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夜の繁華街を歩く男ー

彼は、一人表情を歪めていたー


”チッ…余計なジャマが入ったぜ”


不機嫌そうな様子で繁華街の一角を歩くー。


女子大生・萌恵の”皮”は破棄したー。


人を皮にする凶悪犯の黒崎陣矢は、今、

自分の姿で街を歩いていたー。


治夫に接触し、結託を持ちかけた際に、

”剛”の襲撃を受けて、撃たれてしまったことで、

萌恵の皮は負傷ー

黒崎陣矢は使い物にならなくなったと判断して、

処分したのだー。


”破れた”服”は、捨てるものだからなー”


そんな風に思いながら笑みを浮かべていた黒崎陣矢の前にー

突然ーー

メイドが現れたー


「!?」

一瞬驚く陣矢ー。


「--あちらのお店なんですけど~どうですか~?」

ニコニコとほほ笑むメイドー。


客引きかー。

黒崎陣矢はそう理解すると笑みを浮かべたー。


「--クククー」

”次はこいつ”を着るかー


「じゃあ、お持ち帰りで」

黒崎陣矢が笑みを浮かべながら言うと、

メイドは戸惑った様子で、「そういうのはごめんなさい」と、ほほ笑むー


だがー


「うるせぇよ」

と、即座にそのメイドに注射器を打ち込んだ黒崎はー

皮になったメイドを手早く着こむと、そのまま笑みを浮かべたー


「-ーふふふ わたしの身体お持ち帰り…!

 嬉しいですぅ♡ ごしゅじんさま♡ …なんてな!」

メイドの皮を着た黒崎陣矢は、そのまま持っていたお店のチラシを

放り投げて、メイド服のまま、闇夜へと姿を消したー。


・・・・・・・・・・・・・


登場人物


長瀬 治夫(ながせ はるお)

若き警察官。”皮”にまつわる事件に巻き込まれていく


松永 亜香里(まつなが あかり)

治夫の彼女。現在同居中。


目黒 圭吾(めぐろ けいご)

警視正。計算高い性格の持ち主で、出世欲も強い。


堂林 幸成 / 三枝 真綾 / 剛

目黒警視正率いる「モルティング対策班」のメンバー。


黒崎 陣矢(くろさき じんや)

指名手配中の凶悪犯罪者。”モルティング”のひとり。


中曽根 佳純/春山 正義/ジェームズ・結城

”人を皮にする凶悪犯”通称・モルティングたち。


泉谷 聖一(いずみや せいいち)

治夫の中学時代の恩師。モルティングたちに”皮にする力”を与えた黒幕。


西園寺 零(さいおんじ れい)

