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埠頭近くの倉庫でー

鈍い音が響き渡るー


ボロボロになった男が、苦しそうに呟くー


その男の前に立つのは、穏やかそうな顔立ちの女子大生ー


しかし、今の彼女は氷のような冷たい目でー

ボロボロになった”兄”を見つめているー


痛めつけられているのは警察庁長官・西園寺の息子、正之ー。

モルティングの親玉である泉谷の教え子を目の前で轢き殺しー

開き直った男だー。


痛めつけているのは警察庁長官・西園寺の娘、梓ー。

ごく普通の女子大生として生活していた梓は、モルティングたちとの

争いに巻き込まれて、ヒットマン、ジェームズ・結城に皮にされ、

乗っ取られているー

乗っ取られて、数々の人間を殺めたー。

その綺麗な手は、血で汚れてしまったー


「ーー梓…め、、目を覚ませ…!」

正之が苦しそうに叫ぶー


だが、梓は無表情で、拳を作ると、華奢な手で兄の顔面を殴りつけたー


その様子を遠くから見ていたモルティングの親玉・泉谷は

煙草を吸いながら空を見上げるー


”俺の信じた道の、その先にー

 何が、あるんだろうなー”


彼は少しだけ寂しそうな表情を浮かべたままー

煙草の煙を静かに吐き出したー。


・・・・・・・・・・・・・


登場人物


長瀬 治夫(ながせ はるお)

若き警察官。”皮”にまつわる事件に巻き込まれていく


松永 亜香里(まつなが あかり)

治夫の彼女。現在同居中。


目黒 圭吾(めぐろ けいご)

警視正。計算高い性格の持ち主で、出世欲も強い。


黒崎 陣矢(くろさき じんや)

指名手配中の凶悪犯罪者。”モルティング”のひとり。


中曽根 佳純(なかそね かすみ)

モルティングの一人。黒い喪服を身に纏う不気味な女性。


ジェームズ・結城(ゆうき)

モルティングの一人。裏社会で暗躍するヒットマン。


泉谷 聖一(いずみや せいいち)

治夫の中学時代の恩師。モルティングたちに”皮にする力”を与えた黒幕。


西園寺 零(さいおんじ れい)

警察庁長官。警察の”暗部”を司る人物。


・・・・・・・・・・・・・・


★あらすじ★


正体を現した中曽根佳純と病院の屋上で対峙する治夫ー。


”何もできずに人が死んでいく地獄を見たー”

そう豪語する中曽根佳純に対して、治夫は叫ぶー


”俺だって、お前たちのせいで地獄を見た!”

