しかった由愛がー

黒崎陣矢に乗っ取られてからは別人のように

悪意に満ちた少女に変わってしまったー


「--証拠を出せ…

 --って、、言ってるんですよ わ・か・り・ま・す・か?」


黒崎陣矢に乗っ取られた由愛の姿を思い出すー。


由愛のような子を二度と、出すわけにはいかないー


「ーー本当に、申し訳ありませんでしたー」

治夫は、面会室で頭を下げていたー。


相手は、由愛の母親・藤江ー。

由愛が皮にされる前、黒崎陣矢が着ていた由愛の母親だー。

治夫は、泉谷と会う時間の前に、この藤江に会いに来ていたー


由愛の母親・藤江は、乗っ取られたまま夫を殺害してしまったため

現在も刑務所の中にいたー。


「ーー長瀬さんー

 あなたのせいじゃありませんーー

 娘も…あなたのこと、本当によく慕ってましたー

 だから、もう、そんな顔しないでー」


やつれた様子の藤江が言うー。


治夫は、藤江のほうを見つめながら

「ーー由愛ちゃんのためにも、俺は必ず、アイツを捕まえますからー」

と、決意のまなざしで呟くー。


「ーーーお願いしますー…

 由愛もーきっと、天国から長瀬さんのことを見守っていますからー」

藤江の言葉に、治夫は今一度深々と頭を下げると、

そのまま刑務所を後にしたー。


そしてー

対策本部にやってくるー。


目黒警視正と情報交換を行う治夫ー。


既にー

対策本部にいたメンバーたちはいないー


モルティングの一人で、治夫の妹・聡美を皮にした

天才詐欺師・臼井隼人との戦いの際に殉職した

アウトロー風の矢神 明信ー


西園寺長官が送り込んだ潜入捜査官でー

西園寺長官と対面した際にジェームズ結城に撃たれて死亡した

ギャル風の三枝 真綾ー


そして、治夫によくしてくれていた

好青年風の堂林 幸成ー

彼は”最初から”モルティングの一人、中曽根 佳純に皮にされていて、

治夫は”本当の堂林 幸成”とは一度も話したことがないー


寂しそうに空席の机を見つめていると

目黒警視正は「どうか、お気をつけてー」と、呟くー。


モルティングの親玉・泉谷聖一との対面ー。

どんな罠が待ち受けているのか分からないー。


ただ、話をしたいだけの可能性もあるが、

そうではない可能性もあるー。


「ーーーあなたの彼女さんは、私の部下たちが

 戦いが終わるまでー、

 厳重に警備していますー。


 治夫くんー

 あなたは”モルティング”との最後の戦いに集中してくださいー」


目黒警視正の言葉に

亜香里の警護の件のお礼を言うと、

「目黒警視正は、どうするのですか?」と、尋ねるー。


「ーー泉谷聖一の件は、お任せしますー

 どのみち、あなたは私に場所を教えるつもりも、ないのでしょう?」


目黒警視正の言葉に、治夫は少しだけ戸惑うー。


「ーー構いませんよ」

目黒警視正は、いつものように不敵な笑みを浮かべると、

「ー私には、私のやることがありますのでー」と、付け加えたー。


治夫は、頭を深々と下げて、対策本部の外に向かうー。


立ち去っていく治夫を見つめながら

目黒警視正は静かに囁いたー


「ーーーあなたと会うのはーーー


 きっと、これが”最後”でしょうね」


とー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


周囲が薄暗くなってくるー。


治夫は、病院を訪れていたー。


「ーーも~~~!お兄ちゃんと亜香里さんが

 イチャイチャしてると思うと、

 入院してても嫉妬が止まらない~~~!!」


治夫の妹・聡美が叫ぶー。


天才詐欺師・臼井隼人に皮にされて、

一時的に乗っ取られていた聡美はー

だんだんといつものような明るさを取り戻しつつあったー。


ふとした拍子にー

怯える様子を見せることもあり、

”心の傷”が癒えるのには時間が掛かるー。


けれど、確実に聡美は1歩1歩、前へと進んでいるー。


「ーーははは、退院したら聡美との時間も作るよ」

治夫が苦笑いしながら言うと、

聡美は「え~~?ほんとに?ふふふ」と、笑みを浮かべたー


その不敵な笑みに治夫は

