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学校に都市伝説のように不気味に広がる”髪を奪う亡霊”の噂ー。


親友の純玲が、その被害に遭ってしまった麻央は、

”髪を奪う亡霊”と対峙する決意をするー。


純玲が遭遇した時と同じように、放課後の図書室に、

外が暗くなるまで残った麻央は、

ついに”亡霊”と遭遇するー。


他の女子生徒と同じように”洗脳”されてしまった麻央は、

操られたまま、自らの髪を切り落としてしまいそうになるもー

それは麻央と、幼馴染の大介の”計画”だったー。


図書室に、”男”と共に入ってくる大介ー。


”髪を奪う亡霊”の真相とはー…?


★前回はこちら★↓

fanbox post: creator/29593080/post/2656333

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放課後の図書室ー


”幽霊のような恰好をした女”がいるその場所で、

洗脳されてしまった麻央は、無表情のまま、

ハサミを手に、自分の髪の毛を切ろうとしていたー。


そこに駆け付けた麻央の幼馴染・大介ー。

大介は、図書室の外にいた”男”を捕まえて、

図書室内に連れ込んで、図書室の様子を見つめるー。


麻央は、親友の純玲や、クラスメイトの祐子の”髪”を奪った

謎の女幽霊の噂の真相を突き止めるためー

事前に大介と”打ち合わせ”をしていたのだったー


”わたしが、噂の幽霊さんと会うからー

 何が起きるのか、見ていてー…”


とー。


オカルト系の話が苦手な麻央だったが、

親友の純玲があんな状態になってしまっているのを見てー

自分自身の危険を承知で、”囮”になったのだったー。


”もしも、わたしの様子がおかしくなったらー…

 その時はー”


事前に打ち合わせしたときの麻央の言葉を思い出すー。


大介は、”洗脳”されてしまい、無表情のまま

ハサミを握りしめている麻央の方を見つめるー。


「麻央…しっかりしろ!」

大介が麻央の方に駆け寄るー。


しかし、麻央はハサミを握りしめたまま、

大介に一切の反応を示さずに、

真顔で正面をじっと見つめているー。


まるでー

”命令待ち”のロボットのようにー。


そしてー

大介は振り返るー。


そこには”幽霊のような恰好をした女”ー


長い髪で、顔が隠れているがー

その髪は”ウィッグ”であることに大介は気づくー。


”こいつは、幽霊なんかじゃないー”


大介は、麻央と同じように”立ったまま”、

まるで”命令待ちのロボット”のような状態の

幽霊のような恰好をした女の顔を覗き込むー。


その女はーー


若い女性教師のー

市川先生だったー。


「ー市川先生…?」

大介が困惑しながら呟くー


”髪を奪う亡霊”は、

市川先生だったのだー。


そしてー

市川先生の状況を見てー

大介は”黒幕”が誰なのかを理解したー。


”幽霊の格好をした女”=市川先生に、

髪を奪われそうになっていた麻央ー


その様子を図書室の外から見つめていた男ー。


麻央の様子を確認していた大介が、図書室に入ってくる前に

発見して、捕まえた男ー


「ーー名坂先生ー

 みんなが”髪”を奪われていたのは、あなたの仕業だったのですね」


大介が言うと、

変態教師・名坂は笑みを浮かべたー


「くくく…気づかれてしまっては仕方がないー」

”合法的に女子高生の側にいることができるー”