とー。


雨がさらに強まる中ー

中曽根佳純と治夫の戦いは、さらに激化していくー。


そんな中ー

各所では不穏な動きも進んでいたー


モルティングの親玉・泉谷は、教え子の仇である

西園寺長官の息子を捕らえ、拷問のような行為を開始ー


一方、病院では謎の人物が、西園寺長官の元を訪れて

”剛”を名乗り、長官の口をそっと塞いでいたー…


★前回はこちら↓★

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


雨が降る病院の屋上ー


「この世は、地獄ー」

モルティングの一人・中曽根佳純が不気味に微笑むー。


「ーーあなたも、そう思わないー?」

黒い喪服を濡らしながら、不気味に笑う中曽根佳純ー。


治夫は警戒しながら中曽根佳純のほうを見つめるー。


「幸せな人々がいるー

 恐怖や不安、悲しみなんて何も感じずに過ごしている人もいるー。」


中曽根佳純が屋上の地面に付着した雨を飛ばしながら、

治夫の周りを歩くー。


「ーけれど、それは偽りの幸せー。

 人は、誰もがいつかは地獄を見るー。

 大切な人が、目の前で無残に死ぬー。

 大切な人が、目の前で苦しんでいても、何もできないー


 長瀬治夫ー

 あなただって、そうでしょうー?」


佳純は立ち止まって治夫のほうを見つめると、クスッと笑ったー。


「救いたいのに、救えないー

 人は、いつ死ぬか、分からないー」


綺麗な黒髪からー

雨粒が地面に落ちるー。

佳純は細い目をさらに細めて笑うー。


「ーーあなたの先生ー…

 泉谷さんは、目の前で教え子を轢き殺されたー


 わたしは、紛争地域で苦しむ子供たちが目の前で

 死んでいく地獄を見たー


 黒崎はー

 ”目の前で妹を八つ裂きにされた”ー


 わたしたちは、みんな”地獄”を見てきたー

 だからー」


その言葉に、治夫は口を挟むー


「ーー妹を八つ裂きにされた?」


治夫が一番最初に対峙した”人を着る凶悪犯”の一人ー


黒崎陣矢ー

遊び半分で、人を皮にして支配し、残酷にもそれを処分していくー

本人曰はく、それは”芸術”ー

治夫が遭遇したモルティングの中でも、もっとも危険な人物ー


だが、その黒崎陣矢から、そんな話は聞いたことがないー


「ーーあら?黒崎はあなたに話してないのかしら?」

中曽根佳純はクスッと笑うと、話を続けたー


「黒崎陣矢は、学生だった頃にー

 家に入ってきた強盗に”妹”の命を奪われているのー」


治夫は、黒崎陣矢のことを思い出すー


「”命”が消える瞬間ー

 俺にとってはそれこそが、

 何よりも美しい”総合芸術”なんだよ!


 人が死ぬ瞬間、何を考えるのか、

 どんな表情を浮かべるのかー


 そいつの人生を、この手でー

 そいつが何十年も積み重ねた人生を


 俺の、この手でー」


黒崎陣矢もー

”最初からサイコパス”だったわけではないのかもしれないー


治夫がそんな風に思っているとー

佳純は「ーーおしゃべりはここまで」と、

笑みを浮かべたー


「ーーあなたのこともこの地獄のような世界から解放してあげるー。

 そして、あなたを開放したらー

 次は、死にぞこないの西園寺警察庁長官よー」


「ーそんなことはさせないー」


まだ、西園寺長官からは聞くことがあるー。

西園寺長官にとどめを刺しにきた中曽根佳純を

好きにさせるわけにはいかないー


治夫と佳純が屋上で再び激闘を繰り広げるー

水しぶきが上がるー。


佳純が足のあたりに隠していたナイフで、治夫の手を切りつけるー。


「ーーっっ」

治夫は自分の手から血が流れるのを目視して、

表情を歪めるー


「ーー”死”は、救済ー」

佳純が不気味に呟きながら、ナイフを振り回すー。


「ーー”恐怖”は一瞬ー」

治夫は、必死に佳純の攻撃を抑え込むー。


「ーーーこの世は”地獄”ー

 この世界を、この世界に生きる人たちを

 守って何になると言うのー?


 昨日まで元気だった人がー

 さっきまで元気だった人がー

 数時間後には死んでいるかもしれないー」


治夫が佳純のナイフを蹴りで吹き飛ばすー。


その直後、佳純が治夫を殴りつけようとするー。

治夫は佳純の手を押さえて、

佳純の顔をまっすぐ見つめたー


「お前の言う通り、

 この世界は地獄かもしれないー。

 でも、そんな地獄の中でも一生懸命生きようとしている

 人たちはいるんだ!」


「ーー甘いのねーー」

佳純が治夫の顔をまっすぐ見つめながら不気味に微笑むー


「ー甘くたっていいんだよ!!

 ここが地獄だったとしても、そんな地獄の中で

 幸せを感じてる人だっているんだ!」


治夫の言葉に、佳純の表情が少しだけ歪むー


「ーその幸せは恵まれない人々の屍の上に成り立ってるー。

 今も不幸に苦しんでいる人たちがいるー

 今も”死にたいぐらい”苦しんでいる人がいるー」


そんな言葉に、治夫は中曽根佳純の腕を力強く掴んだー。


「ーー不幸な人がいるのは分かってる!

 この世界が平等じゃないことだってわかってる!


 でも、だからってーー

 ”わたしたちは不幸だから、あなたも不幸になりなさい”

 っていうのはおかしいだろ!