”嫌な予感がするー”と思いながら、聡美のほうを見るー


「今のお兄ちゃんの言葉~

 ここにインプットしたからね!」

頭を指さしながら笑う聡美ー。


「ーーお、お手柔らかにな」

治夫は”まずい約束をしてしまった”と思いながら、

聡美の頭を優しくなでるとー、

「ーー退院まであと少しだったよな?頑張れよー」

と、笑みを浮かべたー


「うん!」

聡美の言葉を確認すると、

治夫は「じゃ、また来るよ」と言いながら

病室の外に向かおうとするー


「ーーお兄ちゃん!」

病室の外に向かう治夫を呼び止める聡美ー


「ん?」

治夫が立ち止まると、聡美は

「ーー”また”絶対来てよ?」と、呟くー


聡美の目に少しだけ涙が浮かんでいるー


治夫が”何か”大きなことに立ち向かう前だからこそー

お見舞いに来たのだと、聡美は悟ったのだー。


「ーーー…」

治夫は少しだけ驚いてから、

聡美のほうを見て笑うとー


「ーー俺が、聡美との約束を破ったことがあるか?」

と、呟いてからー


「必ず来るし、退院の時は盛大にお祝いするし、

 退院したら、聡美と一緒の時間を作るー

 約束だー」


そうー

聡美に伝えたー


聡美は穏やかな笑みを浮かべて頷くー。


微笑んで、立ち去ろうとする治夫ー


「ーーーあ!でも!」

聡美が、声を上げるー


「ーー約束破ったことはあるよね!

 わたしにお菓子買ってくれるって言ったのに

 忘れてたりとか!」


とー。


治夫は振り返って

「それ、小学生の頃の話だろ!?」と、

笑いながら叫んだー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


太陽が沈みー

夜が訪れたー


「ーーーーーー」

時計を確認して、空港に向かって歩き出す

主婦・真紀を乗っ取ったジェームズ・結城ー


「ーーククククー」

治夫の帰りを待つ亜香里がいる部屋を遠くから

双眼鏡で見つめる

西園寺梓を乗っ取った黒崎陣矢ー


亜香里の警護を続ける捜査官・大門ー


「全てを、闇に葬り去るまで、あと少しー」

対策本部でそう囁くと、静かに立ち上がり、歩き出す目黒警視正ー。


それぞれが、それぞれの行動を起こす中ー

治夫はー

約束の埠頭に向かう前に、

勤務していた交番の前で

手を合わせていたー


「塚田先輩ー 宮辺さんー

 いってきますー」


黒崎陣矢に殺された二人の先輩を想いながら

治夫は泉谷聖一の待つ埠頭に歩みを進めるー。


”どんなことがあっても、教え子を守るー

 それが、俺の仕事だからな

 気にするな”


治夫は、恩師・泉谷の言葉を思い出すー。

中学時代、泉谷先生の姿を見て、

治夫は”人を救う仕事に就きたい”と思ったー


泉谷先生との出会いが会ったからこそ、

今の治夫がいるー


”俺の信じた道は、”自分の教え子を守ること”

 だからー俺は、お前を救ったー

 お前もいつか見つけるんだー

 自分の信念をー。

 そして、自分の信じた道を、進むんだー”


「ーー俺は、進みますー

 信じた道をー」


治夫が、泉谷から指定された埠頭付近の倉庫にたどり着くー


「ーーーー」

治夫が立ち止まるとー

倉庫の影から、泉谷は姿を現したー。


「ーーーー長瀬ーーーー」


19:30ーーー

夜の光に照らされた海が寂しげに輝く中ー

治夫と泉谷は対峙したー


教え子と先生ー


今はー


警察官と人を着る凶悪犯の黒幕ー。


歩む道は

変わってしまったー

決定的にー


「ーーー先生ー。

 俺は、あなたを逮捕しますー」


治夫の言葉に、泉谷は笑みを浮かべたー


「それが、お前の信じる道かー」


とー。


㉜へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


「最終決戦前」的なお話でした~!☆

いよいよ運命の最終決戦!


ゾクゾク要素と物語、

どちらも最後までぜひお楽しみくださいネ~!


今日もお読みくださりありがとうございました~!

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