そんな、邪な理由から、教師になった名坂先生ー。


彼が、”髪を奪う亡霊”の事件の黒幕ー。


過去にこの学校で自殺したという女子高生・リサは、

まったく関係なくー

髪を奪う女幽霊は、幽霊ですらなかったのだー。


「ーー…俺はな、田口ー…

 女の”髪”が欲しいんだよー」


ニヤニヤしながら言う名坂先生ー。


大介は、名坂先生を睨むようにして見つめるー。


「ーーー綺麗な髪のJKを見ていると、興奮しないかー?」

名坂先生の言葉に、大介はなおも名坂先生を睨みつけるー。


「ー俺は、するー。

 ゾクゾクするよー」

そう言うと、洗脳されたままの麻央に近付き、

麻央の髪を勝手に触ると、麻央の髪の匂いを

嗅ぎ始めるー。


「麻央に触れるな!」

大介が大声で叫ぶとー

名坂先生は笑ったー。


「ーネットで”人を洗脳できる洗脳光線”というものを

 見つけてねー。

 それで、俺の気に入った子を洗脳してー

 髪を集めていたのさー。


 だが、俺が直接洗脳すれば

 変な疑いをもたれるかもしれないー


 だから、そこにいる市川先生を放課後の度に洗脳して

 ”女幽霊”の役をやってもらったのさー。


 ”幽霊のせい”ということにして、都市伝説的な話を

 学校に流しておけばー

 みんな気味悪がって深追いもしないし、

 誰も俺を疑わないからなー」


名坂先生は、そう言うと、麻央の髪をペロリと舐めながら笑ったー。


名坂先生は、市川先生を洗脳し、”女幽霊”の役をやらせー

ターゲットの女子生徒に”女幽霊”の姿をした市川先生を見せつけたあと、

自分は物陰から、ターゲットの女子生徒を洗脳し、

髪を切らせるー。


そうすることにより、被害を受けた生徒は、

”直前に目撃した女幽霊の仕業”だと思い込むー


それが、名坂先生のやり口だったー。


「ーー先生のしてることは、立派な犯罪ですよ!」

大介が言うと、名坂先生は「それはどうかなぁ?」と笑うー。


「ー本人が”自分の意志”でやってるんだからー

 俺の罪にならないんじゃないのかぁ?」


名坂先生の言葉に、大介は「ふざけるな!」と叫ぶー。


名坂先生はニヤニヤしながらうなずくと、

「どうやら、話し合っても無駄なようだな」と、呟くー。


そしてー


「ーー殺せ」

麻央の方を見て、名坂先生は”命令”したー


「はい…」

麻央が自分の髪を切るために持っていたハサミを手に、

大介の方を見つめるー


「ま、、麻央…!」

大介は戸惑うー


麻央が冷たい目で、大介の方を見つめているー。


「ーー殺せ」

名坂先生はさらに呟くー


今度は、女幽霊の格好をした市川先生への”命令”だー。


「や…やめてください…!先生!」

大介は女幽霊のような恰好をしている市川先生に向かっても叫ぶー。


だが、麻央も、市川先生も、完全に洗脳されていて、

大介の方に向かってくるー。


「ーーーそうだ!殺せ!俺の邪魔するやつを殺せ!」

名坂先生が叫ぶー。


「ーーご主人様の邪魔をするやつは…許さない…!」

麻央がいつもとはまるで別人のような低い声で、

ハサミを大介に突き刺そうと襲い掛かってくるー


「や、、やめろ!」

なんとか麻央のハサミを押さえる大介ー


だが、麻央は冷たい目で、大介を見つめー

大介を本気で刺そうとしていたー


「やめろ…!目を覚ませ…!」

大介が必死に叫ぶがー

麻央は「死ね…死ね…死ね…!」とずっと連呼しているー


市川先生も近づいてきて、大介の身体を押さえようとしてくるー


”このままでは殺されるー”