 中曽根佳純ー

 お前は、、お前はただ、逃げてるだけだ!

 地獄から、、逃げてるだけだ!」


治夫はそう叫ぶと、中曽根佳純を思いっきり突き飛ばしたー


屋上の水たまりの部分に手をつく佳純ー


「ーー泉谷さんはどこにいる!」

治夫が叫ぶー


「ーーーふ…ふふふふ…」

佳純は手をついたまま笑っているー。


「ーー泉谷さんはどこだ!!!

 もうこれ以上、俺は…俺は、

 この事件で、犠牲者を増やしたくないんだ!」


その叫びにーー

佳純は不気味な笑い声をあげるとー

治夫が先ほど落とした銃をいつの間にか手にしていたー


それを治夫に向けるー。


「ーー長瀬治夫ー

 お疲れ様ー

 ゆっくり、おやすみなさいー」


佳純がクスッと笑うー。


治夫は、死を覚悟したー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ーーーーあぅぅ… ぅぅぅうあぁぁ…」

西園寺警察庁長官の息子・正之が埠頭で、

妹の梓に散々殴りつけられて

顔から血を流しながら泣きわめいていたー。


「ーーー」

妹の梓は、冷たい目で兄を見つめると、

さらに綺麗な手で、正之を殴りつけていくー。


髪を振り乱し、

冷徹な暴力を繰り返す梓は、

完全に”ジェームズ・結城”に身も心も乗っ取られているー。


「ーー後は俺がやる」

黒崎陣矢に”招集”の電話をかけ終えた泉谷が戻ってくると、

西園寺正之の前に立って微笑んだー。


「ーーお、、お願いします…!許してください…!

 許してください…!」

正之が泣きながら謝罪の言葉を口にするー。


泉谷は、この男が自分の教え子ー

雄作を轢き殺したときの態度を思い出すー。


「ったくなんだよ。

周囲ぐらいちゃんと見ろよ!」

雄作を轢いて、車から降りてきたとき、この男はそう言ったー。


「なんだ、クズか」

無残な姿で倒れている雄作が金髪であることを見たこの男は、そう言ったー。


「そいつが悪いんだぜ」

去り際に、この男は、そう言ったー。


「ーー俺は、教え子たちを、家族のように愛していたー

 お前が轢き殺した、雄作もそうだー。

 今、俺たち”モルティング”と戦っている長瀬治夫も、そうー


 俺にとって教え子は、家族ー。

 お前は、俺の家族を殺したー」


泉谷が涙を流しながら言うー。


正之は別の意味で涙を流しながら

「ごめんなさい…許してください…!」と情けない様子で叫ぶー。


「ーーーーー」

乗っ取られている妹の梓は、無表情でその兄の様子を見つめるー。


「ー謝罪なんていらない。

 雄作を生き返らせろ」


泉谷が言うー。


「ーーひっ…ご、、ごめんなさい…」

正之は、もはや見る影もないほど、怯えていたー


「ーー生き返らせろ」

泉谷が正之を睨みつけるー。


「ーーーひ、、、で、、できないです…できないです…

 ごめんなさい…ごめんなさい…」


その言葉に、泉谷はグーで正之を殴りつけたー。

ジェームズ結城に支配された梓以上に、激しく攻撃を加えていくー。


「ーーお前が1万回謝ったとしても、

 死んだ人間は元に戻らないー」

泉谷はそう言いながら、正之を何度も何度も殴りつけるー。


しばらくするとー

泉谷は正之のほうを見て、再び笑ったー。


「たすけて…」

正之の悲鳴に、泉谷は口を開いたー


「ったくなんだよ。

 これから自分が死ぬって現実ぐらいちゃんと見ろよ!」


泉谷は言うー。

かつて正之が吐き捨てた言葉を、正之に返すかのように


「なんだ、クズか」

正之の髪を引っ張りながら言うー。


「お前が悪いんだぜ」

かつて、正之に言われた言葉をー

この状況にアレンジして、言い放つー。


正之は、子供のように泣き始めたー


泉谷は空を見上げて、正之に背を向けたー。


「ーーーーーーーーー」

何を考えていたのだろうかー

それは泉谷本人以外には分からないー


深く深呼吸をすると、泉谷は埠頭に止めてあった車に乗り込んだー


悲鳴を上げる正之ー


ジェームズ結城に皮にされている梓は、腕を組んだまま

煙草を口に咥えて、その様子を無表情で見つめているー。


「ーーーーーー」

”間違っている”