警察庁長官。警察の”暗部”を司る人物。


・・・・・・・・・・・・・・


★あらすじ★


人を着る凶悪犯の一人、黒崎陣矢から共闘を持ちかけられた

長瀬治夫ー。

治夫は、黒崎の誘いを当然のように拒否ー。


しかし、そこに招かれざる客がやってきたー。


その名は”剛”-。

モルティング対策班の仲間の一人で

”目黒警視正としか会わない”として、

これまで治夫の前に一度も姿を現さなかった人物ー。


その剛が、治夫の命を狙ったー。

辛うじて剛を退けた治夫は、

”警察内部の闇”を調べていた治夫を始末しようと

目黒警視正が剛を治夫に差し向けたのだと判断したー。


それから程なくしてー

モルティングたちにより、目黒警視正の車が爆破されてしまいー

”目黒警視正死亡”の情報が治夫たちの元に届くー。


がー

それは、目黒警視正が”監視”から逃れるために

モルティングたちが、警察上層部を襲撃していることを逆手に、

仕組んだ”計画”だったー。


その夜ー

雨の中、治夫の前に姿を現した目黒警視正は

治夫に対して”真実”を語り始めたー


★前回はこちら★↓

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


雨が降り注ぐ夜の墓地ー

レインコートで身を隠すようにしている目黒警視正が続けるー。


「三枝真綾は、

 警察の闇を司る西園寺警察庁長官の直属の潜入捜査官です。

 西園寺が、私のモルティング対策班に送り込んできた刺客で、

 私の行動を監視していましたー」


目黒警視正の言葉に、治夫は雨に打たれていることも忘れて

ゴクリと唾を飲み込んだー


「--治夫くんに”剛”を送り込んだのは彼女です。

 あなたが”西園寺長官”のことを探っていると気づいた彼女が

 あなたを消すために、”剛”を送り込んだのです」


”剛”は警察内で明るみに出来ないことを消し去るために

行動する人間が使う”隠語”であり、個人名ではないということー


ギャル風の真綾は、

警察組織の”闇”の中心でもある西園寺警察庁長官の送り込んだ

潜入捜査官で、目黒警視正を監視していたほか、

治夫に”剛”を差し向けたのも彼女であることー


2つの情報に、治夫は、表情を歪めずにはいられなかったー。


「--あなたに”剛”を差し向けたのは私ではありません。

 疑いは、これで晴れましたか?」

いつものように淡々と、穏やかな笑みを浮かべながら

語る目黒警視正ー。


「--でも、”剛”は私としか会わないと、警視正は言っていたはずです。

 あなたとしか会わない剛とは、誰なんですか?」

治夫が言うと、目黒警視正は頷くー。


「あれは、三枝真綾を惑わすための”フェイク”ですー。」

”剛は私としか会いません”という言葉は、真綾を攪乱するための発言で、

実際に目黒警視正の側にそんな人物は存在しないー。


治夫は、口を開いたー。


「--でも、あなたも誰かの指示で動いているのでしょう?」

治夫が言うー。


目黒警視正の背後には”誰か”がいるー。

前にも”長官”なる人物と連絡を取っていたー。


「--ええ。

 私は西園寺の前に警察庁長官だった

 大瀬良長官から、”警察内部の闇”を晴らすように

 依頼されて、動いていますー」


目黒警視正が言う。

自分は”西園寺警察庁長官”とは関わりがない、とー。


「--ーーー」

治夫は表情を曇らせるー。


「-ー私は3年ほど前から、大瀬良長官の協力を得ながら

 警察組織の”腐敗した部分”の調査を行っていましたー。

 

 秩序を守るためには”腐ったりんご”-

 すなわち、”剛”や西園寺長官を葬らなければ、ならない。


 だが、西園寺は狡猾な男です。

 私も執拗に調査を進めましたが、そう簡単には尻尾を

 掴むことはできませんでした」


目黒警視正は、そこまで語ると、

さらに続けたー


「ですが、今からちょうど1年前ー

 警察内部で秘密裏に開発されていた

 ”人を皮にする”技術が盗み出されましたー」


1年前ー

”人を皮にする凶悪犯”たちが初めて出現したー。


治夫の恩師・泉谷を中心とする「モルティング」たちは、

人を皮にする力を使い、各地で悪事を行い始めたー。


それを知った目黒警視正は、即座に動いたー


「-私は、モルティングたちをうまく利用できないか、

 と考え始めましたー」


目黒警視正は、泉谷らモルティングの目的が

”警察への復讐”であることにいち早く気づき、

あえて、”泳がせた”