大介はそんな風に思って、名坂先生の方を見て叫んだー


「ーーせ、、先生!俺を殺したら、先生だって、無事では済まないぞ!」

そう叫ぶ大介ー


だが、名坂先生は、ポケットから、以前洗脳して切り取った

他の女子生徒の髪を取り出して、気持ちよさそうにその匂いを嗅いだー。


「ーーはははははっ…

 お前を殺すのは、お前の幼馴染だー。

 そいつを自首させることだってできるし、

 自殺させることだってできるー。


 俺の罪にはならないさー」


名坂先生の言葉に、

大介は、麻央の方を見つめるー


麻央は完全に洗脳されていて、操り人形になってしまっているー


麻央のいつもの笑顔を思い出すー。


「ーーくっそおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」

大介は大声で叫ぶと、「麻央!ごめん!」と、叫んでから、

麻央を足で蹴り飛ばしたー。


カウンターの方に突き飛ばされて、よろめく麻央ー


麻央はそれでも、マリオネットのように大介の方に向かってくるー。


しかしー

図書室のカウンターにあったハサミを手にすると、

大介は一直線に、名坂先生の方に向かいー、

名坂先生を殴り飛ばしたー。


「ーーぐあっ!」

吹っ飛ぶ名坂先生ー。


「ーー……ま、、待て、やめろ…!」

思わぬ反撃に、一転して名坂先生が悲鳴を上げるー。


「ーー麻央を…!市川先生を元に戻せ!この、変態野郎が!」

大介が、名坂先生の首筋にハサミを突き付けるー。


名坂先生は悲鳴を上げながら、「待て!落ち着け!」と叫んでいるー。


「ーーー麻央と、市川先生を、元に、戻せー!」

大介が、これまでの人生で一番の怒りを込めて、

そう言葉を口にしたー


「ひ…わ、、わかったよ…!」

名坂先生はそう叫ぶとーー

あっけなく二人の洗脳を”解除”したのか、

麻央と市川先生が正気を取り戻したー


「ーーあ…あれ…?わ、、わたし…」

麻央が目の輝きを取り戻して、ハサミを手から落とすー。


そして、大介の方を見て、麻央はすぐに

”大介が助けてくれた”と理解したー


女幽霊の格好をしていた市川先生は、寝ぼけているかの様子で

周囲を見渡すと「わたしは…?」と、不安そうに呟いたー。


大介はー

名坂先生を取り押さえながら、すべての事情を語ったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


「ーーーーーーー!」


学校に麻央と大介が登校するとー

空き教室の前に人だかりができていたー


そしてーーー


「ーーーーーー!」

大介は驚き、麻央の目に”それ”が映らないように、

麻央を守るようにして、覆い隠したー。


空き教室でー

名坂先生が、首を吊って自殺していたのだー。


黒板に”懺悔”と、真っ赤な文字で書かれた下に

”髪を奪う亡霊を作り出したのは、俺だ”と、

そう書かれていたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それからしばらくが経過してー

麻央はすっかりと元通りー


そしてー

純玲や、他の女子生徒たちも少しずつ、

精神的にも回復しー

まだ短髪ではあるものの、純玲はいち早く

学校に復帰していたー。


「まさか、そんな真相だったなんてー」

純玲が言うと、

大介は「純玲ちゃんの、究極のオカルト体験だなー…」と

冗談を口にしたー


「やめてよー…まさか、人に洗脳されちゃうなんて…

 もう、オカルト好きやめよっかなー」

純玲はすっかり元気になった様子で、そう冗談を口にしたー。


麻央は、安心した様子で、純玲と大介の方を見つめながら

大介の方を見て

「本当に、ありがとうー」と、安堵の表情を浮かべながら

言葉を口にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


暗い部屋ー


”女の髪”が集められたその部屋で、

女が笑みを浮かべたー


ニヤニヤしながら、髪の匂いを嗅ぐ女ー


「ーーこれが…純玲ちゃんの髪ー」

純玲を洗脳した際に、純玲に切らせた髪の

匂いを嗅いで、笑みを浮かべる女ー


彼女はー

名坂先生に洗脳されて”女幽霊”の役をやらされていた

市川先生だー。


いいやーーー

”名坂先生に洗脳されていた”フリ”をしていた市川先生だー。


”保険”をかけておいてよかったー。


黒幕は、死んだ名坂先生ではないー

普段、真面目な女性教師を演じている市川先生のほうだー。


洗脳の力を使っていたのも、彼女ー。


市川先生が、女子生徒を洗脳して、髪を奪っていたのだー


そしてー

”もし”誰かに気づかれたときに

”わたしも被害者です”という風に装って、

罪を逃れられるように、”名坂先生に洗脳されて女幽霊を演じさせられている

哀れな女性教師”のフリをしたー


女幽霊の格好をして、生徒を襲った市川先生は

洗脳などされていないー

”洗脳されたフリ”をしていただけー。


実際に洗脳されていたのは”名坂先生”のほうー

名坂先生を洗脳し、まるで事件の黒幕のように振舞わせてー

実際に、男子生徒に現場を見られたため、

名坂先生に”俺が黒幕だ”と言わせたー


普段から”女子高生を見るために教師になった”などと考えている

名坂先生は、ちょうどいい素材だったー。


だがー

男子生徒・大介に現場を見られたからー

しばらくは”髪を奪う亡霊”はお休みだー。


洗脳したままの状態の名坂先生を自殺させたことにより、

みんな”事件は解決した”と思っているー


「ーーしばらくは、集めた髪で我慢するからー」

市川先生は、祐子の髪の匂いを嗅ぐと、嬉しそうに微笑むー。


「ーーまたーーーしばらくしたらー」

市川先生は、クスッと微笑みながらー

「ー可愛い子の、髪を集めなくちゃー」

と、静かにそう呟いたー



おわり


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コメント


髪を奪う亡霊の最終回でした~!


またいつか、髪を奪われる事件が

起きてしまいそうな感じですネ~!


お読みくださり、ありがとうございました!!

(Fanbox)


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