世間は、そう言うだろうー。

実際、間違っては、いるのだろうー。


だが、家族に等しい教え子を、目の前で轢き殺されてー

開き直られてー


我慢できるほどー


「ーー俺は、強くないー」

泉谷はそう呟くと、

”俺は、俺の信じた道を進むー。最後までー”と、

そう心で呟き、車のアクセルを踏んだー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


病院の屋上ー

中曽根佳純に銃を向けられた治夫は、

無防備だったー。


確実に撃たれるー


そう思った瞬間、治夫は走り出していたー。

ものすごい勢いで、中曽根佳純の方に向かってー。


走馬灯ー

今がその状況なのだろうかー。


治夫は雨の屋上を無我夢中で走りながらー


色々な人たちのことを思いだしたー。


両親ー

妹の聡美ー

助けることのできなかった女子高生の夢ー

交番の先輩たちー

モルティング対策班の仲間たちー

歩むべき道を違えてしまった恩師の泉谷ー


色々な人たちの、顔が浮かぶー


そしてー


「ーこの事件を解決できたらさー

 ーーー」


「ーー今はだめ!」

「ー”この戦いが終わったら結婚するんだー”って、

 どっちかが死んじゃうやつだよ!」


「ーーえ…あ、た、確かに…」


「ーだからー

 今はまだ、その言葉、言っちゃだめー」


「ーーじゃあ…”終わらせてから”言うよー。必ずー」


同居している彼女・亜香里との昨日のやり取りが浮かぶー


「ーーー俺は…!」

銃声が響き渡るー


だがー

その銃弾は、治夫の頬を掠めただけだったー


「ーー俺は…死ねないんだ…!」

治夫のあまりの勢いに驚いて目を見開く中曽根佳純ー


佳純に接近した治夫は、治夫を撃とうとした佳純の銃を

蹴り飛ばしー

そのまま中曽根佳純を押し倒したー。


「ーーーーーっっ!」

驚いた表情を浮かべる佳純ー


雨が降り注ぐ中ー

治夫は、叫んだー


「ーこの世界が、お前の言う通り地獄だったとしてもー

 この先、どんな辛い思いをしても、

 俺は、諦めないー

 俺は、人を救うことをやめないー

 絶対にー!」


雨と共にー

治夫の涙もこぼれたー


そんな、気がしたー


中曽根佳純は「あなたもいずれ、わたしたちと同じ考えにたどり着くー」と

微笑みながら言うー。


「ーーあなたはーー必ずこの世に絶望してーーー

 わたしたちと同じようにー

 その目に、”光”は映らなくなるー


 だってー

 この世界は、地獄なんだからー」


だがー

もう治夫は、挑発には乗らなかったー。


手錠を取り出すと、

「中曽根佳純ー…」と、呟き、そのまま佳純の容疑を口にするとー

中曽根佳純の腕に手錠をかけて、そのまま屋上の近くの手すりに

手錠を固定したー。


「ーーーーー泉谷さんとも、黒崎陣矢ともー

 それに、警察の闇ともー

 俺は、戦うー。

 そして、絶対に、負けないー」


治夫は、頬のかすり傷を気にしながら

そう言い放つと、

座り込んだままの中曽根佳純はクスッと笑って

顔を下に向けたー。


「ーー長瀬ですー」

目黒警視正に連絡を入れる治夫ー

モルティングの一人、中曽根佳純を確保したことを伝えようとするー


しかしー

その時だったー


中曽根佳純が突然笑い出したー


治夫が、目黒警視正との通話を中断して振り返るー。


「ーーあなたのこと、地獄から見ていてあげるー

 本当にーーこの地獄のような世界で生き抜いていけるのかどうかー」


雨に濡れたまま微笑む中曽根佳純ー


「ーーーわたしはーーー

 もう、疲れたわー」


雨が降り注ぐ空を見つめると

中曽根佳純は静かに微笑んだー。


「ーーーさようなら、世界ー」