大瀬良長官と相談し、自ら”モルティング対策班”を立ち上げ、

”表向き”は、明るみに出来ないモルティングの追跡調査を行いつつ、

裏ではモルティングとの戦いを”あえて”長引かせたー。


「-モルティングたちが、暗躍を続ければ続けるほどー、

 西園寺長官はボロを出すかもしれないー。

 あるいはー、モルティングたちによって

 西園寺長官は命を奪われるかもしれないー


 私はそう考えてー

 ”あえて”モルティングたちとの戦いを

 長引かせましたー」


そしてー

その結果ー

先日から、モルティングの”天誅”が始まったー


警察組織の「闇」に関わる人間が、

モルティングの一人、ジェームズ・結城によって

次々と抹殺され始めたのだー。


「-ーもうすぐー

 もうすぐ、全ては終わりますー


 警察内部の”闇”を葬り去ったらー

 モルティングたちも葬り去るー


 それで、この国の秩序と、警察の威信は、守られるー」


目黒警視正は、そう言い終えると、

治夫の方を見つめたー。


治夫は、頭の中で情報を整理するー。


”人を皮にする凶悪犯”モルティングらの目的は、

警察の”闇”に対する復讐と、”闇”を暴くことー。

治夫の中学時代の恩師であり、首謀者でもある泉谷聖一が、

警察が秘密裏に開発していた”人を皮にする技術”を盗み出し

黒崎陣矢や中曽根佳純ら凶悪犯にそれを提供、仲間に引き入れ、

各地で”人を皮にする事件”を起こさせたー。

全ては、警察の闇を暴き、その中心点にいる西園寺警察庁長官に

復讐するためー。

だが、この1年間、警察は、人を皮にする凶悪犯らが起こした事件を

全て隠蔽し、闇に葬って来たー。

その結果、モルティングたちは、”警察の闇”に関係する人間を

”天誅”と称して直接葬り去る強硬手段に出たー。


警察内に巣くう闇ー

”西園寺警察庁長官”を中心とする一派の目的は、

”警察の闇を隠蔽し、モルティングたちを葬ること”

彼らはー警察が秘密裏に開発していた”人を皮にする力”や、自身の不祥事が

明るみに出ることを恐れていたー

”人を皮にして乗っ取る力”

そんなものを、警察が開発していたと知られれば、世間から猛批判を浴び、

西園寺警察庁長官も失脚するー。

だからこそ、”皮”に関係する事件がいくら起きようとも、別の理由付けをし、

全てを闇に葬ろうとしていたー。


そして、

目黒警視正は、

”その両方”を葬り去ろうとしていたー。

平和と、秩序を守るためー。

モルティングたちをうまく利用し、”自らの手を汚さず”に

警察組織の中の闇を浄化しー、

その上でモルティングたちも葬り去るー。

それが、目黒警視正の目的だったー。


頭の中で情報を整理した

治夫は、戸惑いながらも、すぐに口を開くー。


「警視正は、目的のためなら、多少の犠牲は仕方ないー、と

 そうお考えなのですか?」

雨の中、治夫は鋭い視線を目黒警視正に投げかけるー。


目黒警視正は、”あえて”モルティングたちを泳がせているー。

そのせいで、人を皮にする凶悪犯たちの”犠牲”になった一般人が

数多く存在するー。

治夫が勤務していた交番の先輩たちもそうー

治夫がかつて助けた女子高生・由愛もそうー。

目黒警視正が、全力でモルティングを叩き潰そうとしていればー

あの人たちは、犠牲にならなくて済んだのかもしれないー


「--ええ。その通りです」

目黒警視正の言葉に、治夫は不満をあらわにしたー。


”警察の闇を全て葬り去るため”に、

モルティングを野放しにすれば、必ず犠牲者は出るー。

既に、多くの犠牲者が出ているー。


そのことも許せなかったし、


”警察内部の闇”である、西園寺警察庁長官らを

”死なせる”ことで、処理しようとしている目黒警視正のやり方も

気に入らなかったー


「西園寺警察庁長官ー…

 警察内の闇の部分は、全て消えてなくなってしまえばいいー

 警視正は、そうお考えなのですか?」

治夫が言うと、

目黒警視正はほほ笑んだー。


「--ええ。彼らのような人間は

 ザンネンながら死んで頂くしかないでしょう」


その言葉は、穏やかだったがー

とても、残酷だったー。


「--警視正…!あなたには、人の心というものがー」

治夫がそう言いかけると、

雨の中、目黒警視正は呟いたー。


「--治夫くんー

 現実は”0”か”100”か、ではありません」


淡々とした口調ー


「--”50”か”100”かー。

 それが、この世の中ですー。

 犠牲を”0”にすることなんて、できないー。」


恐ろしくも、冷たくー

そして、穏やかな言葉ー。


「----分かってます…でも…!」

治夫が目黒警視正の方を見つめるー


”人を皮にする凶悪犯”も

”警察内部の闇”も、どちらも野放しにしておくことはできない存在ー


そして、「0」の犠牲で、その二つを処理することは

現実的ではないー


それは、治夫にも分かっているー


目黒警視正のやり方は

”最小限の犠牲は仕方がない”というやり方であり、

”数値”だけ考えるのであれば、合理的だったー。


「---あなたと私の目的は、同じはずですー。

 モルティングと警察の闇ー

 その2つと、戦っているはずー」


目黒警視正の言葉に、治夫は「俺だって、両方止めたいと思ってますよ」

と、呟くー。


けれどー


「--俺はーーー

 俺のやり方でー

 モルティングもー、西園寺警察庁長官らもー

 止めてみせますー」


治夫は、目黒警視正の方をまっすぐと見つめたー。


「--相変わらず、青臭い正義感ですね」

目黒警視正は、呆れたように笑ったー

ただー

その笑みは、どこか安心した様子でもあったー。


「-俺は、俺の信じた道を、進みますー」

治夫の言葉に、目黒警視正は「いいでしょう」と頷くー


「-私は先ほどの車の爆発で、死んだことになってますー

 せっかくの機会です。しばらく”死んだこと”にしておいてくださいー

 あなたとは、これで連絡をー」

目黒警視正が、治夫にスマホを手渡すー


「----分かりました」

治夫は頷くー


目黒警視正のやり方は気に入らないし、

”正解”だとは思えないー。

けれども、モルティングと警察の闇を止めようとしているのは、同じー。


少なくとも、目黒警視正は”直接的な敵”ではないー。


「--ところで、”奴らの黒幕”と、あなたは会ったはずですー。

 私も全てを話したのですから、教えてくれても良いのではないですか」


目黒警視正の言葉に、治夫は少し考えたあとに頷きー、

モルティングらの黒幕が、”中学時代の恩師である泉谷聖一”であることを

伝えたー


「なるほど」

目黒警視正は少しだけ微笑んだー。


「---私はこれから、身を隠しながら、

 モルティングと、西園寺らの動向を見定めますー


 …治夫くん、あなたは?」


治夫は、雨の中、墓場から立ち去ろうとしながら

目黒警視正の方を振り返ったー


「--俺は…モルティングたちも、警察庁長官も、止めてみせますー」


そう言いながら、治夫は明日、

ギャル風の同僚”三枝 真綾”から話を聞こうとしていたー。


西園寺警察庁長官が放った潜入捜査官で、

治夫に”剛”を差し向けて命を奪おうとした彼女からー

話を聞かなくてはならないー。


「--わかりました。私にできることがあれば、

 いつでも力を貸しますー」

目黒警視正は、いつものように終始敬語で言い放つー。


治夫は、彼女の亜香里のことを相談したー。


”おそらく、どこにいても狙われる可能性がある”


亜香里の身を守るには、治夫一人では、限界があるし、

どこか遠くに避難させても、やはり黒崎らに狙われる可能性もあるー。


亜香里の件を相談すると、

目黒警視正はすぐに、”私直属の刑事を警備に当たらせます”

約束してくれたー


「---私はあなたには期待しています」

目黒警視正は最後にそう言うと、そのまま治夫の前から姿を消したー。


「-------」

治夫は、家に戻ると、

「もう大丈夫だから」と、

家で一人、心配そうに待機していた彼女の亜香里に

優しい言葉を投げかけたー。


”亜香里は、絶対に守るー”


そしてー

奴らをー

必ず追い詰めて見せるー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


”お話があります”

先にモルティング対策本部にやってきていた

三枝真綾は、治夫からのメッセージを見て、

ため息をついたー


目黒警視正の言う通り、

真綾は、警察庁長官が送りこんだ潜入捜査官で、

”目黒警視正や、その部下たちが、西園寺長官にとって

 不利なことをしようとした際には、秘密裏に処理するよう”

命じられているー。


「--あの子に、ばれたのかな…」

”ギャルの振る舞い”も、潜入捜査の一環ー

”無害で馬鹿そうな女”を演じて

周囲を油断させていたのだー。


真綾は少し考えたあとに、

”話ってなに~?うん、いいよ!ハルくんが来るのを待ってるね!”