佳純はそう呟くと、奥歯に隠していた”何か”を舌で

口の中にはじき出したー


「ーー!やめろ!!!!!」

治夫はとっさに叫ぶー


中曽根佳純は”安楽死”の薬を、

口の中にも隠していたのだー


苦しそうに青ざめながら

中曽根佳純は不気味に微笑んだー


「”Adieu”」ーーー


永遠の別れを意味する、その言葉を口にしながらーーー


それがー

中曽根佳純の最後の言葉だったー。


雨が降り注ぐ中ー

動かなくなった中曽根佳純を見つめる治夫ー


「ーー中曽根佳純が自害しました」

治夫は無線機で目黒警視正に伝えるー


”ーーわかりました”

相変わらず淡々と答える目黒警視正。


治夫は、屋上の隅で”脱ぎ捨てられた”

堂林幸成の皮を見つめるー


中曽根佳純によれば、

治夫と出会った時点で、堂林幸成は既に

中曽根佳純に”皮”にされていたのだというー


つまり、治夫の知る”堂林幸成”は、

堂林幸成本人ではなかったということだー。


「ーーー……あなたのことも、元に戻しますからー」

治夫は、幸成の皮を屋上の隅に寄せて、

目黒警視正に回収を依頼すると、そのまま病院内に向かって

走り出したー。


モルティングたちは”人を皮にする注射器”を持つと同時にー

”元の姿に戻す注射器”も持っているー


病院にやってきた中曽根佳純は、それを持ってきて

いなかったようだったがー

必ず、恩師・泉谷や、黒崎陣矢らがソレを持っているはずだー


特に、黒崎陣矢は、他人をいたぶることに喜びを感じているー

必ず、2本の注射器を所有しているはずー


「黒崎陣矢は、学生だった頃にー

 家に入ってきた強盗に”妹”の命を奪われているのー」


中曽根佳純の言葉を思い出すー。


治夫は、中曽根佳純の”この世は地獄”という言葉を

噛み締めながら、そのまま

西園寺警察庁長官の病室へと向かったー


しかしー


「ーーーーーー!!!!」


心拍数のモニターが音を立てているー


そこには”0”と表示されているー


「ーー西園寺長官!?」

治夫は、西園寺警察庁長官に駆け寄るー


しかし、既に心停止の状態ー


治夫は慌てて病院のスタッフを呼びに行くー。


”どうしてー?”

治夫は思うー


治夫が駆け付けたときー

堂林幸成の姿をした中曽根佳純が

西園寺長官にトドメを刺そうとしていたー


だがー

ギリギリで間に合い、それを阻止したはずー


確かにーー

阻止したはずー


それなのにーーー


駆け付ける医師ー。

しかし、西園寺警察庁長官は、そのまま息を吹き返すことはなかったー


”警察組織の闇”は、

永遠に深淵の中へと葬り去られてしまったー


”君はマリオネットだー”

西園寺警察庁長官が治夫に対して言い放った言葉が

いつまでも治夫の中で響き続けていたー。


㉚へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


いよいよ最終決戦に突入!という段階デス!

ぜひ、最後に待ち受ける結末をお楽しみくださいネ~!


ゾクゾク要素のクライマックスも、

物語のクライマックスも、もうすぐデス…!


ちなみに、作中で語られていた

モルティングの親玉・泉谷の、教え子が轢き殺された云々の

お話は、⑭の時に語られていたお話デス~!

随分前のことなので、振り返りをしておきたい方は

fanbox post: creator/29593080/post/2359875

で、振り返ってみて下さいネ~!☆


今日もありがとうございました~!

(Fanbox)


(Fanbox)


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