と、治夫に返事を返したー。


「---」


「--三枝さん。暗い顔してるけど、何かあったのか?」

対策班メンバーの一人、好青年風の堂林幸成が、背後から声をかけて来たー。


「あ、、ユッキー!う、、うん!だ、大丈夫大丈夫」

真綾は表情を引きつらせながら言うと、

幸成はさわやかな笑みを浮かべて、「ならよかった!」と、

笑みを浮かべたー。


「--あ、わたし、ちょっと一回退出するから、

 あとはよろしくね!」

真綾が言うと、幸成は「-どうぞごゆっくり」と、穏やかな

笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


真綾が対策本部の廊下を歩くー。


治夫をどうするべきかー。

”剛”を差し向けたのに、治夫が生き延びてしまうとは予想外だったー。

西園寺警察庁長官からは、治夫を始末するように言われているー。


このあと、治夫を始末するしか、道はーーー


「---あなたはー」


「--!?」

背後から、声がしたー


真綾が振り返るとー

そこには、黒い喪服の女が立っていたー。


「-ーあなたは”自分が今日死ぬ”可能性を

 想像したことはある?」


”人を皮にする凶悪犯の一人”中曽根佳純ー。


「--中曽根!」

真綾が、有無を言わさず、回し蹴りを佳純の顔面に食らわせようとするー


しかしー

佳純はそれを手で押さえたー


「あらあら…見た目によらず乱暴な小娘ねー」

佳純は、真綾の手を掴み、顔を近くに引き寄せると、

静かに囁いたー


「--そんなんじゃ、お嫁さんにいけなくなっちゃうわね…♡」

とー。


「--ー!」

真綾は、有無を言わさず、格闘術で佳純を制圧しようとするー。


しかし、佳純は「本当に乱暴な子ー」と、笑いながら

真綾から離れるー。


「--中曽根佳純ー」

モルティング対策班本部の通路で、真綾は呟くー


「--なぜ、あんたがここにいるのー?」

とー。


「--さぁ、何故かしら?」

喪服を揺らしながら、佳純が笑うー。


「---」

真綾が、警戒心をあらわにしながら身構えるー


「---安心なさいー。

 死ぬのは一瞬ー

 死んだら、生まれる前に、戻る、だけー」


無気味に微笑む中曽根佳純ー。

真綾が表情を歪めたその直後ー

背後から、ドッ、と衝撃を感じて、真綾はそのまま気を失ったー


「--くへへへへへ」

背後から現れたのはニヤリと笑うOLー。

モルティングの一人で、連続痴漢・ストーカーの罪に問われている

春山正義が、真綾を麻酔で眠らせたのだったー。


「--ーそのギャルちゃんを、例の場所に運びなさい」

中曽根佳純が、春山にそう指示をすると、

OLの皮を着ている春山は、真綾の両胸をわしづかみにしながら、

運び出していくー。


「----ふふふふ」

中曽根佳純は、その光景を見ながら、静かに微笑んだー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


20分後ー


「おはようございます」

治夫が対策本部にやって来るー。


対策本部メンバーが普段集まるオフィスには、

堂林幸成の姿しかないー


「--あれ?三枝さんは?」

治夫が言うと、幸成は「さぁ?さっきまでいたけど」と、

穏やかに答えたー。


治夫は、

”逃げたのか?”と思いながら本部内を探すー。


しかし、三枝真綾の姿は見当たらずー

連絡もつかない状況になってしまっていたー


「-----」

治夫は、イヤな予感を感じながら、スマホを静かに握りしめたー。



㉓へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


今回は説明が長くなってしまいました~!

(物語の進行上、時々そういうことも…!)


次回以降は、いよいよ人を皮にする凶悪犯たちとの

激闘も激化していきます~!

終盤戦もぜひ(まだ最終回は先ですケド)、

お楽しみくださいネ~!


今日もありがとうございました~!

(Fanbox)


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